スティーヴ・ライヒ(Steve Reich) の Duet をクリスチャン・ヤルヴィで聴く

昨年発売と同時に購入、この3月1,2日のライヒ80歳記念来日コンサートの前にインプレを書こうと思っていました。
米ミニマル音楽は然程得意ではありませんでしたが、ライヒだけはなぜかこのブログでも度々紹介済みですし、以前発売された全集(Nonesuch 10CDs)他も所有しています。好きなBang On A Canとの関係が強い事も要因です。

そして米国生まれで現代音楽を得意としいているクリスチャン・ヤルヴィ(Kristjan Järvi)ですね。本アルバム発売前の2016年5月18日に都響とのコンサートで、収録曲"Duet"と"The Four Sections"を聴きました。特に後者は素晴らしく、記憶に新しいです。

演奏はK.ヤルヴィが首席指揮者を務めるMDR交響楽団(MDR Leipzig Radio SO)、後半2曲はMDR合唱団(MDR Leipzig Radio Choir)が入りオーケストラ版世界初録音になります。お馴染み"Clapping Music"のオマケ付きw、ライヒ本人とヤルヴィになりますね。

Duet / Steve Reich (Kristjan Järvi:cond.)

Duet for two Solo Violins and String Orchestra
 (Dedicated to and written for Yehudi Menuhin)
昨年の都響とのコンサートでは、その美しさが記憶にあります。ここでも第一第二vnの音色とミニマル弦楽のリズムの美しい対比を聴く事ができますね。このCDの方がいいかな…
 ★試しにYouTubeで観てみる?
  ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管の演奏です


Clapping Music
お馴染み二人の手拍子クラッピング・ミュージックです。お約束で良し悪しありません、この二人がライヴでやっている楽しさです。
来日公演の演目にもなり、一曲目にライヒ自身と指揮者コリン・カリーでやります。盛り上がること間違いなしですね。
 ★試しにYouTubeで観てみる?
  Steve Reich と Wolfram Winkel になりますね。


The Four Sections
 I. Strings - II. Percussion - III. Winds and Brass (with Strings) - IV. Full Orchestra
都響とのコンサートで素晴らしい演奏だった曲ですね。以下コンサートのインプレ流用です。『大編成オケにWピアノandキーボード、Wヴィブラフォン、Wマリンバのミニマルです。
三つの鍵盤打楽器が入るパートでの色彩感の凄さは格別。二台のピアノの上にそれぞれ置かれたキーボードが一つの和音をループ処理する様な感じで長音処理した音も厚みを生み出して素晴らしいです。最後はラベルのボレロ風で盛り上がります』
これは都響の方が良かった感じがしますが、この曲のヴァリエーション展開の素晴らしさは変わりませんね。

Daniel Variations
 I. I Saw a Dream - II. My Name is Daniel Pearl - III. Let the Dream Fall Back on the Dreaded - IV. I Sure Hope Daniel Likes My Music, When the Day Is Done
第一第三楽章は聖書のダニエルの啓示から、第二第四楽章は2002年にパキスタンで誘拐殺人された米ユダヤ人ダニエル・パールのテキストによる楽曲です。ヴァリエーション変化よりも陶酔系ミニマルですが、サウンド的には宗教曲でしょう。ライヴなら凄い抑揚感が味わえそうです。(基本的に宗教曲はコメントしづらいです)

You Are Variations
 I. You Are Wherever Your Thoughts Are - II. Shiviti Hashem l'negdi - III. Explanations Come to an End Somewhere - IV. Ehmor m'aht, v'ahsay harbay
ライヒらしい鍵盤打楽器主役のミニマルで、ヘブライ語(パートII, IV)と英語(パートI, III)の哲学的瞑想テキストを使った楽曲です。Fast-Slow-Slow-Fastで、こちらの方がライヒのミニマルを素直に堪能できます。パートIVは前曲Danielの長音コーラスパターン(オーグメンテーション)と似ています。
テヒリームやデザート・ミュージックとの類型を指摘される事も多いですね。Fastパートの印象はこちらの方がテヒリームより明瞭でしょう。



CD2枚組でライヒを味わえるのは嬉しいですね。それを越えるものは弱いですが、CD2のVariationsの2曲、特にYou Are、は一度ライヴで味わいたいものです。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

トリスタン・ミュライユ(Tristan Murail)の代表作 Winter Fragments を聴く

スペクトル楽派創始者の一人、フランスの現代音楽家トリスタン・ミュライユ(Tristan Murail, 1947/3/11 - ) は好きな現代音楽家です。同じく創始者の故グリゼーの即興性に比べると空間音響性が明確で聴きやすいのも事実ですね。

このアルバムは印象的な代表作「Winter Fragments 冬の断章」が入っている事でしょう。早世したグリゼーの代表作「空間音響」のモチーフを用いて作られました。
一曲を除きスタイルが確立された1980年以降、2000年前後の作品になります。
演奏は、指揮:Michel Galante, フルート:Erin Lesser, 室内楽:Argento Chamber Ensemble です。

Winter Fragments / Tristan Murail

Winter Fragments (2000年), for ensemble & electronics
グリゼーの「空間音響」ミの自然倍音の第3倍音のシを基音として同じモチーフで作られているそうで、煌めきと共鳴の空間音響音楽です。細やかな各楽器の旋律が、空間に広がるように響ます。pfは打音と残響音です。そして何と言ってもミュライユらしいキラキラとした音がいいですね。
 ★試しにYouTubeで聴いてみる?

Unanswered Questions (1995年), for flute
フルートのソロ曲ですが、ここでも展開は同様ですね。幽玄幻想の響です。能の笛、能管のイメージに近いでしょうか。

Ethers (1978年), for flute & ensemble
この曲だけが古く、転機となった1980年のIRCAMでの情報理論の研修以前の作品になります。音数がやや多く、各楽器間の絡みもポリフォニー的で密度が高いです。間や空間を感じられる余地がまだ少ないですね。明らかに作風が異なります。

Feuilles a travers les cloches (1998年), for flute, violin, cello & piano
各楽器が緩い音階を奏で、空間を音で形作る様です。密度の薄めな音と対照的に緊張感は高く、それも空間を意識させますね。

Le Lac (2001年), for ensemble
一曲目の Winter Fragments はこの曲で完全な締めとなる、とライナーノートにあります。それは自然界の音の音響解析と、それらのelementsによるスコアのアイディアにあるそうです。
曲は煌めきを抑えて、やや暗めの印象です。間と響の空間に変わりはありません。音数による表情とクラスター的な音は増えています。音響解析からの鳥の鳴き声風な音もここで出てきますね。
乱暴な言い方をすれば、メシアン - ブーレーズ からの流れを感じられますね。
 ★試しにYouTubeで観てみる?
 英国初演。John Stringer指揮、Chimera Ensemble による演奏で、楽器構成が見られます。




個人的には一二曲目の静的世界が好きですね。何がここまで空間を印象付けるのでしょう。ふと日本の能の世界を思いましたね。そんな音と空間の関係を感じます。最後のLe Lacも興味深いです。
やっぱり良いですね



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

サントリー響17年を気楽に楽しむならこれでしょ

我家のストックには、以前 響12年が入っていました。響といえば17yoが評判がいいのですが、常飲には高〜ぃ!!
今は12yoがJAPANESE HARMONYに変わって、この在庫12yoが無くなったら響はもう在庫しません。その代わり17yoを楽しむ簡単な方法がこれですね。
SuntoryHIBIKI50mlBottle.jpg

50ml、ダブル弱のミニチュアボトルです。12yoと比べたところで今更でしょうが、インプレしましょう。
香りは12yoがややグレーンの香りが感じられますが、17yoではその安っぽさがグッと減ります。味わいはシャープさがありながら刺激が減りアロマティックになります。やっぱり別格、流石は響17年ですね。

シングルモルトも響の様なブレンドも熟成年数が上がると同じ様に変化していきますね。シングルモルトは癖がどんどん減って美味しくなるのと同時に独特な味わいが薄まっていきます。
好きなシングルモルトは、その癖が楽しいわけですから安いヴァージョンで全然OKですw


テーマ : ドリンク
ジャンル : グルメ

シェリー酒 エレダード・デ・イダルゴ(Heredad de Hidalgo) を飲む

前回紹介したボデガス・イダルゴ・ラ・ヒターナ(Bodegas Hidalgo La Gitana)社、そのペール・クリーム(Pale Cream)のエレダード・デ・イダルゴ(Heredad de Hidalgo)です。

ペール・クリームは、シェリー酒の三区分で言うとブレンドでバリエーションが多い"ビノ・ヘネロソ・デ・リコール"に入ります。ドライのフィノに甘口モスカテルをブレンドしたものになりますね。

sherry-Heredad_de_Hidalgo-01.jpg sherry-Heredad_de_Hidalgo-02.jpg
クリームにある濃厚な甘みの重さを控えめにして、シェリーらしさの酸味とバランスをとった味わいです。甘さを保ちつつ、シェリーらしさを味わうならこれでしょう。ちょっと紹興酒っぽい?!
食前酒でもいけますが、私はデザートシェリーですね。色はフィノっぽい琥珀色です。


シェリー酒のバリエーションを飲んでみたのですが、個人的にはクリームモスカテルあたりがターゲット。飲んだ後で何かもうちょっと...なんていうときに濃いめのシェリー酒は最高のお友達ですね。^^v


テーマ : ワイン
ジャンル : グルメ

ペーテル・エトヴェシュ(Peter Eötvös)の SNATCHES を聴く

ペーテル・エトヴェシュ(Peter Eötvös, 1944/1/2 - ) はハンガリーの現代音楽家ですが、日本では指揮者としての顔の方が知名度が高いでしょうか。
特殊奏法と電子音楽をベースにして声楽も絡めますね。オペラも得意としていて、もちろん紹介済みの好きな現代音楽家の一人です。今の時代のらしい前衛でしょう。

このアルバムはジャズをモチーフにした2000-2002年作品のアルバムになりますね。

SNATCHES / Peter Eötvös

Snatches of a Conversation (2001年) for Double-Bell Trumpet Solo, Speaker and Ensemble
 Marco Blaauw | double-bell trumpet, Omar Ebrahim | speaker, Ensemble Musikfabrik, Peter Eötvös | conductor
Double-Bell Trumpetはラッパ部分(ベル)が二つのトランペットですね。それと語りの二人を絡めたジャジーな曲です。面白いですよ。avant-gardeジャズと言っても全く問題ありません。要は無調無拍混沌ノイズの様な難解さではありません。語りは英語ですが内容は特別なものはない様な「なんていいやつなんだ...何か言えよ...」みたいなレベルです。

Jet Stream (2002年) for Trumpet Solo and Orchestra
 Markus Stockhausen | trumpet, BBC Symphony Orchestra, Peter Eötvös | conductor
トランペットをフィーチャーした曲で、主席客演指揮者を務めた事があるBBC SOをエトヴェシュ本人が指揮します。ここでもtpの旋律にはジャズを感じます。オケの各楽器はポリフォニーで反復が基本ですが、低音はドローン的に管楽器は響きを効かせて時にクラスターになります。その共鳴はまさに空間音響音楽です。エトヴェシュの一つの姿ですね。21'以上あるのですが、短く感じます。
やっぱりヴァレーズを思い出します。悪い意味ではありません。

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Paris-Daker (2000年) for Tombone Solo and Big Band
 Lásló Göz | double-bell trombone with harmonizer, Budapest Jazz Orchestra, Gergely Vajda | conductor
ハーモナイザーを採用して重音を出すdouble-bell tromboneをフィーチャーした曲です。そこがポイントの楽曲で、ハーモナイザーの電子処理が面白ろく生きています。それ以外は軽快な現代版ビッグバンドジャズです。

Jazz Improvisations on Themes from Peter Eotvos' Opera le Balcon
pianoBéla Szakcsi | piano
エクサン・プロヴァンス音楽祭委託作品のエトヴェシュのオペラ『バルコン Le Balcon (2002年)』(ジャン・ジュネ原作)からピアノと、次のエレキ・ギターのジャズ即興曲ですね。
前衛色バップ系のジャズピアノ曲です。あまり興味が湧きませんね。

Jazz Improvisations on Themes from Peter Eotvos' Opera le Balcon
electric guitarGábor Gadó | electric guitar
こちらの方が面白いですね。テープ(事前録音)の音と当然ながら電子処理されて(ボリュームコントロールではないと思います)奇妙な微妙な揺らいだ神秘的音色を響かせます。エレキギターと現代音楽の相性の良さが見事にマッチして面白いですね。



物珍しくはありませんが、ジャズを弄ればもっと面白い事が出来そう。みたいな音楽的イディオムです。でもこの中では2曲目のJet Streamと最後の曲にエトヴェシュらしさが滲み出て楽しいですね。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ラッヘンマン(Helmut Lachenmann)の Allegro Sostenuto, Pression 他を聴く

ビッグネームであり、好きな現代音楽家ヘルムート・ラッヘンマン(Helmut Friedrich Lachenmann, 1935/11/27/ - )です。何回もインプレ済みですから紹介は割愛です。

このアルバムはちょっと古い1960年代-80年代のソロとトリオ作品になりますね。

Allegro Sostenuto, Pression, Dal Niente, Interieur I / Helmut Lachenmann


Allegro Sostenuto (1986-88年)
 [Clarinet] Eduard Brunner, [Cello] Walter Grimmer, [Piano] Massimiliano Damerini
クラリネット演奏者のエドゥアルト・ブルンナーの委嘱作品で、チェロ・ピアノとのトリオになります。楽風と評価の安定した'80年代後半の作品で、例によって間を十分にとりながら音数の少ない各楽器のポリフォニー風で空間に漂う緊張感が好きですね。もちろん後半の一部では音数が増えて饒舌なポリフォニーも現れます。
特殊奏法への依存が少ない感じで、ノイズ気配は薄く楽器同士の語り合いを強く感じます。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
 はじめ少し音が出ませんね。でも楽譜付です!

Pression (1969年)
 [Cello] Walter Grimmer
バリバリのチェロ特殊奏法曲で静音と強音の対比はありますが、グリグリギギギィィ.....的です。(笑) 年代からいってそういう楽風の作品が予想されるそのものですね。一曲目との対比でラッヘンマンの推移がよくわかります。ライナーノートには特殊奏法の楽譜があり、面白いです。
ここから3曲は前衛の衰退へ向かう時期でラッヘンマンの特殊奏法と無音・静音の世界が出来上がる時期でしょうか。

Dal Niente (Interieur III) (1970年)
 [Clarinet] Eduard Brunner
1年後のクラリネット独奏曲ですが、特殊奏法一辺倒ではありません。特殊奏法を絡ませながら流れる旋律を付けたり、弱音では特殊奏法で押したりと表情変化がありますね。

Interieur I (1966年)
 [Percussion] Johannes Beer
パーカッション・ソロでマリンバやヴィブラホーンといった鍵盤打楽器も入ります。数多い楽器の配置がライナーノートに書いてあります。楽風と構成は変わらず、個々の楽器での特殊奏法というよりも鍵盤打楽器に対してタムタムの様な打楽器がそれに対応する感じです。当然ラッヘンマンらしい無と静音が生きています。



ラッヘンマンの楽風の変化がわかって面白いアルバムです。'80年代以降のダルムシュタットへ向かうラッヘンマンの進化を再確認できますね。いずれも無〜弱音での緊張感が素晴らしいです。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

バイエルン国立歌劇場公演 歌劇「ラ・ファヴォリータ」をNHKプレミアムシアターで観る

言わずと知れたイタリアのオペラ作曲家ガエターノ・ドニゼッティ(Gaetano Donizetti, 1797/11/29 - 1848/4/8)、その後期(1840年)作品ですね。初演はその年の12月2日、パリ・スカラ座ですからいかに人気があったかわかります。
個人的には馴染みのない「ラ・ファヴォリータ La favorite (全4幕)」ですが、なんといってもレオノーラを演じるMSガランチャのファンですから これを観ない手はありません。

■超あらすじ
国王アルフォンソの愛人レオノーラに恋をした修道士フェルナンドは、修道院を出てレオノーラを射止める為に武勲をたてます。その褒賞として王からレオノーラとの結婚を得ますが、王の愛人である事を知りません。式で修道院長であるバルダッサーレに知らされ屈辱と失望で修道院に戻ります。
フェルナンドの元に瀕死の尼僧姿のレオノーラが現れ許しを請います。許されたレオノーラはフェルナンドの元で息を引き取ります。
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新演出 になり原作フランス語版で、時代は現代に置き換えられていますね。舞台は前衛ではありませんが、血まみれのキリストが蠢いたり、プロジェクションマッピングの使い方でそれなりの特異性が感じられます。ただ、ストーリー展開では知見がないのでニーアマイアが何か変化球を投げているかはわかりませんw

舞台・衣装 は現代的にシンプルに、これも今の時代の主流のパターンでしょう。
スーツが基本で派手な絵柄を排し、暗めの照明や具象的なもののない舞台と合わせて時代背景を排除していますね。その中でレオノーレの赤のコート、王のブルーのスーツでの色のコントラストや、暗い舞台に斜光のライティングは特徴的です。

配役 ではフェルナンド役のポレンザーニのテノールは悪くありません。表現ある演技と合わせて楽しませてくれました。ちょい役の二人、イネスのブノワのソプラノとガスパーロのミルズの声も良かったですね。
バルダッサーレ役のカレス、アルフォンソ11世のクヴィエチェンは声の表情が薄く感じましたね。
そして何と言ってもガランチャのメゾソプラノですね。声量があり伸びも素晴らしく、ちょっと臭い演技と合わせて楽しませてくれました。演技はドラマトゥルギーのカーリチェックの範疇かもしれませんが。

音楽 は特に違和感や主張を感じませんでした。同歌劇場2011年9月29日の来日公演の演奏でも奇をてらわない印象をインプレしてありますから、方向性は同じかもしれません。

気になった事 があるとすれば、フェルナンドの性格がおよそ修道士とは思えないほど激情的。最後に瀕死のレオノーラが現れるのがあまりに唐突。そしてオペラ内容とは違いますが、日本語字幕にかなり違和感を感じた事でしょう。



全体では舞台演出や重厚さのパートに目が行ってバイロイトのワグナーの様な気配を感じましたね。もちろん全体を流れる曲調は全く異なります。ただこのオペラ自体にも山場のメリハリや、王と神(ここではキリスト)との葛藤等、そして最後の救済で十分なストーリー展開があり楽しめました
40歳になったガランチャは艶やかな声に落ち着いた磨きがかかり素晴らしいのですが、思いの外出番が少なかったですね。


<出 演>
・レオノーラ (アルフォンソ11世の愛人):エリーナ・ガランチャ [Elīna Garanča]
・フェルナンド (レオノーラに恋する修道士):マシュー・ポレンザーニ [Matthew Polenzani]
・アルフォンソ11世 (カスティーリャ国王):マリューシュ・クヴィエチェン [Mariusz Kwiecień]
・バルダッサーレ (サンティアゴ・デ・コンポステーラ修道院長):ミカ・カレス [Mika Kares]
・ドン・ガスパーロ (廷臣):ジョシュア・オーウェン・ミルズ [Joshua Owen Mills]
・イネス (レオノーラの侍女):エルザ・ブノワ [Elsa Benoit]

<合 唱> バイエルン国立歌劇場合唱団
<合唱指揮> ゼーレン・エックホフ
<管弦楽> バイエルン国立歌劇場管弦楽団
<指 揮> カレル・マーク・チチョン [Karel Mark Chichon]

<美 術> アレクサンダー・ミュラー・エルマウ [Alexander Müller-Elmau]
<衣 装> キルシュテン・デフォフ [Kirsten Dephoff]
<脚色・ドラマトゥルギー> ライナー・カーリチェック [Rainer Karlitschek]
<照 明> ミヒャエル・バウアー [Michael Bauer]
<演 出> アメリ・ニーアマイア [Amélie Niermeyer]


収録:2016年11月3日、6日 バイエルン国立歌劇場(ドイツ・ミュンヘン)


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

デザートシェリー、イダルゴ社のペドロ・ヒメネス TRIANA を飲む

シェリー酒の味試し4本目は一番の甘口、ペドロ・ヒメネスですね。ウィスキー好きにはスコッチのマルチカスク時にその空き樽が使われるのでお馴染みですね。

イダルゴ家が継承する有名処ボデガス・イダルゴ・ラ・ヒターナ(Bodegas Hidalgo La Gitana)社のトゥリアナ(TRIANA)。究極の極甘シェリー酒です。 
Sherry-Hidalgo-TRIANA-01.jpg Sherry-Hidalgo-TRIANA-02.jpg

シェリー酒の三区分でいう『ビノ・ドゥルセ・ナトゥラル』で、シェリー特有の干しぶどうの味わいに黒糖の様な濃厚な甘みが特徴です。二種のブドウが該当します。初めて飲んだのはモスカテル(Moscatel)、今回はペドロ・ヒメネス(Pedro Ximénez)ですね。

「トゥリアナ」は圧倒的な黒糖の甘さです。alc.15%を忘れるくらい濃厚な甘さになります。カブトムシになった様な気分w もちろん食前酒ではなく食後、もしくはナイトキャップです。
バランスから行くと、モスカテルの方が甘さと干しぶどうのバランスが良いですね。その甘さを残しながらシェリーらしさを少し強めるとクリームになります。


ちなみに色は濃いですが、ワインとしては白ワインになります。
次はクリームの濃厚さを控えたペール・クリームですね。


テーマ : ワイン
ジャンル : グルメ

ヘレナ・トゥルヴェ(Helena Tulve)の Lijnen を聴く

エストニアの女性現代音楽家 ヘレナ・トゥルヴェ(Helena Tulve, 1972/4/28- )は、リゲディの夏季コースや、IRCAMでサーリアホやシェルシといったビッグネームに学んでいます。
グレゴリオ聖歌や東洋音楽の響きを元にするスペクトル楽派で、欧州エクスペリメンタリズムの若手という位置づけでしょうね。

本アルバムは2008年のECMでのデビューアルバムになります。

Lijnen / Helena Tulve

À travers (1998年) for ensemble
Conductor – Olari Elts, Ensemble – NYYD Ensemble
 空間音響音楽ですね。各楽器の響きと残響音を調和させて聴かせます。一部和声に中近東の様な音色も感じますね。全体の流れは澄んだ色合と強音反響の変化がありますが、強烈に残る印象はありません。

Lijnen (2003年) for voice & ensemble
Conductor – Olari Elts, Ensemble – NYYD Ensemble, Lyrics – Roland Jooris, Voice – Arianna Savall
 表題曲です。ここでも同展開ですが、小刻みな楽器の音色と切れ上がるsop.voiceが特徴的です。独特な民族音楽和声が感じられます。
 試しにYouTubeで聴いてみる?

Öö (1997年) for saxophone quartet
Alto Saxophone – Jörgen Pettersson, Baritone Saxophone – Per Hedlund, Ensemble – Stockholm Saxophone Quartet, Soprano Saxophone – Sven Westerberg, Tenor Saxophone – Leif Karlborg
 各サックスがロンドの様に音色を重ねるのが興味深いです。楽器構成が変わっただけではないとは思いますが。ただ全体の流れは、平板な静音パートと強音の組み合わせです。
 試しにYouTubeで聴いてみる?

Abysses (2003年) for flutes & ensemble
Conductor – Olari Elts, Ensemble – NYYD Ensemble, Flute – Emmanuelle Ophèle-Gaubert, Mikhel Peäske
 フルートが特徴的、和楽の様な響きを感じますね。変化の少ない楽曲でちょっと眠くなります。特殊奏法もあるのですが、それが生きている様には思えませんね。

Cendres (2001年) for ensemble
Conductor – Olari Elts, Ensemble – NYYD Ensemble
 ここではカオスでクラスターな即興性のパートで入ります。中に煌めく音が潜んで緊張感のある楽曲です。面白いですが和声の特徴は無くなり何かの類型的です。

Nec ros, nec pluvia... (2004年) for string quartet
Ensemble – Silesian String Quartet, Viola – Lukasz Syrnicki, Violin – Arkadiusz Kubica & Szymon Krzeszowiec, Violoncello – Piotr Janosik
 前曲と似た構成です。ただ、より先鋭的で神経質な音の展開になっているので興味を惹かれます。これに独特な何かがあれば楽しいでしょうね。



民族音楽和声と空間音響系のコラボ音楽から刺激のある楽曲に変化していますね。でも何か突出するものが感じられず、結局印象に残りません。
近年は反復や緩いカオスを感じる作品もありますが、惹かれるものが薄いのは…



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

シモン・ヴァン・ホーレン(Simon Van Holen) の Pro Contra! を聴く

ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(RCO)のコントラファゴット奏者シモン・ヴァン・ホーレン(Simon Van Holen, 1985 - )のアルバムですね。
なぜか管楽器のソロ、もしくは主役のアルバムは衝動買いの対象ですw 扱われている楽曲が特に現代音楽ではなくとも独特な世界が楽しめますよね。

ソロ、チェロとのDuo、ヴィオラx2とチェロとの四重奏、弦楽五重奏との共演と演奏形式が多彩です。また楽曲も古典から近代、現代に及びます。
バスーン曲のヴァリエーションを散りばめたアルバムで、バスーン以外はRCOのメンバーになります。

Pro Contra!: Works for Bassoon & Contrabassoon / Simon Van Holen

Divertissement for bassoon and string quintet (1942年)
フランスの新古典主義音楽家ジャン・フランセ(Jean Françaix, 1912/5/23 - 1997/9/25)の若き日の作品です。
四楽章で、軽妙洒脱なフランス曲です。弦楽とファゴットに違和感は全くなく、ちょっと洒落たBGMといった感じですね。作風から行けば後期ロマン派の流れも感じます。曲としたらこれが一番です。

Baßnachtigall for contrabassoon solo op.38 (1922年)
ナチスによる退廃音楽として知られる?ダダイズムのチェコ人音楽家エルヴィン・シュルホフ(Erwin Schulhoff, 1894/6/8 - 1942/8/18)の作品ですね。
コントラバスーンのソロです。陰鬱な気配が楽器の音色とあっています。個人的には第二楽章の技巧系がいい感じですね。でも、もっと尖っていてもいい気がします。
 ★試しにYouTubeで観てみる?
  ライヴ演奏です。


Sonata for bassoon and cello KV292 (1775年)
KVを見れば一目でわかるモーツァルト(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756/1/27 - 1791/12/5)の作品ですね。曲もまんま宮廷音楽で、ヴァイオリンに変更してチェロとのデュオ曲としても印象は同じでしょう。どんな楽器でも良い感じで、バスーンである必要性は??

Quartet for bassoon, 2 violas and cello op.46 no.1 (1804年)
ボヘミア生まれの古典派フランツ・クロンマー(Franz Krommer, 1759/11/27/ - 1831/1/8)の作品です。
モーツァルトと同じです。楽器構成が変わっただけですね。これは思い切り退屈ですw

Concertino for contrabassoon and string quintet (2014年)
オランダ・アムステルダム生まれのバスーンニスト、現代音楽家のケース・オルトゥイス(Kees Olthuis, 1940/11/28 - )の作品になります。1970年から2005年までRCOのバスーンニストでした。
現代音楽とはいえ20'弱の機能和声の曲になります。曲調はミステリー的な映画音楽風というと分かりやすいでしょうか。要は表情を変化させますね。でもその色合いを演出しているのは弦楽団で、コントラバスーンではありませんが。



手広いパターンで曲を構成していますが、バスーン(ファゴット)ならではの鳴りや超絶テクを味わえません。あえて言うならシュルホフのソロ曲ですが、もっと特殊奏法も絡めてこの楽器の可能性を見たかった気がします。より先鋭な現代曲を入れた方が面白かったのでは。
全体通して退屈さがぬぐえません、残念




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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2.マーラー交響曲第5番 160CD
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