東京のお酒、紅龍を飲む

とりあえず一杯いこうかぁ
なんて感じだよねぇ
と言う事で、例によってご近所の"いしかわ"さんです

◆紅龍 純米酒 無濾過生原酒
 東京都 福生市 熊川 石川酒造
多満自慢(たまじまん)で有名な酒蔵、石川酒造さんの紅龍ですね。去年に続きいただきました。
コクというよりもスッキリとしたやや辛口で、適度な酸味がありますね。喉越し良く飲めてしまいます。
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この日は軽く二合、そして絶品の"かけそば"をいただいてササッと帰りました。こういうのが良いですよね。^^v
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手打ちそば「いしかわ」
東京都三鷹市中原4-27-13
0422-43-8520
◇京王線 つつじヶ丘駅北口から深大寺行きバスで「上ノ原小学校」下車、徒歩1分です


テーマ : 日本酒
ジャンル : グルメ

2014年10月29日 ズービン・メータ / イスラエル・フィル のマーラー交響曲第5番 at NKHホール ★★☆

NHK音楽祭2014の、Zubin Mehta と Israel PO のMahler Symphony NO.5 を聴きにNHKホールへ行って来ました。
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メータのマーラー5番 過去3枚のCDでコンサート受け間違いなしなのですが、さてどうだったでしょうか。期待値は高かったですね、IPO(イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団)とのコンビですから。

初めはシューベルトの交響曲第6番 D.589ですが、普段まず聴かない曲 なのでコメント無しです。

聴き比べでもコンサート向けの演奏である事が明確なメータのマーラー第5番ですが、結果から言うと肩すかしかな。
最終楽章コーダまで予想範疇の展開。やや個性の薄い第一部、第二部に、死よりも生を感じるアダージェット。でもメータには最終楽章のコーダがある!
アダージェットから最終楽章はマーラーの意図通りにアタッカでつながりますが、一瞬のホルンがうまく弦楽器を跨ぐ様に入って良い流れを作りました。そして予想通りにコーダへ向けてうねる様に上げて行きましたね。山場も見事盛り上げて、ラストはビシッとアッチェレランドで締めくくる!
かと思ったらアッチェレランドが緩かったんですよねぇ。でも悪くはなかったですよ。拍手喝采、ブラボーでしたから。

IPOは流石に一体となった素晴らしい音を奏でてくれました。ホルンのソロは音色、ボリューム共に際立ちました。大男が斜めに構えて小さなマウスピースを吹くのも楽しかったしね。出だしのトランペットも近年聴いた中では一番クリア。シューベルトではフルートの音色の素晴らしさが堪能出来ました。これは残念ながら国内のオケの一番弱いところだと個人的に思います。

最近たまにありますが、コントラバスは左配置。指揮台には珍しくガードパイプなし。マーラー第5番の前の休憩時間にはオケのメンバーが普段は聴かないほどの大きな音量で練習したりとか珍しい事も。TVカメラがステージ右に入ったので、オケが全体に左に寄ったのは違和感があったりしましたが。

期待値が高かった分だけマイナス☆0.5と言う事で。(笑)

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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ティベルギアンのピアノで Szymanowski の Masques Metopes Etudes Op.4 & 33 を聴く

シマノフスキ(Karol Maciej Szymanowski, 1882/10/6 - 1937/3/29)のピアノ曲は大好きなのですが、どうでしょうか。ここでは人気曲を並べていますね。作品番号30以降は無調になります。

セドリック・ティベルギアン(Cédric Tiberghien) と言うと、イブラギモヴァとのユニットで思い出します。コンサートも行っていますね。
シマノフスキのピアノ曲は以前6人のピアニストで紹介しています。

□ 12 Etudes, Op.33 は無調で12の小曲からなります。ティベルギアンのピアノは繊細さを見せながらも、ややモッソリとした感が残りますね。出来れば、もう少しクールに冷たい音色で弾いて透明感と奥行きを感じさせてくれると好みです。
□ Masques, Op.34 人気曲の仮面劇ですね。幽玄な気配漂う好きな曲ですが、1.Scheherazade では やや落ち着きが無い感じです。2.Tantris le Bouffon はラヴェルにまつわる曲ですが、明瞭に弾いています。オマージュにならないかな...。3.La Serenade de Don Juan ではうまく間を取っている感じですが、いずれにしても幽玄さが弱い感じですね。
□ 4 Etudes, Op.4 は作品番号からもわかる通りの初期作品で、調性内の人気曲有名曲です。ここではディナーミクを強く弾き、メリハリある演奏になります。Etudeというイメージを強く意識しているのでしょうか。中では3番が良いかもしれません。
□ Metopes, Op.29 はMasquesと並ぶ幽玄な素晴らしい楽曲ですが、力強さが勝つ演奏です。好みではありませんが、このメトープがアルバムの中では一番良いと思います。

残念ながら、個人的に好きな "細く切れ味のある幽玄な" シマノフスキのピアノ曲ではありませんでしたね。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

バイロイト音楽祭2014年 歌劇『タンホイザー』をNHKで観ました

2014年8月12日 バイロイト祝祭大劇場 で行われた 楽劇「タンホイザー」、原題は『タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦』(Tannhäuser und der Sängerkrieg auf Wartburg)、が今年もNHKのプレミアムシアターで放送されました。録画しておいたので、今日観ました。
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何かと話題のセバスティアン・バウムガルテン(Sebastian Baumgarten)のアヴァンギャルドな演出ですが、バイロイト音楽祭ですから今更驚かないでしょう。
とは言え、この様な解説がTV画面に入ったのは初めてです。「タンホイザー」そのものが舞台(ワルトブルクという世界)の中の一つの出し物という設定、またワグナーの意図を覆すと言う設定、と言った本質までもがアヴァンギャルドなのは あまりにも...かなと思うでしょ。演出の域を逸脱しているような気がします。
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と言う訳で、この展開上 パリ版ウィーン版のバレエは無し、それに第一幕と第二幕の幕間に全三幕の語り(朗読会という設定)が入り、第ニ幕の歌合戦シーンでは なんとヴェーヌス( Michelle Breedt,ミシェル・ブリート)が舞台に現れている(心の中のイメージ?)、と言う変わり種です。
他にもエリーザベト(Camilla Nylund,カミラ・ニュルンド)の死ではBIOGASのタンクに入ってしまったりとか、妊婦で現れたヴェースヌは、ラストの救済で出産。これは色々と論議になっているのはご存知の通りですね。

でも、ラストの救済のシーンは音楽と相俟って 条件反射的に涙が浮かんでしまいます。個人的には楽劇やオペラは今や演出がどんどん変化して行きますから、許容ですね。現にカーテンコールは大喝采でした。
音楽自体は変える事の出来ないクラシックですが、演出は進化してクラシックから脱却しています。(脱却出来ないままだからクラシックと言う訳ですからね)
古いものは大切にしたいですが、進化はありだと思いますね。
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ワグナーを得意とするカミラ・ニュルンドのエリザベトと、日本でもお馴染みのトルステン・ケール(Torsten Kerl)のタンホイザーはヘルデン・テノールらしいハイなテノールで良かったです。ケールは見た目をもう少しなんとかして欲しい気はしますが。(笑)


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ルノー メガーヌ Renault Megane III RS 一年点検

ルノー世田谷に出して来ました。ルノーケアに入っているので点検費用はE/Gオイル, フィルター交換等含めて無料ですね。
以前のBMWやaudiとは違い対応はどうだろう?って思っていたけど十分。ちゃんと整備内容の説明もしてくれたし、手洗い洗車もしてくれました。

何より嬉しかったのはカーナビを少しD席寄りに向きを変えて欲しいという要望にちゃんと応えてくれた事ですね。BKTを削って正面しか向かない処を調整してくれました。(後付け用のBKTですから、削ってOK!)
ピックアップは良いんだけど ヌケをもっと良くしたいなぁ、なんて話をしたら「排気系を変えたら...」なんてディーラーの整備係とは思えないアドヴァイも。なかなか楽しい ^^

メガーヌRSもマイナーチェンジしてフロントのエンブレムが大きくなりましたが、本物を見たら違和感無いですね。写真だとかっこ悪かったんだけど。^^;

とてもヤンチャで楽しい車なので、5,000kmも越えたしもうちょっと踏んで遊ぶ事にしましょ!
^^v


走行距離5,700kmなので もちろん不具合などなしですが、以下個人的備忘録です。

 ・タイヤの残溝(前後ローテーション後)
   Fr 7mm, Rr 6.5mm (車検は1.5mmまで、性能は3mmまで)
 ・ブレーキ残
   Fr,Rr共に 10mm (初期値 11mm)



テーマ : その他外国車
ジャンル : 車・バイク

お奨めのMario Brunello の "Italia":Giovanni Sollimaとのデュオも楽しく聴く

来月のブルネロのコンサートを前に、所有のブルネロを何枚か聴いています。その中でも ITALIA は, お気に入りの一枚!
もちろん好きなチェリストを二人上げよ、と言われたらこの二人 マリオ・ブルネロ と ジョバンニ・ソッリマ ですね。
この "イタリア" はブルネロが指揮者として出した3枚のアルバムのうちの一枚になりますね。四曲中の二曲がオーケストラ・ダルキ・イタリアーナ(Orchstra D'archi Italiana)と、ニ曲がソッリマとのデュオ・チェロとOD'aIとの協奏曲になります。

□ レスピーギ : リュートのための古代舞曲とアリア第3番
 イタリアの曲を集めているので題名がイタリアという事なのですが、これは古典過ぎて個人的には厳しいのですが曲としては美しく、時に情感的で素晴らしいとは思います。それを引き出しているのが Orchstra D'archi Italiana の良さでしょう。

□ ヴィヴァルディ : 2つのチェロと弦楽のための協奏曲 RV.531
 これまた古いのですが、いきなり二人のチェロの絡み合いから始まり弦楽が追いかける様な劇的な展開です。バロックなど まずは聴く機会がありません。曲としては面白くもありませんが、二人のチェロと弦楽の掛合いにハープシコードが絡み悪くありませんね。三楽章のスピード感とチェロの音色のバランスも楽しいです。

□ ソッリマ : チェロよ歌え! (Violoncelles, Vibrez!) ~ 2つのチェロと弦楽のためのバラード
 ソッリマの作品で当然 現代音楽になりますが、調性感はあり 陰的に美しい楽曲です。チェロのデュオと言うイメージとはかなり異なるかもしれません。OD'aIがバックグラウンドでミニマル的な演奏を奏でます。時折二つのチェロが一台の様に絡んだり、音色も近くて引込まれそうな感覚を味わえます。
素晴らしい楽曲と演奏で、この曲の為に本アルバムを購入して惜しくありません。

□ マリピエロ : 弦楽四重奏曲第1番 「リスペットとストランボット」
 マデルナの師でもあるイタリアの現代音楽家 ジャン・フランチェスコ・マリピエロ(Gian Francesco Malipiero, 1882/3/18/ - 1973/8/1) の作品ですね。このアルバムの中で一番長い楽曲です。マリピエロ独特の和声は、イタリアの旋律を残しながら広がりある空間を作り上げます。
ここではOD'aIがダイナミックで見事な演奏を聴かせてくれます。緊張感と陰の強さは美しささえ感じさせてくれますね。調性はあるので現代音楽を毛嫌いする人出も大丈夫です。素晴らしい作品と演奏です!

ブルネロが同時に三枚出した指揮者作品「Classic」「Italia」「Film」の中の最高作品です。
特に三曲目・四曲目は強力、個人的超お勧め盤!





テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

マーラー 交響曲 第5番 名盤・珍盤 160CD聴き比べ! [#7 / CD:101-110]

来週水曜日10月29日のズービン・メータ(Zubin Mehta)指揮IPOのコンサートを前にマーラー5番(Mahler's Symphony No.5)の聴き比べです。

メータのマーラー第5番 CD3枚は以前紹介済みですね。そこでも書きましたが、コンサートでは大ブラボーの予感。(笑)

今回#7は10CDsの紹介。まだまだありますが、3回以上録音を残している大物指揮者・有名盤 等はなくなりましたので地味になって来ると思います。

【参考】
 ★:名盤 (一般的いわれている…と思う盤)
 ☆:個人的お勧め
 ○:とっても変わっています

[リスト] 現状のMahler Symphony No.5 の聴き較べです (現在 #11回 160CDまで)
 #11:10CD
 #10:10CD
 #9:15CD
 #8:15CD
 #7:10CD 今回の紹介分です
 #6:14CD
 #5:5CD アバド追悼
 #4:20CD
 #3:25 26CD
 #2:20CD
 #1:15CD




ガッティ / Royal PO
[RCA] 1997
 歌曲を得意とするイタリア人指揮者Daniele Gattiとロイヤルフィル。第一楽章から派手な展開を見せます。アゴーギク、ディナーミク、ともに揺さぶりを強くかけています。第二楽章もアップテンポで入りペースを戻します。劇情的な演奏ですが少々途中が息切れ感あり。嵐、そして時折の凪の様なマラ5ですね。
スケルツォも入りこそ柔らかですが、すぐにテンポに揺さぶりをかけます。しかし一二楽章の様な独特な展開にやや欠けるのでしょうか、曲の長さを感じてしまいます。 アダージェットはppの弱音からスローに入り、ハープとのバランスも良いです。多少のアゴーギクは入るものの、やはりアダージェットは解釈の自由度が低いのかもしれないですね。悪い訳ではないのですが不釣り合いっぽい?ロンド-フィナーレもアダージェットからの繋がり感良くスタート、緩やかな流れからコーダはいいですね。
・・・・・
それにしても興味津々、鮮烈なテンションを最後まで引っ張れるかに掛かるシビアさを感じます。ライブで鑑賞してみたいです。


レヴィ / Atlanta SO
[TELARC] 1995-2/13, 14
 イスラエル人指揮者Yoel Levi(יואל לוי‎)が名誉音楽監督を勤めるアトランタ響です。第一楽章は葬送行進曲から第二主題にかけてナチュラルですが、後半は静的に展開されます。第二楽章もその流れで静的、緩やかな特徴的な第一部になります。
第三楽章スケルツォも全編 穏やか緩やかですが、唯一コーダだけは締めてかかりますね。アダージェットは当然の流れで、蕩ける様な甘美さではありませんが とにかく静的にしてスロー。やや飽きますが...
最終楽章はスタートから緩やかに上げて行くのが一つのパターンですが、ここでも緩やかなまま進んで終盤の山場、そしてコーダを迎えます。スケルツォ同様、ここでもコーダだけは見事に締めて来ます。どうした事かアッチェレランドも、不自然に感じるくらい決まっています。
・・・・・
アゴーギクを殺し、静的スロー主体のマラ5。よく冷えて入るけど炭酸の抜けたビールの様で、違う飲み物?みたいな。


コンロン / Gürzenich-Orchester Kölner P
[EMI] 1994-8/31 - 9/2
 ヨーロッパで活躍する米人指揮者James Conlonと、彼が音楽監督を勤めたケルン・ギュルツェニヒ管の演奏です。第一楽章葬送行進曲は重すぎず軽すぎず、第二主題への繋がりも劇的変化はありませんが適度にディナーミクを効かせています。第二楽章は当然の様に流れは同じですね。適度なメリハリで安心感のある第一部です。
スケルツォでは優雅な展開に切替りながらも切れ味のある演奏のなですが、やや遅めなのが中だるみを感じてしまいますね。アダージェットは特別に表情を出す事なく穏やかなのはイイですね。
ロンド-フィナーレでは、お約束通りに徐々にテンションを上げて行きます。最後の山場からコーダにかけてはワクワクします。コンサートでもそうですが、ここがこの楽曲の一つのポイントでしょうね。
・・・・・
特徴はないかもしれませんが、その分 安心して聴けます。初めてマーラーの第5番を聴く人にもお薦めです。


リットン / Dallas SO
[DORIAN] 1993-9
 米人指揮者Andrew Littonと米国オケのダラス交響楽団によるライヴです。陰鬱感の少ない明瞭な葬送行進曲、そして第二主題への展開で始まるマーラー第5番です。第二楽章はスピード感溢れる第一主題から情緒的な第二主題へと、基本は陰鬱感の少ない演奏になります。
スケルツォは、この流れで予想される通りに優雅にして軽妙で、アダージェットも表情を見せないクールさで繋がりに不自然さは感じさせませんね。最終楽章へはアタッカで繋がり、その延長上から上げて行きます。そこでは広がりがあり お約束通りの良い展開です。コーダへの期待を持たせながら、途中 多少のもたつきはありますが、ラストの山場を迎えて圧倒的なアッチェレランドで締めくくります。
・・・・・
CDの様にライヴで聴いたら良いでしょうね。独特のアゴーギクと明瞭感のマーラー5番です。


ファーバーマン / LSO
[VOX] 1980
 あのコープランドに師事した米指揮者Harold Farbermanと、ロンドン響のマーラー5番です。スローで抑揚の強い第一楽章第一主題、悪くありません。第二主題は押さえ気味で対照的です。第二楽章は一転してスピードある第一主題と緩やかな第二主題の対比を作ります。この第一部は、コントラストの強い明瞭な主張が感じられますね。
それに比べるとスケルツォは平凡でダレますが、途中のアゴーギクはやはり特徴的ですね。そしてアダージェットはスローで静、ややフラット気味に押さえた悪くない演奏です。最終楽章のスタートは押さえて入るのは良いのですが、これではフラット過ぎでしょう。スローなだけに、もう少し揺さぶりをかけながら上げて欲しい所ですね。コーダまでもちません。
・・・・・
第二部(第三楽章)・第三部(第四・第五楽章)が間延び的なマーラー第5番です。


クライツベルク / OP Monte-Carlo
[OPMC] 2010-9
 ユダヤ系ロシア人指揮者Yakov Kreizbergとモンテカルロ管による演奏です。取り立てた特徴的なパートはないものの安定した第一楽章ですね。音も悪くありません。第二楽章はやや変化があり、第二主題が あっさり、中盤以降ではアゴーギクを使った展開になります。
第三楽章スケルツォも平凡、かと言って問題のこの楽章の増長感で飽きさせるわけでもありませんね。アダージェットは速めの演奏で冷静、ディナーミクも薄めでクールな演奏で好みです。最終楽章は一転スローで入りながらテンポを上げて進みます。コーダもそれなりに締めて来ます。
・・・・・
全体は平凡ですが、諸処に一工夫のマラ5。オケの演奏も悪くなく、今ひとつ掴みどころが無いのですが、聴けます。一皮剥けたら面白そうなマラ5です。


○ アブラヴァネル / Utah SO
[Everyman] before 1991
 米国ユタ州縁のユダヤ系スイス人指揮者 Maurice Abravanel が、ユタ響を振ったマーラー第5番です。
奇妙でせっかちな第一楽章、楽器のバランスも不可思議なパートがあったり、オケのボリューム不足感が強かったり、そんな顔が処々に散見できます。第二楽章は、途中異常・異様に速いです。スケルツォも同様にカッ飛びですが、異常性は低いかも。第四楽章アダージェット、これが一番まともですね。やや速いのはともかく 安心して聴ける弦楽楽章になっています。最終楽章は速くてバラバラです。
・・・・・
演奏時間が61'50"と とにかく速く、おまけに第一部はとにかく変! ヘンテコ第5番の一角を占めますね。ジャケットに"Death in Venice"と入っているのもいただけません。変わり物マニアの貴方にぴったり!


フェルツ / Stuttgart PO
[dreyer gaido] 2009-1/13
 ドイツ人指揮者 Gabriel Feltz とシュツットガルト管によるライヴです。スローながら奇を衒った処のない第一楽章は演奏も良く好感が持てますね。リズムの転換を計る様に速いテンポで入る第二楽章ですが、第二主題からは落ち着いた演奏に戻します。流れは第一楽章と同じですね。第三楽章はスケルツォらしい華やかさが伝わります。スローがベースで適度なアゴーギクは広がりがあり、コーダは見事に締めます。この楽章の持つ欠点?飽きを感じる事はありません。
アダージェットはやや暖色系の演奏ですが、ここでもディナーミクを押さえながらの緩く静かな流れがマッチしています。最終楽章は一転して速いテンポで入り上げて行きます。意外な展開ですが、コーダへ向けての期待を抱かせてくれる演奏です。個人的にはスローで組み立ててくれた方が嬉しかったですが...
ちなみにフェルツが問題にしたヴァイオリンのアウフタクトの件は、CDからは感じられませんね。
・・・・・
最終楽章以外は誇張を排したスローでシットリと落ち着いたマーラー5番、こういうのも悪くありません。特にスケルツォは出色の出来です。


大植 英次 / Orchester de Hochschule für Musik und Theater Hannover
[gutingi] 2003-6

  ハノーヴァー音楽大学の自主制作盤で、終身教授を任ぜられている大植英次指揮による演奏です。
第一楽章は重厚な葬送行進曲、第二主題もテンポを大きく変える事の無く通して重厚さの演奏です。途中やや締まりに欠けるパートが気になりますが。第二楽章もよしも悪しくも同様の展開、微妙に振られたアゴーギクにハッとさせる様な良さと凡庸さが交互しています。
癖の無いスケルツォですが、かえってそれが退屈さに繋がってしまうかもしれません。技量を要求される静音での演奏が今ひとつなのは仕方ないでしょうね。アダージェットも同じで、静音で淡々と流れて特別な意図は感じられません。それが良いか悪いかは別として。
最終楽章も標準的に緩やかに上げて行きます。途中は淡々としていますが、コーダは少々荒々しく勢いで締めくくります。
・・・・・
一時期輸入元があり販売されていましたが、入手は難しいかもしれません。強音パートは溢れるパワーで勢いを感じられて楽しめるマラ5です。


マッケラス / Royal Liverpool PO
[Classics for Pleasur (EMI)] 1990-1/11-13
 英国で活躍したオーストラリア人指揮者 Sir Charles Mackerras と、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管による演奏です。スローで行進曲らしくない第一楽章第一主題、というよりも この方が葬送らしいのかも。ディナーミクの出し入れが程よい緊張感を作っていますね。RLPOの管楽器の響きが良く、かのPhilharmonic Hallの音響の良さも手伝っているかもしれません。第二楽章も殊更の重厚性はなく基本サッパリ系で、バランスの良い出し入れの妙です。アゴーギクはやや強めですね。
スケルツォは軽快さ、ここでもバランスの良い演奏で飽きさせませんね。アダージェットではディナーミク抑えめで静的で流れの良さを感じられます。最終楽章は地味にスタートしてゆるやかに登って行きます。コーダに期待を抱かせるというワクワク感は不足ですが。
・・・・・
バランスの良いマーラー5番なのですが、何か一味足りないような...



一つの曲でも、本当にいろいろな演奏があって楽しいですね。^^

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

2014年10月17日 トーマス・ツェートマイヤー の パガニーニ:24のカプリース at トッパンホール ☆→★★★

kokotonPAPAご贔屓のヴァイオリニスト Thomas Zehetmair (vn) が得意とするパガニーニの「24のカプリース」を飯田橋のトッパンホールへ聴きに行って来ました。

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事前のツェートマイアーのCD聴き比べで その特徴は明瞭、 期待度満点のコンサートでしたが さて。
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結果は三人のツェートマイヤーがいました。休憩前、休憩後、そしてラスト24曲目からアンコールのツェートマイヤーです。
★★★は最後のツェートマイヤーですね。24のカプリースなら★☆でしかありません。
始めの1〜12曲目までは、まるでやる気の無い様な演奏でした。切れ味はなく、ヴァイオリンも全然鳴っていませんでした。かろうじて、4曲目 11曲目が聴けたくらい。
休憩後は明らかに音が鳴り始めました。しかし、ツェートマイヤーのカプリースではありませんね。前半に続き、身体の動きも不自然。膝を曲げて少し腰を落としたポーズのままで、感情が動きに現れていめせん。
一気に変わったのがラスト24曲目のクワジ・プレストですね。前の曲からアタッカで繋がり、切れ味と表現力抜群の演奏。この曲だけがCDを上回ったでしょう。そしてアンコール3曲の内、現代音楽二曲ツィンマーマンとイザイが素晴らしく特にイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタは見事でしたね。表情豊かな演奏で音量 音色ともに最高でした。もちろん拍手もこの曲が一番でした。

ツェートマイヤーは本当に今回「24のカプリース」をやりたかったのでしょうか。
全くやる気を見せなかった演奏に対して、アンコールは拍手が切れる前に三回も出て来ました。どうみても当初からの計画通りの感じです。出来も全く違いましたし、ヴァイオリンの鳴りだけでなく全身での表現も明らかに差がありました。
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映画の影響で弾かされた、何て勝手に思ったのはひねくれた私だけ?
単にウォームアップ不足かテンション不足だけだったのでしょうか。それとも、始めは緩やかに最後に仕上げるという新しいアプローチ?(それはないでしょ)
次の機会は、イザイの無伴奏の全曲を是非聴きたいですね。

ちなみに本公演は11月25日にNHKのクラシック倶楽部で放送されますね。ただ一時間番組なので、どう編集されるのか…な?


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

マリオ・ブルネロの FILM を聴く

来月の公演を控えたkokotonPAPAご贔屓のチェリスト Mario Brunello の指揮者作品ですね。1994年に仲間と結成したオーケストラ・ダルキ・イタリアーナ(Orchestra D'archi Italiana) による演奏は映画に使われた音楽を取り上げて、題名FILMとなっています。

基本的に現代音楽家の作品が多いのは、映画に使われ易いからでしょうね。明確な主題を排した事で映像に出しゃばらないですから。

◇ 弦楽のためのアダージョ Op.11 / Samuel Barber (1910/3/9 - 1981/1/23)
 新ロマン派的なこの作品がバーバーの代表作でしょうね。映画「プラトーン」で使われている、とても美しい楽曲です。静的に終始する流れに浸るのが快感ですね。
◇ヴァイオリンと弦楽オーケストラのためのノスタルジア ~ アンドレイ・タルコフスキーの追憶に / 武満徹
 無調ですが、無拍ではないので前曲からの流れは不自然ではありません。いかにも武満作品であり、幽玄にして刃物の様な鋭さです。部屋中に この音楽が満たされる感覚を味わえます。
◇トリスティング・フィールズ / Michael Nyman (1944/3/23 - )
 英国を代表する現代音楽家 マイケル・ナイマンのミニマルではない楽曲です。映画音楽やコマーシャルにも使われるのですが、ここではモーツァルトの主題を使った古典的な流れと背景に流れるナイマンらしさが楽しめます。
◇弦楽四重奏曲第1番 「クロイツェル・ソナタ」/ Leoš Janáček (1854/7/3 - 1928/8/12)
 ヤナーチェクは民族音楽をベースにした現代音楽家ですね。このCDの中では全四楽章の この楽曲が"聴かせる"作品になるかもしれません。上記三曲とは異なり、部屋に流しておく というには主張がありますね。もちろん素晴らしい楽曲、演奏です。
◇アダージェット-交響曲第5番第四楽章 / Gustav Mahler (1860/7/7 - 1911/5/18)
 言わずと知れたマーラーのアダージェットです。kokotonPAPAはマーラー5番のCDを130枚以上は所有しています。この楽章だけはトーマス・マンの「ベニスに死す」のイメージが拭えませんね。主人公のグスタフは、マンがグスタフ・マーラーからとったもの。ヴィスコンティの同名の映画の主人公の容貌は、それを元にマーラーを模しています。
個人的には映画のシーンとはやや異なり「広がる自然を前に一人静かに椅子に座し、最期を見つめるかの様な時間が流れる...」
ここでは、夕陽の黄昏を前にしたような暖色系の演奏になっています。甘美よりも情熱を感じます。冬の原野を望む もっと静的に冷たい演奏が好きですね。あくまでも交響曲の楽章としての好みですが。

切れ味・先鋭的なオーケストラ・ダルキ・イタリアーナとブルネロによる室内楽を肩肘張らずに楽しむ事が出来ますね。
バーバー・武満・ヤナーチェク作品がお薦めです。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ノルドグレンの The Last Quartets を聴く

毎度お馴染みのフィンランドの現代音楽家ペール・ヘンリク・ノルドグレン(Pehr Henrik Nordgren, 1944/1/19 - 2008/8/25) の最後の弦楽四重奏曲、第10・11番です。以前第4・5番を紹介しています。

String Quartet No.10 Op.142 (2007年) は無調で、Tempera Quartetに献呈された曲で2008年に初演されています。そして最後のショスタコーヴィチへの賛辞となっています。
第一楽章は静的に第二楽章は過激に、それぞれ無調の中に動機レベルの流れを残しつつ展開します。
第三楽章では再び静的に回帰します。
第四楽章はMorning Songで、1971年に見た富士山頂上での日の出のイメージが展開されているそうです。始めに鳴る小さな鈴は神社(Shinto Temple)の音で、その静的な入りからストイックな弦楽の絡みの中に東洋的な和声が感じられる楽章です。全体的に精神的な展開感を感じますね。何が?と言われると、うまく言い表せませんが...

String Quartet No.11 Op.144 (2008年) はノルドグレンの亡くなった年の作品になります。これもTempera Quartet に献呈されており、2008年7月25日のKuhmo Chamber Music Festival で初演されノルドグレン本人も立会っています。そしてその一ヶ月後の8月25日に逝去しています。
第一楽章は解放弦の静音で始まり終わる短い楽章です。第二楽章は各楽器が細かい動機を対位法の様に、モザイクの様に織り合わされて展開します。第三楽章は交響曲第4番からの引用になりますが、流れは悲しみと瞑想で葬送的な気配さえ感じます。
最終楽章は、それに自然に繋がる様な短いエピローグで、人生の終章での慈悲を表しているとの事です。
通して、既に人生の終焉を知っているかの様な音楽を感じてしまいます。

演奏は、この二曲を献呈されたTempera Quartetになります。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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