ヘルムート・ラッヘンマン(Helmut Lachenmann)の「Schwankungen Am Rand」を聴く


ヘルムート・ラッヘンマン (Helmut Lachenmann, 1935/11/27/ - )
欧州前衛のビッグネーム中のビッグネーム。言わずと知れたラッヘンマンで、今までにも多々紹介済みですのでここでは割愛です。(過去記事を参照くださいね)

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Schwankungen Am Rand
'70年代、'80年代、'90年代の20'強の室内楽を並べたアルバムでラッヘンマンの音楽の変遷がわかりやすそうですね。演奏もペーテル・エトヴェシュ(Peter Eötvös)指揮、アンサンブル・モデルン(Ensemble Modern)の演奏と充実感があります。
リリースがECMからというのが気にかかるところでですがw



Schwankungen am Rand (1974/75年), Music for Brass and Strings
アンサンブルでの管楽器と弦楽器の対比ですがピアノも入っていて、特に"for Brass and Strings"とことわる必要も感じません。
前衛衰退期真っ只中に書かれたポスト・セリエルなのでしょう、殆どが特殊奏法で構成されたパルス的な音のモザイクです。後期よりもおしゃべりですね。もちろんラッヘンマンですから旋律の様な構成はなくノイズや即興的ポリフォニーも包括する混沌です。煌めきがあり、今聴いても刺激がありますね。

Mouvement (-vor der Erstarrung) (1983/84年), Music for Ensemble
全体構成は変わりませんが、ベースに流れる静的混沌が強くなっています。時に速く、時にスローに、現れるパルス的な刺激や煌めきはそのままです。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  仏前衛アンサンブルの雄、アンテルコンタンポラン(ピンチャー指揮)の演奏です。個人的にはこちらの落ち着いた演奏の方がラッヘンマンらしく感じます。特殊奏法も良くわかりますね。


"...zwei Gefühle...", Musik mit Leonardo (1992年), Music for Speaker and Ensemble
  Voice [Speaker] – Franck Ollu, Ueli Wiget
前二作より静音パート表現が増えているのがわかります。それまでは静音に刺激音が被りましたが、ここでは静音自体での緊張感が作られていますね。ちなみにTextは代表作"マッチ売りの少女"からになります。
実は前回インプレのアルバムにも入っていてラッヘンマン本人のvoiceで、Brad Lubman指揮Ensemble Signalの演奏でした。
出来から行くとvoiceはラッヘンマンの方がクセが強く、演奏は本アルバムの方がより先鋭でしょうか。全体としては前回紹介盤の"間"を感じる演奏が好みです。(ラッヘンマンの意図もくまれているでしょう)


先ずはこれがECMから出たとは驚きですね、完全な無調混沌前衛現代音楽ですから。
ラッヘンマンらしい刺激や煌めきは'70-'80年代のポスト・セリエルから'90年代でも基本構成は変わっていないのがわかりますね。静音パートの生かし方が多くなっているのが変化でしょうか。"いかにも" 的な特殊奏法も初期の方が強烈に感じます。

エトヴェシュは好きな音楽家ですが、今回の指揮はコントラストを付け過ぎの様に思えますね。本人の音楽がその傾向ではありますがw






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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。





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