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アダム・フィッシャー/デュッセルドルフ交響楽団で聴くマーラー『大地の歌, Das Lied von der Erde』


大地の歌 (Das Lied von der Erde, 1908年)
グスタフ・マーラー (Gustav Mahler, 1860-1911)
『大地の歌』前回は昨年サイモン・ラトル/バイエルン放送響が発売された際に、カラヤンとバーンスタインとの聴き比べでインプレしています。▶️ インプレです。
今回はハンガリー人指揮者アダム・フィッシャー(Ádám Fischer)がデュッセルドルフ交響楽団(Düsseldorf Symphony Orchestra)を振った昨年(2018年)の録音になります。最近は弟のイヴァン・フィッシャーのマーラーも気になりますね。

アルトはアンナ・ラーション(Anna Larsson)、テノールはスチュアート・スケルトン(Stuart Skelton)で、E.ガードナー指揮「グレの歌」でも二人で採用されいます。またS.スケルトンは前回インプレのラトル盤に、ラーションはこのセットのマーラー交響曲第3番でも採用されていて脂ののった二人という事になるでしょうか。

「大地の歌」流れを少々荒っぽく言えば、テノール(男性)が歌う奇数番楽章は盃を重ねる詩、アルト(女性)が歌う偶数番楽章は人の心の詩、最後の第六楽章だけは自然と友を謳う訳ですが、全体として"人は死しても大地は残る"というお話ですね。個別の古い中国の詩の引用ですから、楽章間でストーリー展開がある訳ではありません。


アダム・フィッシャー / デュッセルドルフ交響楽団
[アルト] アンナ・ラーション [テノール] スチュアート・スケルトン




第一楽章「大地の哀愁に寄せる酒の歌」
ペザンテの印象よりも少し調性を怪しくした様な流れを感じますね。スケルトンのテノールも朗々としてはいますが、ネガティヴな印象です。朗々堂々というより陰を感じます。


第二楽章「秋に寂しき者」
陰鬱さを感じるオケとアルトの流れは不可思議な流れの緩徐楽章です。薄く繊細な流れを軸にここでも調性の揺らぎの様な流れを感じますね。再現部では少し明るい光が射します。


第三楽章「青春について」
スケルツォですね。オケもテノールも流れのよさを感じさせてくれます。中間部の陰付けでは一呼吸的です。


第四楽章「美について」
アルトなので当然ですが、落ち着いたトーンで歌うラーションの乙女。それに合わせるオケの主要主題パートは洒脱さです。中間部の馬で駆ける若者との対比は歌曲らしい適度なコントラストで安定的ですね。


第五楽章「春に酔える者」
ここでも流れはクールです。アゴーギクでテンポ変化させたくなる処を落ち着いたタクトでコントロールしています。従って中間部(展開部?)でも変化は少なめで、コントラストが強い流れとは一味違いますね。


第六楽章「告別」
提示部のアルトの伸びとフルートは印象的で流れにモード的な和声さえ感じます。フラットに感じるかもしれませんがラーションの表現力が素晴らしいですね。オケ・パートの展開部ではスローな中に抑えたアゴーギクで陰のある表情を作り、再現部はより提示部回帰的に感じます。ラーションがいいですね



クールな『大地の歌」です。時に調性を薄く感じさせる様な流れも見せながら、アゴーギク・ディナーミク共に抑えて全体的には落ち着いていますね。
スケルトンはヘルデン・テノール風に、ラーションは深みのある表現で素晴らしいですが、曲としてはオケと指揮者の個性が印象的かもしれません。

出し入れが強いパターンがお好きな方も、一度聴いてもらいたい感じですね。





テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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kokoton

by kokoton
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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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