2015年8月29日 シュトックハウゼンの シュティムング, ユーリア・ミハーイ他 at サントリーホール ★★★


20150829_SuntoryHall-Stockhausen_-Stimmung-02.jpg8月だと言うのにとても涼しい東京、今日は土曜日なのに19時開演という珍しい時間設定のサントリーホールに行って来ました。

サントリー芸術財団 サマーフェスティバル 2015 「ザ・プロデューサー・シリーズ 長木誠司がひらく」第二弾の<シュティムング~内観する声ひとつ>です。

6人の肉声だけの倍音のウネリの音楽で、倍音のハーモニーの他にはマジックネームとシュトックハウゼンの詩の朗読が入るだけです。もちろん音響処理されています。2倍音:3倍音:4倍音:5倍音:7倍音:9倍音 の話等々、事前の聴き込みに書いてありますので是非ご覧下さい。ここでは割愛です。^^
http:// シュトックハウゼン "シュティムング" 事前インプレ

また、シュトックハウゼンによる 曲の内容紹介から出演者の入退場・着席手順、ライティング等々の詳細指示が本人の日本語公認?HP「シュトックハウゼン音楽情報」の"シュティムング"にありますので、紹介しておきますね。
http:// シュトックハウゼン全集 シュティムング ライナーノート

と言う訳で、この曲にまつわる様々な事は一応再確認した上で、倍音音響の中に浸る気分を味わって来ました。

良かったですねぇ。所有しているCDと比較してと言う事になるわけですが、ハーモニーの揃いが一つの音の響きの様でした。倍音ですから正確に響けばそうなるはずですよね。
波形音のテープ倍音も仕込まれていたはずですから、スピーカーも含めて音響の有馬さんの力も大きかったのでしょうね。
その波形音操作は、シュトックハウゼンの指示ではテナー1ですが、今回は音楽監督のミハーイ(sop)が操作していましたね。

20150829_SuntoryHall-Stockhausen_-Stimmung-stage.jpg会場には中央に高さ1m程の黒い舞台が約束通りにセットされていました。
全員 白いパンツに裸足、シャツはシグナルカラーにピンク・白・黒。一歩一歩 歩みを止めながら無表情にゆっくりと10分かけて舞台を一周してから舞台に上がります。

車座は音楽監督ミハーイ(緑のシャツ)から時計回りにバス松平(ピンク系のアロハ?)、テノール金沢(白)、アルト大田(黄)、テノール山枡(黒)、ソプラノ工藤(赤)の並びで、私の席はミハーイの斜め後ろ2列目でした。上の写真手前がミハーイの席で横の白いのが倍音波形音の操作機器ですね。
席に着くと全員がマイクを持ったところからスタートです。51の小曲(モデル)はそれぞれ担当が決まっていて、担当をバトンタッチしながら進んで行きます。
初めは何となく硬い感じがしましたが、モデルが入代わる際の互いの指示では表情も出てきましたね。初めの音(声w)出だしもマイルド弱めに感じましたが、後は上記の通りで良かったです。
70分くらいで一見特別な変化の少ない曲ですが、その中には引き継がれる類似パターンの微妙なピッチ(周波数)変化やリズムが感じられて充分に楽しませてくれました。演者の表情・動きもポイントで、視覚も必要だなぁ なんて思えました。

CDでは気が付かなかった事が一つ。エンディングです。フェードアウトだとばかり思っていたのですが、その後にテノールの深いブレースの繰り返しがありました。
やっぱりコンサート、良いですね!

今回はツィンマーマンの時とは違って音楽監督にユーリア・ミハーイ(Julia Mihály) がいたので日本語化とかの心配が無いのは助かりましたw

なんやかんや言ってもプロデューサー長木さんのおかげで今回の二曲がコンサートで楽しめた事実はとてもありがたかったですね。

 音楽監督=ユーリア・ミハーイ
 ソプラノ=工藤あかね、ユーリア・ミハーイ
 アルト=太田真紀
 テノール=金沢青児、山枡信明
 バス=松平 敬
 音響=有馬純寿


一ヶ月の練習とパンフレットにあります。これで小ホールの一回公演、何だかもったいない気がします。出演者と関係者の皆さんに拍手を送りたいですね。^^v

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

インバル / 都響 のマーラー交響曲 第10番 を聴く

このコンサートは行ったので、当日のインプレが残っています。CDは発売と同時に買ったのですが、半年以上たった今やっと聴いてみようと思いました。
http:// インバル・都響 2014年7月20日 サントリーホール

ホールと録音(CD)では印象が異なる事が当然ありますね。部屋の問題を別にしても録音スタッフが完成(音の構成)に加担している訳ですから。
このインプレは録音のインプレです。コンサートとはどう違ったのか、自分でも興味がある処です。
第10番は然程興味がありませんので、過去には3CDの聴き比べしかありませんね。
http:// マーラー第10番 S.ラトル、D.ハーディング、W.モリス 聴き比べ

やや流れが速く感じる第一楽章ですね。この楽章は第9番から繋がる様なアダージョが好きですが、ここではアゴーギク・ディナーミク共に強く 彫りの深い演奏になっています。もう少し静的に調性感の薄さが感じられる方が好きです。16分くらいでのトゥッティに近い音出し、それに続くパートはより調性感が薄い演奏が良いと思うのですが。
第二楽章のスケルツォは優雅と言うよりも重厚・勇壮です。調性が薄いパートも、その良さが演奏に隠れる感じです。優雅なスケルツォに調性の薄さを生かした後半、とはいきません。残念ながら。
とても短い第三楽章 プルガトリオは明確に"角笛"です。でも、ここでも長閑さよりも重さ、ですが。
第四楽章もスケルツォなのですが、シャープです。肩肘張ってます。
最終楽章が第一楽章と並んでこの曲のキーで、好みはクールな静的展開です。もちろん澄んだ透明感は無く、感情を思い切り込めた息苦しさです。(笑) とにかく全体に力んだ力のこもった演奏で、聴いていて疲れますね。

演奏も録音も良く、重厚と切れ味の演奏です。単純に好みの演奏でないと言うマーラー10番でした。
古い人間にとってはマーラーの第10番は、やっぱり9番の後に続く流れのアダージョ(第一楽章)です。





テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

2013年 パリ・エッフェル塔コンサート を NHK プレミアムシアターで観る:楽しさいっぱい!

この日の放送では前半が恒例VPOの「シェーンブルン夏の夜のコンサート2015」でしたが、楽しかったのは後半の再放映「パリ・エッフェル塔コンサート」でしたね。

ガラコンサートで、オケやコンチェルトもありましたが 圧倒的に良かったのは楽しさ満載の各アリアでした。
特にカルメンと椿姫は曲と歌手がマッチしてワクワクしました。"乗り"もオペラ並みでしたね。主役はソプラノのソーニャ・ヨンチェヴァと、テノールのヴィットリオ・グリゴーロです。グリゴーロはCD(The Italian Tenor)を持っていますが、ライヴは一味違いますね。
パリ・エッフェル塔コンサート 2013年

1.劇的物語「ファウストのごう罰」から ハンガリー行進曲 (ベルリオーズ)
 オケの演奏で始まります。この曲はコーダが盛上がるのでガッティ向きですね。

2.歌劇「カルメン」から ハバネラ「恋は野の鳥」 (ビゼー)
 カリーヌ・デザイのメゾ・ソプラノがピッタリでした。神秘的な響きのあるこの曲を押さえ気味に歌い聴かせてくれましたね。合唱もgood!

3.歌劇「ボエーム」から 冷たい手を (プッチーニ)
 グリゴーロ登場です。この曲って、こんなに情感を強く歌いましたっけ?! とにかくいきなりのフルパワーで観衆を惹き付けましたね。この手のコンサートにはピッタリ!

4.歌劇「ボエーム」から さようなら (プッチーニ)
 そしてソーニャの出番です。ラ・ボエームのミミで応える訳ですが、このオペラのラストシーンを思い出してしまいます。その悲しさを予測させる様な透明感の高い歌でしたね。

5.歌劇「タイス」から タイスの冥想曲 (マスネ)
 ルノー・カプソン登場。アルゲリッチの秘蔵っ子のイメージが浮かびますが、今や人気のヴァイオリニストの一人。ここでも この有名曲を切れ味ある細い音色でエモーショナルに演奏しますね。良い感じで、好みの演奏です。

6.歌劇「カルメン」前奏曲 (ビゼー)
 アンコールなんかでやると盛上がる、知らない人はいない曲です。まさに このコンサート向き、ガッティ向き!

7.歌劇「カルメン」から 花の歌「おまえが投げたこの花は」 (ビゼー)
 ジョセフ・カレヤのテノールです。カルメンへの恋歌 バラードですが、良く通るテノール ヴォイスはお見事。このコンサートで言えば、グリゴーロよりもリリコ的です。

8.歌劇「カルメン」から 闘牛士の歌「諸君の乾杯を喜んで受けよう」 (ビゼー)
 今回のコンサートの中で個人的には最高でしたね。リュドヴィク・テジエのバリトンがトレアドールにピッタリ! カルメンの中でも最も盛上がるシーンの一つですが、戦いの歌詞にとても合っていました。トレアドールはこういう感じで歌って欲しい、って感じです。

9.バラ色の人生 (ルイギ)
 エディット・ピアフのシャンソン超有名曲ですが、グリゴーロのパワー全開です。溢れる感情で大観衆を魅了しました。シャンソンの気配は薄いですが。

10.歌劇「運命の力」序曲 (ヴェルディ)
 オケです。コンサート向きですが、なにしろアリアが素晴らしくて霞んじゃいますが。

11.ピアノ協奏曲 ト長調から 第3楽章 (ラヴェル)
 また微妙な楽章を持ってきますねぇ、流石はフランスですね。とてもこのシーンに向いているとは思えないのですが、ピアノのラン・ランはうまく演出しながら弾いていましたね。

12.歌劇「ナブッコ」から ヘブライの捕虜たちの合唱 「行け、わが思いよ、金色の翼に乗って」 (ヴェルディ)
 これもオケですが合唱が入ります。聴いていて、ちょっと一休み的な…

13.歌劇「椿姫」から パリを離れて (ヴェルディ)
 今回の白眉、メインディッシュでしょう。ソニアとグリゴーロのデュエットです。コンサート形式でのアリアと言うよりも、まるでオペラでのシーンの様です。ラストはキスシーンで終える情感豊な二人に大喝采でしたね。

14.枯葉 (コズマ)
 シャンソンです、これをカウンターテノールのフィリップ・ジャルスキーが歌います。静まり返る観衆、歌い終えた後は大喝采が待っていました。流石はフランス!

15.歌劇「椿姫」から 乾杯の歌「友よ、さあ飲みあかそう」 (ヴェルディ)
 再びソニアとグリゴーロ登場ですね。有名曲ですが歌で思い切り聴かせる曲ではありませんね。でもこの二人の掛合いは曲にマッチしてとても楽しかったですね。

16.フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」 (ベルリオーズ 編曲)
 ラストはお決まりのラ・マルセイエーズ。ロベルト・アラーニャが画像で歌うフランス国歌です。力感あるテノールは歌詞の意味をパワフルにアピールしました。最後は出演者全員登場で歌います。観衆は全員総立ちの大盛上りです! ラン・ランは口パクでしょうがw

現在Orchestre national de Franceの首席指揮者を務めるイタリア人のダニエレ・ガッティは歌曲を得意としていますし、揺さぶりの強い指揮をするので 将に適任でしたね。
とにかく理屈抜きで楽しいコンサートでした。ここに居たら楽しかっただろうなぁ、って感じです。^^v

<合 唱>フランス放送合唱団
<管弦楽>フランス国立管弦楽団
<指 揮>ダニエレ・ガッティ
<出 演>
 カリーヌ・デザイ [メゾ・ソプラノ]
 ヴィットリオ・グリゴーロ [テノール]
 ソーニャ・ヨンチェヴァ [ソプラノ]
 ルノー・カプソン [vn]
 ジョセフ・カレヤ [テノール]
 リュドヴィク・テジエ [バリトン]
 ラン・ラン [pf]
 フィリップ・ジャルスキー [カウンターテノール]
 ロベルト・アラーニャ [テノール]

収録: 2013年7月14日 シャン・ド・マルス公園広場(パリ)

パリ祭で行われ、なんでも無料コンサートとか。羨ましい限りじゃないですか!



◆ 実は今年2015年のパリ祭・エッフェル塔コンサートもFranceTVのページで楽しめます。
http:// du concert de Paris 2015 by FranceTV
パリ祭 エッフェル塔音楽祭 2015年

2. カルミナ・ブラーナ から "今こそ愉悦の季節" を Julie Fuchs(ソプラノ) と Bryn Terfel(バリトン)
3. 虹の彼方へ [H.Arlen] を Joyce DiDonato(メゾ・ソプラノ)
5. トゥーランドット から "誰も寝てはならぬ!" [Puccini] を Fabio Sartori(テノール)
8. ラプソディ イン ブルー からの抜粋 [Gershwin] を Lang Lang のピアノ
10. トスカ から "テ・デウム" [Puccini] を Bryn Terfel
16. ホフマン物語 から "ホフマンの舟歌" [Offenbach] を Joyce DiDonato と Julie Fuchs
Related Videos を探すとCultureBox からもっと観られますが。^^v


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2015年8月23日 B.A.ツィンマーマン「ある若き詩人のためのレクイエム」大野和士 / 都響 at サントリーホール ★☆

今日のコンサートは思い入れのある現代音楽でした。この曲(1969年)が作られた波乱の時代は学生、その時代の流れを感じられるからですね。
曇り空ですが少し涼しなった夕方、サントリーホールまで行って来ました。
20150823_SuntoryHall_Zimmermann01.jpg 20150823_SuntoryHall_Zimmermann02.jpg

Bernd Alois Zimmermann "Requiem für einen jungen Dichter" の日本初演(Japan premiere)が開催された事に感謝ですね。
この厄介な曲の内容、上記の様な思いも含めて事前にCDインプレしていますので、ここでは割愛ですw
http:// ある若き詩人のためのレクイエム を事前に聴く

当初、ちょっと心配したのは日本語字幕でした。
でもその前に問題が。開演時に設定された長々としたプレトークです。これには気を削がれました。ちょっと白けましたね。聴きに来たのですから。その後、何と15分の休憩です!
普通 プレトークは開場から開演までの間ですよねぇ。

始まったらナレーションが なんと日本語。字幕以前の問題ですねぇ。この曲の印象が変わってしまいました。多言語が重なるので母国ドイツだって、詳細はわからな訳ですよねぇ。
それよりも、大まかな内容と数多くの言語の氾濫が本来と思います。日本語の違和感が拭えませんでした。
字幕も同じですね。多くの話の表示表現方法を工夫したのは素晴らしいですが、ナレーションと同じで言葉(日本語)を追っても曲の本質とは違う様な…
おまけに正面に8×5mはあろうかと言う大表示。こちらは見なければ問題ない訳ですけどね。と言った事もプレトークで随分話していらっしゃいましたが。

この曲の理屈の部分は、個人的に知っている事だけですが、上記の事前インプレに書いてあります。
今日はそんな事は頭から追いやって楽しむのが目的でしたから、少なくともそれは体感出来ました。

テープ・電子音楽・オケ・合唱は、細かい事は抜きにしてホール全体に響き渡る洪水を作りました。初めて体感しましたね。その為に来た訳です ^^v
8ヶ所と思ったスピーカーは20基以上、4ヶ所の合唱団、吼えるオケ、遠くから聴こえたり近くの大音響だったりの大迫力。席による聴こえ方の差も臨場感でしょう。音の空間を味わいました。

ただ、テープ音がオケや合唱より弱く、特にノイズ音が薄かったのはこの曲としては寂しかった気がします。オケと合唱の音が少し尖っていた気もします。
本当はテープ(音)主役の"言葉・言葉・言葉"の大音響が聴きたかったのですが。

面白い事も分かりました。前半はタイマーが指揮者の譜面台裏にオケに向いて付いていました。大野さんは譜面を見て、1分刻みてタクトを縦に大きく振っていましたね。
また、各合唱団にはそれぞれ副指揮者が付いていました。オケの後ろの合唱団とソロには1階席最後部から赤色灯て指揮していましたね。

・自宅では難しい本来の空間音響が味わえました。→ ★★
・説明過多、過剰な日本語化で腰を折られてしまいました、残念。→ ×
と言う訳で → ★☆ 淡々とSTDにやってもらえれば、もっと楽しめたでしょう。

会場は大喝采のブラボーでした。結局, この曲を何十回聴いたところで駄耳の証明? (大汗)

◆ 指揮:大野和士
◆ ナレーター:長谷川初範、塩田泰久
◆ ソプラノ:森川栄子
◆ バリトン:大沼 徹
◆ 合唱:新国立劇場合唱団
◆ 管弦楽:東京都交響楽団
 + [サクソフォン] 大石将紀、西本 淳、[マンドリン] 堀 雅貴、[アコーディオン] 大田智美、[ピアノ] 長尾洋史, 秋山友貴、[オルガン] 大木麻理
◆ ジャズ・コンボ:スガダイロー・クインテット
◆エレクトロニクス:有馬純寿

◆ 字幕映像:原島大輔
◆ 舞台監督:井清俊博


この演奏にはテープも含めた電子音楽(エレクトロニクス)が大きな位置を占めますので、演奏者としての有馬さんはもっと表に出ても良い様な…
字幕は普通に当日配布か事前のネット開示の方がありがたいと思いました。(CD添付の様にタイムスケジュールに合わせた形で日本語ならとても有益です)

パンフレットには解説や資料が色々と入っていてとても参考になりますね。
サントリー芸術財団 サマーフィスティバル2015 カタログ

次は8/29(土)のK.シュトックハウゼンの「シュティムング」ですが、これはシンプルに音楽を楽しみたいですね。
それにしてもこのスケールで一回公演、この金額設定。本当に大丈夫だったのでしょうか?

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テリー・ライリー の サンライズ・オブ・ザ・プラネタリー・ドリーム・コレクター を聴く

「Sunrise of the Planetary Dream Collector」はクロノス・カルテット(Kronos Quartet)がテリー・ライリー(Terry Riley, 1935/6/24 -) の楽曲を集めたCD5枚組のテリー・ライリー作品集「One Earth, One People, One Love: Kronos Plays Terry Riley」から、新作2曲や未発表音源1曲を一枚に集約したCD1の分売になりますね。国内版が9月発売予定になったら輸入盤の販売がamazonから消えてますw

個人的にはミニマルは殆ど聴かないのですが、ライリーはシュトックハウゼンからの影響でセリエル、即興性を重視した現代音楽をベースとしている事に興味があります。そこからラ・モンテ・ヤングを経由してミニマリズムを代表する音楽家になっている訳ですね。今でも微分音や電子音楽・テープを駆使していますね。今年80歳ですから、ラッヘンマンと同い年!

クロノスのライリー、その新録音とあったので入手しました。米現代音楽のミニマル、それを代表する米現代音楽家、そして米現代音楽弦楽四重奏団、条件は揃いましたね。

今回の中で好みなのは以下の曲でした。
One Earth, One People. One Love (from Sun Rings)
 テープとの組合せで、叙情的なvcの旋律が主体となるエモーショナルでインド音楽的な楽曲です。緩い定拍が背後にあり、瞑想的ですね。新録音です。

Lacrymosa - Remembering Kevin
 情感のある緩徐展開の前半、強烈な反復と即興的な前衛的中盤、そして透明感のある後半へと聴かせてくれる流れです。全体としては機能和声でしょうが、処々で不協和音が混ざります。未発表音源です。

Cadenza on the Night
 CDの半分以上をしめる11の小曲のになりますが、新古典主義風の弦楽四重奏曲ですね。メリハリ・インパクトが強い演奏は将にクロノス向け、ライヴ向きです。

同年代フィリップ・グラスと同様にインド音楽に影響を受けている訳ですが ミニマリズムの弦楽曲としてはより硬派、より前衛的な方向性があるのは嬉しい事です。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

アンジェラ・ヒューイット Hewitt の リスト Liszt:Piano Sonata S.178, Dante Sonata, Petrarch Sonnets を聴く

kokotonPAPAがピアノ、特にリスト(Franz Liszt, 1811/10/22 - 1886/7/31)が好きな事は度々書いています。先日もアーノルド・コーエンの死の舞踏の聴き比べを書いたばかりですが、今回はアンジェラ・ヒューイット(Angela Hewitt) のピアノです。
ヒューイットは表現力過多ぎみで好みのパターンとは逆ですが、なぜか数枚所有していますね、Hyperionレーベルだからでしょうか、例のバッハは持っていませんが。

このアルバムは大きくわけると二曲、リスト唯一のピアノソナタと巡礼の年第2年(イタリア)から 補遺を除く後半4曲ですね。やや見通しづらい、やや玄人好み系の選曲でしょうか。

ピアノ・ソナタ ロ短調 S.178
 曲の流れよりも音の切れ味を重視した様な演奏です。ディナーミクを効かせていますが、アゴーギクが流れを途切らせる様な不安定さを感じます。このアルバムで言う 4. Allegro energico の前半はリストらしい楽曲で好きなパートですが、そこではこの演奏が合致して、生き生きとしていますね。
個人的には、流れ良く 超絶パートは速くかつ音の粒立ち良くと言うのがこの曲全体のヴィルトゥオーゾのスタイルかと思っています。

この曲では良く言われる注目点があり「曲全体としてソナタ形式(提示-展開-再現)」そして「主題の変容」ですね。両方共に後期ロマン派では良く使われています。特に前者で言うと、この曲は楽章が明確でなく切れ目も無く演奏されて、主題の展開や再現もはっきりとしません。その辺はリストが既存の形式からの脱却を模索していたのかもしれませんね。強音パートと緩徐パートの度々の繰り返しも不思議に感じますよね。
聴いていて何だかシックリこない曲ですね。もっともそれがリストのもう一つの顔ですが。

巡礼の年第2年《イタリア》より
  ・ペトラルカのソネット第47番 S.161-4
  ・ペトラルカのソネット第104番 S.161-5
  ・ペトラルカのソネット第123番 S.161-6
  ・ソナタ風幻想曲《ダンテを読んで》 S.161-7
「巡礼の年」全曲についてはベルマンとロルティで書いています。長くて捉え処が薄い厄介な曲ですが、美しいソネットはピアノソナタよりもヒューイットらしいエモーショナルさがうまく生かされています。ベルマンよりも聴き易いですが、メリハリが強い分 ロルティのメロディアスな美しさは欠けるかもしれません。
「ダンテを読んで」はソナタ風(Quasi Sonata)とある通り、全体をソナタ形式というピアノソナタと同様の技法を駆使しています。また主題が変奏されて行くのも同じですね。ただこちらの方が曲構成が明確で聴き易いです。ここでのヒューイットは表情豊かですが、ややクドいかなw

ヴィルトゥオーゾ系の「ダンテを読んで」と、美しいソネットのセットを楽しめます。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

シュトックハウゼン Stockhausen のシュティムング Stimmung を聴く

今年のサントリーホールのサマーフェスティバル2015、8/29(土)に カールハインツ・シュトックハウゼン(Karlheinz Stockhausen, 1928/8/22 - 2007/12/5) の Stimmung(1968年) が上演されますね。その前に聴きなおしておきましょう。 8/23(日)のツィンマーマンの聴きなおしはこちら

今更のシュトックハウゼンなので困りましたね。このBlogでも数回はインプレしていますが、その広言は何かと物議をかもして全体像が掴みづらいシュトックハウゼンですから細かい事は書いていません。第三者間の挙げ足取り的なやり合いに辟易する事も多々ありますねw と言う事で個人的なシュトックハウゼンの話は無しです。

奥さんマリー・バウアーマイスターに献呈された「シュティムング」ですが、感情的抑揚の無い平和で平穏な教会和声の様な声楽曲です。
倍音の声楽ですので倍音をある程度知っておく必要がありますよね。倍音というと個人的には平均律と純正律を思い出したりして、また面倒な事になる訳ですが振動・共鳴による倍音発生は音(響)の基礎でしょうから。
純粋に単音だけを聴く方が難しいかもしれませんね。コンピューターが単音を出してもそれがスピーカーなり部屋なりに出た瞬間にいずれ倍音を伴うでしょうから…

また倍音の現代音楽と言えばスペクトル楽派になる訳ですが、その創始であるグリゼーとミュライユがジャチント・シェルシに会うのが1970年代に入ってからですから、その前にここまでやっていた事になりますね。

曲はベース音(変ロ/B♭)に対して2倍音:3倍音:4倍音:5倍音:7倍音:9倍音、の6つの倍音により構成されています。それで6人による音の共鳴が主体になる訳ですね。6人が車座になり音響ユニットによりスピーカーが観客の後ろに配されます。
そしてテープも準備されます。周波数57Hzと各倍音114Hz-171-228-285-399-513の七つの波形音テープはテナー1者によりコントロールされます。

51のmodel(小曲)に別れて約70分、基本は各倍音が重なるウネリや響きの空間音響になりますね。
2, 4, 8倍音はそれぞれオクターブ上がったベース音ですが、それ以外は3度や5度と言った音になるので和音が形成されます。ホーミーってありますよね、以前TVでTOKIOがやっていた(笑) そんな感じですね。それに時折 マジック・ネームと呼ばれる単語(神の名)が出てき、またシュトックハウゼンの詩が朗読される。と言う構成です。
『6声のそれぞれに、解説、フォルム・シェーマ、そして八つないし九つのモデルのページとマジック・ネームのページからできている』とシュトックハウゼンは言っています。
細かい事は本人の日本語公認ページである「シュトックハウゼン音楽情報」の中の「シュティムング・ライナーノート」にありますので、ぜひご覧下さい。そこにはスピーカーの配置から入場順やフェードインするテープ、照明までが細かく指示されています。

なんて事を少し頭に入れて、この音の世界に浸ってみましょうか。
ドローン系アンビエント、お経?、そんな感じです。ラストはフェードアウトです。
試しにYouTubeでちょっと観てみる?




今回のコンサートではユーリア・ミハーイ Julia Mihály が音楽監督(兼Sop)ですが、キュルテンの「シュトックハウゼン講習会」にも参加して このシュティムングを6回演じているスペシャリストですね。その他にも工藤あかね(Sop)、松平 敬(Bas)、もシュトックハウゼン講習会参加メンバーと、良いメンバー構成の様です。楽しみですね。

[後日追記]
2015年8月29日 サントリーホールでのコンサート インプレッション


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

オペレッタ「メリー・ウィドー」メルビッシュ音楽祭2005 を NHK BS プレミアムシアターで観る

オペラではなくオペレッタ上演の音楽祭、メルビッシュ湖上音楽祭(Seefestspiele Mörbisch)ですね。この音楽祭はオーストリアの音楽家の作品を中心としていますので、今回放送のフランツ・レハールの喜歌劇「メリー・ウィドー」も三回目の上演になります。
メリー・ウィドー メルビッシュ音楽祭2005 NHK BS プレミアムシアター
最高でしたね。とっても愉快で楽しく、メンバーも揃っていました ^^v

ストーリーは架空の国、ポンテヴェドロ侯国 (実際にはバルカン半島のモンテネグロ) のパリ公使館が舞台。その国の莫大な資産を継承した未亡人ハンナをめぐる恋の物語です。
パリで豪遊中のハンナがフランス人と再婚し国のお金が流出するのを阻止しようと画策するパリ公使ミルコ達。
ハンナと元恋人のダニロ、パリ公使夫人ヴァランシエンヌと なさぬ仲のフランス人カミーユ、この二つの恋物語です。もちろん喜劇仕立てで楽しさいっぱい、最後はハッピーエンドの大団円はお約束。三幕構成です。

舞台が凄い広さですね。ノイジードル湖上のステージは、普通の4倍程度はあろうかと言う広さでで、先端はオーケストラピットの先まであります。観客席も凄い数で 6,000人の収容能力だそうです。

は主役二人の女性、ハンナ《マルガリータ・デ・アレラーノ》と公使夫人ヴァランシエンヌ《エリーザベト・シュタルツィンガー》のソプラノは良かったですね。ハンナのアリア「ヴィリアの歌」は聴かせてくれました。
でも今回最高の歌い手は、公使夫人ヴァランシエンヌに思いを寄せるカミーユ・ロシヨン《マルワン・シャミーヤ》のテノールでしょう。とにかく劇場を圧倒する声量とテノールらしい高音の延びでした。リリコテノールでしょう。
また男性陣、女性陣が歌う「女、女、女のマーチ」もこのオペレッタの楽しさですね。

芝居は女性二人と男性陣二人。主役女性陣二人はこの芝居らしいオーバーな表情を作っていて、始めは違和感がありましたがオペレッタらしい楽しさがありましたね。
男性陣は脇を固める二人、パリ公使ミルコ・ツェータ男爵《ハラルト・セラフィン》、公使館員ニェーグシュ《エルンスト・コナレク》、この二人の老練な演技がピッタリでした。主役の一人ダニロ《マティアス・ハウスマン》の影が薄くなるくらいでした。

衣装も時代考証された様な感じ、ポンテヴェドロ侯国のお国の衣装がなぜかロシア風なのは笑えます。
音響システムが採用されていますね。これだけのステージですから仕方ないでしょう。出演者は小型のヘッドセットの様なマイクを着けていました。
ポイントの一つが第三幕。ここではかなりの部分をハンナ邸で展開されるマキシムのカンカン踊りのシーンに費やされますが、それがまた楽しいですね。

流石は本場のオペレッタ、その狙いの通りの楽しさを満喫させてもらえました。

<出 演>
 ハンナ(富豪の未亡人): マルガリータ・デ・アレラーノ
 ダニロ(公使館書記官/ハンナの元恋人): マティアス・ハウスマン
 ミルコ男爵(ポンテヴェドロ侯国のパリ公使): ハラルト・セラフィン
 ヴァランシエンヌ(パリ公使夫人): エリーザベト・シュタルツィンガー
 カミーユ・ロシヨン(パリのだて男): マルワン・シャミーヤ
 カスカーダ子爵:ダニエル・セラフィン
 ラウル・ド・サン・ブリオッシュ: アレクサンダー・クリンガー
 ニェーグシュ(パリ公使館員): エルンスト・コナレク

<合 唱>メルビッシュ音楽祭合唱団
<管弦楽>メルビッシュ音楽祭管弦楽団
<指 揮>ルドルフ・ビーブル

<バレエ>メルビッシュ音楽祭バレエ団
<振 付>ジョルジョ・マディア
<美術・衣装>ロルフ・ランゲンファス
<演 出>ヘルムート・ローナー


収録: 2005年8月11、12、13日 オーストリア・ノイジードラー湖

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

マーラー 交響曲 第5番 名盤・珍盤 170CD聴き比べ! [#9 / CD:126-140]

グスタフ・マーラー(Gustav Mahler, 1860/7/7 - 1911/5/18)の交響曲第5番(Symphony No.5)の聴き比べも、今回の15CDで126〜140枚目まで来ました。終盤になって来ましたね。
手元にある第5番は全集やDVDも含めて現在160枚+αなのでもう少しです。^^
今回は昨年の演奏 チョン・ミュン-フンや、本年の演奏になるポール・ダニエルを入れています。

【参考】今回の対象はポポフの㊟一点だけですが
 ★:名盤 (一般的いわれている…と思う盤)
 ☆:個人的お勧め
 ㊟:とっても変わっています


[リスト] 現状のMahler Symphony No.5 の聴き較べです (現在 #12回 170CDまで)
 #12:10CD
 #11:10CD
 #10:10CD
 #9:15CD 今回投稿分
 #8:15CD
 #7:10CD
 #6:14CD
 #5:5CD アバド追悼
 #4:20CD
 #3:25 26CD
 #2:20CD
 #1:15CD



ジャン=クロード・カサドシュ, Jean-Claude Casadesus
Orchestre national de Lille
[Forlane] 1989-7
 ピアニストのロベール・カサドシュの甥で、ブーレーズに師事したジャン=クロード・カサドシュと 自ら設立したリール国立管弦楽団のマーラー5番です。
第一楽章・第二楽章
癖の無い第一楽章、つづく同展開の第二楽章。でも両者共に表面だけなぞっている様な何となくよそよそしい感じがします。思い入れや作り込みの様なものが感じられない演奏です。
第三楽章
第三楽章スケルツォも取り立てて言うものは無く、というか締まりが無くというか、長さを感じてしまいます。オケの実力も???
第四楽章・第五楽章
アダージェットは弦の音に微妙な不安感があります。これは録音の問題なのでしょうか…
最終楽章も第一二楽章と同じ気配、怪しさと不安感を抱えて進み なんとなく終了します。

・・・・・
各楽器間のバランスも少々怪しい録音の気がしますが、全体的によくわからない眠いトーンのマーラー5です。聴いていて眠く…zzz…




ハルトムート・ ヘンヒェン, Hartmut Haenchen
Netherlands PO
[PentaTone] 2001-3
 ヘンヒェン指揮、オランダ・フィルのライブ演奏です。旧東ドイツ出身のヘンヒェンは1985年から2002年の間、同オケの首席指揮者を務めていますね。
第一楽章・第二楽章
第一楽章第1トリオのtpの音が聴こえなかったりしますが、演奏はほどよいアゴーギクとディナーミクで 陰性や重厚性を排した第一部(第一楽章・第二楽章)です。
第三楽章
ここでは処々で管楽器の各パートの鳴りが良くない事が気になりますね。演奏自体は第一部と同じ様な展開ですが、特にスローパートでは間延びした感が拭えません。
第四楽章・第五楽章
素晴らしいのがアダージェットです。柔らかなアゴーギクに透明感のある演奏は やや甘美さがありますが好みですね。繋がり良く最終楽章に入り、コーダを期待させる流れを見せながら上げて行くのは良い感じです。やや速めの展開でコーダを迫力と広がり良くまとめ、アッチェレランドもピシッと決めます。もちろん大ブラボーです。

・・・・・
演奏も録音(SACDらしく)も高音域は透明感と音分離が良いのですが、第一部・第二部に不満が残るのが残念なマーラー第5番です。




ギュンター・ノイホルト, Günter Neuhold
Orchestra Sinfonica dell'Emilia-Romagna "Arturo Toscanini"
[Warner Fonit] 1986-5/9
 オーストリア人指揮者ノイホルトとエミリア・ロマーニャ交響楽団による演奏です。ギュンター・ノイホルトがイタリアの同楽団、別名アルトゥーロ・トスカニーニ交響楽団の首席指揮者を務めた最後年の録音です。
第一楽章・第二楽章
荒れて ややまとまりの悪い第一主題はテンポはややスローでアゴーギク、第二主題(第1トリオ)も荒れながら落ち着きが悪いです。それが結果的に第二楽章ではマーラーの意図"嵐のように荒々しく動きを..."になりますねw でも第二主題などはうまくテンポを落としてきれいに演奏して、出し入れの明確な悪くない展開です。それにしてもライヴとはいえ録音が悪いです。
第三楽章
弦楽器がたまに変な音を出し、管楽器のバランスがおかしかったりしますがスケルツォらしさが嬉しいです。長い第3主題部(第2トリオ)もうまく聴かせます。アゴーギクをうまく使って個性的な展開です。
第四楽章・第五楽章
アダージェットはアゴーギク、ディナーミクを殺してややスロー、無表情ですが、ラストは情感的にしめます。四楽章とラップするような極端なアタッカで流れ込む最終楽章。徐々にというよりも初めから元気な軽快さです。その分、やや中だるみと管楽器は舌足らずの様な不安定さを見せますが、中間部の山場とコーダ前の山場を見事に演じるます。コーダは切れ味よく、アッチェレランドは控えめのフィニッシュです。

・・・・・
録音が悪く かつフラット。それが良さを半減させているのか、はたまた演奏の問題の半減なのか。それは別にしても、全体の曲の流れ(ノイホルトの解釈)は悪くありません。




ピエタリ・インキネン, Pietari Inkinen
Japan PO
[JPO] 2012-4/6, 7
 マーラーを得意とするフィンランド人指揮者 Pietari Inkinenが首席客演指揮者を務める日本フィルハーモニー交響楽団を振ったマラ5です。
第一楽章・第二楽章
スローだけど、まとわりつく様なクドさの無い葬送行進曲。第1トリオがテンポは緩く入るのは特徴的で、第2トリオを含めて全体緩やかな第一楽章です。第二楽章でも同様に穏やかな演奏、展開部では美しい静寂感さえ感じます。マーラーの意図(指示)とは違う様な…
第三楽章
スケルツォは各楽器の変奏が良く伝わります。そして第二第三主題も優雅に演奏されます。この辺りは録音の良さも手伝っていますね。美しい第二部です。
第四楽章・第五楽章
アダージェットはまさに静謐、甘美さを避けたクールさです。ただ心地良い暖色系であり、好みから行くともっと細く冷たい感じにしてくれたら最高ですが。最終楽章は第一主題と第二主題が絡みながら緩やかに上げて行くお約束通り、緩急を付けています。中間部(展開部)の山場は必要以上の盛上りを避けて再現部からコーダへ向かいます。山場からコーダは荘厳、ラストのアッチェレランドは落ち着いていますが、ピシッと決めます。

・・・・・
スローで端正・クールで美しいマーラー5番です。録音の良さもあって透明感を感じます。クセは強いのですが、これもありでしょう! 一昔前の録音に比べたらホールに近いですね。




キリル・コンドラシン, Kirill Kondrashin
旧ソ連出身のコンドラシンと言えば、首席指揮者(1960-75年)を務めたモスクワ・フィル(Moscow Philharmonic Orchestra) なのですが、MPOとはこの曲の録音を残していません。ちなみにMPOとの来日でマーラー9番の日本初演(1967年)をしていますね。1978年にオランダに亡命しています。


USSR State SO
[Melodiya] 1974-7
 コンドラシン(Кирилл Кондрашин)とロシア国立交響楽団(The State Academic Symphony Orchestra of Russia)のマラ5です。
第一楽章・第二楽章
静粛な弦のパートと派手な管のパートの第一楽章葬送行進曲、第二主題はスローですがメリハリがありバランスが良いですね。第二楽章は第一楽章に続くイメージを残した入りからナチュラルに美しい第二主題へと流れます。コーダからフィニッシュはやや暴れ気味、ラストのティンパニは音が少し外れていますね。
第三楽章
クセの少ないスケルツォから全体的に美しさを感じる楽章ですね。バランスも良く長さを感じさせませんね。コーダもシャープです。
第四楽章・第五楽章
アダージェットは情感的ですね。ディナーミクの強さがそう感じさせるのでしょうが甘美ではありません。最終楽章は約束通りに緩やかに上げて行き、中間部の山場と後半の山場をコデッタ主題で盛り上げた後、コーダ・フィニッシュでは殊更な盛り上げは避けています。

・・・・・
管楽器が処々で尖っていますが、突出したものは感じません。フィニッシュを除けば悪くないマラ5ですね。




USSR TV and Radio Large SO Moscow
[AUDIOPHILE CLASSICS] 1974
第一楽章・第二楽章
コンドラシンとモスクワ放送交響楽団(チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ)のマラ5。静粛な中に管楽器が暴れ気味の第一楽章の葬送行進曲、第二主題はややスローで管楽器のメリハリが強い演奏。第二楽章は かなり速い第一主題から緩やかな第二主題へと進み、抑揚・緩急の強い展開。
第三楽章
アクセントの強いスケルツォから 滑らかな第2主題(第1トリオ)へ。アゴーギクとディナーミクは強いですが、第一部に比べると落ち着きがあります。
第四楽章・第五楽章
アダージェットでも抑揚が勝ち、大きな波の様。最終楽章は優雅な第一主題に早口な第二主題が絡み、抑え気味ですが速め。山場は押さえ気味、コーダからフィニッシュへ軽やかに走り抜けます。録音は酷くスカスカです。

 でもこれ、実は上の盤と同じ演奏です。録音状態でこんなに聴いた感じが違うと言う事です。
注:Mahler Discography Kaplan Foundation 確認済み (コンドラシンの残したマーラー5は上記の一回だけです)



実はもう一つの所有はこのLYS盤。
 なんとモスクワ・フィル(Philharmonie De Moscou)になってます。混乱する様なロシアのオケの名前も含めて困ったもんですねw



アヴィ・オストロフスキー, Avi Ostrowsky
BRTN PO Brussels
[Discover] 1994
 ベルティーニやスワロフスキーに師事したイスラエル生まれの指揮者オストロフスキーがブリュッセル・フィルハーモニックを振ったマーラー5番です。
第一楽章・第二楽章
第一楽章はスローで重厚さを殺した葬送行進曲、第二主題もテンポアップはしますが通して清廉です。第二楽章でも同様な展開で、クドさのない淡白な印象です。静音スローのパートは、美しさは感じるのですが 眠くなりますw
第三楽章
スケルツォは華麗さがマッチしますが、やはり長くて厭きますねぇ。ところがコーダは唐突の快速と切れ味! なんでしょう、これは?
第四楽章・第五楽章
アダージェットは澄んだ冷たい空気の美しさです。甘美さがあるのですが静的で悪くありません。最終楽章はテンポを戻して軽快に上げて行く良い展開です。中間部の山場はややクセがありますが暴れ気味に盛り上げて、スローに落とした後 ラストの山場を盛り上げフィニッシュへ。悪くありません!

・・・・・
変則的マラ5です。第三楽章のコーダ以降なら面白いですね。スロー&静音の支配する第一部と第二部の殆どをどう見るかでしょう。コンサートだったら前半眠って後半ご機嫌。(笑)




アレクセイ・ポポフ, Alexei Popov

Kuibyshev Opera SO
[Selectmedia] 1980
popov mahler 5
 ロジア人指揮者ポポフが、ロシアのクイビシェフ・オペラ交響楽団を振ったマーラー5番です。両者共に知見がありません。
第一楽章・第二楽章
管楽器が元気な第一楽章、生真面目な葬送行進曲から続く第二主題もテンポアップしません。微妙なスローと"間"のアゴーギクが振られてクセがありますね。第二楽章もスローで不気味なアゴーギク、ギクシャクしてなんだか躓きそうな感じです。
第三楽章
当然ながらスケルツォも変です。各楽器の音のバランスも変なので余計に可笑しいのでしょう。録音の問題かな。でもあまりに変で、長さを感じない ?!
第四楽章・第五楽章
弦の力強いアダージェットを見せたりもします。所謂(いわゆる)情感というものは無いかも。最終楽章はそれなりに一二主題を絡めながら上げて行きます。中間部の山場を盛り上げ、コーダからフィニッシュまで繋げます。この楽章は違和感が少ないです。麻痺した?

・・・・・
とにかく落ち着かない変わりダネのマラ5です。変なモノが好きな貴方に絶対お薦めですw
でも入手が難しいかな… "Heard Before Classical Hits" とかのローカルシリーズ物で、ライナーノーツも入ってません。amazonUSにはストックがありますね。




チョン・ミュンフン, Myung-Whun Chung
Seoul PO
[DG] 2014-5/22-23
 チョン・ミュンフンが手兵ソウルフィルとマーラー・チクルスを進める中のマーラー5番です。
第一楽章・第二楽章
重厚さよりも美しさを感じる葬送行進曲、テンポの良い第二主題と王道の第一楽章。録音が良く低音が響きます。第二楽章も同様の展開で荒々しさと美しさのバランスが良いですね。
第三楽章
平均的な解釈で安心して聴けます。その分 意外性が無いのでやや長く感じてしまうかもしれません。
第四楽章・第五楽章
アダージェットは暖色に感じますが、叙情的ディナーミクは押さえ気味で悪くありません。最終楽章へはアタッカで繋がり、約束通りに第一・第二主題が絡みながら緩やかに上がって行きます。展開部の山場は地味に、再現部の山場からコーダは見事に盛り上げてアッチェレランドもビシッと入ります。

・・・・・
この前年2013年6月のN響との演奏より良いですね。最新の録音で音も良く、安心して聴ける王道的なマラ5です。初めて聴くにはとても向いています、無個性的個性でワクワク感はありませんが。




マック・カーロ, MAK Ka-lok
Russian PO
[HUGO] 1993-10/9,10
 マッケラスに師事した香港生まれの指揮者 麥家樂(MAK Ka-lok) が ロシアフィル(モスクワ市交響楽団)を振った馬勒5番です。残念ながらマック・カーロの呼び方も合っているかわかりません。(汗)
第一楽章・第二楽章
朗々と鳴る葬送行進曲は音に釣り合ったスローさ、第二主題もややスローですが広がりを感じる第一楽章です。第二楽章はテンポアップした第一主題から緩やかな第二主題へと基本的に流れ、展開部から再現部も含めて出し入れの切れ味が良いですね。
第三楽章
スケルツォはややギクシャク、第二主題もレントラーっぽくありません。主役のホルンも今ひとつ冴えません。19'40"というこの楽章が長い長い…でもコーダはしっかり締めて来ます。
第四楽章・第五楽章
アダージェットは美しく甘美、後半の甘ったるさがちょっとクドいですが悪くありませんね。最終楽章はホルンや弦の個々の音のバランスが気になりますが、ここでも押さえる処は巧く盛上げてコーダからフィニッシュを気持ち良く見事に仕上げます。

・・・・・
緩やかなアゴーギクを主体にしますが演奏も展開も何となく怪し気、でもコンサート受けの押さえ処を知っている演奏ですね。




サカリ・オラモ, Sakari Oramo
City of Birmingham SO
[Warner] 2004-10/26,28
 フィンランド人指揮者サカリ・オラモが英バーミンガム市管弦楽団(CBSO) の音楽監督を務めた時のマーラー5番です。
第一楽章・第二楽章
緩やかでバランスの良い葬送行進曲、第二主題(第1トリオ)は標準的なテンポアップに繋げて流れの良さを感じます。「いま太陽は晴れやかに昇る」の主題から第2トリオへも標準的に流れますね。第二楽章もマーラーの意図通りに荒々しい入りから緩やかな第二主題へと繋ぎます。その後も第一・ニ主題を落差を見せながら入れ替え展開する王道ですね。
第三楽章
木管のスケルツォ、弦のレントラー、ホルンもバランスよく入り安心して聴けますね。第2トリオ(第三主題)をマーラーの意図通りでスローさを強調しています。
第四楽章・第五楽章
アダージェットも当然の流れで、適度なスローと甘美さです。10分と言うのは今の時代の標準でしょう。個人的にはもう少し速い方が好きですが、昔の(メンゲルベルグのを聴いています)様にあっという間のテンポはないでしょう。第五楽章も第一・ニ主題の反復で絡みながら登ります。後半はディナーミクを効かせて山場を期待通りに盛上げ、コーダを華々しく展開すると ラストは見事なアッチェレランドで駆け抜けます。

・・・・・
徹底した保守本流のマラ5ですね。本道・本流が好きな人にはたまらないでしょう。演奏も各楽器の(録音)バランスも悪くありません。一度コンサートで聴いてみたいです。




ポール・ダニエル, Paul Daniel
O National Bordeaux Aquitaine
[Actes Sud] 2015-1
 エイドリアン・ボルトやオペラを得意としたエドワード・ダウンズに師事したイギリス人指揮者 ポール・ダニエルが現在音楽監督を務めるフランス国立ボルドー・アキテーヌ管弦楽団(ONBA)を振ったマーラー5番です。本年1月の録音になりますね。
第一楽章・第二楽章
第一楽章は押さえ気味の葬送行進曲から第二主題(第1トリオ)はスロー、そして第2トリオでも穏やか。続く第二楽章の第一主題もマーラーの意図ほどの荒々しさはなく、第二主題のエモーショナルを感じます。展開部から再現部でも第一主題の再現的で通して印象は穏やかです。
第三楽章
この展開ですと華やかなスケルツォや第二・第三主題の織り合わせがマッチする楽章になるのはわかりますね。なだらかで落ち着いていますが、長さを感じる事はありません。
第四楽章・第五楽章
この演奏にあった静的透明感の美しいアダージェットです。最終楽章はややディナーミク不足の前半ですが、展開部の山場を華やかに迎えて後半の山場からコーダはしっかりと締めて華麗にフィニッシュします。

・・・・・
緩やかで女性的、繊細な優しさ美しさを感じる特徴的なマラ5です。悪くありませんね。ジャケットが特徴的で縦長の豪華なデジブック(DVDタイプ?)になっていますね。




クリスティアン・アルミンク, Christian Arming
New Japan P
[fontec] 2004-11/19,20
 DG(ドイツ・グラモフォン)社長を父に持つオーストリア人指揮者アルミンクが音楽監督就任 2年目の 新日本フィルを振ったマーラー5番です。
第一楽章・第二楽章
メリハリを強めた葬送行進曲ですが静音パートが弱く、続く第二主題もやや締まりに欠ける第一楽章。第二楽章も歯切れが良くない出だしで、展開部もティンパニが崩れています。主題間のバランスが悪く、かつモタツキを感じる第一部です。
第三楽章
シャープさが欠けます。弱点の金管 特にtpは今ひとつ、主役のhrも冴えません。三つの主題が絡み合う後半の再現部もコーダもモッサリです。
第四楽章・第五楽章
魂の抜けた様なよそよそしいアダージェットでvnの音色がギスギスしています。最終楽章も印象は同じです。コーダもバランス崩れ。えっ、ブラボー??!!

・・・・・
聴き直しても結果は同じ、ダメですねェ。「ねぇねぇ大丈夫? 具合悪くない?」 みたいな体調不良のマラ5です。(笑)
  



ウラディーミル・アシュケナージ, Vladimir Ashkenazy
Sydney S
[EXTON] 2010-5/20-22
 説明も不要なウラディーミル・アシュケナージはユダヤ系ロシア人ピアニストにして指揮者ですね。アシュケナージがシドニー交響楽団の首席指揮者時代(現:音楽監督)のマーラー5番です。
第一楽章・第二楽章
第一楽章 葬送行進曲は管楽器の鳴りも録音も良く構えの大きさを感じます。第二主題も適度なテンポアップで音の広がりが良いですね。演奏自体は正攻法です。第二楽章もアップテンポの序章・第一主題からスローの第二主題、その後の展開部から再現部まで音と抑揚のマッチが良く安心して効く事が出来ますね。
第三楽章
軽快と言うよりも重厚で流れる様なスケルツォから入る第三楽章、第二主題レントラーも同様で どちらかと言うと荘厳的な展開になります。第三主題でのホルンも朗々と鳴りますね。(一人怪しいホルンが居る様ですがw) コーダまで長い楽章をしっかり聴かせます。
第四楽章・第五楽章
アゴーギクとディナーミクを大きく振り、波が引いては押し寄せる様な甘美さの強いアダージェットです。ちょっとやり過ぎ?! 最終楽章は二つの主題は響く様に変奏されながらコーダを目指します。山場からコーダは期待以上に応えます。(笑)

・・・・・
変化球はありません。正攻法でメロディーライン強調のベテラン アシュケナージらしい勇壮荘厳なマラ5。「まいったか!?」って感じ。コンサートだったら大爆演と言う事でしょう。




クリストフ・ヴァイネケン, Christoph Wyneken
Landesjugendorchester Baden-Württemberg
[BAUER] 2007-11/10
 ドイツの指揮者ヴァイネケンとバーデン=ヴュルテンベルク青年管弦楽団(Baden-Württemberg Youth Orchestra)によるマーラー5番です。ヴァイネケンはこのオケLJOとの活動でBruno Frey 音楽賞(Prize of the Provincial Academy Ochsenhausen)を受けているそうです。
ヴィネケン?かもしれませんが、残念ながら両者共に知見がありません。WynekenはMusashino Music Academy in Tokyo(武蔵野音大?)に客員教授として来日経験もあるそうです。
第一楽章・第二楽章
慎重さを感じる、と言ったらユース・オケの先入観でしょうか。葬送行進曲は平坦、第二主題はやや荒れ気味で元気、やっぱり強音パートが光る第一楽章です。第二楽章は強烈な序章と第一主題はキレがありますが第二主題はおとなしく…かと思いきや静的美しさで聴かせてくれます。ユースとしては なかなか侮れない第一部かもしれません。
第三楽章
入りのスケルツォでは流石に音の揃いに崩れが見えてしまいます、特にhrは厳しいですね。第二主題は安全運転です。静音パートはおとなしく、強音で元気、と言った流れです。その後現れる第一主題では破綻をきたしませんね。元気なパートは聴かせてくれます。特にコーダは適度に荒れて締まりも良くユースらしいパワーを味わえます。
第四楽章・第五楽章
アダージェットは静的美しさで悪くありません。Wynekenの指揮は今の時代の標準的な情感表現程度のディナーミクです。第五楽章、ここでも処々でhrが怪しいですが前半を何とかこなして山場に辿り着くと元気を取り戻します。その後は静音パートもうまくまとめ、水を得た魚の如くのコーダとフィニッシュです。何年か前のPMFオケの最終日コンサートを思い出しましたね。

・・・・・
これがユース・オケの楽しさですね。元気な若々しさと慎重な静音に違和感はありません。展開はごく標準的です。コンサートだと若さの爆発が体感出来ます。
ユースと言う事を抜きにしてしまうと、見通しの良くない第5番ですが…





まだ残していますが、そろそろ始めに聴いたものを聴きなおすタイミングかもしれません。これはレビューではなくインプレッションですから個人的な感想になりますが、聴き込む事でまた違った印象が生まれているかもしれませんね。ただあまり有名な盤は素人が個人的な感想を書くのは気が引けますw

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

シャリーノ Sciarrino の 12 Madrigali を聴く

お馴染みサルヴァトーレ・シャリーノ(Salvatore Sciarrino, 1947/4/4 - ) 、今やイタリア現代音楽を代表する巨匠の一人ながら独学で 特別に師事した音楽家がいないのも面白いですね。その分 個性的である事は間違いありません。
今までにも紹介しているので、その辺は割愛ですw (ここまでは今までの紹介文と同じです)

「12 Madrigali (2007年)」 は2008年8月のザルツブルグ音楽祭の依託作品として演奏された際のものですね。実は6つの曲をpart 1, 2 にわけて12曲なのですが、松尾芭蕉の六つの俳句をベースに作られた声楽曲になります。part1 と 2の違いは alternative take という感じでしょう。
それぞれ2〜4分程度で、イタリア語歌詞(句詞?)の他にドイツ語・英語の訳がついています。元となる芭蕉の句(日本語)は、当然ライナーノーツには無いので、英文の句から推測しています。(汗)

 1. Quante isole! 島々や千々に砕きて夏の海
   ・How many islands! Shattered the mirror of the sea
 2. Ecco mormorar l'onde さざ波や風の薫の相拍子
   ・This murmur of waves rhythm of the scented wind
 3. La cicala! 撞鐘もひびくやうなり蝉の声 (響く様なリ…じゃダメな様でw)
   ・The cicada! Derfening in sound an aura of bells
 4. Rosso, cosÌ rosso あかあかと日は難面くも秋の風
   ・Red, so red the sun takes flight autumn wind
 5. O lodola 永き日も囀り足らぬひばり哉
   ・Oh skylark the song is not done in a long day
 6. Sole alto 閑さや岩にしみ入る蝉の声
   ・Empyrean sun sea of cicadas the rocks are drinking

表題のマドリガル(叙情短詩 / 無伴奏多声歌曲)の通り、イタリア語訳の芭蕉の俳句をNeue Vocalslisten Stuttgartの7人がアカペラで絡む様に、音響的に歌います。アプローチは楽曲毎に異なり、俳句を反映させているのでしょう。残念ながら俳句に知見が無いので、ピッタリ来ているのかそれともシャリーノ的解釈を感じられるのか不明です。
そう言った事を抜きにして聴くと、アカペラの現代空間音響音楽です。でも、"それ"を抜きにしたらこの音楽が成り立たないので、少なくとも伊語歌詞を見ながら言葉がどう分解されているかを聴くと表現の一部はわかりますね。
個人的に一番面白いのはpart1 の「6. Sole alto」で、定拍パルスと反復からなりまるで蝉の鳴き声を表現しているみたいです。シャリーノ後年の作品で、静音からの音の出現と言った特徴からは離れて 音の流れが明白になっていますね。
試しにYouTubeで12.のSole altoを観てみる?
CDのNeue Vocalslisten Stuttgart方が抑揚・音響的にも素晴らしいですが…


他にも 和泉式部原作を元にしたオペラも後年には作っており興味深いのは事実ですが、日本人なのにピンと来ないのはある意味問題かもしれません。
(海外に行くと、日本人だから日本の事は知っていて当たり前、という環境が発生したりします)




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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。





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