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クールで洒脱なBGM:エレーヌ・グリモー(Hélène Grimaud) の『メモリー Memory』を聴く


エレーヌ・グリモー
(Hélène Grimaud, 1969/11/7 - )
グリモーも今年で50歳になるんですねぇ。前回のアルバム『Water』と同じ様なジャケットを見ると髪を切ってショートにしてさすがに老けたかな。っていうくらいお馴染みの米在住フランス人ピアニストですね。
全集物やその他もあるのですが今ひとつスタイルがわかりづらいというのが個人的印象です。レパートリーがドイツやロシアの大物作曲家というのもあるかもしれません。(ピアノ曲は敬遠気味w)


メモリー
サティにドビュッシー、Waterに続きグリモーらしからぬエモーショナルな曲を並べて来たアルバムです。ピアノソロはこの手の楽曲の方が人気が出るからでしょうか?!w 11月来日公演予定で、もちろん本アルバムのレパートリー(+ラフマニノフも入れてますね、やっぱり)ですね。

アリス=紗良・オットが先日リリースした『ナイトフォール Nightfall』と曲が被ります。印象の違いは最後にインプレしておきましょう。両方ともDGなのでツアーも合わせて販売路線w






シルヴェストロフ:バガテル第1番, 第2番
両曲ともに透明感のある抑揚を殺した静&スローです。曲の持っている穏やかで澄んだ旋律が生きていて素晴らしいですね。


ドビュッシー:アラベスク第1番, レントより遅く, 月の光, 夢想
緩やかなアゴーギクがかかったアラベスクは明るく明瞭さが強いですね。"レントより遅く"と"夢想"はさらにディナーミクも付けて表情があります。"月の光"は美しさとエモーショナルさを緩いアゴーギクとディナーミクで強調して甘美です。


サティ:グノシエンヌ第1番, 第4番, ジムノペディ第1番, 冷たい小品/2.ゆがんだ踊り第1,2曲
グノシエンヌは冷たい音色と緩いアゴーギクのマッチが良く繊細なサティらしさが出ていましたね。ジムノペディではより表情を抑えて実にクールで好きですね。


ショパン:ノクターン第19番, マズルカ第13番(作品17の4), ワルツ第3番
ショパンの選曲は技巧パート強調がない事でしたね。ノクターンとワルツはディナーミクを他の曲より強めに付けて感情表現を入れていました。マズルカでは冷めた流れにディナーミクの波を挟んでいましたね。


ニティン・ソーニー:ブリージング・ライト
Waterの時とは違い普通のピアノ曲で、一番強いタッチの表現でした。



作曲家毎に揺さぶり具合が違うのが興味深いです。ディナーミクやアゴーギクを抑えたシルヴェストロフとサティのクールな情感表現は素晴らしかったですね。ショパンやドビュッシーあたりの色付けが本来のグリモーかもしれませんが、いずれ部屋で静かにかける洒脱なBGMとしてはクールな一枚でおすすめです。

透明感あるピアノの音色は良いのですが、エコーがかかった様な残響音が少し気になります。(ペダリングではありませんね)




《アリス=紗良・オットNightfallと重なる四曲*の印象の違い》
*サティ (グノシエンヌ#1, ジムノペディ#1)、ドビュッシー (夢想、月の光)
オットは揺さぶりを抑えスローで静、淡々としたクールな表現でした。グリモーもクールですが、澄んだ音色の中にアゴーギクとディナーミクを入れて表情を付けていますね。
アルバムとしてはオットNightfallには強音パートで知られるラヴェル"夜のガスパール"が入っているので全曲エモーショナルではありません。






テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

2018年9月28日 カンブルラン/読響 の『ラヴェル/ラ・ヴァルス』at サントリーホール

久しぶりに晴れた東京、残りの任期半年となったカンブルラン(w/読響)を楽しみに六本木まで行ってきました。


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今回はカンブルランが得意とする、このブログでもメインの、近現代音楽が中心ですね。
 ⬇️
♬ 現代音楽CD(作曲家別)一覧

前半はポーランド近現代音楽家二人の代表曲、後半はカンブルランが初演した現代音楽と興奮のワルツ "ラ・ヴァルス"という組合せ。素晴らしい配曲で炸裂的な音楽が並びました。





広島の犠牲者に捧げる哀歌
クシシュトフ・ペンデレツキ (Krzysztof Penderecki, 1933 - )

繊細なクラスター混沌と刺激的な特殊奏法の主題、それをカンブルランは殺伐とした風景の中を流れる乾いた風と、怪物の唸りと息遣いの様な対比で見せてくれましたね。
ペンデレツキ初期作品なので前衛性が高くて良かったです。



ヴァイオリン協奏曲 第1番 Op. 35
カロル・シマノフスキ (Karol Szymanowski, 1882 - 1937)

5CD聴き比べもしている好きな曲。シマノフスキは好きな作曲家の一人、ピアノ曲も含めて陰鬱幽玄が好みです。
元気なオケにブリブリ言わせるvnでは全く方向性が逆でした。パート毎の印象も不要でしょう。
アンコールもこれ見よがし、シマノフスキの後にそれは無いかと、個人的には。諏訪内さんの名前を見た時から推測はしていましたが残念でした。



静物, Natures Mortes
ゲオルク・ハース (Georg Friedrich Haas, 1953 - )

ハースらしい分厚いオケサウンド、モノフォニー的な無調単純動機、執拗なミニマル的反復といった派手な鳴り物です。空間を占拠する様な響きと轟には陶酔的煌めきがありました。そしてコーダは興奮から静へ。煌めきこそがカンブルランでしょう!
ハースの30分近くあるポストミニマル的陶酔サウンドが生で聴けたのは嬉しかったですね。普段のコンサートでは難しでしょう。




ラ・ヴァルス
モーリス・ラヴェル (Maurice Ravel, 1875 - 1937)

序奏は蠢くコントラバスにワルツの断面を乗せて期待値を上げました。緩やかな第一ワルツから優美な第二ワルツ、そして優雅な第三ワルツ、そこには大きくリズムを揺らした流れがありました。
激しい打楽器で色添えしてワルツを変形させ狂気を覗かせましたね。そしてリズムが狂い始める中後半からはまさにカンブルランの思うリズム感が溢れて、ラストは激しく乱れる音に錯乱的な美しさがありました。
CDではクリュイタンスのギクシャク感よりも激しさ美しさのデュトワが好きなのですが、カンブルランはラヴェルが変形させたワルツをグロテスクなまでにデフォルメさせた強烈濃厚なラ・ヴァルスを聴かせてくれましたね。




今日は後半二曲の陶酔郷の様な演奏が素晴らしかったですね。特にラ・ヴァルスの捻じ曲がったかの様な狂気のワルツは強烈。初めて聴く新しいラ・ヴァルスでした

カンブルランが任期最後になって入れた特別演奏会《果てなき音楽の旅》(2019-3/19)も現代音楽四曲(ヴァレーズ、メシアン、シェルシ、グリゼー)の素晴らしい選曲なので楽しみです。日本ではそうは行きませんでしたが、欧州ではカンブルランは現代曲振りですから。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

Phillips Léandre Parker Saitoh の前衛コントラバス『After You Gone』を聴く


バール・フィリップス
(Barre Phillips, 1934/10/27 - )
四人のベーシストの共同名になってはいますが、当然バール・フィリップスを紹介でしょう。エリック・ドルフィーやアーチー・シェップらと共演している米ジャズベーシストですね。この時点でフリー・ジャズとわかると思いますが、ヨーロッパでも活躍して即興前衛音楽(ジャンルを超越した)にも加担していますね。

フリー・ジャズと前衛現代音楽の接点は個人的にも影響は大きく、学生時代にフリー・ジャズから現代音楽に舵を切った自分としてはお馴染みの世界観かもしれません。当時はオーネット・コールマン(欧州時代にバールも共演があります)のクロイドンコンサートなんか大好きでしたね。もちろん電化マイルスは別格ですがw



After You Gone
ダブルベース・クァルテットの即興アルバムです。タイトル『居なくなってから』は2002年に亡くなったベーシストのペーター・コヴァルト(Peter Kowald)への追悼ですね。
カナダの現代音楽国際フェスティバル(Festival International De Musique Actuelle)での2003年ライヴで、当初予定のバリー・ガイ(Barry Guy)に代わり同音楽祭出演予定だった斉藤徹さんが入っています。


B.フィリップス以外の三人。(* )紹介はライナノートの記載です。
ジョエル・レアンドル, Joëlle Léandre
 (*欧州クラシック・現代音楽) フランス人女性現代音楽家でベーシスト、即興音楽で知られていますね。

ウィリアム・パーカー, William Parker
 (*アフロアメリカン・フリー・ジャズ) ニューヨークで活躍するベーシスト、作曲家、即興音楽家ですね。

齋藤 徹, Tetsu Saitoh
 (*伝統音楽・タンゴ・即興) ウィキではドイツ語版しかないというベーシストでw、冨樫雅彦さんとの活動あたりから始まっているようです。後年、欧州での活動でセバスチャン・グラムス(Sebastian Gramss)との共演も果たして今の国内外の前衛・即興ベーシストの立ち位置を確立していますね。


以前、現代音楽家でベーシストのセバスチャン・グラムス(Sebastian Gramss)の「THINKING OF ...」を紹介しています。
そこでも斉藤徹さんやレアンドル、そしてフィリップスの共演が聴けますね。2010年代に入って齋藤さんの尽力でS.グラムス(2014)やB.フィリップス(2012)も来日・共演を果たし、一部CD化もされています。







Ant Warps
ギコギコ・ゴリゴリのノイズ系ポリフォニーですね。リコシェなどありますが、特殊奏法は無い様です。時折現れる旋律は無調、全体は小刻みなリズムを感じる流れが作られています。


Passing Threw
神経質なボウイングによる細い音色を絡ませせた曲です。キィー・キューン・キュルルル みたいなw 静空間に細かな蠢きを感じる様です。


Whoop Yer Tal
コル・レーニョや特殊奏法らしき打音を元にピチカートやアルペジオといった単音が主役、そこにボウイングが絡む様相です。流れはもちろんポリフォニー、当たり前?w、で旋律も現れて音圧も上がりますね。レアンドルのvoiceもあり、反復も感じられて一番熱い演奏です


Teebay Deep
低音ロングボウイングを下敷きにして、太い反復が唸ります。どこかに重音共鳴も感じられて、まさにダブル・ベースならではのフリー演奏です。陶酔感があります。ひどく咳き込んでいるのも音楽?!


Bleu Grek
少しジャズ色を感じる和声のアルペジオ、そのポリフォニーです。おしゃべりなインプロヴィゼーションですね。


p.s.-Te Queremos
アンコールはとても美しい旋律が重なる演奏です。これだけはスコアがあるのではないかと思ってしまいます。不協和音を挟む和声の旋律がミニマル風に流れます。スペイン語タイトルからいってもP.コヴァルトを追悼しているのは明らかですね。




無調混沌のポリフォニー、自由自在ダブルベース・インプロヴィゼーションです。フリー・ジャズなのか前衛現代音楽なのか、音からも顔ぶれからもジャンルに意味がないという証明ですね。

六曲それぞれが異なる顔を見せてくれました。こういう音楽は生、小ライヴでもコンサートでも、で味わいたいですねぇ。




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テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

2018年9月24日 ボンクリ 第2回『"Born Creative" Festival 2018』at 東京芸術劇場


日本を代表する若手?現代音楽家 藤倉大さんがDirecterを務める現代音楽の1Dayフェス。池袋まで行ってきました。


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コンサートホールでの「スペシャル・コンサート」は、メシアン、エトヴェシュ、ヴィヴィエ、と言ったこのブログでお馴染みの音楽家が並んでいます。
 ⬇️
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作者不詳/ハナクパチャプ (Hanaq Pachap)
オリヴィエ・メシアン/おお、聖なる饗宴
 (Olivier Messiaen : O Sacrum Convivium)
二曲は連続、ハナクパチャプは合唱団が歌いながら入って来る宗教曲でミサの様です。メシアンもアカペラですが、美しさの中にメシアンらしい和声が響きましたね。


ペーテル・エトヴェシュ/バス・ティンパーノのための「雷鳴」
 (Peter Eötvös : Thunder for one bass timpani)
イサオ・ナカムラさんに献呈されていて、エトヴェシュらしい強音を生かしたバスティンパニのソロです。技巧とあらゆる音色を出して面白かったですね。


アルヴィン・ルシエ/Sizzles
 (Alvin Lucier : Sizzles)
オルガンの超低音がパーカッションを共振させて音を出す。一種のチャンスオペレーションで、タイコの皮が周波数共振で振動してその上の豆が踊るんですね。四つのパーカッションに人が付いて豆が跳ねると手をあげるというパフォーマンスもありました。


クロード・ヴィヴィエ/神々の島
 (Claude Vivier : Pulau Dewata)
演奏者(アンサンブル・ノマド)が使用楽器を選択出来るという偶然性?のミニマルorポストミニマルですね。トイピアノやバンジョー、ガムラン等が使われた13人編成で、東南アジアと中近東を合わせた様な民族音楽和声ミニマルでした。


大友良英/新曲
 (Yoshihide Otomo : tbc)
「あまちゃん」でお馴染みのターンテーブルも操るマルチ・ミュージシャンですが、多様性のバリバリ現代音楽です。
弦楽器の美しい機能和声の動機に管楽器が反復リズムで絡み、そこから混沌ポリフォニーが現れます。この展開は心地いいですね。演奏はノマドにナカムラさんの14人編成です。ご本人、多分、の指揮も一興でした。


坂本龍一/Cantus Omnibus Unus とそのライブ・リミックス
 (Ryuichi Sakamoto : “Cantus Ominibus Unis” and Live Remix by Jan Bang, Erik Honore, Eivind Aarset, Nils Petter Molvaer and Dai)
まずはオリジナルのアカペラ合唱曲ですが、美しい教会音楽の様でした。今回の藤倉選択はそんな感じ。

続く本日期待の同曲ライヴ・リミックス、注目の北欧(ノルウェー)勢アイヴィン・オールセット(g), エレクトロニクスのヤン・バングとエリック・オレノの二人が入ります。今北欧の前衛・即興・フリージャズは最先端の気配ですからね。
ドローンアンビエントですね。主役はちょっとマイルスを思わせるtp(ニルス・ペッター)でしたね。そこに合唱のエレクトロニクスが顔を出し、藤倉さんのシンセが色を付け、ギターがよくわからないw ギターは弾きませんね。右手は常に何かをコントロールしていました。音色もノイズなのかドローンなのか。興味は尽きません。


藤倉大/チェロ協奏曲 [アンサンブル・ヴァージョン/日本初演]
 (Dai Fujikura : Cello Concerto (Ensemble version / Japan Premiere)
今回のvc演奏者であるカティンカ・クラインを前提に書かれた超絶技巧曲。でも繊細でその中に美しさがあるのは藤倉さんの楽曲でしょう。もちろん無調で調性的動機もありません。vcの音色も細く澄んだトーンに終始、素晴らしかったです。アンサンブルも含め特殊奏法が用いられていないのも曲に合っていると感じました。






1Day"音楽祭"というくらいですから、メインのコンサート以外でも東京芸術劇場内の各スペースで現代音楽の出し物がありました。


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諸々都合で今の先端北欧前衛即興 "プンクト"「ノルウェーの部屋」が見られなかったのは残念無念!! とは言え、オールタイムフリーの「電子音楽の部屋」では"アクースモニアム"を使ったエレクトロニクスが、ポリフォニー混沌のフリーサウンドやアンビエントの多様な音をコラージュのごとく流して音の空間に浸れました。(小さな男の子が1人踊ってましたね)
中継ヴィジョンではルシエの電子空間音響が描く"I am sitting in a room"を日本語ver.で。ライヴエレクトロニクス(と言うかハウリング増幅⁈)空間の音世界をレクチャーしながら作っているシーンが流れます。
アトリウムのライヴでは黒田さんの前衛&ライヴエレクトロニクス尺八やイサオ・ナカムラさんのパーカッションの音色が鳴り響く。(黒田さんの一曲目、藤倉大さんの「korokoro」は響きが不思議だったので偶然お隣にいた藤倉さんにエレクトロニクスを使っているか伺った処、空間の音響のみとの事でした)

煌めく音楽のブロックが散らばっていて、なんとも楽しい音空間になっていましたね



音や空間、前衛といった現代音楽の世界を気楽に楽しめる初めてのスペースでした。こんな風に新しい音楽に接する事が出来ると先端音楽も身近に感じられますね。

フリースペースの出し物を増やして自由度を上げたらもっと楽しいかも。今回の大友さんとかも、その方がもっとピッタリくる気がしました。

また来年もやって欲しいですよね。でも、もっとオーディエンスがいてもいいよね〜ぇ、って感じでした。来年は皆んなで行こう‼︎




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

カレヴィ・アホ(Kalevi Aho) の「Wind Quintets 1 & 2」を聴く


カレヴィ・アホ
(Kalevi Aho, 1949/3/9 - )
現代北欧を代表するフィンランドの現代音楽家ですね。楽風は欧前衛ではなく調性を基本にした新古典主義から多様性方向にスタンスを置いた現代音楽になりますね。調性感は薄いですが動機(旋律)は存在して混沌ポリフォニーにはなりません。
気がつけばK.アホのアルバムのインプレも10CDを越しました。

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Wind Quintets 1 & 2
K.アホは交響曲でも管楽器のソロを取り入れてコンチェルト風にする事が多いですね。管楽器を使った曲に楽しさがあるのですが、今回の"管楽五重奏曲"はどうでしょうか。
演奏はBerlin Philharmonic Wind Quintetになります。






Wind Quintet No. 1 (2006年)
 I. Agitato – Cantando, II. Vivace, leggiero – Allegro marcato, III. Marziale, pesante – Furioso – Tempo I, IV. Andante, con tristezza
陰鬱的な音色の第一楽章、ヴィヴァーチェらしい細かいメロディーの第二楽章、不協和音的な主題が民族音楽的な第三楽章、ゆったりとした鳴りの第四楽章、いずれも不協和音を挟んだ動機の変装と反復、ホモフォニーの協調が印象的です。
強弱のコントラストは低めでフラットですが、中では第三楽章の倍音の様な響が面白いですね。


Wind Quintet No. 2 (2014年)
 I. Ruhig beginnend – Bewegter – Meno mosso…, II. Schnell, wild, III. Ruhig fließend, IV. Lebhaft
ここでも第一楽章は陰鬱さですが動機が明瞭化しています。第二楽章でも動機の調性感とホモフォニー感が強く回帰的な印象ですね。第三楽章は緩徐的美しさで、第四楽章は繊細な調べです。
8年後の作品としては変化が薄い気がしますが動機(旋律)の存在感は強く、陰的な美しさはこちらの方が感じられます。



耳馴染みの良い旋律が無い不協和音構成というだけで、現代のクラシック音楽です。毎回同じ事を書いていますかねw
例によってホモフォニー的協調の下、動機の変奏・反復が主体をなしていますが、後年作の方が機能和声回帰が強く感じられました。陰鬱な空気感は同じです。

ただ全体的にも楽章内的にもフラットさが気になり、何か+αが欲しい気がします。K.アホは大編成楽曲の方が面白いと思いますが、この辺りから現代音楽に入っていくには良いかもしれませんね。




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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

NEOSレーベル『 MUSICA VIVA 15 』で聴く、P.エトヴェシュ / B.A.ツィンマーマン / M.スモルカ


MUSICA VIVA 15
以前紹介したMUSICA VIVAシリーズについてですが再度記しておきますね。
『ムジカ・ヴィヴァ・ミュンヘン (Musica Viva München)』シリーズはCol Legnoレーベルのヴルフ・ヴァインマン(Wulf Weinmann, owner and label manager)が、バイエルン放送局主宰の同音楽祭(設立は1945年Karl Amadeus Hartmann)の音源をリリースしたものです。

基本的には欧州エクスペリメンタリズムで、ダルムシュタットやドナウエッシンゲンと同列の音楽祭でお馴染みの顔ぶれとなります。現代音楽ファンには知られたシリーズでが、その後ヴァインマンが新たに設立したNEOSレーベルに引き継がれて、この"15"がその第一弾だったと思います。

協奏曲的な二曲(+コーラス曲)で、ペーテル・エトヴェシュ指揮 バイエルン放送交響楽団(Symphonieorchester des Bayerischen Rundfunks)の演奏になります。







ペーテル・エトヴェシュ
(Peter Eötvös, 1944年1月2日 - )
指揮者としてもお馴染みのエトヴェシュは今の時代の好きな現代音楽家の一人です。静と烈のコントラスト、特殊奏法とエレクトロニクス、調性も包括する多様性、と今の時代流れの現代音楽でしょう。
このアルバムの指揮も担当していますね。

Cap-ko (2005年)
  Concerto for Acoustic Piano, Keyboard, and Orchestra
二人のpfはPierre-Laurent Aimard (piano), Paul Jeukendrup (electric piano)になります。新古典主義からの流れを感じる様なエトヴェシュらしいメリハリ、ポリフォニーは時にホモフォニーの様に絡みます。pfも強鍵点描的に打たれてクラスターのオケと対峙します。強烈な音の出し入れがエトヴェシュの世界ですね。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?




ベルント・アロイス・ツィンマーマン
(Bernd Alois Zimmermann, 1918/3/20 - 1970/8/10)
少々古い現代音楽家として個人的に大好きな一人で、年代別の楽風変化等は既にインプレ済みですね。→ こちら

Konzert Für Violine Und Grosses Orchester (1950年)
 ヴァイオリンはマルティン・ムメルター(Martin Mumelter)で、頭から陰鬱で繊細でキレのある音色を響かせます。音量的にオケにやや被りぎみなのはmixingの問題でしょう。曲は民族音楽的旋律を織り交ぜながら派手なオケで飾り立てられています。調性的な旋律は時に対位的でまさにB.A.ツィンマーマンの初期終盤、新古典主義からセリエルへ足を踏み出す時期の作品ならではですね。

過去の同曲インプレ(vn:ハンス・マイレ、アレクサンダー・サンダーcond. ベルリン放送交響楽団のCD)と比べると、陰影は強くvnの音色も研ぎ澄まされていているのでより好みですね。




マルティン・スモルカ
(Martin Smolka, 1959/8/11 - )
プラハ生まれチェコの現代音楽家で、本国ではオペラ"Nagano"が有名です。ヴェーベルンやミニマル、米実験音楽の影響を受け、micro-intervals が特徴と言われていますね。楽風は調性回帰的です。

Walden, the Distiller of Celestial Dews (2000年)
  Five Pieces for Mixed Chorus and Percussion
2000年のドナウエッシンゲン音楽祭で初演されている、アカペラのコーラス宗教曲的楽曲です。 米の思想家・作家のヘンリー・デイヴィッド・ソロー(Henry David Thoreau)の書"Walden"を元に作られていて、自然を対象としているそうです。歌詞はライナーノートに載っていません。
曲は美しいコーラス作品です。殆ど出番が不明なパーカッションはWolfram Winkelです。



まず三曲目は美しい機能和声の合唱曲なのでインプレには含みません。

時代背景的には離れる二つの作品ですが、単なる無調混沌よりも多様性や新古典派風な流れに共通性を感じる事になりますね。やっぱりB.A.ツィンマーマンが50年ほど生まれるのが早かったと感じてしまいますね。
演奏は総じてエトヴェシュ色が出たでしょうか。本人作品も含めて明確な音の出し入れとコントラスト、特に強音の色付けですね。




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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

来日中のアリス=紗良・オット(Alice Sara Ott) の新譜『ナイトフォール (Nightfall) 』:ドビュッシー, サティ, ラヴェル を聴く


アリス=紗良・オット
(Alice-Sara Ott, 1988/8 - )
人気若手、どこまでを若手というかはありますが、のドイツ人ピアニストですがコンサートで観る限りは華奢な見た目と違ってソフトなソロよりも強鍵なコンチェルト向きだと思っています。

現在来日中で、本アルバム曲をメインにツアーを組んでいますね。


Nightfall
夕暮れ、夜の帳が降りる頃、と言ったタイトルですが、今更のドビュッシーとサティとラヴェルです。それも満を持してか超有名曲ばかりで、なぜ今更?といった疑念が頭を過ぎったりします。"夜のガスパール"以外はソフトタッチな曲ですし…
これだけの曲ですから誰でもイメージを持っていらっしゃると思いますが、私の頭にはドビュッシーはバヴゼ、サティは高橋悠治さん、ラヴェル*(夜のガスパールに関して)はアルゲリッチがいますね。

*ピアノ・ソロ曲に関して言えば何と言ってもアリス・アデールですね。




ドビュッシー : 1) 夢想, 2) ベルガマスク組曲全曲
流れる柔らかいパート、"夢想*"や"月の光*"はクールな優しさです。ベルガマスクの前奏曲・メヌエット・パスピエの様なメリハリがある方がオットらしい表情が生きていますね。スロー緩徐なパートより少しでも鍵盤を走らせる曲の方が彼女らしい気がしますがエモーショナルを排したそれがドビュッシーかと言われると…

サティ : 3) グノシエンヌ第1番*, 4) ジムノペディ第1番*, 5) グノシエンヌ第3番
サティの好みは無機質・無表情です。緩やかなディナーミク、ややスローのオットは良い気配を感じます。ジムノペディはもちろん、情感を抑えたグノシエンヌはなかなかですね。

ラヴェル: 6) 夜のガスパール全曲, 7) 亡き王女のためのパヴァーヌ
"夜ガス"はエモーショナルを殺した硬質な音色です。絞首台はクール、技巧性が売りの"スカルボ"も揺さぶりはありますがまとわりつく情感はありません。"パヴァーヌ"も表情を見せないクールさが悪くありませんね。


オットの主の流れはエモーショナルより表情を抑えた表現になっています。甘美さを避けた繊細さの印象は弱く、硬さを感じてそれがフランス印象派のピアノかと言われると微妙かもしれません。

冷めたクールな美しさ新しいフランス印象派表現ですかね? それなら淡々としたサティかラヴェルの"絞首台"や"パヴァーヌ"がいい感じですね。



【後日記*】
この後 9月にエレーヌ・グリモーが「メモリー」をリリースしましたが、四曲*がダブっています。そちらでオットとの違いもインプレしています。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ウストヴォーリスカヤ(Galina Ustvolskaya) の「Concerto・Octet・Sonata No. 3・Grand Duet」を聴く


ガリーナ・ウストヴォーリスカヤ
(Galina Ustvolskaya, 1919/6/17 - 2006/12/22)
1980年代頃でしょうか、人気を博した事を記憶している旧ソ連・ロシアの女性現代音楽家です。今までに楽風やショスタコーヴィッチとの関係等は紹介済みですね。何と言っても後期の超個性的な等拍モノ(ホモ)フォニーの強烈な音使いです。今の時代の現代音楽、多様性の時代でも十分に通用する感じです。

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Concerto・Octet・Sonata No. 3・Grand Duet
"ピアノ曲集"で、協奏曲、八重奏曲、デュオ、ソロ、ですね。ただ本アルバムは初中期作品なので上記個性的演奏ではなく、セリエル的点描と反復になると思いきや…




Concerto, (1946年) for Piano, String Orchestra and Timpani
  [Orchestra]Chamber Orchestra Of The Leningrad State Philharmonic Society, [Piano]Pavel Serebryakov
乱暴なリズム、強鍵なピアノ、クラスター、一つの動機の変奏と反復の様な流れです。もう一つの緩徐は後期ロマン派の様な美しい流れで、この対比が面白いですね。初期作品ですから点描的ですが機能和声寄りのマッチが面白いです。ラストでショスタコの色合いを少し感じますかね。

Octet, (1949-50年) for 2 Oboes, 4 Violins, Timpani and Piano
  [Oboe]Kh. Chinakov, A. Kosoyan, [Piano]M. Karandashova, [Timpani (Kettle-Drums)]V. Znamensky, [Violin]A. Dukor, F. Soakov, A. Stang, A. Liskovich
モノ的ホモフォニー、等拍のリズム、不気味な音の流れ、時に執拗な反復、ウストヴォーリスカヤの個性は存在していますね。凡百に埋もれない個性を放っていますね。

Sonata No. 3, (1952年) for piano
  [Piano]Oleg Malov
この時代のセリエルらしい不協和音+点描のピアノ・ソロの音楽ですが、途中からクラスターと等拍と反復が支配し始めます。そうなると一気に彼女の世界です。

Grand Duet, (1959年) for Violoncello and Piano
  [Cello]Oleg Stolpner, [Piano]Oleg Malov
中期作品になり個性は全開でスタートです。厳しい反復にクラスター、執拗な等拍、モノ的なホモフォニーの織りなす混沌はまさにウストヴォーリスカヤそのものです。そして不可思議に美しい緩徐パート。これが一番"らしい"でしょう、強烈ですね。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  vcはロストロポーヴィチ!!です。



等拍に刻まれるリズム、モノ的ホモフォニーとクラスター的強音、不気味な和声の反復、それがどの様な編成であっても個性は普遍。それがウストヴォーリスカヤですね。
このアルバムでも個性全開で楽しめます






テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

マーラー 交響曲 第9番 名盤・珍盤 80CDの聴き比べです [#6 / CD71-80]

マーラー第9番も今回(#6)の10枚で80CDまで来ました。全て聴いてインプレするにはまだ時間がかかりそうですが、一枚一枚違って楽しいですね。


【参考】
 ★:名盤 (一般的いわれている…と思う盤)
 ☆:個人的お勧め
 ㊟:とっても変わっています (普通の演奏じゃ満足出来ない貴方にw)

[リスト] 現在#6回 80CD
 #1:10CD
バーンスタイン[x5 ★☆], アバド[x2 ★☆], ラトル[x2 ★], ゲルギエフ
 #2:20CD
カラヤン[x4 ★☆], テンシュテット[x3 ☆], クレンペラー[x3], ノイマン[x3], ベルティーニ[x3 ☆], クーベリック[x2], 井上道義[☆], 小林研一郎
 #3:10CD
インバル[x3], ドゥダメル, サラステ[☆], バルビローリ[☆], ジュリー二, ドラティ[㊟], ムント, 朝比奈隆
 #4:10CD
ラザレフ, ヤンソンス[x2], シャイー[★☆], ジンマン, バルシャイ, W.モリス, シェルヘン[㊟], マデルナ[x2 ☆]
 #5:20CD
ノット[★☆], ハーディング[☆], ギーレン[x2 ㊟], 小澤征爾[x2], シノーポリ[x2 ㊟], ザンデルリング[x4], コンドラシン[x2], ミトロプーロス[x2], サロネン, アルブレヒト[x2 ☆], マズア
 #6:10CD 本投稿です
ショルティ[x2], ロペス=コボス, 金聖響, スラドコフスキー, セーゲルスタム[☆], ゴレンシュタイン, 高関健, 山田一雄, ミュンフン, ネトピル, ノセダ[☆]



ゲオルク・ショルティ, Georg Solti

鳴りの良さとパワーのイメージが強いショルティ(w/シカゴ響)のマーラーですが、9番(正規盤)はロンドン響とシカゴ響の録音を残しています。アクの強さがマーラーに合うかは好みの問題もあるでしょうね。



(#1)
London SO
[DECCA] 1967-4/28-5/11


帯同して来日したこともあるロンドン響とのマーラー9ですね。1967年録音で、当時はこんなにマーラーに人気がなかったと思います。(少なくともSP→LP時代の親父は長い交響曲は嫌いでしたねw)

第一楽章
第一主題は息遣いのごとく表情を見せ、第二主題は葛藤を演ずる様です。その後も表情豊かな展開部で楽しませてくれます。暗雲と嵐、常に"風雲急を告げる"的パワー表現メインですけどw
第二楽章
主要主題はもったいぶった調子でややスロー、第一トリオはテンポを上げて切れ味、第二トリオでも図太さを感じます。とにかく強側のメリハリ、疲れますね。
第三楽章
主要主題はオケの鳴りが全開、副主題(第一トリオ)では多少肩の力を抜きますが気合がすごいです。中間部(第二トリオ)は落としますが背後に力がこもっているのがわかります。ラストは爆走!!
第四楽章
主要主題は太くて濃く、暑いお風呂みたいです。第一・第二エピソードも朗々とした鳴りでスローや閑を排して力感いっぱい。聴き終わったら疲れてぐったり。


太く力漲るマッチョなマーラー9です。個性的ですが狂気というわけではなく暑苦しいだけ?、この曲の哀愁や情感には接点がないので残念です。
スキヤキを濃い割下で肉だけガッツリ早食い口いっぱい、みたいなw 好きな方にはオススメです。(爆) えっ、㊟印付けろ?? ですかねぇ。





(#2)
Chicago SO
[DECCA] 1982-5


ショルティと言えば音楽監督(1969-1991)だったシカゴ響。そのマーラー9ですね。上記15年後の演奏ですが、こちらはどうでしょう。

第一楽章
第一主題・第二楽章ともに抑えが増して静的に澄んだ音色に変化しています。反復から第三主題も適度な激しさを見せてバランスがいいですね。展開部も落ち着いてクセがなくなりお手本的、見晴らしよくなりました。後半スローが気になるのは演奏時間も3'以上長くなったからでしょうか。
第二楽章
全体の流れは似ていますが、少し肩の力が抜けて聴き疲れは弱まりました。第一トリオ以降もスロー気味です。
第三楽章
LSOと同傾向、全開運転です。中間部は少し速くなっている感じです。
第四楽章
通して同じ様な流れですが、少しスロー化して楽になった感じです。それにしても何かが伸し掛る様に強く重いです。ラストの静音はオマケみたい。


力強いマーラー9です。一部は一般化しましたが、いずれにしろ力感。ならばいっその事ロンドン響に一票でしょうか。




ヘスス・ロペス=コボス, Jesús López-Cobos

Cincinnati Symphony Orchestra
[TELARC] 1996-5/5,6


本年(2018年)3月2日に亡くなったスペイン人指揮者ロペス=コボスが首席指揮者(1986-2001)を努めていたシンシナティー響を振ったマーラー9、他には2,3,10番を残していてファンがいますね。

第一楽章
第一主題から第二主題への変化の流れは適度、そこからの反復と第三主題(コデッタ?)も安心して聴けますね。展開部も奇を衒ったパートはなく、標準王道的な落ち着きです。どちらかと言うと穏やかさの印象でしょうか。
第二楽章
主要主題から優美さ、第一トリオも刺激的変化を避けてマイルドに、第二トリオはよりマイルドで少し長く感じます。
第三楽章
主要主題は切れ味よく、副主題も同じ流れ。中間部は色合いは変えますがテンポ変化は少なめです。ラストもパワーはふるいますが刺激は薄いですね。
第四楽章
主要主題の穏やかな広がりの良さは得意とする処でしょう。流れの延長で第一エピソード、第二エピソード共には情感は適度ですが、後半からコーダのターン音型では静的に落としてこの曲らしさを聴かせます。


まとまりの良いマイルドなマーラー9です。抑え気味のアゴーギク・ディナーミクで個性・刺激には欠けるかもしれません。刺激物の苦手な貴方におすすめですw




金 聖響, Seikyo Kim

Kanagawa Philharmonic Orchestra
[Octavia] 2011-5/28


在日韓国人指揮者の金(キム)さんは2009年から2014年まで神奈川フィルハーモニー管弦楽団の常任指揮者を務めました。その時代の録音になります。その後いろいろ問題があったのは残念な事です。

第一楽章
序奏・第一主題は緩やかに、第二主題からは重厚さを見せる教科書的な流れです。反復最後の第三主題にかけてもきっちりと盛り上げています。展開部も陰鬱さとアレグロ・リゾルートからの激しさと良いコントラストで堂々本流ですね。ただキッチリとしている気配が強すぎて機械的な流れです。
第二楽章
主要主題はゆったりレントラー、第一トリオでキリッと表情を上げてリズムよく、第二トリオは穏やかに、と正攻法です。山場も約束通りに盛り上げますが、教科書通り的で表情が感じられません。
第三楽章
ここでも主要主題から副主題を全く違和感なくリズミカルに、中間部でターン音型を美しく奏でます。規格品ですが何かが足りません。
第四楽章
vnのターン音型は美しく、第一エピソードは陰鬱さを軸とする流れをきれいにつけています。第二エピソードも後半からはコーダに向けた流れが作られています。何かが欠けている様な、個性に欠けるのが個性?!


不要な揺さぶりを殺して教科書の様なマーラー9です。レシピ通りの料理が好きな貴方向き?
ただこの曲に欲しい情熱や思い入れが、ライヴにもかかわらず伝わらないのが唯一最大の問題かもしれません。




アレクサンドル・スラドコフスキー, Alexander Sladkovsky

Tatarstan National Symphony Orchestra
[Μелодия] 2016


(コンドラシンとスラドコフスキーが1,5,9番を振った面白いset物ですね)

スラドコフスキーが首席指揮者で音楽監督を務めるタタルスタン国立交響楽団を振ったマーラー9ですが、両者ともよく知りません…

第一楽章
スローの序奏・第一主題から第二主題は激しさに表情を変え二面性を見せてきます。第三主題ももちろん激しさです。展開部も静のスローと烈のファストの明確な表情付けが、陰鬱さ・美しさ・激しさを生かす展開です。明瞭な第一楽章ですね。
第二楽章
歯切れの良いレントラーの主要主題から第一トリオをいきなりテンポアップ、第二トリオでスローダウンします。微妙ではなく明瞭なアゴーギクです。
第三楽章
主要主題は少々慌ただしい感じで副主題で少し取り戻し、絡んだ後に中間部で澄んだ音色からラストは精一杯盛り上げます。わかりやすいですね。
第四楽章
第一主題は予想通り一楽章回帰的にスローです。第一エピソードの鬱さは情感に欠けますし、第二エピソード後半からのターン音型のエモーショナルさは弱いです。山場は盛上げますが…


すっきり明快なマーラー9です。主題・動機ごとに明瞭にアゴーギクを振り替えています。個性も含めて微妙な"わび・さび"のアンジュレーションは弱いです。(この曲に一番欲しい物かもしれません)




レイフ・セーゲルスタム, Leif Segerstam


Danish National Radio Symphony Orchestra
[CNANDOS] 1991-9/23-25


(第7番とのカップリング3CDです)

北欧の怪人、フィンランドの指揮者セーゲルスタムです。個人的には多作の現代音楽家のイメージが勝ちますが、来日した指揮でも楽しませてもらいましたね。DR放送交響楽団(デンマーク放送交響楽団)首席指揮者時代(1988–1995)の演奏です。

第一楽章
とてもスローで大きな第一主題です。第二主題もその流れでスロー、そこから大きく山場を築いて反復、第三主題は落ち着きを払った雄大さです。展開部もスローを基本として奥行きのある流れを作っています。
第二楽章
主要主題スローで落ち着いたレントラーですが切れ味があります。第一トリオは威風堂々と、第二トリオは落ち着かせる様な優しさですね。山場は抑え気味で、この楽章のスローだけ今ひとつ感があるかもしれません。
第三楽章
主要主題と副主題は標準的なテンポで歯切れがいいですね。中間部のターン音型は最終楽章を印象付ける美しさです。ラストの緊迫は見事!決まりました。
第四楽章
主要主題は緩やか優美です。第一エピソードでは入りのcbからコーダ終焉に向けた気配を漂わせる構成です。第二エピソードも山場を含めて感情が溢れ出て、後半からコーダにかけての静音ターン音型パートの素晴らしさは格別かもしれません。


セーゲルスタムらしいスロー、雄大さと情感のマーラー9です。単純な静スロー・激ファーストの様なアゴーギクではないのがセーゲルスタムらしさでしょう。思い入れを感じられてとても好きな一枚です
CHANDOSの音の良さも一役買っているでしょう。




マルク・ゴレンシテイン, Mark Gorenstein

State Symphony Orchestra of Russia (Svetlanov SO)
[MDG] 2010-2/20


釜山フィルの首席指揮者も務めたゴレンシュタイン、ロシア国立交響楽団の音楽監督(2002-2011)時代の録音です。

第一楽章
緩やかスローの第一主題は美しく第二主題は変化は少なめに入って大きく広げます、反復後の第三主題も含めて王道ですね。展開部もスロー基本で大きくバランスの良さがありますが、やや刺激に欠けて時折スローの間延びも感じます。
第二楽章
レントラー主題もスロー強調ですが、第一トリオではしっかりと締めて、第二トリオは緩やか。山場もスローなので強調感に欠けますね。
第三楽章
主要主題はリズミカルで重さを付けて良い流れを作ります。第一トリオも流れに乗って緊張感を保ち、第二トリオで緩やかにターン音型では美しさを強調しますがその後が弱いです。でもラスト山場は暴れて面白く、この楽章が一番でしょう。
第四楽章
主題は得意の雄大さが光ります。第一エピソードは暗く鬱に入りスローを生かして大きく広げて良い流れを作り、第二エピソードは一転速めで入ります。山場(mixingバランスが?)から徐々にスローに戻し、ターン音型を緩やかに納めます。


緩やか広々スローなマーラー9ですね。スロー主体でアゴーギクが薄く、強音パートに締まりに欠けるのが残念ですね。
良い処もあり、ジャケットも好きなのですが。




高関健, Ken Takaseki

群馬交響楽団
[ALM] 1999-3/21


高関さんが群馬交響楽団の音楽監督時代(1993 - 2008年)の録音ですね。

第一楽章
第一主題から第三主題までメリハリが不足している感じです。展開部もスローパートのモヤッとした感じが拭えないのはアゴーギクやディナーミクの弱さだけでなく、管楽器の音色もあるかもしれません。強音パートは適度に暴れて面白いですが、前途多難を感じました。
第二楽章
主要主題は速めですが何かスカッとしません。第一トリオは流れに乗ってシャープさが感じられます。速い展開はいける様ですね。第一楽章よりまとまってきました。
第三楽章
主要主題はマーラー指示の様に荒々しさがありなかなかです。第一トリオもその流れに乗り、第二トリオの静展開ではやはり何かこもった気配になります。ラスト山場は見事です。
第四楽章
不安を感じたスローの主要主題は落ち着いた演奏になります。第一エピソードは繊細なのですが、寂寞感や情感に繋がりません。第二エピソードは山場があるので、そこはこなしています。


今ひとつ見晴らしの良くないマーラー9です。全体的には荒れたパワーパートは面白さがありますがスローのモヤモヤが拭えず、この曲の持つ哀しみや美しさと言った情感が、テクニカル的にも、弱く感じました。




山田一雄, Kazuo Yamada

新日本フィルハーモニー交響楽団
[fontec] 1986-6/7


ヤマカズさんが新日本フィルを振ったマーラー9ですね。本当は第5番同様映像付きで見たいところです。

第一楽章
緩やかで緊張感を漂わせる第一主題と第二主題、そして反復からの第三主題は雄大です。展開部は陰鬱な流れからJ.シュトラウスの引用で明るさを見せ、流れよく山場へと進みます。鬱パートと山場の組合せは明確にコントラストを付けてきますがしっかりとアゴーギクがコントロールされて心地よいですね。再現部の間延び感が少し残念ですが。
第二楽章
レントラー主題は速く軽快な勇み足風に、第一トリオで一般的なテンポ設定に戻し明快な三拍子を付け、第二トリオでスローダウン。三つの顔を明確にしていますね。
第三楽章
主要主題は速めに少し乱暴で切れ味よく、第一トリオでは流れに乗った落ち着きを見せて、第二トリオはまさに中間部らしい美しい流れを作り出します。ラストも暴れて見事な構成感ですが、真面目過ぎかもw
第四楽章
主要主題は第一楽章で感じた様な緩やかな緊張感が少し弱いですね。第一エピソードを支配する静は全体スローでコーダをイメージさせ、第二エピソードはテンポアップして山場を迎えた後スローに落としコーダへ繋げます。


構成感もあり、きっちり真面目なマーラー9です。スローの優しさとコントロールされた強音パートをどう見るかで評価は分かれるかもしれません。
個人的にはコンサートならではの一体感や興奮が欲しいところです。少し羽目を外してもいいかも。指揮台のヤマカズさんの音が聞こえますねw




チョン・ミュンフン, Myung-Whun Chung

Seoul Philharmonic Orchestra
[DG] 2013-8/29,30


韓国生まれの米国人指揮者チョン・ミュンフン、ソウル・フィル(ソウル市立交響楽団)音楽監督時代のマーラー9番です。

第一楽章
第一主題はスローに続く第二主題も柔らかさ重視で、反復から第三主題で山場を作ります。展開部もスロー穏やかメインに山場を築くコントラストが明確ですね。好きな流れですが無表情的で、再現部はもやっとしてしまいます。
第二楽章
主部主題はややテンポを上げてリズムよく、第一トリオも大きくは変えずスケルツォらしいです。第二主題は静でスローに落とします。
第三楽章
主部主題・副主題はいきなりのアップテンポ、中間部で静で薄く展開します。ラストも盛り上げますが、なぜか訴えて来ません。
第四楽章
主要主題は弦楽器で大きく奏でます。第一エピソードは薄く良い流れですが無表情、ラストがコーダの様なのはやり過ぎでは。第二エピソードも早々と前半からエンディングに意識を持って行っている感じです。


第一・第四楽章の静を強調したマーラー9です。ただ、この曲に欲しい情熱や思い入れとは無縁ですね。




トマーシュ・ネトピル, Tomáš Netopil

Essener Philharmoniker
[OEHMS] 2018-4/10-13


チェコ人指揮者ネトピルは、ストックホルム王立音楽院でヨルマ・パヌラ(Jorma Panula)に師事し、2013年からエッセン・フィルの音楽監督を務めています。
(エッセン・フィルは、1906年にマーラーの"交響曲第6番"をマーラー本人の指揮で初演していますね。またR.シュトラウスの"家庭交響曲"もシュトラウス本人指揮で初演されています)

第一楽章
穏やかでスロー美の第一主題から、同じ雰囲気を漂わせて第二主題へ。反復後の第三主題は広がりを見せて展開部も穏やかさを主体にしてJ.シュトラウスの引用を聴かせます。山場も大きいですが穏やかさが感じられますね。少々緩め美的な第一楽章でしょう。展開部で経過部の鐘が殆ど聴こえないのは不思議ですが。
第二楽章
主要主題は弱く穏やかで、第一トリオもマイルドに、第二トリオは当然一層穏やかです。
第三楽章
主要主題は弾みますが強烈さはありません。副主題(第一トリオ)も平和な気配で、中間部は緩徐的表情に変化させますが元々穏やかですから…
第四楽章
主要主題は広がりある甘美さを奏でます。第一エピソードも陰影は付けますが哀愁は薄めの穏やかスロー、第二エピソードも山場は〆めますが緩い静的パートが印象を支配しますね。コーダからフィニッシュは哀しみをpppに沈めて終息します。ここで救われた感じです。


全体を通して穏やかスロー甘口のマーラー9です。破綻のない綺麗な演奏ではありますが。
生クリームたっぷりのケーキに、ぬるくて砂糖いっぱいのコーヒーをホテルのラウンジで、みたいな。




ジャナンドレア・ノセダ, Gianandrea Noseda


Orchestra Teatro Regio Torino
[fone] 2017-10/20,21


2007年から本年(2018年)4月まで音楽監督を務めていたトリノ王立歌劇場(トリノ・レッジョ劇場)管弦楽団とのLive録音になります。

第一楽章
第一主題は静的ですが珍しい速め軽やかさ、第二主題でも重さを抑えています。山場と反復の第三主題はクドさを避けたうまい盛り上げですね。展開部もさらっと心地よい流れをベースにメリハリを付けていますので纏わりつく様な重さはなく、後半葬送行進曲の流れも軽妙です。とても興味深い第一楽章です。
第二楽章
主要主題は速めで爽快に、第一トリオでも歯切れを増しますが軽快さ重視です。第二トリオも穏やかですが軽やか、全体の流れが統一された心地よさを感じますね。
第三楽章
主要主題は歯切れよく芯のある流れを作り、副主題(第一トリオ)はもちろん軽妙で、中間部(第二トリオ)では約束通りの緩やかさにします。特徴的なのはハープで主題が入れ替わるパートで振られたスローのコントラストで、フィニッシュと合わせて強力です。
第四楽章
主要主題は緩やかな哀愁ある正攻法で緩やかに入り、テンポを上げます。第一エピソードも哀愁を強く奏でますが速めのテンポでクドさを回避、第二エピソードも穏やかな哀愁感の心地よい流れから二度の山場を大きくコントラストを付けます。コーダからフィニッシュはスローand超静音に消え入ります。


前半を軽快な表情付けに、中後半でキレと哀愁ををうまく付けたマーラー9です。前半のオリジナリティーある流れから、後半で死のイメージを纏ったこの曲に沿わせる流れは見事で、その構成感に一票を投じましょう。







聴いた印象を素直に少しづつアップしていきたいと思っています。数々のヴァリエーションからこの曲の全体像が感じられると嬉しいと思います。

#2,3回あたりの古いインプレも見直し(聴き直し)の必要性を感じますね。そのうち…


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

バーバラ・ハンニガン(Barbara Hannigan) の『VIENNA FIN DE SIÈCLE, ウィーン世紀末』を聴く


VIENNA FIN DE SIÈCLE
バーバラ・ハンニガン (Barbara Hannigan)
前作「CRAZY GIRL CRAZY」ではベリオ/ベルク/ガーシュインを取り上げて、かつ指揮もこなしたハンニガン。前衛を得意とするソプラノ歌手であり指揮者であり、注目の一人ですね。

今回は19世紀末の音楽を『ウィーン世紀末』と題したタイトルで、シェーンベルク/ヴェーベルン/ベルク/ツェムリンスキー/アルマ・マーラー/ヴォルフ の歌曲(抜粋含む)をピアノ伴奏でまとめています。始めの三人は言わずと知れた新ウィーン楽派、ツェムリンスキーとアルマ・シントラーは元恋人?で師弟関係、ヴォルフは後期ロマン派の歌曲家です。どの様な流れになるのか楽しみですね。
ピアノは現代音楽を得意とするラインベルト・デ・レーウ(Reinbert de Leeuw)になります。

国内発売元は『ウィーン世紀末、6人の作曲家~アルマ・マーラーのまわりで』とアルマ・マーラーで売ろうとしていますがw







アルノルト・シェーンベルク
(Arnold Schönberg, 1874/9/13 - 1951/7/13)
今更のシェーンベルクですから紹介は割愛ですが、ツェムリンスキーに師事していて共にマーラー家で音楽論を戦わせていたそうです。このアルバムの人間模様絡みかもしれませんね。今回は無調になる前、後期ロマン派時代の「四つの歌曲」になります。

Vier Lieder Op. 2 (1899年)
 作品番号は#2ですが早くも調性の薄さを覗かせた後期ロマン派作品で独特の美しさが感じられますね。ハンニガンの声も伸びよく響き、特に情感が響きますね。一曲目「Erwartung」の和声が素晴らしいです。




アントン・ヴェーベルン
(Anton Webern, 1883/12/3 - 1945/9/15)
もちろん紹介は割愛ですねw ブーレーズによる「Complete Webern」で全曲インプレ済みです。

Fünf Lieder nach Gedichten von Richard Dehmel Op.5 (1908年)
 ヴェーベルン初期作品ですが、この曲から無調を使い始めていますね。無調なのですが、前出のシェーンベルクの調性感を一歩進めた美しさです。無調なのにこの美しい旋律は今更ながらにヴェーベルンの音楽の先進性に驚いてしまいますね。例によって点描的なpfと音の跳躍、それに寄り添って流れるソプラノ、ヴェーベルンらしさ全開ですね。
pfのレーウが光ります。




アルバン・ベルク
(Alban Berg, 1885/2/9 - 1935/12/24)
これまた紹介は割愛です。超代表曲「ヴァイオリン協奏曲」には副題?として『ある天使の思い出に, Dem Andenken eines Engels』とあり、ご存知の通りアルマの(マーラーの死後)2番目の夫ヴァルター・グロピウスとの娘で、亡くなったマノン・グロピウスの為に書かれています。(ハンニガンは前作でもベルクの未完成のオペラ「ルル」を取り上げていますが、未完成に終わったのは途中でヴァイオリン協奏曲に取り掛かったからですね)

Sieben Frühe Lieder (1907年)
 「七つの初期歌曲」からですが、ここでも既にベルクらしい無調ながら旋律感のある流れが味わえます。新ウィーン楽派三人の初期の歌曲がいずれも美しい事が明確にわかりますね。調性感はシェーンベルクとベルクの中間くらいの印象ですが、朗々と歌い上げるのはこの後オペラを得意としたベルクならではでしょうか。




アレクサンダー・ツェムリンスキー
(Alexander Zemlinsky, 1871/10/14 - 1942/3/15)
晩年には調性感の薄い作品もある様ですが、基本的にはマーラーやR.シュトラウス達と同じ立ち位置の後期ロマン派ですね。今まで代表作の「フィレンツェの悲劇」「人魚姫」をインプレしていますが、現代音楽家一覧には入れていません。アルマ・シントラーがマーラーと結婚する前に師弟関係にありました。

Liederen Op.2, 5, 7 (1896, 1897, 1899年)
 多少の不協和音は一部感じらるもののパート構成もしっかりとしてバリバリ濃厚な後期ロマン派の歌曲ですね。処々で古典的な印象さえ感じます。面白みには欠けるかもしれません。




アルマ・マーラー
(Alma Mahler, 1879/8/31 – 1964/12/11)
アルマ・シンドラーとしてツェムリンスキーに師事して小曲16歌曲(インプレ済みです)を残しています。アルマは作曲技法にも明るく、読譜も見事だったそうですが残っているのが歌曲の小曲だけなのが残念ですね。

Die Stille Stadt, Laue Sommernacht, Ich Wandle Unter Blumen, Licht In Der Nacht* (1910, 1915年*)
 不協和音を交えた美しい楽曲で、師のツェムリンスキーより面白いですね。適度な興奮と抑揚のアゴーギクがあり、表現主義らしき印象も感じられますね。伴奏pfのコントラストも、ホモフォニーを超える事はありませんが良い流れです。
(作品年はいずれもスコアの出版年ですね、多分)




フーゴ・ヴォルフ
(Hugo Wolf, 1860/3/13 - 1903/2/22)
オーストリアの後期ロマン派、歌曲を得意としていて、43歳で狂気に襲われて死亡しています。著名詩人の作品を元に歌曲を作っていて「ゲーテの詩による歌曲集」は代表作の一つですね。

Mignon Lieder Nach Gedichte von Goethe (1888年)
 情感の高い機能和声の歌曲です。デクラマチオーン(劇的朗読法)と言われるヴォルフの歌曲はまさに劇場的で、感情移入の波が特徴的です。ただ和声は旧態然でキッチリしているので息苦しい感じがするかもしれません。




後期ロマン派終焉から現代音楽黎明期に入る時代の作品ですね。そんな時代変化を感じられる楽曲が並びました。殆どが3'台以下の小曲なのでキャラクターがわかりやすいです。前衛性が強い順に以下ですね。

ヴェーベルン - ベルク - シェーンベルク - アルマ - ツェムリンスキー = ヴォルフ

ハンニガンのソプラノは特筆するレベルではないとは思うのですが、硬派の声と感情表現の良さが好きです。全曲英訳付きですから歌詞を見ながら聴けるのが嬉しいですね。

この一枚で前衛に向かう時代変化が歌曲で楽しめます。なぜか新ウィーン楽派三人の楽曲が澄んだ美しさを感じます。個人的にはヴェーベルンがオススメですね。




♬ 現代音楽CD(作曲家別)一覧


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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。




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