ヘンリク・グレツキ Górecki の交響曲第一・三番を聴く

ヘンリク・グレツキ(Henryk Mikołaj Gorecki, 1933/12/6 - 2010/11/12) は前回紹介したペンデレツキと同じポーランドの現代音楽家、同年生まれです。印象も似ていて、前衛からカトリック信仰を背景とした機能和声へとの展開イメージです。

初期の前衛時代はセリエルで、ヴェーベルンやメシアンらの音楽との出会いと言われている様です。そして'60〜'70年代の前衛の衰退時期には音列配置から離れて行きます。ペンデレツキの荘厳な宗教色に対して グレツキは美的な宗教色といった感じでしょうか。
スタイルはホーリー・ミニマリズムHoly minimalism。簡単に言ってしまえば全音階(宗教的ドレミファ…)の宗教的ヒーリング、ペルトとペンデレツキの中間くらい、なんて言うとまた怒られるかも。^^;
と言う事で今回はグレツキの前衛時代の交響曲第一番と、代表作であり有名な交響曲第三番を聴いてみましょう。

交響曲第1番『1959』(1959年) Op.14

 弦楽オーケストラと打楽器のための交響曲です。
打楽器パートと弦楽パートが別れては絡む楽曲で、弦楽は音列配置であり打楽器は衝撃音です。クラスター的なこの時代らしい響きを感じる事が出来ます。
作曲年を標題音楽としてつけていますが、聴いた感じで行けば絶対音楽ですね。
弦楽には反復もあり第一楽章は刺激的、第二楽章は緩徐的から刺激的に、第三楽章では瞑想的な空間を感じます。

特徴的ではありませんが、悪くありません、後の空間音響系に通じる物を感じますね。
演奏はRoland Bader指揮Krakow Philharmonic Orchestraになります。
試しにYouTubeで聴いてみる?


交響曲第3番『悲歌のシンフォニー Symphony of Sorrowful Songs (Symfonia pieśni żałosnych)』(1976年) Op.36

 有名な三楽章の歌曲が入る交響曲です。
第一楽章は低音弦楽をベースに響かせる教会音楽風、第二楽章は暗い美しさの緩徐楽章、第三楽章はポーランド民謡からとられているという歌が多く入り表題のイメージを感じます。

個人的には交響曲と言うよりも、やはり宗教曲。と言う事で例によって聴いた印象だけです。

演奏はAntoni Wit指揮、Polish National Radio SO、SopはZofia Kilanowiczになります。





テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

2015年11月29日 オッコ・カム指揮 ラハティ響 / シベリウス交響曲第五・六・七番 at 東京オペラシティー ★☆

今年終盤のコンサートはやっぱりシベリウス生誕150年記念のイベントですね。今日のオッコ・カム指揮フィンランド・ラハティ交響楽団と、今週金曜日(12/4)のオスモ・ヴァンスカ指揮 読響に行く予定です。演目は同じ交響曲第五・六・七番。
と言う訳で今日は近くて楽な初台の東京オペラシティです。
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さて事前にシベリウス第五・六・七番の聴き比べをしておきました。ラハティ響のヴァンスカとカム+αです。(比べると個々の演奏の印象は鮮明ですが、単独で聴いたイメージと異なってしまう事もありますよね。そこが比較の懸念ですが)
http:// シベリウス交響曲第五・六・七番聴き比べ / カム、ヴァンスカ, with ラハティ響
細かな表情に主体を当てた緩い流れの構成をどうみるか、透明感のある美しさなのか締まりに欠けるのか、を実際に聴いてみました。

開演時オケは全員揃って登場し、起立でコンマス待ち。ヨーロッパのオケらしいですね。カムは着席して指揮です。

□ 交響曲 第5番 変ホ長調 op.82
 いきなり感じた入りの速さ、そして管楽器の音の乱れ。第二楽章のフラットさは退屈、最終楽章フィニッシュでは音が揃わず...
荒々しくと言うのとは違う弦五部の揃いの悪さ、そして各パートのまとまりのなさ。これがシベリウスで名を馳せたラハティ⁈
いったいどうしたのでしょうって感じです。でもオーディエンスは狂喜の拍手! 結局わかってないのは自分だけ?! 駄耳の証明でしょうかw

□ 交響曲 第6番 ニ短調 Op.104
 休憩を挟んで第六番。個人的にシベリウスらしさを感じる曲ですが、スタートは同じく速くてまとまりのないフラット。確かに演奏は揃って来ましたが、ダメかなぁと思ったら 何と第三楽章から不思議なくらい持ち直しました。驚きです‼︎
最終楽章ラストではこの曲らしい美しい広がりも感じられましたね。

□ 交響曲 第7番ハ長調 Op.105
 シベリウスの交響曲の中では一番好きな七番。叙情性の強いこの曲、CDで感じた「情景的でスケルツォ部では優美に、その後の展開も色彩感豊か…」をディナーミクを強く演奏しました。演奏レベルは大きく変わり、明らかにこれが本当の実力と感じましたね。

とは言え結果は一曲目第五番の乱れの印象が強すぎなのと、いずれにしてもあまり好みのシベリウスではない事に変わりはありませんでした。
アンコールも3曲やってくれましたが、その最後にフィンランディアを持ってきたら違反でしょw 確かに弾ける様なこの曲に見合った素晴らしい演奏で、当然の大受けでした。(これだけなら★★★ w)
こんな事やったら交響曲三曲の印象がかすれますよねぇ。でも これで気持ちは救われましたね。

さて、金曜日のヴァンスカ読響はどうでしょう?! 気になりますね。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ペンデレツキ Penderecki の 交響曲全集 Complete Symphonies を聴く


ポーランドの現代音楽ビッグネームのクシシュトフ・ペンデレツキ(Krzysztof Penderecki, 1933/11/23 - ) は、個人的にどうも馴染めない部分がありますね。

特殊奏法、クラスター、引用、と言った技法をベースに無調作品を作るのですが 時代とともに前衛から離れて行きます。そこからの新しい世界は観られません。

個人的に中途半端に重厚刺激的な音楽と言う印象を持ち続けていますね。

先日、本人指揮の交響曲全集(5CDset)を手にしたので一気に聴いてみましょう。年代を追っての変化が感じられるのではないかと思います。


交響曲第一番 (1973年)
 四楽章形式(Arche I, Dynamis I, Dynamis II, Arche II)です。特殊奏法とクラスター、そして反復を基本にしていますね。弦楽器主体の特殊奏法パート、もしくは微分音? トリル?はノイズ、それをクラスター的に演奏したりもします。打楽器と管楽器主体のクラスターも現れます。無調ですが、全体としてはリズムや大きな流れはあるので聴き易いです。この辺りは前衛の衰退時期として普通ですね。どこかで聴いた様な…みたいな。
試しにYouTubeで聴いてみる?

交響曲第二番 クリスマス・イヴ (1980年)
 一楽章形式で引用を用いた交響曲です。終始暗く重厚な楽曲で、前衛から一転して機能和声の展開です。新ロマン主義といっても良いのではないかという作風ですね。どこがクリスマスなのか、引用なのかよくわかりません。それに長く感じます。^^ゞ
一部ストラヴィンスキー風も感じたりして楽曲としてはけっこう好きかもしれませんが、どうしてこう変わるの?! といった気分になりますよね。

交響曲第三番 (1988-95年)
 五楽章で I.Andante - II.Allegro - III.Adagio - IV.Allegro moderato - V.Scherzo Vivace と構成は古典回帰です。全体的な暗さは第二番の路線ですが、メリハリがあり一層の調性回帰。アダージョでは暗く冷たい音が流れますが、四楽章では重厚さも出現します。第五楽章もスケルツォらしいリズムが明確でロマン的な香りよりも古典、新古典主義気配です。
悪くはありませんが、個人的には20世紀後半に聴きたいとは…

交響曲第四番 アダージョ (1989年)
 第三番とほぼ同時期に作られた五楽章構成の標題音楽です。'80年代で前衛から新ロマン的路線に変更された楽風は、'90年代前後から明確は調性回帰路線になっています。
当然ながら第三番とほぼ似た構成で、陰鬱とメリハリの効いた重厚さの組合せです。フランス政府から委嘱曲になります。フランス革命200周年なので、切れ味の良さはそこを見越してでしょうか。

交響曲第五番 Korean (1992年)
 一楽章形式です。楽風は変わらずに重厚陰的展開です。第二番で調性回帰してからは同傾向の作風になっています。対位法、フーガ、反復、クラスターといった技法で出し入れの強い作品です。この第五番では勇壮さが増し、トリルを使ってちょっと前衛時代を彷彿させるパートもありますね。

■ ここまで聴いて再確認出来たのは、調性回帰してからは新ロマン主義の作風で続いていると言う事ですね。その方向性が好きな方にとっては19世紀のクラシック本流回帰であり、そこに若干の不協和音や陰的重厚といった現代的スパイス加味がされているのでしょう。前衛時代を聴いているから不思議さが強いだけ。
もっとも それだったらアラン・ペッテション(Allan Pettersson, 1911/9 /19 - 1980/6/20 )とかアレクサンドル・ロクシーン(Alexander Lazarevich Lokshin, 1920/9/19 – 1987/6/11) を聴くでしょうが…

交響曲第七番 エルサレムの7つの門 (1996年)
 オラトリオとして書かれたものでエルサレム建都3000年でイスラエルの委託曲で、7つの門に対応する7楽章形式です。宗教曲の多いカトリック教徒ペンデレツキにとって当然のオラトリオでしょう、宗教色を荘厳さで彩った訳で交響曲とは思えない作品です。重厚な宗教曲なのですが、それまでの交響曲よりも色彩が豊ですね。あえて宗教を鑒みずに言えば悪くありません。
試しにYouTubeで聴いてみる?

交響曲第八番 はかなさの歌 (2005-07年)
 第七番に続き歌曲の交響曲で、2007年に三楽章分が追加されて15楽章形式になります。歌詞はヘッセやリルケと言った詩人の作品を用いて、交響曲の一部に歌が入るのではなく全体として歌曲です。合唱パートは宗教曲風に感じますが、ソロパートは今の時代の歌曲で悪くありません。
陰湿重厚さから ここへ来て俄然興味深い音楽になっている気がします。間違いなくこの曲が一番面白いですね。
2001年には合唱曲でグラミー賞を受賞していますから、得意分野を広げていると言う事でしょう。

■ 歌曲が入ると新ロマン主義が一層の迫力を増しますね。宗教合唱曲での実力が一番の聴き処でしょうが、それ以外でも作風からいって近年の作品は面白いかもしれませんね。現在はオペラと交響曲第九番を作成している様なので楽しみです。

尚、第六番は欠番になります。
指揮はペンデレツキ本人、演奏は ポーランド青年交響楽団 (The Polish Sinfonia Iuventus Orchestra) です。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

Weather Report の The Legendary Live Tapes: 1978-1981 を聴く

届きました! 懐かしいウェザー・リポート(以降W.R.)のライヴ 4CDsetです。今はW.R.を聴く事は殆どありませんが、それでも iPod classic の中にはHeavy Weather, Black Market が入っていて時折なぜか聴きたくなります。

全盛の時代にニュー・リリースを待ちながら聴いていて本当に良かったと 今 感じます。中野サンプラザの公演では、開演に合わせてラヴェルのボレロが流されて凄く盛上がってスタートした事なんか思い出しますね。個人的には厚生年金会館よりも印象が強いです。

今聴いてもやっぱり素晴らしい!
当時のメンバーの経歴や In a silent way, マイルスとの関係など、そんな事をここで書いて仕方ないでしょう。
マイルスにも3回行く事が出来ましたが、新宿西口の淀橋浄水場跡ではその姿に悲しみさえ覚えました。もちろんジャンルに関係なくマイルスの凄さは言うに及ばずです。

W.R.もマイルスなくして存在無しでしょうしね。もちろんCD4枚、いっきに聴いちゃいました。
Sightseeing でのショーターとジャコの演奏、アースキンのリズムはやっぱり凄い。ザヴィヌルらしいサウンドを見せる Forlon。ライヴの楽しさと各パートのテクを見せてくれる Badia / Boogie Woogie WaltzJaco Solo(2takeあり) のベースは得意のブラックバードも入れたりハーモニックスを効かせたり。ザヴィヌルのクラシック畑出身者らしさと、ジャズ色、W.R.の本質と多彩さを見せる Joe and Wayne Duet。お約束の Birdland はシャッフルじゃないver.で後半のノリがいいです。A Remark You Made, Continuum/River People の完成度の高さはグッときますね。Fast City はウェイン全開、ニュー・ハードバップVSOP風で楽しい。W.R.らしい Dream Clock。そして好きな Black Market は楽器間のバランスがライヴとしては申し分ありません。ラストの Directions では全員がソロのテクを見せつけます。
楽しいけど、さすがにCD4枚は多いんじゃないかな?!

全体に少し録音レベルの差がありますね。Continuum/River People はオーディエンスの録音らしいですが、悪くありません。オーディエンス録音といってもラピンスキーとかのレベルじゃないですか?!

演奏能力だけでなく作曲能力も含めて凄いグループでした。でもすでにジャコとザヴィヌルは他界、時代は過ぎ行くと実感しますね。
あっ、やっぱり思い出話になっちゃったか… ^^ゞ


テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

キーリル・マカン Keeril Makan の In Sound を聴く


 マカン(Keeril Makan, 1972/3/14 - ) はニュージャージー州生まれの米現代音楽家です。UCバークレーやヘルシンキ、パリで学んでいます。米国のみならず、欧州でも活躍の場を得ていますね。今はマサチューセッツ在住で Associate Professor of Music at MIT を務めています。
委託曲も多く、このアルバムの演奏者以外にもkokotonPAPAご贔屓の Bang On a Can All-stars にも楽曲を提供していますね。その状況で音楽の方向性はわかるのではないかと思います。
一言でいうならミニマルベースのアブストラクト電子音楽です。
名前はマカンではなく多分メイカンと読む方が近いかな、米人ですからね。


The Noise Between Thoughts (2003年) / Kronos Quartet
 クロノスの楽器にはスチール弦が張られているようです。いかにも米現代音楽的な発想ですね。そして表題の通りの典型的な弦楽ノイズ音楽です。ギーギー・キーキー・グギギィ・みたいな。そして時に強烈にトリルで協奏的になり、時に長音で瞑想的になります。単にノイズ音楽を超えてはいない様な…

Threads (2002年) / Paul Dresher Ensemble Electro-Acoustic Band
 演奏はポール・ドレッシャー・アンサンブルの現代音楽演奏集団エレクトロ・アコースティック バンドで、米現代音楽集団を代表する一つになりますね。
ドローン系の電子音とノイズの組合せで面白いです。ドローンは複雑な音響処理、楽器群のデジタルモディファイされた音とディストーションされたE-ギター、そして弦楽器のボウイングからなっているようです。
垂れ込めた黒い雲と、その雲の中に煌めき閃光する稲妻の様な音楽です。稲妻はvnのボウイングとバスクラでしょう。
好きなパターンですね。
 ちなみにメンバーは
 ・Paul Dresher: Electric Guitar
 ・Joel Davel: Maribma Lumina
 ・Peter Josheff: Bass Clarinet
 ・Marja Mutru: Keyboard
 ・Karen Bentley Pollick: Violin
 ・Gene Refkin: Electronic Drum Set
 の編成ですが、他に2人のサウンド・エンジニアが居る様ですね。メンバーも変化しています。


Washed By Fire (2007年) / Kronos Quartet
 まず特徴的なのは、弦楽四重奏なのですが長音の旋律が木管楽器の様な印象を与えます。基本は反復です。ロングボウイングの旋律が変奏されながら間(短い全休)を置く様にしてゆっくりと繰り返されて行きます。とても瞑想的です。
そしてトリルを使ったミニマル的な細かいハイピッチな演奏に変化し、そこにはトレモロとロングボウイングによる緊張感のある展開も含まれますね。スロー化すると和声(モード)が東洋的な、中東的な、と様々な展開も見せます。
リズム、メロディー、そしてモードの再構築とありますが、基本はミニマルでしょう。全部ゴチャ混ぜでやってくれた方が面白かったかも。
 ★試しにYouTubeで観てみる?
  残念ながらクロノスではありません。少し感じが異なりますかね…


二三曲目は好きな米現代音楽に違いありませんね。^^v

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

2015年11月22日 J・ノット / 東響 の リゲティ「100台のメトロノーム」とショスタコーヴィチ「交響曲 第15番」at サントリーホール ★★☆

J・ノット(Jonathan Nott)の東京交響楽団は実は初めて。朝夕の寒さが増した東京、今日は三連休の中日、そして どんより曇り空の中、六本木のサントリーホールまで行って来ました。
20151122_SuntoryHall-JonathanNott-TSO.jpg リゲティ 100台のメトロノーム
まずはステージ前列に並んだ100台のメトロノーム。これが観たかったんですよね。

リゲティ:ポエム・サンフォニック =100台のメトロノームのための=
 今回の目的の一つはこれ。前衛系の現代音楽、不確定性の音楽の一つですね。100台のメトロノームが徐々に止まって来て最後に3, 4台になると面白いリズムが出て来て"なるほど"なんて思うのですが、今回は今ひとつ面白いリズムにならなかったかも。でもタイミング等の演出は効果的でしたね。


□ J.S.バッハ/ストコフスキー編:甘き死よ来たれ BWV478
 短いこの曲を挟まずにブルレスケのティンパニにつながった方が面白かったのでは、と思いますね。確かにメトロノームが静音の中で鳴り終えた直後は良かったこですが、それだけかも。(時間構成上の問題?!)

リヒャルト・シュトラウス:ブルレスケ ニ短調 =ピアノと管弦楽のための=
 ピアノのエマニュエル・アックス(Emanuel Ax)の選択でしょうか。超絶技巧で派手なこの曲は楽しみでした。
Axのピアノは全体的にマイルド。後半の嵐の様なカデンツァは技巧をクールに披露してくれましたが、強烈という印象ではありませんでした。
難曲でオケもティンパニや各管楽器のソロを始めとして実力を問われるのですが、東響はまとまり良く聴かせてくれましたね。ただディナーミクを抑えた展開はpfと合わせて、この曲の楽しみの一つ、派手でヴィルトゥオーゾな展開にやや欠けた気がします。
でも考えたら、シュトラウスですし協奏曲ですから、これが良かったのかもしれません。

ここまでを切れ間なく続けます。東響のHPには事前にその件が書いてあり、拍手はするなとあります。それに例の「開場での録音…、補聴器の…」が延々と書いてあります。その放送もありませんでしたね。

ショスタコーヴィチ:交響曲 第15番 イ長調 作品141
 事前の聴き比べをしてきました。
とにかく第一楽章がまず良かったです。出し入れの明確なシャープな展開は実に色彩感がありました。ウィリアム・テルの引用もうまく挟まれて適度な休息感を出していましたね。ともすると締まりに欠ける心配があるのですが、先が楽しみに感じる展開でスタートしました。
第二楽章は葬送感と言うよりも、好きな幽玄さです。音列配置のソロ楽器群さえも生かしていましたね。そして中盤のクライマックスは激情的に盛り上げました。特に普段はそれなりでも何とかなる五絃群も情熱を感じる演奏でした。
このまま行くと凄い第15番かと思いきや、判断が分かれる後半が待っていましたね。
第三楽章はスケルツォらしさや奇怪さをあまり表に出しません。"んっ?!"ていう感じ。引用の違いを考慮しても、第四楽章は第二楽章と似た傾向にあります。ここでは延々とフラット。山場も激情を避けていました。
それを避ける展開なのかわかりませんが、盛り上がりには欠ける後半二つの楽章。でも演奏は全く悪くありません。J・ノットの解釈でしょう。
でも地味なラストをチェレスタを含め打楽器が見事な緊迫感を沈黙の中に演じてくれました。これは良かったですね。一気に締まりました。御見事。

バッハ以外は聴きたい曲が並んだ今回のコンサート、結果的には期待以上に楽しめました。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ザルツブルク音楽祭2005 歌劇「椿姫」をNHKプレミアムシアターで観る

10年前のSalzburger Festspiele 2005 から、ヴェルディのオペラ代表作の一つ「椿姫 La traviata」ですね。ヴェルディ作品は音が派手過ぎであまり好みではありませんが。

初めに放送された本年度2015ザルツブルク音楽祭のアンネ・ゾフィー・ムターですが、痩せて老けましたねぇ。(近年の日本公演には行っていませんでしたので驚きました)
でもvnは相変わらずトゲトゲしくムターらしかったです。ムーティとVPOも情感の強い演奏で応えていましたね。好みではありませんが、良かったです。


番組としては多少今更感の10年前「椿姫」です。
ザルツブルク音楽祭2005 歌劇「椿姫」

ポイントは、今を代表する歌姫アンナ・ネトレプコ(Anna Netrebko)34才の若き美しい処が見られる事でしょうね。
舞台のシンプルさがまず目に付きますね。左右に広がった飾り気のないステージに小物を配置するだけです。全幕ともにこのパターンで通されています。
衣装は現代風でスーツとドレス、ガウン。第一幕のネトレプコの赤いドレスと白い椿の花は印象的です。
演出は大胆淫らな?ヴィオレッタのポーズもあったりしますが今の時代の演出の範囲を超える特殊性やアヴァンギャルドさはありません。流れは今ひとつ。最後はちゃんとヴィオレッタは亡くなってくれますw
唯一グランヴィルくらいでしょうか。

配役では主役二人でしょう。アルフレードのロランド・ビリャソン(Rolando Villazon)は第一幕は冴えませんでしたが、二、三幕では実力を見せ付けて素晴らしい高音の伸びを見せてくれました。そして何と言ってもヴィオレッタのネトレプコ。コロラトゥーラも見事にこなして伸びのあるソプラノを随所に聴かせてくれますね。この頃はプロポーションも美しく美貌が光りますね。まぁ今の方が肉体共々艶があるとは思いますが。ヾ^^;
他では出番はそれなりにあったアルフレードの父ジェルモンのトマス・ハンプソン(Thomas Hampson)も、添え物的にそれなりでした。

有名な「乾杯の歌」では二人ともこの曲らしさに欠ける気がしましたが、カーテンコールではネトレプコに対して観客総立ちスタンディング・オベーションでした。
まさにネトレプコの為のザルツブルク音楽祭2005 椿姫ですね。それ以上でもそれ以下でもない様な…

<出 演>
 ヴィオレッタ: アンナ・ネトレプコ
 フローラ: ヘレン・シュナイダーマン
 アンニーナ(ヴィオレッタの女中): ダイアン・ピルチャー
 アルフレード: ロランド・ビリャソン
 ジョルジョ・ジェルモン(アルフレードの父): トマス・ハンプソン
 ガストン子爵: サルヴァトーレ・コルデルラ
 ドゥフォール男爵: ポール・ゲー
 ドビニー侯爵: ヘルマン・ヴァレーン
 グランヴィル(医師): ルイージ・ローニ

<合 唱> ウィーン国立歌劇場合唱団
<管弦楽> ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
<指 揮> カルロ・リッツィ

<美 術> ウォルフガング・グスマン
<演 出> ウィリー・デッカー


2005年8月7日 ザルツブルク祝祭大劇場(オーストリア)

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ショスタコーヴィチの交響曲15番 聴き比べ / コンドラシン、ゲルギエフ、ダーリントン

11/22(日)のJ.ノット/東響のコンサートを前に、当日のメインディシュ:ドミートリイ・ショスタコーヴィチ(Dmitrii Dmitrievich Shostakovich, 1906/9/25/ - 1975/8/9) の交響曲 第15番を聴き比べておきましょう。

ショスタコーヴィチは年代的には近現代音楽家ですが、だれも現代音楽家とは言わないでしょうね。と言う事でショスタコーヴィチについては割愛ですw

ほどほどの興味しかないのですが、交響曲第15番 イ長調 Op.141(1971年) は4CD所有。ショスタコーヴィチの中ではお気に入りの楽曲です。強烈な引用と独自十二音技法の四楽章構成交響曲ですね。
初演は息子であるマクシム・ショスタコーヴィチ/モスクワ放送響により1972年に行われました。本来ムラヴィンスキーこそがショスタコーヴィチ初演を多々こなした同世代の指揮者。所有CDならコンドラシン、ショスタコの交響曲13番の初演(本来はムラヴィンスキーの予定)、初の交響曲全集があります。で、まずはそこから。



コンドラシン(Kirill Kondrashin) / モスクワ・フィル(Moscow PO) rec.1974年

張りつめた切れ味の中に見せる不協和音とウィリアム・テル序曲引用の第一楽章はテンションが高いです。
そして一転、葬送の色合いを陰鬱に重苦しく奏でる第二楽章は、単音で奏でる楽器の十二音技法的なテクもそれにピッタリですね。
不気味なスケルツォの第三楽章も各楽器の切れ味が光ります。
最終楽章は暗く響くワーグナーの「運命の動機(ニーベルングの指環)」の引用、でも曲構成は微妙な調性とショスタコ節の組合せ。揺れる様な、そして個別の楽器群の明確な演奏はこの曲の神髄でしょうね。

 読み込まれた楽譜からの切れ味とコントラストを感じる演奏ですね。個々のパートの演奏技量を元に主張の明確なこの演奏が、やっぱり基準でしょう。


ゲルギエフ(Valery Gergiev) / マリンスキー(Mariinsky O) rec.2008年

ロシア繋がりでゲルギエフとマリインスキー劇場管ですね。ウィリアム・テルの引用は柔らかく、それと対比する様に流れの中では時に激しく。第一楽章には柔らかさと激しさがあります。
葬送ながら音列的な音の並べよりも流れる様な組み立ての第二楽章。それにより柔らかな美しさを感じますが、中盤の山場は強烈です。
スケルツォの第三楽章は音列配置が飛び跳ねる様に効果的に演奏されています。
コンドラシンとは対照的に、微妙な間を使った引用「運命の動機」から緩やかな流れで独特の調性感を幽玄な美しさで聴かせてくれる最終楽章。もちろん ここでも中間部のクライマックスは激情的です。

 繊細な美しさの中の柔と剛、そして静と激。その流れを掴む、まさにゲルギエフのパターンですね。


ウィグレスワース(Mark Wigglesworth) / オランダ放送フィルハーモニー管(Netherlands Radio PO) rec.2006年

51才になった英国人指揮者マーク・ウィッグルスワースが昨年リリースしたアルバムです。
第一楽章は押さえ気味のウィリアム・テルと不安定さのメリハリを強調する演奏です。出し入れが強いですね。
第二楽章は葬送感と言うよりも幽玄な響きにしています。音列配置感は薄くスローで澄んだ美しい演奏です。
第三楽章、トゲトゲしさを控えた演奏は第二楽章からのアタッカの繋がりがナチュラルです。
柔らかな「運命の動機」から入る最終楽章は細く緩やかな流れが主体で進みます。
全体として静音が支配する演奏です。

 穏やかさが流れる新ロマン主義的な解釈を感じる演奏ですが、やや締まりに欠ける第15番でしょうか。


ダーリントン(Jonathan Darlington) / デュースブルク管(Duisburg PO) rec.2006年

ご贔屓の指揮者ジョナサン・ダーリントンです。以前紹介済みですが、ここで比較に入れました。第一楽章は入りから速めの表情豊かな流れにウィリアム・テルが自然に絡みます。躍動感の中に不安定な調性が生きていますね。第二楽章は緩いアゴーギクで表情を付けて、葬送感の中に透明感のある広がりが際立ちます。それを切り裂く中盤のクライマックスは煌びやかな迫力で、その後の陰鬱さがバランス良いですね。第三楽章はリズムをスケルツォ的に跳ねさせます。基本は重厚です。重さの中に流れのあるリズムを取り込んだ最終楽章は第二楽章と同じ透明感のある広がりと展開です。楽器個別の響きも美しく、中盤の山場は情感強くと表情豊かです。ラストでは第一楽章の導入部の動機がチェレスタで現れてリズムを残しながら収束します。

 各楽章に流れる不安定感をアゴーギクとディナーミクでうまく表現した彫りの深い演奏です。やっぱりダーリントンとデュースブルク管は侮れません。

さて次の日曜日、J.ノット/東響 はどんな演奏を聴かせてくれるのでしょうか楽しみですね。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

オスモ・ヴァンスカ と オッコ・カム のシベリウスの交響曲 第五・六・七番を ラハティ響で聴き比べ +α

ジャン・シベリウス生誕150周年の本年、フィンランドからオッコ・カム(Okko Kamu, 1946/5/7 - )・ラハティ交響楽団(Lahati SO)、そしてオスモ・ヴァンスカ(Osmo Vänskä, 1953/2/28 - ) が来日しますね。両者のコンサートへ行く予定です。(ヴァンスカは読響を指揮します)
せっかくですからコンサートで聴くシベリウス(Jean Sibelius, 1865/12/8 - 1957/9/20) 交響曲第五・六・七番をラハティ響で聴き比べておきましょう。
二人ともシベリウス交響曲全集をラハティ響でスウェーデンのBISレーベルから出していますね。

  [オッコ・カム]     [オスモ・ヴァンスカ]
 

他にも一人、近年のフィンランド人指揮者 ヨン・ストルゴールズ(John Storgårds, 1963/10/20 - ) も参考に入れましょう。 昨年2014年にBBC管とシベリウス交響曲全集を出しています。Storgardsの読み方は面倒、ストルゴーズの方が良い?!



三人の比較で言うなら ◆重厚さを表に出したヴァンスカ ◆細かな表情に光を当てたカム ◇音の良さと曲の表現力のストルゴールズ さてそれぞれは…


《交響曲 第5番 変ホ長調 op.82 (1991年Final ver.) 》
 ヴァンスカは四楽章形式の1951年Original ver.も演奏していますが、ここでは三楽章形式になるFinal versionでの聴き比べです。

◆ヴァンスカ
 第一楽章は雄大な中にもやや緊張感と迫力をもった入りから第一主題が緊張感を残しながら流れます。第二主題は不安感を誘う様な弦のトレモロを背景に展開しながら、展開部では明朗さもみせています。後半スケルツォパートでも緊張感、そこからの解放の様なクライマックスですね。
第二楽章では弦のピチカートで主題が穏やかに提示されて、楽器を変えながら変奏されて行きます。ディナーミクとアゴーギクが重厚な優美さを感じますね。
第三楽章は弦のトレモロの速く薄いテンポで入りながら第二主題へと引き継ぎ、主題の再現と回帰では重厚です。間を充分に取ったラストは唐突的に終了しますね。

 北欧らしい冷たい荒涼感というよりも緊張感と荘厳さです。それが一般的には北欧らしさ、ヴァンスカらしさかもしれませんが。


◆カム
 第一楽章は緩やかながら適度なアゴーギクの第一主題は弦のトレモロを抑えて管楽器の対話が効いています。第二主題は冷たい荒涼とした気配を漂わせます。スケルツォでは明確に表情(押さえたディナーミク、変化するアゴーギク)を変えて冷たさの中に明るさを感じますね。ラストはクレシェンドしながらペースも上げて高揚感をうまく盛上げて締めます。
第二楽章は主題が明瞭に楽器毎に移りながら変奏されて行くのがわかりますね。緩やかであり、北欧の空気が伝わる穏やかで優美な緩徐楽章です。
第三楽章は薄く適度なペースの弦と歯切れの良い管楽器の流れの第一主題は清涼感があり、その流れの延長に第二主題が現れます。主題の再現と展開が緩やかな流れで続きながらうまく盛上げ、最後の間を取ったラストに結びます。

 揺るやかなアゴーギクで北欧の空気を感じる様な透明感がありますね。構成的には良いのですが、その緩やかさがややフラットに感じる感も否めません。


◇ストルゴールズ
 第一楽章は穏やかな入りで管楽器の明瞭な第一主題が特徴的です。第二主題は冷たい透明感が感じられますね。その展開でスケルツォに入りますが殊更に軽快感を強調する訳ではありません。やや暗さを保って進みラストは盛上げてアッチェレランド気味に締めますね。
第二楽章は全体的にややスロー、そして小春日和の様な穏やかさです。録音の良さもあって管弦楽器の音色の明瞭さもそれに加担していますね。
第三楽章は標準的軽快さをもって第一主題を奏でるとホルンの二分音符もバランスよく入り雄大さを感じさせます。第二主題もその延長上に現れますね。再現と展開でも流れは変わらず大きな構えで、やっかいなラストも雄大に うまく全休符を挟んで締めています。

 明瞭な音と構成の第五番です。壮大な気配をそれによって感じる事ができますね。



《交響曲 第6番 ニ短調 Op.104 》
 北欧らしさやシベリウスらしさ漂うこの曲が第7番とほぼ同時期というのが興味深いですね。

◆ヴァンスカ
 第一楽章は冷たく美しい第一主題と日が当たる様な第二主題が北欧らしさを感じさせてくれます。下降音階では緊張感を残しながら情感を上げて行き、コーダでは天候の急転の様に激情を強めて緩やかに終ります。第二楽章は第一楽章の冷たい北欧の景色を再現する様な緩徐楽章です。ここでも後半にかけて叙情性を強めていますね。第三楽章はスケルツォ的な位置づけでしょう。ハイペースのドライブ感強く展開して締めますが、冷たい透明感は感じられますね。最終楽章は英国風な印象が感じられる主題が変奏されますね。ドーリア旋法なのですが、コーダの弦パートで明確です。曲全体の緩急の流れに合わせる様に情感の強さ、ディナーミクの振り方も出し入れが強いですね。

 美しい北欧的な風景感に情感の強さのコントラストがついて、シベリウスらしさ?が強く感じられますね。


◆カム
 第一楽章の第一主題は緩くアゴーギクをかけて透明感の中に情感を強めています。つづく第二主題ではより明るい叙情性に流れ良く繋がっていますね。下降音階でも基本の流れは同じで表情の変化は少ないです。コーダでも大きくディナーミクを変化させずにフィニッシュを迎えますね。第二楽章でも細かなアゴーギクで表情を作っています。北欧の風景というよりも、そこに生きる生命の会話の様です。第三楽章は速いリズムですがドライブ感ではなく、緩急の変化をつけていますね。最終楽章の主題は爽やかさ、緩急を持つ曲に対してアゴーギクでの表情作りをここでも感じます。コーダはややペースを変化させながら叙情の強いドーリア感です。

 透明感や冷たさより、緩やかな中に表情の様な有機的なものを感じる演奏ですね。ヴァンスカとはかなり違いを感じます。


◇ストルゴールズ
 北欧らしさを感じるこの交響曲らしい第一楽章の入りで、第一主題はどの楽器も透明清涼な気配、第二主題も美しさが際立ちます。下降音階では声を潜める様にして進みながら徐々に雄大さを増して再現部からコーダへ。コーダも透明感を残しながらラストは優美です。第二楽章も一楽章の延長上にあり、優美な流れが緩徐的に冷たさから情感へと表情を変えて展開されます。短い第三楽章はリズム感はあるものの速さやドライブ感ではありません。前楽章からの繋がり感が残された軽快さです。最終楽章の主題は気品を感じる楽器の音で曲の持つ緩急の流れにうまく乗っていますね。中間部でも各楽器が表情豊かに絡みながら透明感のあるキレを見せてくれます。弦主体のコーダは雄大さから静寂に、ラストは遠く消え入る様に終わります。

 個人的に好きな演奏になりますね。透明感と雄大さが この曲のもつ"北欧・シベリウス"感を味合わせてくれます。



《交響曲 第7番ハ長調 Op.105 》
 一楽章形式で当初は交響的幻想曲と名されていたそうです。実は好きな曲の一つで、頭の中には重厚さよりも曲の持つ表情を前面に打ち出したクルト・ザンデルリングが鳴っています。

◆ヴァンスカ
 入りからゆったりとしたペースで重厚で荘厳的です。第一主題のトロンボーンもその流れから現れますね。中間部移行ではスケルツォ等で楽曲の流れの変化はありますが、演奏に出し入れや揺さぶりはなく、基本は通して重厚さですね。

 北欧的な透明感よりも音の厚みのある演奏です。


◆カム
 導入部は清涼的な風景を感じます。流れは穏やかに情景的に第一主題へ繋がります。スケルツォ部では優美に、その後の展開も色彩感豊かですね。

 この曲の持つ厳かさを保ちつつ一つの楽章に詰め込まれたソナタ・交響曲の表現を展開してます。


◇ストルゴールズ
 一楽章形式なのですが、Adagio-Vivacissimo-Allegro molto moderato-Vivace の4パートに区切っています。4パートがいいのか、Presto等も入れて区切るべきなのか異論はあるでしょう。
 適度なアゴーギクを使って厳かさの中に彩りと表情を見せる入りから、トロンボーンの第一主題。全体を情感強く聴かせる流れです。スケルツォ(Allegro molto moderato)パートへ入ると、優美で透明感のある広がりを感じさせてくれます。

 重厚さの中にこの曲の持つ豊かな表情を最大限生かした演奏ですね。叙情性の強い演奏です。



[ストルゴールズ]  
今回のポイントはコンサートに行く二人の指揮者のはずなのに、なぜストルゴールズを入れたか?

それは近年ではこれが最高だからですね。^^;

シベリウスと言えば日本でも人気があり、古くからの名盤がありますよね。
バルビローリや近年なら三回のシベリウス交響曲全集を出しているベルグルンド等々多々あるわけです。
が、古いものは今更出すのはやめました。

今や古臭いのは自分だけでもぅ充分w

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クリストファー・ラウズの Alan Gilbert Conducts Christopher Rouse を聴く


クリストファー・ラウズ (Christopher Rouse, 1949/2/15 - ) はボルチモア生まれの米現代音楽家でジョージ・クラム(George Crumb)に師事していますね。

日本では知名度が低いですが、交響曲、室内楽、そしてレクイエムとバリエーション広く活動してアメリカの様々な賞、ピュリッツァー賞・グラミー賞 等、を受賞していますね。
米各楽団からの委託曲も多いです。

新ロマン主義の作曲家と言われ、機能和声から変化して多調 そして調性感の薄い楽風を駆使しますね。

kokotonPAPAの好きなパーカッショニストEvelyn GlennieにもDer gerettete Alberichを書いています。

Iscariot (1989年)
 Saint Paul Chamber Orchestra他2楽団の共同委託の室内楽でジョン・アダムズJohn Adamsに献呈されています。本人曰く"the first is loud and tonal, the second loud and atonal, the third soft and tonal, the fourth soft and atonal, the fifth loud and polytonal"だとの事です。日本語題「裏切り者」で、ライナーノートには作曲者による意味あり気な投げかけがありますね。
本人の意図がどうかは知れませんが、映画音楽系というとイメージが掴み易いのではないでしょうか。この手の音楽を書く米音楽家の代表といった感じです。調性の明確なパートと主題の見えづらいパートが錯綜しています。静的に控えめなパートもそういう目で(耳で?)聴いてしまいますね。全体としてはsoft and tonalな中にpercussionを含めたloud and tonalが現れるという感じです。atonalな気配は…?? 退屈です。

Clarinet Concerto (2001年)
 楽風が変化する2000年以降を代表する曲の一つで、もっとも調性感の強い代表作Rapture(2000年)の後でラウズが変化の意図を持って作った曲です。1950年代のTVのゲームショウをイメージして刺激(刺々しく)を意識したそうです。タイムリミットが迫り来る様な焦燥感の様な感じを表したそうです。そんな感じはしませんが。
もともと持っている静的な中に現れるパルス、なんだかシャリーノみたいですが、の音楽をやや調性を崩しながら より打音的にした感じです。調性が薄い分だけ音楽的には広がりを感じますね。ヴァレーズとシャリーノの折衷型みたいな。
cl : Martin Fröst は然程意識する必要はない感じです。と言うのは格別に飛びぬけたり特殊奏法を駆使するわけでもありませんから。

Symphony No.1 (1986年)
 ブルックナーとショスタコーヴィチを合わせて引用した楽曲だそうで、バルティモア交響楽団による委託曲でKennedy Center Friedheim Award 受賞曲です。
一楽章で27分強の楽曲で、ここでも基本は静的な中に強音の出現になります。前半の静的パートは緊張感が強く感じられます。そこがラウズでしょうね。反復はブルックナー、中盤ショスタコーヴィチ(的旋律・展開)が顔を出しますね。その後に展開される静音パートは美しさを感じます。所謂(いわゆる)交響曲的ではなく、近現代北欧系作曲家の交響曲にそれを加えた感じがします。
試しにYouTubeで聴いてみる?

一曲目のIscariotは面白くありませんが、それ以外は静的流れをベースに出し入れの強い面白さがあります。もちろん前衛ではありませんので、調性からの離脱を音楽の広がりにした現代音楽ですね。

指揮は日本でもお馴染みのアラン・ギルバート(Alan Gilbert, 現N.Y.P首席指揮者)、オケは当時首席指揮者兼芸術顧問を務めていたロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管(Royal Stockholm Philharmonic Orchestra)になります。
米人指揮者だからスウェーデンのオケだったと言う訳です。


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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。





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