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ジョヴァンニ・ソッリマ(Giovanni Sollima)の「Aquilarco」「Aquilarco, live in New York」を聴く


ジョヴァンニ・ソッリマ
(Giovanni Sollima, 1962/10/24 - )
イタリア人現代音楽家・チェリストでシュツットガルトやザルツブルクでも学んでいます。楽風はポスト・ミニマルで、基本は反復と変奏です。特徴的なのは民族音楽和声を感じる事とポップなクロスオーバー交える事でしょう。そういった意味からも欧州エクスペリメンタリズム前衛現代音楽ではなく、むしろ米現代音楽に近いスタンスと言えるかもしれません。
チェリストとしても立って弾いたり歩いたりと、パフォーマンスやインスタレーションに近いスタイルですね。個人的ご贔屓の現代音楽家&チェリストです。


Aquilarco (1997-1998年, Live 1999年)
アキラルコ
electric-ギター・ベースを含むチェロ主役のアンサンブル作品で、9パートのタイトル曲と他3曲で一つの作品になっています。タイトルの"Aquilarco"は"aquilone(凧)" and "arco(弓を使った弦楽奏)"の合成語で、本人曰く「空中を飛んだり旅したり、鳥やダヴィンチの飛行マシーンをイメージして、それをチェロのボウイングで凧の様に表現したい」そうです。今回はLive盤も合わせて聴いてみましょう。


GiovanniSollima-Aquilarco.jpg


タイトル曲以外3曲には語り(voice:Robert Wilson)が入り、Textは米詩人で画家のクリストファー・ノウルズ(Christopher Knowles)によるものです。内容は単純な文ですがアヴァンギャルドで意味不明、"nonsense"で組まれたとありますね。
楽曲が米現代音楽風と書きましたが、エグゼクティヴ・プロデューサーにフィリップ・グラスが名を連ね、ミキシングもLiveもニューヨーク。メンバーには本ブログおすすめの米Bang On A Can All-Starsからリサ・ムーア(Lisa Moore)がkeymoardsで入っている(#1, #3)のも興味深いです。

楽曲は以下
1.Aquilarco #1 (Prelude) - 2.Aquilarco #2 (Hintone's Drawings) - 3.Aquilarco #3 (Ornithomanteia) - 4.Aquilarco #4 (Aquiolastro) - 5.Aquilarco #5 (Leonardo's Ornithopterus) - 6.Aquilarco #6 (Spinning Top Prelude) - 7.Aquilarco #7 (Rotating Dance) - 8.Aquilarco #8 (Aria) - 9.Aquilarco #9 (Rotating Dance) - 10.Loof And Let Dine - 11.Di Di - 12.Give You Up
(Liveでは"10.Loof And Let Dine"が#5の後に、"11.Di Di"が#7の後に、"12.Give You Up"が#8の後に入ります)




 
(右がLive盤です)


ベースをポスト・ミニマルとしたソッリマの楽風全貌を感じられますね。ベーシック的室内楽(2,3,7,8,9)、チェロ技巧曲(1)、ポップ系(5,9)、ミニマル(12)そしてアヴァンギャルド(4,6,11)。スローからハイテンポまで、楽器編成を変えながら様々な表情で楽しませてくれます。ロバート・ウィルソンの語り口も合っていますね。

好きなのは#1の技巧チェロ、#4の唸る様なボウイング、#6の浮遊感、#7の美しい調べ、11.Di DiのTextと語りと音楽の絶妙マッチ、ですね。特に11.Di DiのTextはチェロの技巧曲としても聴きどころがあって面白いです。
イタリアの香りする美しい調べ、例えば#2や#7など、はジャン・フランチェスコ・マリピエロの弦楽四重奏曲を思い浮かべます。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?

Live盤では先鋭化してキレキレ、演奏を楽しむならばこちらがおすすめですね。#1はチェロの技巧とelec-bassのコントラストが強烈です。美しい室内楽#2,7なども感情のこもった音色が響いて素晴らしいですね。Textがある3曲が途中に挟まれるのも全体構成からすると合っている気がします。



オリジナル(スタジオ録音)盤ではP.グラスがプロデューサーに入っているからか、全体の流れはその手の美しいミニマル楽風に整えられた感じがします。米市場ターゲット的な臭いですね。Live盤ではチェリスト:ソッリマの本来の姿を聴くことができるでしょうし、米現代室内楽的な楽器編成が生き生きとしています。

■スタジオ録音盤は上質なBGMとしてとてもおすすめです。■Live盤は感情移入があって演奏を楽しむなら断然こちらですね。



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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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