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美しささえ感じるフランソワ=グザヴィエ・ロト指揮/レ・シエクルの マーラー 交響詩『巨人』[ハンブルク1893-94 ワイマール稿] 交響曲 第1番 (旧稿)


Mahler : Titan Eine Tondichtung in Symphonieform
(Hamburg / Weimar 1893-94 version)
マーラー1番の旧稿と言うと、第一稿(ブタペスト稿)は残っていないので第二稿になりますね。とは言え知っている事はコンサート等で付記される■"花の章"がある二部五楽章構成、■交響曲ではなく「交響曲様式による交響詩 (独語は上記)」になっている事、■各楽章に表題がある、という位の認識しかありません。実際には1889年初演後、二回演奏機会があった第二稿は1893年のハンブルク(稿)と1894年のヴァイマール(稿)でも違いがあるそうです。
その後1896年の第三稿(ベルリン稿→マーラー協会全集版)が現在の標準で、全ての表題と第二楽章"花の章"が削除され四楽章の「交響曲 第一番」となった訳ですね。(なぜかCD等には"巨人, Titan"が記されますがw)

このブログではマーラーの5, 6, 9番を中心にインプレをしていますが、第1番はあまり聴きません。第二稿と言われて頭に浮かぶのはマーラーではお馴染みのウィン・モリス盤くらいですね。

今回はフランソワ=グザヴィエ・ロト(Francois-Xavier Roth)の指揮で、レ・シエクル(Les Siecls)という事で入手してみました。







第一部:青春の日々から】
第一楽章 終わりなき春
序奏カッコウの動機は余韻を持たせ、本稿ではhrになるファンファーレは抑えながら響きがいいですね。第一主題は透明感強く、第二主題は寄り添う様に現れます。ちなみに本稿では提示部反復はありません。展開部は透明感のある暗さから、遠くから聞こえるhrで明るさが呼び起こされ緩やかに晴れ渡ります。黒雲の様な山場から再現部(コーダ)では落ち着きながら華やかです。

第二楽章 花の章
主部はスローに緩やかに変奏を沈めて、中間部の哀愁感は弱めですね。主部の再現では明るい色付けをしますが、やっぱり"花の章"は中途半端な感が拭えない気がします。

第三楽章 帆をいっぱいに張って
第三稿ではその表記が削除されたスケルツォですね。スケルツォ主題は明瞭に、転調変奏はディナーミクを効かせます。中間部はレントラーというよりも甘美なメヌエット風に感じますね。ラストは豪華絢爛風です。


第二部:人間喜劇】
第四楽章 座礁して
お馴染み"グーチョキパーで何作ろう"短調ver.の主要主題はpよりもppからのクレシェンドに感じますね。暗さほどほどで透明感と明瞭さです。obパートも表情変化は薄めです。中間部も変化は薄めに美しさを奏でます。主部回帰はもっとメリハリがあっても良い気がしますね。

第五楽章 地獄から楽園へ
第一主題は伸びよく明瞭に、中間部(トリオ)の様な第二主題はスローなvnの流れが生きています。展開部では激しさを鳴りの良さで表現しますが途中で息切れ風に感じますね。再現部も表情変化の多さがあるので鳴りの良さは感じますがスローパートがフラットです。va動機からは刺激の適度なアゴーギクのスパイスが効いてコーダまで良い流れです。この再現部後半が白眉ですね。



全体的に美しい流れが印象的なマーラー1番です。少しフラットに感じてしまうかもしれませんが、鳴りの良い華麗な美しいさが強調されたこのアプローチもありでしょうね。

もう少しアゴーギクを生かしてテンポ変化があったらもっと楽しめたかもしれません。最終楽章再現部後半の流れは力強さもありますね。(そういう曲ではありますが)





テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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