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カティア・ブニアティシヴィリ の『シューベルト:ピアノ作品集』を聴く | "ピアノ・ソナタ第21番 D.960" は, マリア・ジョアン・ピリス, 内田光子 と合わせて


Schubert
Khatia Buniatishvili
2月の来日公演が中止になった、丁寧な断り文がありました、ブニアティシヴィリの新譜で 演奏予定だったピアノ・ソナタ#21がメインですね。若手人気女性ピアニストとしては、アリス=紗良・オットと並び 気になるCDリリースです。とは言え二人共30歳を越えたんですねぇ。(オットはMS:多発性硬化症を発症しているで7月の来日予定も気になります)
今やシューベルトは守備範囲外ですが、ブニアティシヴィリのタッチが生きそうですよね。(個人的には彼女のハードタッチな楽曲は…ですw)






ピアノ・ソナタ 第21番 変ロ長調 D.960
第一楽章第一主題から第二主題、アゴーギクを使っていますがいずれも柔らかくエモーショナルな印象が強いですね。提示部後半から展開部での転調もpfタッチはソフトで、アゴーギクとディナーミクを振っていても優しさは崩れません。
第二楽章は超スローが特徴的です。包む様な優しさのタッチがいかにもブニアティシヴィリですね。
第三楽章は一気に快速テンポアップで内田さんに近い構成ですが、中間部も含めて軽快感を強く感じさせて前楽章とのコントラストを付けています。
第四楽章も処々でアゴーギクとディナーミクを強く振っていますが優しさを感じさせる流れですね。


マリア・ジョアン・ピリス (2011 rec.)
昨年引退を表明したピリスですが、全楽章を通して見晴らしの良い流れを作っています。特にスローな表現に傾倒する事もなくアゴーギクを控えてディナーミクの情感が強めですね。この3人の中では最も明瞭で古典的印象でしょう。

内田光子 (1997 rec.)
第一楽章第一主題から弱音で緩やかに、第二主題もその後の転調パートも抑えた音色で構成します。前半二楽章の静暗スローの流れを第三楽章スケルツォで一気に速い流れに切り替えて来ます。ただ表情的には薄めな印象をキープしていますね。アゴーギクを振っていますが静音重視でディナーミクでの感情は抑え気味、クールな演奏ですね。


4つの即興曲 Op.90 D.899
ディナーミクの振りが大きく感じますが 軸足は弱音のソフトタッチにあり、そこから聴こえるエモーショナルな流れは変わりません。即興曲でもD.899はD.935よりも各主題や動機の旋律が美しいので、特に第一・三曲はマッチしている感じですね。


セレナード S.560 リスト編
最もブニアティシヴィリらしさが光る緩徐曲です。これを最後に置いたのもこのアルバムの良さでしょうね。このタッチが好めなければブニアティシヴィリは合わないという事かもしれません。




ブニアティシヴィリのファンのためのシューベルトですね。良くも悪しくもピアノ・ソナタ第21番の第二楽章が極みでしょう。その優しさとエモーショナルさは際立ちます。この曲はピリスの明瞭さ、内田さんのクールさ、三者三様で楽しめます。

全体としては以前よりもディナーミクの振り幅が大きくなっている気がしますが、いかがでしょうか。

やっぱりブニアティシヴィリは「マザーランド」をベストとして優しさ・エモーショナルな響きが好きですね。その背景をNHK「マザーランド・ライブ / 森の中のピアノ・コンサート」で知ると更にその演奏の意図がわかる気がしましたね。





テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ノルウェーの現代音楽家 ヨン・オイヴィン・ ネス(Jon Øivind Ness) の『Low Jive』を聴く


ヨン・オイヴィン・ ネス
(Jon Oivind Ness, 1968/3/30 - )
ノルウェー国立音楽アカデミーで学び、複調多調から始まり四分音符から微分音の方向を持っていますね。楽曲は米・欧でも取り上げられています。個人的には気になる多様性の楽風の北欧現代音楽家ですね。


Low Jive
各楽曲は英米のロックや時事的出来事をモチーフにして、ポップ・ミュージック文化との接点から作られたアルバムになっている様です。楽曲を直接的に"引用"したりはしていません。ポップも含む多様性の現代音楽の楽しさがJ.O.ネスですから本領発揮でしょう。

オケはオスロ・フィルハーモニック管弦楽団です。






Violin Concerto, "Mad Cap Tootling" (2003年)
  ヴァイオリン協奏曲 "マッド・キャップ・トゥートリング"
タイトルはイラク侵攻を先導した米大統領を揶揄したものだそうです。vnは好きなヴァイオリニストの一人、ペーテル・ヘレスタール(ヘルスタールとも, Peter Herresthal)です。
ヘレスタールの細く切れそうな先鋭なvnの音色が静的空間を切り裂き、背景にはノイズと単音の連続音が現れます。背景音は楽器数を増して、vnは無調旋律を技巧的に奏し、ポリフォニカルな空間となりますね。もちろんネスらしくホモフォニー的な連携感も存在してきます。強音の展開もあって変化は大きく、聴きごたえ十分な構成ですね。


Cello Concerto, "Wet Blubber Soup" (2002年)
  チェロ協奏曲 "ウェット・ブラバー・スープ"
タイトルはロックグループ"10cc"のメンバーが結成したグループ名をもじったそうですが全然わかりませんw
初めから総演奏的な流れですが、オケの音色が米管弦楽曲的な明確ドンシャンで ちょっと新古典主義的な印象になりますね。無調のvcがその上を走り回る感じです。今の時代のクラシック音楽でしょうか。vcはオイスタイン・ビルケラン(Oystein Birkeland)です。


Gust (2005年) 突風
ダブルベースとヴィオラのDuo曲で、自然と文化のDialogueだそうです。
静的空間に音が現れるネスらしい入りです。低いうねりの様なDBを背景にvaが無調旋律を出現させます。進むに連れ両者の絡みが強くなって行くのはネスらしいさでしょう。ラストはノイズです。
幽玄なアンビエントやドローンに一味追加した良い流れを感じます。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?


Low Jive (2007年) ロウ・ジャイヴ
タイトルはイギリスのパンク・グループの楽曲の歌詞の一部だそうです。
二曲目の様な調性軸足の管弦楽で、明確な主題・動機はありません。前衛ではないでしょうが、かと言ってマニエリスムでもないでしょう。そう言ったスタンスです。流れは若干のポップさでシャイニングですw



まさに現在の多様性現代音楽ですね。調性感を残しながら無調を生かして、ポリフォニーとホモフォニーを使い分け、ノイズ等の技巧も凝らしています。よりポップなスタンスを作っていたらまた面白さが出るかもしれませんね。

ヘレスタールのvnの音色はやっぱり好きですね。おすすめの(北欧系)現代音楽です



 ▶️ 現代音楽CD(作曲家別)一覧
 ▶️ 北欧現代音楽CD(作曲家別)一覧


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2019年3月22日ライアン・ウィッグルスワース/フィンランド放送交響楽団「マーラー 交響曲 第5番」«ネット配信»


ライアン・ウィッグルスワース Ryan Wigglesworth
(フィンランド放送交響楽団, Finnish Radio Symphony Orchestra)
フィンランド放送響は現在"Mahler x 10"と銘打って創設以来初めてのマーラー・チクルスを進めています。その一環の第5番で、フィンランド国営放送のデジタルサービス(yle Klassinen Radio)でオンライン映像付き放送中ですね。

▶️ こちら (カレンダーから演奏日2019-3/22を)

英国人現代音楽で指揮者のウィッグルスワースがフィンランド放送響(首席指揮者:ハンヌ・リントゥ)を振ったマーラー5です。残念ながらCDではないので「マーラー第5番聴き比べ:175CD」にはアップしません。




マーラー 交響曲 第5番
(2019-3/22 at Helsinki Music Centre)
MahlerNo5-Wigglesworth-FinnishRSO.jpg


第一部
葬送行進曲はスロー静に、第一トリオも基調はスローで極端な変化は付けませんね。第二トリオは静的な哀愁から適度な盛上げです。第二楽章第一主題はシャキッと切れ味があり、第二主題はスローで緩やかです。展開部は静音の第二主題が印象的で第一部を象徴している感じです。再現部は山場をクールに締めてフィニッシュします。通してアゴーギクのないスローがベースですね。

第二部
スケルツォ主題は軽やかに、レントラー主題は優美に少し揺らぎを入れています。第三主題は情感深く流れに変化を付けていますね。展開部で流れを速めて、再現部はHr部隊の音が気になりますが 極端な盛上げを避けてテンポをキープした流れですね。コーダは抜かりなく締めています。

第三部
アダージェットは冷たい流れから情感を強め、中間部は揺さぶりが強めで表情変化が大きいですね。第五楽章は第一・第二主題は軽快に絡んで、混乱気味?にコデッタを交えて山場を作ります。再現部山場からコーダは鳴りを効かせてフィニッシュしました。


スロー基調で興奮を回避したクールなマーラー5です。テンポは実際には振ってはいるのですが、テンションが一定で印象的です。興味深いのはアダージェットに揺さぶりがあることでしょうか。

ここでも最後にフラブラがあってコンサートが残念に思えました。





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新国立劇場公演2019年 西村朗 歌劇「紫苑物語」をNHKプレミアムシアターで観る


先月世界初演したばかりの西村朗さんの現代音楽オペラ「紫苑物語」ですね。早くもNHKプレミアムシアター登場で驚きです。


(オフィシャル・サイトよりゲネプロ映像です)


【超あらすじ】
平安時代。歌の名家に生まれた国司の宗頼は歌を捨て弓道の奥義を求め、第一の矢[知の矢]と第二の矢[殺の矢]を会得します。宗頼は人を射り、娶ったうつろ姫は宗頼の家来と通じる、欲望野望が渦巻く世界です。一方、山中では宗頼の対極の世界で仏師・平太が岩に仏を掘っています。
宗頼は狐の妖術を得て第三の矢[魔の矢]を手中にし、平太の仏の顔に三つの矢を放ちます。その時岩山が崩れ炎に包まれて、宗頼の世界は終わりを告げます。



演出
笈田ヨシさんの演出は動きが大きく、表現も明確で観る者に想像の余地を残しませんね。エロティックや血塗られたシーンは今の時代らしくそう言った表現になっています。残念ながら、個人的にはですが、前衛性は低いです。
二つ(宗頼と平太)の世界が"魔の矢"で滅びる最後はこの流れでは唐突ですね。それが原作の本質なのですが…

舞台・衣装
舞台は豪華絢爛的、衣装は和的で現代風。映像や大鏡を使い、ライティングも色彩を生かしながら暗い背景に浮かぶ様な使い方でした。いずれもマッチしていて素晴らしいですね。

配役
先ずは女性陣。うつろ姫の清水さんが素晴らしかったですね。役のグロテスクさを歌唱・演技・表情共に見事に惹きつけてくれました。千草の臼木さんは狐の霊ですから設定的にもっと幽玄さが欲しい気がしましたが、コロラトゥーラご苦労様でした。(コロラトゥーラはうつろ姫の方が合っていた様なw)
男性陣では、宗頼の髙田さんですが表情も歌いも最後まで肩肘張った感じでしたね。野望を持って策略を巡らせる藤内(村上さん)は、海外オペラの様な憎々しさの設定自体が弱かったです。

音楽
楽曲は無調現代音楽ですが、反復や旋律を残して流れに則した楽風でメリハリが強いです。そして山場シーンで使われる重唱が多用されて、歌いも全体が濃いですね。歌い方も一部で無調旋律よりもシュプレッヒゲザングを感じたのは日本語だったからでしょうか。
新国立劇場の芸術監督を務める大野さんが作品作りにも大きく参画しているので、演奏も濃厚な色合いを強調しています。


日本の現代音楽オペラというと、"熱唱アリアはない"・"多重唱はない"・"抑揚はない"といった流れで心理描写を描く事が多く、それが日本的素晴らしさを作り出していた気がします。
しかし、ここでは全てに肩の力が入っています。曲・演技・歌唱・歌詞、みんな派手で陳列説明的、表現重視で悲しみや憎しみ ハラハラ・ドキドキといった情感に薄く思えました。舞台・衣装、そしてうつろ姫の清水さんが派手さを上手く楽しませてくれたのは何よりでした。

個人的にはより前衛で幽玄深遠な作品を期待していましたが、新しい試みには拍手ですね。

気になったのはNHKが準備した舞台裏です。作品は出来上がったものが全てで、制作サイドの御大方の思い入れは遠慮したいものです。どんな作品もそれを見せられると恐縮してしまいます。


<原作> 石川 淳
<台本> 佐々木 幹郎
<演出> 笈田 ヨシ
<美術> トム・シェンク
<衣装> リチャード・ハドソン
<照明> ルッツ・デッペ
<振付> 前田 清実

<出演>
 ・宗頼:髙田 智宏
 ・平太:松平 敬
 ・うつろ姫:清水 華澄
 ・千草:臼木 あい
 ・藤内:村上 敏明
 ・弓麻呂:河野 克典
 ・父:小山 陽二郎

<合唱> 新国立劇場合唱団
<合唱指揮> 三澤 洋史
<管弦楽> 東京都交響楽団
<指揮> 大野 和士


収録:2019年2月20日 新国立劇場 オペラパレス

テーマ : クラシック
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2019年3月24日 カンブルラン常任指揮者最終日 読響『ベルリオーズ:幻想交響曲・他』at 東京芸術劇場


今日はシルヴァン・カンブルランの最終日、桜も咲いた晴天の東京・池袋まで行ってきました。


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(カーテンコール後の撮影許可がありました)


今やまずコンサート機会以外では聴かないベートーヴェンなので『ピアノ協奏曲第3番』はポリーニ/アバド/BPOで予習して来ました。
『幻想交響曲』マエストロ曰く "何か新しい事を" と。10年前の読響客演は行っていませんし、残念ながらそのCDも未所有です。(耳タコの一曲ですが、CDなら最近はミュンシュ/パリ管の様なドンシャン演奏よりも、デュトワ/モントリオール管の様な繊細さと切れ味が好きですね。M.T.T./S.F.響よりもさらにクールで、ピリオドのインマゼールほど穏やかでもありません。コンサートだとメリハリが盛り上がりますが...)





歌劇「ベアトリスとベネディクト」序曲
エクトル・ベルリオーズ (Hector Berlioz, 1803-1869)

キョロキョロと表情を変える小曲ですね。緩やか和やかな印象で、まとまりは良いのですが今日の幕開けにしてはテンション低めの感じでしたね。


ピアノ協奏曲 第3番 ハ短調 Op. 37
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン (Ludwig van Beethoven, 1770-1827)

まずはピアノのピエール=ロラン・エマール(Pierre-Laurent Aimard)ですが、ソフトな音色でアゴーギクの表情付けでした。
第一楽章は第一主題をスマートに、第二主題は古典優美は避けたゆったりとした流れでした。pfカデンツァではヴィルトゥオーゾらしさを見せてくれましたね。
第二楽章はpfの主題のスロー優美な音色と中間部の落差は小さく、コントラストがやや低い眠い流れを感じてしむいました。
第三楽章主要主題はpfとオケがマイルドに絡み合い、中間部でも表情変化は少なめでしたね。後半のトゥッティからパッセージ そしてコーダの見せ場も肩肘張らずにナチュラルにフィニッシュしました。
もっとメリハリを付けて来るかと思いましたが、柔らかいバランス感の前半でした。



幻想交響曲 Op. 14
エクトル・ベルリオーズ

見事なラスト二楽章と言っていいでしょうね。
「IV. 断頭台への行進」処刑場への行進曲は管楽器の鳴りと弦楽のマッチが良くカラフル華やかでした。最後断ち切られるイデー・フィクス前後の激しさもビシッと締まりました。(首が転がる音が聴こえないのは不思議でしたが)
「V. サバトの夜の夢」前半の魔女の宴では出し入れ強く、"怒りの日"は管弦打楽器一体でホールに響き渡りました。後半はまさに怒涛迫力の色彩音でフィニッシュまで駆け抜けました。
最終日ならではの一体感と盛上がりはやっぱりスペシャル、素晴らしい演奏になりました!!



前半は抑えめで心配しましたが、後半「幻想交響曲」は最終日のパワーが炸裂してコンサートならではの情熱と一体感の素晴らしい演奏になりました。ありがとう、シルヴァン!!でしたね。

読響も管楽器が特に華やかに鳴って曲を盛り立ててくれました。


アンコール
エマールがクルタークを持って来るのは予想していました。現代音楽を得意とする彼の旧知の間柄ですからね。(無調静的でオーディエンスは白けた様でしたが…)
カンブルランの方はこちらですw








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2019年3月19日 シルヴァン・カンブルラン『果てなき音楽の旅』w/ ピエール=ロラン・エマール, 読響 at 紀尾井ホール

読響常任指揮者最後の月にカンブルラン自ら選んだ現代音楽アンサンブル作品、場所も紀尾井ホールとうってつけです。

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音響系からスペクトル楽派に至る前衛の流れを並べましたね。前半はカラフルな音が交錯する音響系、後半は現在の空間音響系に直接的に繋がっていく二曲です。(という事で少々古い年代のチョイスではありますが)

 ▶️「このブログでいう現代音楽」に流れを載せてあります。





オクタンドル, Octandre (1923年)
エドガー・ヴァレーズ (Edgard Varèse, 1883-1965)

前衛前夜、ストラヴィンスキーを感じる3パートの小曲(for フルート, クラリネット, オーボエ, バスーン, トランペット, トロンボーン, ダブルベース)で、打楽器が無くヴァレーズらしからぬ楽曲ですね。しかしカンブルランはヴァレーズの煌びやかな反復旋律構成をカラフルに仕立てました。特に管楽器トゥッティでの色彩感溢れる音色は見事で、ホールに響き渡りましたね。
P.ブーレーズ盤(Sony)よりもやや速めで、華やか明快な展開でした。次のメシアンとのつながりの良さも感じました。




7つの俳諧, Sept haïkaï (1962年)
オリヴィエ・メシアン (Olivier Messiaen, 1908-1992)
I.導入部 - II.奈良公園と石燈籠 - III.山中湖-カデンツァ - IV.雅楽 - V.宮島と海中の鳥居 - VI.軽井沢の鳥たち - VII.コーダ

セリエル的な点描とメシアン和声がカラフルな楽曲ですね。III.ではピエール=ロラン・エマール(Pierre-Laurent Aimard)の鳴りの良いpfカデンツァと、アンサンブルの鳥の声のポリフォニーの煌びやかさ、二つの対比が素晴らしかったですね。もう一つのメインVI.はpfとアンサンブルが共にポリフォニカルに絡み、美しい混沌を作りました。
ヴァレーズもそうでしたが、強音パートでの煌びやかな色彩が、ここでも光りましたね。
エマールのpfもこの曲としては主張が明確でアンサンブルとのコントラストを作ってくれたと思います。




4つの小品, Quattro Pezzi (1959年)
ジャチント・シェルシ (Giacinto Scelsi, 1905-1988)

シェルシは弟子のヴィエーリ・トサッティ(Vieri Tosatti)と共同制作で、一音の響きを倍音解析するこの代表曲を作りました。後の"スペクトル楽派"の源流とされますね。
一つの音を色々な楽器で共鳴させる様な楽曲で、旋律(音形?)はありません。グリッサンドによる微分音やトリル・トレモロを組み込んでいます。パートが進むごとに音の重なりと音量が増し、第4パートでは発生する倍音のうねりがホール空間に響き渡りました。
まさに今の時代の空間音響系の原点を味わえましたね。素晴らしい演奏でした。




「音響空間」から“パルシエル”, Les espaces acoustiques: Partiels (1975年)
ジェラール・グリゼー (Gérard Grisey, 1946-1998)

上記シェルシとローマで出会い、スペクトル解析倍音を元にした"スペクトル楽派"の流れをトリスタン・ミュライユと共に作りました。「音響空間」は基音Eの倍音構成で、今回のパート3.パルシエルは18人編成ですね。(▶️ 楽曲構成のインプレへ)
 シェルシ「4つの小品」との違いは微分音を弦楽器の旋律に載せている事、リズムを付ける事でしょう。とは言え、ともすると類型に陥りかねません。カンブルランはここで表現を倍音押出しから、繊細な旋律(or音形?)に軸足を変えました。これでシェルシの進化系という事が伝わりましたね。
そしてエンターテイメントはラスト3'の消え入るノイズに仕込まれていました。楽器をケースにしまう音、スコアの最終ページに貼られたトレース紙を弄る音、カンブルランは赤いタオルで汗を拭きます。ラストはスポットライトがシンバルを構える打楽器奏者に当たりそのまま真っ暗に。そこでpppで打たれて終わりました。
完全にやられましたね。曲の聴かせ方だけでなく、演出も一工夫で本当に楽しませてもらいました。




先ずはキーとなるシェルシの「4つの小品」を生で聴けたのが嬉しかったですね。グリゼーと並べて聴く事で、時代の先端性を強く感じる事が出来ました。

カンブルランが好きそうな?!色彩感ある4曲と見事な演出で素晴らしかったですね。

欧州では前衛現代音楽の指揮者として実績が大きいので、最後にそのカンブルランの顔を見られました。このコンサートに来られて本当に良かったです


オーディエンスは現代音楽好きが多かったので、もちろんスタンディング・オベーション。アンサンブルメンバーも足を踏み鳴らし、起立を拒否して拍手をカンブルランに譲るお馴染みの様子がありました。メンバーがステージから去っても拍手は止まず、カンブルランの再登場。素晴らしいコンサートには付き物ですが、いよいよラストだなぁという気配も感じましたね。



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2019年3月14日 カンブルラン/読響の シェーンベルク『グレの歌』at サントリーホール

いよいよシルヴァン・カンブルランの読売日本交響楽団"常任指揮者"最後の月になりました。ラストの3月24日まで毎週(計3回)カンブルランのコンサートに行く予定です。

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アルノルト・シェーンベルクの大曲歌曲『グレの歌』ですね。レコード時代から大好きな曲で、事前に13CDの聴き比べもして準備万端で楽しみにしていました。ぜひそちらもご笑覧下さい。

  ▶️ 『グレの歌 13CD聴き比べ:名盤・おすすめは





ヴァルデマル王 (ロバート・ディーン・スミス, Robert Dean Smith)
序奏下降音階からの"迫り来る黄昏"は愛を優しく歌い、"馬よ!" ではヘルデンテノールの伸びやかなハイトーンを見事に聴かせてくれました。第二部・三部の神に対峙する厳しさは怒りよりも堂々と、聴かせ処 "トーヴェの声で…" は感情が溢れましたね。ヴァルデマルに適役でした。

トーヴェ (レイチェル・ニコルズ, Rachel Nicholls)
"星は歓びの…" のワルツの様な美しさ、ヴァルデマルの "馬よ!" からの流れはこの曲最高の見せ場になりましたね。"あなたは私に愛の…" では優しさを伸びやかに歌って、トーヴェらしさが光りました

山鳩 (クラウディア・マーンケ, Claudia Mahnke)
トーヴェの死の悲しみと怒りを、残念ながら朗々と歌いました。できれば絞り出すような無念さが欲しかったです。

農夫 (ディートリヒ・ヘンシェル, Dietrich Henschel)
少々肩に力の入ったバス・バリトン、"Da fährt's…" は強音オケにかき消されましたね。後半のキリストへの祈りでも力みを感じて、少し好みとは違いましたね。

クラウス (ユルゲン・ザッヒャー, Jürgen Sacher)
適度な道化感で伸びやかに王の様子を語りましたね。テノールの活き活きとした表現がピッタリでした。

語り手 (→ "農夫"と二役)
シュプレッヒゲザング弱めで力み気味。でも中盤の"夏の夢"からは緩やかに、表情豊かにうたいました。

合唱団 (新国立劇場合唱団)
一眼見た時に少ない⁈って思った印象が尾を引いて、パワー不足を感じました。怒涛の声量が欲しかったのは欲が深すぎでしょうか。
(舞台背面のP席を埋め尽くす合唱団と勝手に想像していたので…)


演奏と流れ
第一部は序奏を暖色の優しさ、"馬よ!" で聴かせる激しさは色彩感強く見事に決まりました。不要な揺さぶりを排し、暖かい優しさとカラフルな強音でしたね。
第二部は入り混じる各テーマを表情を付け、山場 "ヴァルデマルの絶望" を力強く鳴らしました。
(ここで休憩でした。普通は第一部との間が多いのですが)
第三部は、もうちょっとパワープレイでも良かった様な。「夏風の荒々しき狩」序奏のまとまりが不足気味なのも気になりましたね。とは言え色彩感あるオケはカンブルランでした。



揺さぶりや強音勝負は無く、派手さは抑えたカンブルランのグレでしたね。とは言え第一部 "馬よ!" から "星は歓びの…" の素晴らしさは格別で、ヴァルデマル / トーヴェ / カンブルラン三者の真髄だったと思います。

歌手陣ではヴァルデマルのディーン・スミスが出色でした。トーヴェのニコルズ、クラウスのザッヒャーも素晴らしかったですね。

最後にオケが退席し照明が点灯してもかなりの人が残って拍手は鳴り止まず、カンブルランが現れてスタンディングオベーションになりました。



今年は『グレの歌』のコンサート当たり年ですね。この後4月に大野/都響、そして10月にノット/東響とメンツも揃いました。楽しみです。

ちなみに個人的最大の聴き処は第三部#4「トーヴェの声で森はささやき」ラスト、亡霊になってなおヴァルデマルがトーヴェを慕う "Tove, Tove, Waldemar sehnt sich nach dir! "です。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

マドリード・レアル劇場2017年 ブリテンの歌劇「ビリー・バッド」をNHKプレミアムシアターで観る

2017年のマドリード・レアル劇場公演(Teatro Real, スペイン)から、ベンジャミン・ブリテン(Benjamin Britten, 1913-1976)のオペラ「ビリー・バッド(Billy Budd)」(全2幕) ですね。


TeatroReal2017-Billy-Budd.jpg
(写真はオフィシャルサイトからお借りしました)


この作品を観るのは初めてです。ブリテンを得意とするイギリス女性演出家デボラ・ウォーナー、男性だけのオペラ、さてどうなるでしょうか。(演出でウォーナーというと、キース・ウォーナー[Keith Warner]が浮かんでしまいますね)

【超あらすじ】
英海軍船での話で、時代は18世紀末のフランス革命が起きた英仏戦争です。仏海軍との戦いで船員不足を補うために商船から3人を強制徴兵します。その内の一人ビリー・バッドは志ある美青年でしたが、緊張すると吃音*するクセがありました。先任衛兵長のクラガートはビリー・バッドを妬み、陥れる為に水兵暴動の首謀者だと艦長ヴィアに注進します。バッドを信じるヴィアは釈明を求めますが、興奮したバッドは吃音して説明が出来ずクラガートを殺害してしまいます。軍法会議で死刑判決が下り、バッドは運命を受け入れ処刑されます。最後に口にした言葉に、後年ヴィアは救済を得る事になります。

 *吃り(どもり)ですが、差別用語かもしれません。



演出
舞台を大きく一つにして無機的な印象つけるのはデボラ・ウォーナーらしい演出ですよね。ストーリー展開になるとメリハリが弱く、原作ストーリーを超えるモノを演出する事が出来なかった様に感じました。男性ばかりの戦艦の中という特殊な閉鎖空間での確執表現も薄く、残念ながらブリテンの曲調と合わせて魅力がわかりませんでした

舞台・衣装
舞台は船の上という設定で照明は暗め。衣装も軍服以外は、半裸の男の品評会の様で着衣は単純なアースカラーです。全体的に無彩色の舞台です。汗臭さは演出で伝わったかもしれませんw

配役
ストーリーと音楽、演出的見せ場が不明瞭なので、個々の配役の印象も薄いです。演技表現も抑え気味で、配役が誰であろうと難しかったのでは、という気がしました。
あえて言えば、クラガート役のブラインドリー・シェラットの憎々しさを抑えた表現がブリテンの曲調に合っていている感じでした。(それがコントラストの低いこのオペラを象徴していたかもしれませんが)

音楽
ブリテンの微妙な調性感とフラットな流れ そして舞台、演奏で助ける事は出来なかったですね。



男ばかりの配役、ブリテンの音楽、現代的シンプル舞台、表情の薄いデボラ・ウォーナー演出、全ての方向がフラットなネガティブ印象でした。もっと極端にドロドロか、前衛演出の方が面白かったかもしれませんね。

いずれにしろ問題は感性の低い聴き手側にあるわけですが…m(_ _)m



<出 演>
 ・ビリー・バッド:ジャック・インブライロ [Jacques Imbrailo]
 ・ヴィア(艦長):トビー・スペンス [Toby Spence]
 ・クラガート(先任衛兵長):ブラインドリー・シェラット [Brindley Sherratt]
 ・レッドバーン(副艦長):トーマス・オリーマンズ [Thomas Oliemans]
 ・フリント(航海長):デイヴィッド・ソアー [David Soar]
 ・ラトクリフ(海尉):トーベン・ユルゲンス [Torben Jürgens]

<合 唱> マドリード・レアル劇場合唱団, マドリード州立児童合唱団
<管弦楽> マドリード・レアル劇場管弦楽団
<指 揮> アイヴァー・ボルトン [Ivor Bolton]
<演 出> デボラ・ウォーナー [Deborah Warner]


収録:2017年2月9・12・22日 マドリード・レアル劇場(スペイン)

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

オイスタイン・ボーズヴィーク(Øystein Baadsvik) の plays Tuba Concertos by Baadsvik・Ness・Lindberg を聴く


Øystein Baadsvik plays Tuba Concertos by Baadsvik・Ness・Lindberg
ノルウェーのチューバ奏者オイスタイン・ボーズヴィーク(Oystein Baadsvik, ボーツヴィックとも)をフィーチャーした北欧系のチューバ協奏曲集です。以前「Prelude, Fnugg & Riffs」をインプレしていますが、少々消化不良気味だったと記憶しています。(本人の楽曲のみ面白かったですが)
今回はどうでしょうか。

 ▶️ 北欧現代音楽CD(作曲家別)一覧

オケはクリスティアン・リンドベルイ指揮、ノルウェー・アークティック・フィルハーモニー管弦楽団(Arctic Philharmonic Orchestra)になります。







オイスタイン・ボーズヴィーク
(Øystein Baadsvik, 1966/8/14 - )
ノルウェーのチューバ・ソリストとして知られていますが、作曲者としては殆ど話が出てきません。所有の中でも自分の演奏アルバムの中に書いている程度です。

チューバ協奏曲 (2012年)
 前回紹介の本人作曲の代表曲"Fnugg Blue"は面白く、そのチューバ奏法 "Lip Beat" は知られるところですが、今回はそういった楽しみにはなりませんでしたね。
 パッと聴くと印象はマニエリスム的な調性の音楽です。メリハリがはっきりとして動機(主題?)も明確に楽器間で共有されています。特殊奏法や無調の様な前衛性はなく、チューバもヴィルトゥオーゾ的超絶技巧を見せるわけでもなく、全体平凡な演奏に感じてしまいます。あえて言えば第三楽章にジャズ的なモードを取り入れているくらいでしょうか、冒険的ではありませんが。チューバのコンチェルトは珍しいですから、コンサートなら受けるかもしれませんね。




ヨン・オイヴィン・ ネス
(Jon Øivind Ness, 1968/3/30 - )
ノルウェーの現代音楽家でノルウェー国立音楽アカデミーで学び、複調多調から始まり四分音符から微分音の方向を持っていますね。楽曲は米・欧でも取り上げられています。個人的には気になる北欧現代音楽家の一人ですね。

悪魔収穫機, Bogey Thresher (2011年)
 タイトルから刺激的です。暗い印象の根暗な曲で、反復の重低音が続く中にチューバや管楽器の咆哮が入ります。もちろん無調で微分音の奇妙な音色で勝負してきます。得意の"Lip Beat"も入り、表情変化も目まぐるしいですね。構成は調性的展開も含む反復・変奏ベースで、その基本旋律とテンポを変化させます。
特殊奏法ノイズや即興的混沌は無く、流れは存在しますから奇妙な小気味の良さも感じられますね。ポスト・ミニマル的要素も見せ、今の時代の多様性の現代音楽です。




クリスティアン・リンドベルイ
(Christian Lindberg, 1958/2/15 - )
スウェーデンのスーパー・トロンボーニストにして現代音楽家、そして指揮者としても活躍中ですね。このブログではご贔屓の一人で、演奏者も指揮者でも来日公演に行っています。今回は指揮者&現代音楽家として登場ですね。

恋するパンダ, Panda in Love (2007-2010年)
1.Panda Searching for Something He Cannot Find - 2.Lion Cub - 3.Panda in Love - 4.Panda in Protest, Goes to Tiananmen Square - 5.Speech of the Panda - 6.Panda Climbing up the Hill... into a World of Freedom
 6パートの協奏曲で子ライオンも登場するパンダの標題音楽です。そういう構成をイメージして聴くとチューバの活躍が楽しめます。楽風は機能和声寄りなので違和感はないでしょう。ストーリー性が明確にあるのは、リンドベルイ本人がトロンボーンで演奏しても成立する様に作っているからかもしれません。三曲の中ではチューバの演奏テクも聴かせ処を作っていて、遊び心が曲に生きた楽しさを味わえますね。




今回は、ボーズヴィーク本人作品以外が面白いです。(笑)
前衛の多様性ネス、標題音楽の楽しさリンドベルイ、二つが味わえますね。ただ、特にチューバである必要性が薄い感じはしますが。(例えばリンドベルイのトロンボーンの方が…w)

前回のアルバムよりも楽しめます。一度ボーズヴィークの圧倒するチューバ超絶技巧を聴いてみたいものですね。





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アイスランドの現代音楽《RECURRENCE》管弦楽集:ヨンスドッティル/ヴィルマーソン/シグフスドッティル/ビャルナソン/ソルヴァルドスドッティル


RECURRENCE
Iceland Symphony Orchestra
アルバムのクレジット名はアイスランド交響楽団になっていて "ISO project vol. 1" とありますね。指揮者ダニエル・ビャルナソン本人作品を含めた近年注目度の上がるアイスランドの現代音楽家5人の管弦楽集になります。

 ▶️ 北欧現代音楽CD(作曲家別)一覧

【余談】アイスランド人は名前で男女がわかります。---ソン(son, 息子)なら男性、---ドッティル(dóttir, 娘)なら女性です。







スリドゥル・ヨンスドッティル
(Thurídur Jónsdóttir, 1967 - )
レイキャビク音楽大学でフルートと作曲を習った女性現代音楽家です。その後ボローニャ音楽院でエレクトロニクスを習得していますね。

Flow and Fusion
 旋律感の低いロングトーン多声と鍵盤打楽器(マリンバ)の様な連打が少し入ります。エレクトロニクス的な響きもありますが、楽器の音なのか判別できません。フラットではなくディナーミクがあり、空間音響系だと思います。アンビエント系になるのかも?! そんな感じです。




フリヌール・アジルス・ヴィルマーソン
(Hlynur Aðils Vilmarsson, 1976/8/2 - )
レイキャビク音楽大学で作曲を、コーパヴォグル音楽学校でエレクトロニクスを学んでいます。B.ファーニホウにも師事していて、電子工学に明るいそうです。

BD
 BAは博士号のことでしょうか。こちらも旋律感の低いロングトーン多声音響ですが、旋律を挟み込んできます。短旋律反復でノイズ的、それが対位法的に絡み、特殊奏法のポリフォニーそしてホモフォニーへと変化します。即興的混沌には陥らず、奇妙なリズム感の表情でちょっと面白い感じです。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?




マリア・フルド・マルカン・シグフスドッティル
(María Huld Markan Sigfúsdóttir, 1980/9/29 - )
作曲の博士号をアイスランド芸術アカデミーで取得した女性現代音楽家です。イギリスでも学んでいますね。

Aequora
 ストレッチした音が多声で共鳴する音響空間を作り、そこに静的な旋律が薄く浮かびクレシェンドしてピークを作ります。音色は静的透明感ですが、ディナーミクでの表情付けがありますね。




ダニエル・ビャルナソン
(Daníel Bjarnason, 1979/2/26 - )
レイキャビクで学び、指揮者と現代音楽家で活躍中ですね。

Emergence
 空間音響系で3パートに分かれています。神経質な雰囲気が漂うパート1、連打音が背景に置かれてドローンが被るパート2、静的空間色が全体クレシェンドするパート3。
他の楽曲に比べると反復旋律が耳に付きますね。その意味ではポスト・ミニマルの指向性があるのかもしれません。




アンナ・ソルヴァルドスドッティル
(Anna Thorvaldsdottir, 1977/7/11 - )
アイスランドを代表する女性現代音楽家で、このブログでもご贔屓の一人です。その独特の楽風は魅力的ですね。紹介は割愛です。

Dreaming
 紹介済みの楽曲ですね。(聴き比べはしませんw)
ベースとなるのは旋律感の低いノイズ系のドロドロとした蠢めく様な低い地鳴り、ドローンや響に近いでしょう。それがソルヴァルドスドッティルですね。そこに不安な色合いの旋律やクラスター的強音が現れます。ラストは弦楽器の特殊奏法だけのパートで面白いです。




アイスランド空間音響系の楽曲集で、北極圏の360°広がる上空を耳で感じる様な印象です。いわゆるドローンと違って細かな音色や変化による色付けがしっかりあるのが特徴的ですね。

旋律性は低く、響きで空間を満たす世界です。この手の現代音楽を聴いてみたい方にはおすすめですね。





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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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