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オーストリアの女性現代音楽家オルガ・ノイヴィルト(Olga Neuwirth) の『死と乙女 II, Death and the Maiden II』を聴く


オルガ・ノイヴィルト
(Olga Neuwirth, 1968/8/4 - )
以前素晴らしいN.ハッジス(pf)とアルディッティ(SQ)の「Akroate Hadal, Chamber Music」を紹介したオーストリアの女性現代音楽家ですね。以下はその際の紹介文になります。
ウィーンやサンフランシスコで学んでいますが、何と言ってもIRCAMで電子音楽や音響系を学んでいる事でしょう。その際にトリスタン・ミュライユに師事している事を考慮すれば音楽のスタイルは想定できますね。ノーノとの政治的スタンスについてはコメントできませんが。
室内楽を得意としていますが、近年はより大編成化した音楽やオペラ等のステージ音楽にも傾倒してインスタレーション系のアプローチもある様です。


Der Tod und das Mädchen II
Expo2000でドイツ・パビリオンで採用されたザールランド州立劇場による委嘱作で、オーディオテープ作品ですね。バレエ曲ですがTextはオーストリアのエルフリーデ・イェリネク(Elfriede Jelinek)で、ノイヴィルトとはオペラ作品でもコラボしています。
ベースはテープの電子音楽で、ナレーター二人(アンネ・ベンネント Anne Bennent, ハンナ・シグラ Hanna Schygulla)が入ります。Textは"眠れる森の美女"の男(王子)と女(王女)の立ち位置に踏み込んでいて、シューベルトの同名歌曲"死と乙女"の死の意義とはスタンスが少々異なる様ですね。Textは眠っている女性の眠りと目覚めの哲学的解析の独白と、王子の永遠と死の見識になっています。(独語のみライナーノートにあり。パートを拾って翻訳ソフトに入れると、英文解説で言っているおおよその流れはわかりますね)






Part 1-15
全15パート、約52分です。基本は電子音のキーンとしたノイズとvoiceですが、ヴォーカリーズの様な滑舌の悪さや反響も入ります。主となる独語パートに英訳さえないので残念ですが、曲目説明にある様に"眠れる森の美女"の眠り(死)と目覚めと男(王子)に対してクールに語っています。王子の方が斜に構えた語り口の様ですね。こちらも淡々とした表現です。
楽曲としては欧州エクスペリメンタリズムそのもののノイズ系ドローンのサウンドで、語りの時はサウンドが控えめでバレエとしても当然前衛となるのでしょう。後半はポップが顔を出したり笑い声が入ったり前衛弦楽四重奏的な音やネイチャー・サウンドもあったり、とサウンドの存在感が強まり多様性方向を見せていますね。ラスト・パートは音楽だけで終わります。
ただ、どう聴いても語りの内容が重要ですからせめてTextの英訳は欲しかったです。(英文解説で流れはわかりますが)



楽曲としては多様性ノイズ系の欧州前衛現代音楽そのもので楽しめますが、絶対的に歌詞が必要な音楽ですね。少し時間をかけても独語の一部を翻訳してTextの流れを理解しておくのは必須でしょう。(それでライナーノートの英文解説がわかります)

ノイズ系サウンドとTextの融合、それでバレエ曲ですから実際に観てみたいですね。バレエ曲というよりもインスタレーションとして捉えた方がベターなのかもしれませんね。



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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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