FC2ブログ

ベアト・フラー(Beat Furrer)の「Chamber Music」を聴く


ベアト・フラー
(Beat Furrer, 1954/12/6 - )
このブログではご贔屓のスイス人現代音楽家ですね。ローマン・ハウベンシュトック=ラマティに師事し、現代音楽アンサンブルのクラングフォルム・ウィーン(Klangforum Wien)創設者でもあります。指揮はオトマール・スイトナーに習いマーラーなどもやるそうですから一度聴いてみたいですところですね。(スイトナーもマーラーを録音していますね)
1980年代までの作風はより実験的でラッヘンマンの影響(特殊奏法)が大きいですね。1990年代以降は多様性の流れに乗りますが、それが現在の欧エクスペリメンタリズム現代音楽の主流かもしれません。あとはインスタレーションでしょう。


Return and transformation
Beat Furrer’s chamber music, 1991–2011
実はこのMusiques Suisses盤にはジャケットに具体的なタイトルはありません。ただ海外サイトを見るとなぜか"Chambre Music"となっている事が多いですね。上記はライナーノート(の英文訳)によるものです。
1991年から2011年の作品で年代順に並んでいるので楽風変化も感じれるのが嬉しい一枚になります。フラーの作品は今までもそうですが、KAIROSから出る事が多いのでこのマイナー・レーベルは個人的には初めてです。

演奏は、Trio Catch, ensemble proton bern, 及びそのメンバー。ラストの"ピアノのための練習曲"は現代音楽ヴィルトゥオーゾのニコラス・ハッジス(Nicolas Hodges)ですね。






Aer (1991年)
クラリネット, チェロ, ピアノの三重奏曲です。もろにpf特殊奏法ベースの無調ノイズ系ですね。ラッヘンマンと言われても頷いちゃうかもしれません。ただ反復的な要素がclにはっきりと現れて、三者の関係も存在しています。
流れの基本は静的方向でポリフォニカルな中に互いの音を聞く様な印象を感じますね。


... cold and calm and moving (1992年)
フルート, ハープ, 弦楽三重奏の楽曲です。前曲と一年違いですが、特殊奏法を控えてより静音パートを強調しています。フルートには処々で旋律感のある流れも感じられ、静の中にインパクトを挟む緊張感ある方向性も見え始めます。三度・五度といった機能和声な音もあって、フラーらしさが出て来た感じですね。


Lied (1993年)
ヴァイオリンとピアノの曲です。より調性感の強い流れになっています。それによってエレジー風の印象さえ感じます。静的支配はより強まっていて、静の緊張が張り詰めている感じがします。


auf tönernen füssen (2001年)
"for voice and flute"です。フルートは特殊奏法バリバリです。そこにドイツ語の間をとった語りが入ります。Textは1950年代後半のオーストリアの女性詩人Friederike Mayröckerによるものですが、英訳がないので意味不明です。従ってコメントができません。詩が主体なのですから。


Studie (2011年)
ピアノの為の練習曲です。ちょっと単音点描的でセリエルの流れを感じてしまうかもしれません。音の跳躍も存在しているので余計そう思えるかもしれません。ただ動機と変奏の組み合わせ、もちろん無調ですが、になっているので全く異なるわけですが。
6'ほどですぐに終わってしまい然程面白さは感じられませんが、一つの方向性と言う事でしょうか。



"... cold and calm and moving"が一番面白いですね。そして"Lied"。全体の流れからするとフラーの本流ではないかと思います。

残念ながら、このアルバムでフラーの面白さを感じるのは難しい感じもしますね。



▶️ 現代音楽CD(作曲家別)一覧
▶️ 北欧現代音楽CD(作曲家別)一覧


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





プロフィール

kokoton

by kokoton
.
    




・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




カレンダー
04 | 2019/05 | 06
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
ようこそ
カテゴリ
ありがとう