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2014年10月29日 ズービン・メータ / イスラエル・フィル のマーラー交響曲第5番 at NKHホール ★★☆

NHK音楽祭2014の、Zubin Mehta と Israel PO のMahler Symphony NO.5 を聴きにNHKホールへ行って来ました。
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メータのマーラー5番 過去3枚のCDでコンサート受け間違いなしなのですが、さてどうだったでしょうか。期待値は高かったですね、IPO(イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団)とのコンビですから。

初めはシューベルトの交響曲第6番 D.589ですが、普段まず聴かない曲 なのでコメント無しです。

聴き比べでもコンサート向けの演奏である事が明確なメータのマーラー第5番ですが、結果から言うと肩すかしかな。
最終楽章コーダまで予想範疇の展開。やや個性の薄い第一部、第二部に、死よりも生を感じるアダージェット。でもメータには最終楽章のコーダがある!
アダージェットから最終楽章はマーラーの意図通りにアタッカでつながりますが、一瞬のホルンがうまく弦楽器を跨ぐ様に入って良い流れを作りました。そして予想通りにコーダへ向けてうねる様に上げて行きましたね。山場も見事盛り上げて、ラストはビシッとアッチェレランドで締めくくる!
かと思ったらアッチェレランドが緩かったんですよねぇ。でも悪くはなかったですよ。拍手喝采、ブラボーでしたから。

IPOは流石に一体となった素晴らしい音を奏でてくれました。ホルンのソロは音色、ボリューム共に際立ちました。大男が斜めに構えて小さなマウスピースを吹くのも楽しかったしね。出だしのトランペットも近年聴いた中では一番クリア。シューベルトではフルートの音色の素晴らしさが堪能出来ました。これは残念ながら国内のオケの一番弱いところだと個人的に思います。

最近たまにありますが、コントラバスは左配置。指揮台には珍しくガードパイプなし。マーラー第5番の前の休憩時間にはオケのメンバーが普段は聴かないほどの大きな音量で練習したりとか珍しい事も。TVカメラがステージ右に入ったので、オケが全体に左に寄ったのは違和感があったりしましたが。

期待値が高かった分だけマイナス☆0.5と言う事で。(笑)

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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





ティベルギアンのピアノで Szymanowski の Masques Metopes Etudes Op.4 & 33 を聴く

シマノフスキ(Karol Maciej Szymanowski, 1882/10/6 - 1937/3/29)のピアノ曲は大好きなのですが、どうでしょうか。ここでは人気曲を並べていますね。作品番号30以降は無調になります。

セドリック・ティベルギアン(Cédric Tiberghien) と言うと、イブラギモヴァとのユニットで思い出します。コンサートも行っていますね。
シマノフスキのピアノ曲は以前6人のピアニストで紹介しています。

□ 12 Etudes, Op.33 は無調で12の小曲からなります。ティベルギアンのピアノは繊細さを見せながらも、ややモッソリとした感が残りますね。出来れば、もう少しクールに冷たい音色で弾いて透明感と奥行きを感じさせてくれると好みです。
□ Masques, Op.34 人気曲の仮面劇ですね。幽玄な気配漂う好きな曲ですが、1.Scheherazade では やや落ち着きが無い感じです。2.Tantris le Bouffon はラヴェルにまつわる曲ですが、明瞭に弾いています。オマージュにならないかな...。3.La Serenade de Don Juan ではうまく間を取っている感じですが、いずれにしても幽玄さが弱い感じですね。
□ 4 Etudes, Op.4 は作品番号からもわかる通りの初期作品で、調性内の人気曲有名曲です。ここではディナーミクを強く弾き、メリハリある演奏になります。Etudeというイメージを強く意識しているのでしょうか。中では3番が良いかもしれません。
□ Metopes, Op.29 はMasquesと並ぶ幽玄な素晴らしい楽曲ですが、力強さが勝つ演奏です。好みではありませんが、このメトープがアルバムの中では一番良いと思います。

残念ながら、個人的に好きな "細く切れ味のある幽玄な" シマノフスキのピアノ曲ではありませんでしたね。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





バイロイト音楽祭2014年 歌劇『タンホイザー』をNHKで観ました

2014年8月12日 バイロイト祝祭大劇場 で行われた 楽劇「タンホイザー」、原題は『タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦』(Tannhäuser und der Sängerkrieg auf Wartburg)、が今年もNHKのプレミアムシアターで放送されました。録画しておいたので、今日観ました。
2014Tannhäuser-BayreuthFestival01

何かと話題のセバスティアン・バウムガルテン(Sebastian Baumgarten)のアヴァンギャルドな演出ですが、バイロイト音楽祭ですから今更驚かないでしょう。
とは言え、この様な解説がTV画面に入ったのは初めてです。「タンホイザー」そのものが舞台(ワルトブルクという世界)の中の一つの出し物という設定、またワグナーの意図を覆すと言う設定、と言った本質までもがアヴァンギャルドなのは あまりにも...かなと思うでしょ。演出の域を逸脱しているような気がします。
2014Tannhäuser-BayreuthFestival02

と言う訳で、この展開上 パリ版ウィーン版のバレエは無し、それに第一幕と第二幕の幕間に全三幕の語り(朗読会という設定)が入り、第ニ幕の歌合戦シーンでは なんとヴェーヌス( Michelle Breedt,ミシェル・ブリート)が舞台に現れている(心の中のイメージ?)、と言う変わり種です。
他にもエリーザベト(Camilla Nylund,カミラ・ニュルンド)の死ではBIOGASのタンクに入ってしまったりとか、妊婦で現れたヴェースヌは、ラストの救済で出産。これは色々と論議になっているのはご存知の通りですね。

でも、ラストの救済のシーンは音楽と相俟って 条件反射的に涙が浮かんでしまいます。個人的には楽劇やオペラは今や演出がどんどん変化して行きますから、許容ですね。現にカーテンコールは大喝采でした。
音楽自体は変える事の出来ないクラシックですが、演出は進化してクラシックから脱却しています。(脱却出来ないままだからクラシックと言う訳ですからね)
古いものは大切にしたいですが、進化はありだと思いますね。
2014Tannhäuser-BayreuthFestival04

ワグナーを得意とするカミラ・ニュルンドのエリザベトと、日本でもお馴染みのトルステン・ケール(Torsten Kerl)のタンホイザーはヘルデン・テノールらしいハイなテノールで良かったです。ケールは見た目をもう少しなんとかして欲しい気はしますが。(笑)


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





マリオ・ブルネロ(チェロ) の『イタリア, Italia』:ジョバンニ・ソッリマ(チェロ)とのデュオも楽しく聴く


来月のブルネロ(Mario Brunello)のコンサートを前に、所有のブルネロを何枚か聴いています。その中でも ITALIA は, お気に入りの一枚!
この "イタリア" はブルネロが指揮者として出した3枚のアルバムのうちの一枚になりますね。四曲中の二曲がオーケストラ・ダルキ・イタリアーナ(Orchstra D'archi Italiana)と、ニ曲がソッリマとのデュオ・チェロとOD'aIとの協奏曲になります。

好きなチェリストは?、と言われたら今はこの二人マリオ・ブルネロジョバンニ・ソッリマ(Giovanni Sollima) ですね。ソッリマは現代音楽家としても良いですね。




■レスピーギ : リュートのための古代舞曲とアリア第3番
 イタリアの曲を集めているので題名がイタリアという事なのですが、これは古典過ぎて個人的には厳しいのですが曲としては美しく、時に情感的で素晴らしいとは思います。それを引き出しているのが Orchstra D'archi Italiana の良さでしょう。

■ヴィヴァルディ : 2つのチェロと弦楽のための協奏曲 RV.531
 これまた古いのですが、いきなり二人のチェロの絡み合いから始まり弦楽が追いかける様な劇的な展開です。バロックなど まずは聴く機会がありません。曲としては面白くもありませんが、二人のチェロと弦楽の掛合いにハープシコードが絡み悪くありませんね。三楽章のスピード感とチェロの音色のバランスも楽しいです。

■ソッリマ : チェロよ歌え! (Violoncelles, Vibrez!) ~ 2つのチェロと弦楽のためのバラード
 ソッリマの作品で当然 現代音楽になりますが、調性感はあり 陰的に美しい楽曲です。チェロのデュオと言うイメージとはかなり異なるかもしれません。OD'aIがバックグラウンドでミニマル的な演奏を奏でます。時折二つのチェロが一台の様に絡んだり、音色も近くて引込まれそうな感覚を味わえます。
素晴らしい楽曲と演奏で、この曲の為に本アルバムを購入して惜しくありません

■マリピエロ : 弦楽四重奏曲第1番リスペットとストランボット
 マデルナの師でもあるイタリアの現代音楽家 ジャン・フランチェスコ・マリピエロ(Gian Francesco Malipiero, 1882/3/18/ - 1973/8/1) の作品ですね。このアルバムの中で一番長い楽曲です。マリピエロ独特の和声は、イタリアの旋律を残しながら広がりある空間を作り上げます。
ここではOD'aIがダイナミックで見事な演奏を聴かせてくれます。緊張感と陰の強さは美しささえ感じさせてくれますね。調性はあるので現代音楽を毛嫌いする人出も大丈夫です。素晴らしい作品と演奏です!


ブルネロが同時に三枚出した指揮者作品「Classic」「Italia」「Film」の中の最高作品です。
特に三曲目・四曲目は強力、個人的超お勧め盤!です。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





マーラー 交響曲 第5番 名盤・珍盤 180CD聴き比べ! [#7 : 101-110]


来週水曜日10月29日のズービン・メータ指揮IPOのコンサートを前にマーラー5番の聴き比べです。メータのマーラー第5番 CD3枚は以前紹介済みですね。そこでも書きましたが、コンサートでは大ブラボーの予感。(笑)

今回#7は10CDsの紹介。まだまだありますが、3回以上録音を残している大物指揮者・有名盤 等はなくなりましたので地味になって来ると思います。


Mahler Symphony No.5 -- 180 CDs

 ★:名盤 (一般的いわれている…と思う盤)
 ☆:個人的お勧め
 ㊟:とっても変わっています (普通の演奏じゃ満足出来ない貴方にw)


 #1:15CD
バーンスタイン[x5 ★☆], カラヤン[x3 ☆], プレートル, 小澤征爾, ジンマン, モリス[㊟], ブロムシュテット, ドゥダメル, ドホナーニ, マーツァル[x2], 参考音源/資料類
 #2:20CD
M.T.トーマス, テンシュテット[x6], ベルティーニ[x2 ㊟], ノイマン[x3], 小林研一郎[x4 ☆], シノーポリ, 井上道義, ザンダー[x2]
 #3:25CD
インバル[x4], セーゲルスタム[☆], ノット, ダーリントン[☆], ルドルフ・シュワルツ, スワロフスキー[㊟], レヴァイン, 外山雄三, ノリントン, ロジェヴェン[㊟], ズヴェーデン, 飯森範親, 尾高忠明, 若杉弘, ルイージ, ホーネック, ヴィト, シェルヘン[x4 ㊟]
 #4:20CD
ハイティンク[x4], ブーレーズ[x3 ★㊟], メータ[x3 ☆], クーベリック[x3], ショルティ[x3 ★☆], バルビローリ[x2], デプリースト, バルシャイ[☆], バレンボイム
 #5:5CD アバド追悼
アバド[x5 ★☆]
 #6:15CD
マゼール[x3], ナヌート, テミルカーノフ, スウィトナー, 上岡敏之, 井上喜惟, 西本智実, ベシェック, N.ヤルヴィ, アルブレヒト, I.フィッシャー, 堤俊作, フェルスター
 #7:10CD 本投稿
ガッティ[㊟], レヴィ, コンロン, リットン, ファーバーマン, クライツベルク, アブラヴァネル, フェルツ[㊟], 大植英次, マッケラス
 #8:15CD
サラステ[x2 ☆], ギーレン[x2 ㊟], M.シュテンツ[x2], ジェラード・シュワルツ[x2], ヘルビッヒ[x2 ㊟], フェドセイエフ, リンキャヴィチウス[㊟], フリーマン, タバコフ, ラート
 #9:15CD
カサドシュ, ヘンヒェン, ノイホルト, インキネン, コンドラシン[x2], オストロフスキー, ポポフ[㊟], ミュンフン, マック・カーロ, オラモ, ダニエル, アルミンク, アシュケナージ, ヴァイネケン, ヒルシェ
 #10:10CD
ゲルギエフ[x4 ☆], ラトル, ジークハルト, ロンバール, マデルナ[㊟], リーパー, 山田 一雄
 #11:10CD
シャイー[x2 ★], スラドコフスキー, シーヨン, ワールト, エッシェンバッハ, シップウェイ, P.ヤルヴィ, ネルソンス, スターン
 #12:20CD
バリエンテ, 佐渡裕[x2], 大野和士, ハーディング, A.フィッシャー[☆], ロト, スヴェトラーノフ[x2], ヴァンスカ, ヤンソンス[x2 ★], ワルター[☆], ミトロプーロス, ケンペ, ロスバウト, パレー, ホーレンシュタイン, ラインスドルフ, アンチェル, ブリッグス(オルガン), トレンクナー&シュパイデル(ピアノDuo), ナタリア(アンサンブル)




ダニエレ・ガッティ, Daniele Gatti


Royal Philharmonic Orchestra
[RCA] 1997-11/15-17


歌曲を得意とするイタリア人指揮者D.ガッティが首席指揮者(1996-2009)を務めたロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団とのマーラー5です。


【第一部】
ファンファーレに気持ちがこもって、主要主題は静で葬送の行進ですがスローのアゴーギクを効かせ個性的です。第一トリオは一気に強烈なテンポアップと激しさでコントラストを明確に、第二トリオは静のアゴーギクで哀愁を奏でます。
第二楽章第一主題は速く激しく強烈、第二主題は淡々とした中にアゴーギクを感じますね。展開部も序奏は揺さぶって、vc動機は極端に静、行進曲は明るくリズミカルと対比が明確です。再現部もアゴーギクで主題の性格付けが見事ですね。嵐と凪の強烈な対比の第一部です。

【第二部】
スケルツォ主題はソフトタッチで入り、変奏から揺さぶります。レントラー主題もソフトな優美さからクセの有る流れになりますね。油断大敵です!! 第三主題のオブリガート・ホルンと弦楽は表情の濃い絡み、各楽器の主題変奏も静を強調しつつ揺さぶりを入れて、続く展開部を激しさで締めくくります。再現部も三つの主題にアゴーギクを振って聴く者をガッティのマーラーに引きずり込み、コーダは一気にテンポアップで激しさを見せ付けます。

【第三部】
第四楽章主部は速めでクールに入りますが、途中から微妙なアゴーギクの揺さぶりです。中間部は静美から強い情熱に。甘美ではなく情熱を感じるアダージェットです。
第五楽章第一・二主題は始めから速い絡みでコデッタは優美。予想外の落ち着いた提示部です。展開部もその流れから入って力感を上げ、アゴーギクを入れてピークは大きく鳴らします。再現部のコラールからコーダは派手に、フィニッシュは見事なアッチェレランドで駆け抜けます!!


凡百に埋もれる事のない個性的な揺さぶりでスリルのあるマーラー5です。随所に大小のアゴーギクが施され、ディナーミクの彩りです。

聴いていて油断できません。"揺さぶり系"が好きな貴方にはオススメの一枚です!!





ヨエル・レヴィ, Yoel Levi

Atlanta Symphony Orchestra
[TELARC] 1995-2/13, 14


イスラエル人指揮者ヨエル・レヴィ(יואל לוי‎)が音楽監督・首席指揮者を勤めた時代(1988-2000)のアトランタ交響楽団です。アトランタ五輪の開会式と閉会式でもこのセットが登場しましたね。


【第一部】
静で沈んだ歩みの葬送行進曲、第一トリオは派手に鳴らして、第二トリオの哀愁は繊細さから入りますね。真っ向王道の提示部です。
第二楽章第一主題は鳴りを大きく、第二主題は緩やかな哀愁ですね。展開部の"烈→暗→明"のコントラストもしっかりと付けて、再現部の両主題は色濃く変奏してコラールを迎えます。揺さぶりもクセも無い堂々主流派的な第一部です。

【第二部】
スケルツォ主題は緩やかで鳴りの良さが特徴的、レントラー主題では軽量の優美さですがテンポはキープですね。第三主題のオブリガート・ホルンも朗々と鳴らして、寄り添う弦も良く鳴らします。落ち着いた第三主題変奏パートの後の展開部は、それを締め括る様にテンポアップで刺激を与えますね。再現部はポリフォニーの様に進んで、コーダは華やか派手に決めます。全編スタンダードな心地良さですね。

【第三部】
第四楽章主部はやや速めで抑えめ、中間部も静美。ピークも抑えていてクールなアダージェットです。
第五楽章第一・二主題は慌てずに音を明瞭に絡ませて反復では大きく、コデッタ主題を優美にこなします。展開部も落ち着いて入りテンションを上げて行き、山場は大きさを感じますね。再現部山場からコーダは派手に鳴らして、フィニッシュは見事なアッチェレランドです!!


保守本流的で堂々と鳴りの良いマーラー5です。しっかり聴かせてくれて、どこを切っても平均点以上で不安無しなのですが、個性が無いのが本当に残念です。





ジェームズ・コンロン, James Conlon

Gürzenich-Orchester Kölner
[EMI] 1994-8/31-9/2


ヨーロッパで活躍する米人指揮者コンロンと、彼が音楽監督(1990–2002)を勤めたケルン・ギュルツェニヒ管の演奏です。


【第一部】
葬送行進曲は緩やかな揺さぶりを感じ、第一トリオは教科書的に激しさを振って、第二トリオもほどほどの哀愁です。
第二楽章第一主題も整った刺激、第二主題も第二トリオ回帰感が強いですね。展開部も至って標準的にvc動機で鎮めて、再現部の第一主題から第二主題も程よく濃厚です。適度なメリハリで安心感のある第一部です。

【第二部】
スケルツォ主題はやや締まりに欠けますが、レントラー主題は優美さを取り戻します。第三主題のオブリガート・ホルンはしっかりと鳴らして各楽器の主題変奏は穏やかに、短い展開部で流れを締める様に刺激を与えていますね。再現部も第二主題を上手く鳴らして、標準仕様的な第三楽章です。コーダはコントロールの効いた激しさですね。

【第三部】
第四楽章主部は静美、中間部も淡々とした流れで、今の時代の甘美を避けたアダージェットでしょうか。第五楽章二つの主題の絡みは緩やかスタート、コデッタ主題も穏やかで、少し緩い提示部です。展開部に入るとテンポアップ、力感を徐々に上げ山場は適度なパワーです。再現部ラストからコーダの聴かせ処も予想通りのパワープレイですね。


全てが適度・ほどほどのマーラー5です。いかにもセッションでの作り込みと言った流れでミスやエラーはありませんが、緊張感や情熱は弱いです

流れが標準的なので完成度が高くてもワクワク感がありませんね。





アンドリュー・リットン, Andrew Litton

Dallas Symphony Orchestra
[DORIAN] 1993-9


米人指揮者アンドルー・リットンが音楽監督(1994-2006)を務めたダラス交響楽団、米国セットのマーラー5ライヴです。


【第一部】
主要主題は微妙に僅かにアゴーギクを入れた葬送、第一トリオの荒々しさは控え目です。第二トリオの哀愁もサラッと流してラストへ。
第二楽章第一主題は速くシャープなのですが淡泊、第二主題の哀愁も気持ちの入りは薄いですね。展開部"烈→暗→明"のコントラストも一般的で、再現部ラストの第二主題でなんとか力感が現れて救われる感じです。ディナーミクを抑えて淡々とした第一部です。

【第二部】
スケルツォ主題は優雅に、レントラー主題では柔らかな美しさに、ただ流麗な美しさではありません。オブリガート・ホルンの第三主題はしっかり鳴らして、各楽器の主題変奏はアゴーギクでの差別化です。基本スローからの流れを、展開部でテンポアップと刺激を付けて締めくくります。再現部も色合いは薄めですが、ラスト第三主題からコーダではそれなりの力感ですね。やや見晴らしに欠ける第三楽章です。

【第三部】
第四楽章主部はアゴーギクでやや速めからスローの波、中間部も揺さぶりから繊細な動機へと、どこか落ち着かないアダージェットです。
最終楽章第一・二主題の絡みは速めでやや落ち着き無く、コデッタ主題は優美より流れの延長上。展開部も速めですが、アゴーギクで流れを変化させていますね。再現部山場からコーダもアゴーギクで派手、フィニッシュのアッチェレランドも圧倒的ですが、時すでに遅しでした。アプローズの入りが不自然ですw


気持ちの入りが弱くやや締まりに欠けるマーラー5です。コーダはそれなりに決めますし、処々でアゴーギクも効かせているのですが、何処かよそよそしさを感じますね。

演奏に張りが弱いのは、演奏側だけでなく録音の問題も?! 20bitデジタルで高録音が売りですが…





ハロルド・ファーバーマン, Harold Farberman

London Symphony Orchestra
[VOX] 1980-6/23,24


あのコープランドに師事した米指揮者ファーバーマンと、ロンドン交響楽団のマーラー5番です。
【後日記】2018年11月24日に亡くなられました。


【第一部】
力感のファンファーレから緩やかな葬送の歩みの主部、第一トリオの激しさとテンポアップは慌てずしっかりと、第二トリオの哀愁は抑えていますね。
第二楽章第一主題は締まりある速めのシャープさ、第二主題では緩やかに哀愁を、とコントラストが心地良いです。展開部はvc動機の鎮めた音色と流れの透明感がいいですね。再現部は第二主題を色濃く揺さぶりを入れて刺激のある良い流れです。緩急コントラスト良い第一部です。

【第二部】
スケルツォ主題は緩やか優美に、レントラー主題は軽やかに優雅に、約束を守っています。第三主題とその変奏パートは、オブリガート・ホルンから抑えが利いた穏やかなスロー・アゴーギクの流れになっています。展開部ではそれを締め括る様に音厚を上げてきます。再現部は明るさを増して主題を変奏、コーダは大きく鳴らします。

【第三部】
第四楽章主部は少し揺さぶって、中間部も殊更に澄んだ音色は出しませんね。若干濃厚なアダージェットです。
最終楽章は二つの主題をスローに絡めて間延び感、コデッタ主題も優美よりも緩さです。少し締まりに欠けますね。展開部もテンポを少し戻してテンションを引き上げますがスロー基本。再現部もスローから山場でテンポを取り戻して派手に、コーダは怒涛のアッチェレランド。これだからヤメられません!!


スローのアゴーギクで個性を見せるマーラー5です。強烈なクセという程ではなく、ささやかな個性派を楽しませてもらえます。

スローや変化が好めない方には向かないかもしれませんが、まだまだ㊟レベルではありません。





ヤコフ・クライツベルク, Yakov Kreizberg

Orchestre Philharmonique de Monte-Carlo
[OPMC] 2010-9/27,28


ユダヤ系ロシア人指揮者クライツベルクが51歳で亡くなる最後まで首席指揮者(2009-2011)を務めたモンテカルロ・フィルハーモニー管弦楽団とのマーラー5です。リリースは翌年の2012年、印象的なジャケットで知られるアルバムかもしれませんね。


【第一部】
低弦の響きが良い葬送行進曲から第一トリオはシャキッと明瞭です。第二トリオも少し揺さぶって哀愁色を薄めて程よい味わいです。
第二楽章第一主題と第二主題は、トリオ回帰的で第一楽章との繋がり重視。展開部は"烈→暗→明"のディナーミクがはっきりとして心地良く、再現部も第二主題に色付けを濃くして聴かせます。温厚なアゴーギクとディナーミクのメリハリで平凡さを回避した第一部になります。

【第二部】
スケルツォ主題は少し濃厚な優美さ、レントラー主題は軽やかな流れにするお約束です。第三主題と変奏パートも延びの良いオブリガート・ホルンから各楽器へとアゴーギクの変化を付けてバトンタッチ。続く展開部でも揺さぶる様に力感を付けてまとめます。再現部はディナーミクでの主題色付けで鳴りの良さを聴かせてコーダは暴れません。

【第三部】
第四楽章主部は速めで薄いアゴーギクの揺さぶり、中間部では気持ちの入った繊細さを見せます。クールで格好いいアダージェットです。
最終楽章の二つの主題はテンポ良く絡んで心地良く、コデッタ主題もしっかり優美です。展開部はしっかりとテンションを上げて山場を大きく鳴らし、再現部は派手な山場・コーダもたっぷり揺さぶってフィニッシュします。


流れは平凡ですが諸処にスパイスを利かせたマーラー5です。オケの演奏も録音も悪くなく、適度な刺激もあって楽しく味わえますね。

スパイスはもちろんアゴーギクとディナーミクで、シェフの味付けの上手さが感じられます。+αがあればミシュランガイドが待っているでしょう。





モーリス・アブラヴァネル, Maurice Abravanel

Utah Symphony Orchestra
[Everyman] 1974-5


(右は全集で、古きレコード時代は憧れの逸品でした)

米国ユタ州縁(ゆかり)のユダヤ系スイス人指揮者アブラヴァネルが鍛え上げたユタ交響楽団とのマーラー5です。


【第一部】
ファンファーレtpが詰まり気味、葬送行進曲は淡々と速め、第一トリオは標準仕様、第二トリオも一般的な哀愁感です。
第二楽章第一主題は程々の力感、第二主題も速めの哀愁です。展開部"烈→暗→明"もアゴーギクを振りますが、落ち着きません。再現部もアゴーギクで速め側に揺さぶっていますがフィット感に欠けますね。演奏技量も含めて何処かシャキッとしない第一部です。

【第二部】
スケルツォ主題はもっそり、レントラー主題は快速で変わってます。第三主題から変奏パートもアゴーギクで揺さぶり速かったり遅かったり。展開部は標準仕様的。再現部もラストhrからアゴーギクで揺さぶって、コーダはもっそりと締めくくります。

【第三部】
第四楽章主部は速く、中間部もスローにはしますが繊細さはありません。音が強く速い変わったアダージェットです。
最終楽章二つの主題はクセなく、コデッタ主題はスルッと通過。展開部も揺さぶるのは山場前だけですね。再現部も標準的に進んであっさり終わります。


中途半端な変則系のマーラー5です。速かったり遅かったりとクセものアゴーギクですが、驚く様な強烈さやワクワク感はありません。第三・五楽章のコーダが締まらないのも大きな欠点です。

それとオケの技量不足が足を引っ張りますね。CDもサブタイトルが付いて"Death in Venice"とは…w(Everyman再発盤)





ガブリエル・フェルツ, Gabriel Feltz


Stuttgarter Philharmoniker
[dreyer gaido] 2009-1/13


ドイツ人指揮者フェルツが首席指揮者(2004-2013)を務めた時代のシュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団とのライヴです。問題の盤ですw


【第一部】
主要主題は緩やかに静かに葬送の歩みで良い流れを作ります。導入句の後の主部はスローを強調して、第一トリオは激しさにテンポを揺るがせて上手い対比。第二トリオは繊細さを感じるような哀愁になっています。
第二楽章第一主題は激しさを増して、第二主題も静の中に哀愁感を作りますね。展開部はvc動機のスローの奥行きある美しさが特筆ものです。再現部は出し入れよく、鳴らす処はしっかり鳴らします。コラールは実に心地良いです。クドさや加飾を避けたセンスを感じる第一部です。

【第二部】
スケルツォ主題は速めで弦とhrのバランスがきれいです。レントラー主題はスローで美しい流れを作ります。優美な二つの主題の後の第三主題と変奏は、オブリガート・ホルンの緩やかな美しさからスロー基本で変奏を繋げます。短い展開部では重さは抑えて一気にテンポアップして駆け抜けます。再現部は第二主題がシャープで見事、コーダはパワープレイですが、決して暴れません。美しさを軸にした見事な第三楽章です。

【第三部】
第四楽章主部は抑えた美しさが静に流れます。中間部は繊細さそのもので、超クールなアダージェットです。

ここからが問題で、第五楽章二つの主題はスローに一度奏でてから一気にハイテンポに上げてで軽妙なフーガを作り個性的です。展開部もハイテンポで力感を与えてクドさが強烈。山場から再現部に至っては、思い切り速く思い切り揺さぶって一気に個性派に様変わりです。クール派から個性派へ大変身!!

ちなみにフェルツが問題にしたヴァイオリンのアウフタクトの件は、CDからは感じられませんね。


最終楽章以外は侮れないクール系マーラー5。逆を言えば最終楽章は強烈な揺さぶりハイテンポのクセものマーラー5です。

どちらかに統一してくれれば間違いなしですが…

えっ、これなら両方とも楽しめる?! 確かに他には聴いたこともない強烈二面性ですから、やっぱりでした(爆)





大植英次, Eiji Oue

Orchester de Hochschule für Musik und Theater Hannover
[gutingi] 2003-6


ハノーヴァー音楽大学の自主制作盤で、終身教授を任ぜられている大植英次さん指揮によるマーラー5です。ピンク一色の目立つジャケットで輸入元から販売されていましたが、今は入手が難しいのかもしれません。
大植さんのマーラー5はもう一枚DVD(フランクフルト放送響 1997)がある様ですが見た事がありませんね。


【第一部】
少し弦を揺さぶりながら進む葬送行進曲、第一トリオもテンポキープで大きく鳴らします。木管の主部回帰はスローで揺さぶって、第二トリオも緩やかな揺さぶりで哀愁感高く奏でます。
第二楽章は第一主題の刺激と第二主題の哀愁がスタンダード的。展開部の"烈→暗→明"は濃いコントラスト付けで聴かせ、再現部も第二主題ピークで気持ちのこもる演奏をしています。微妙な揺さぶりと力感で締まりある第一部です。

【第二部】
スケルツォ主題は音が薄く今一つ、レントラー主題も軽やかさが弱い感じです。第三主題からの変奏パートはhrが弱く締りに欠け、変奏でも少しアゴーギクの色付けますが淡々と。その流れを締めるように展開部は刺激を加えています。再現部も力感を入れるのですが、この曲の主役オブリガート・ホルンの弱さが致命的で、この楽章全体のキレのなさに繋がっている感じです。

【第三部】
第四楽章主部は穏やかなアゴーギクで気持ちを与え、中間部も揺さぶりながらも繊細です。個性を感じるアダージェットです。
第五楽章第一・二主題は落ち着いたテンポでシャープに絡み、コデッタ主題は少し揺さぶり濃いめです。展開部は力強く入って切れ味良く進み、山場は派手に鳴らしてラストに期待させますね。再現部は三つの主題も生き生き、ラストからコーダは見事に荒々しく勢いを着けて締めくくります


スタンダードな流れに力感と微妙な揺さぶりのマーラー5です。適度な味付けで、聴いていて心地良さがありますね。

弱点は第三楽章のホルンの弱々しさで思い切り足を引っ張ってしまいます。

今の時代に大植さんがマーラー5を振ったら、スロー個性派になるでしょうからコンサートを期待しますね。





チャールズ・マッケラス, Charles Mackerras

Royal Liverpool Philharmonic Orchestra
[Classics for Pleasure (EMI)] 1990-1/11-13


英国で活躍したオーストラリア人指揮者 Sirチャールズ・マッケラスと、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団による演奏です。


【第一部】
ファンファーレは引っ張って、主要主題はスローで葬送感を強くディナーミクも強調します。第一トリオは激しさ抑え気味に軽快でシャープ、第二トリオの哀愁も弱音からの流れを生かします。
第二楽章第一主題は力感に不足気味、第二主題の哀愁もモワッとした感じです。展開部の"烈→暗→明"の流れも、再現部の"主題の色付け"もコントラストが弱い感じです。アゴーギクとディナーミクはあるのですが、第二楽章が残念な第一部です。

【第二部】
スケルツォ主題はほどほどの優美さ、レントラー主題はその延長線上のテンポと抑揚ですが、何かモヤった印象です。第三主題のホルンはしっかり鳴らし、弦楽も揺さぶりを加えて色付けはgoodですね。その後もアゴーギクとディナーミクで進み、締まりの良い第二主題からの短い展開部はシャープです。再現部のスケルツォ主題は小気味良い流れで、コーダも鳴りの良さで締めくくります。アゴーギクとディナーミクが生きて気持ちの良いスケルツォ楽章になっています。

【第三部】
第四楽章主部はやや速めで情感を加えて行きます。中間部もシンプルながら気持ちが入って甘美なアダージェットですが、悪くありませんね。
第五楽章序奏を揺さぶり、第一・二主題も適度な揺さぶりが効果的です。展開部では少し緩く入り後半で力強さを入れますが微妙な流れですね。再現部主題をリズミカルに進めて、山場からコーダは華々しく盛り上げて、歯切れ良いフィニッシュです。少し緩さはありますがこの曲らしさを楽しめる第三部です。


玉石混交のマーラー5です。処々に強音パートの力感不足とスローでの間延び感によるフラットさが存在します。

一方でアゴーギクとディナーミクを生かした聴き応え有るパートも。全体では微妙な完成度かもしれません。







一つの曲でも、本当にいろいろな演奏があって楽しいですね。^^


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ジャンル : 音楽





2014年10月17日 トーマス・ツェートマイヤー の パガニーニ:24のカプリース at トッパンホール ☆→★★★

kokotonPAPAご贔屓のヴァイオリニスト Thomas Zehetmair (vn) が得意とするパガニーニの「24のカプリース」を飯田橋のトッパンホールへ聴きに行って来ました。

20141017ThomasZehetmair01.jpg

事前のツェートマイアーのCD聴き比べで その特徴は明瞭、 期待度満点のコンサートでしたが さて。
20141017ThomasZehetmair02.jpg

結果は三人のツェートマイヤーがいました。休憩前、休憩後、そしてラスト24曲目からアンコールのツェートマイヤーです。
★★★は最後のツェートマイヤーですね。24のカプリースなら★☆でしかありません。
始めの1〜12曲目までは、まるでやる気の無い様な演奏でした。切れ味はなく、ヴァイオリンも全然鳴っていませんでした。かろうじて、4曲目 11曲目が聴けたくらい。
休憩後は明らかに音が鳴り始めました。しかし、ツェートマイヤーのカプリースではありませんね。前半に続き、身体の動きも不自然。膝を曲げて少し腰を落としたポーズのままで、感情が動きに現れていめせん。
一気に変わったのがラスト24曲目のクワジ・プレストですね。前の曲からアタッカで繋がり、切れ味と表現力抜群の演奏。この曲だけがCDを上回ったでしょう。そしてアンコール3曲の内、現代音楽二曲ツィンマーマンとイザイが素晴らしく特にイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタは見事でしたね。表情豊かな演奏で音量 音色ともに最高でした。もちろん拍手もこの曲が一番でした。

ツェートマイヤーは本当に今回「24のカプリース」をやりたかったのでしょうか。
全くやる気を見せなかった演奏に対して、アンコールは拍手が切れる前に三回も出て来ました。どうみても当初からの計画通りの感じです。出来も全く違いましたし、ヴァイオリンの鳴りだけでなく全身での表現も明らかに差がありました。
20141017ThomasZehetmair03.jpg

映画の影響で弾かされた、何て勝手に思ったのはひねくれた私だけ?
単にウォームアップ不足かテンション不足だけだったのでしょうか。それとも、始めは緩やかに最後に仕上げるという新しいアプローチ?(それはないでしょ)
次の機会は、イザイの無伴奏の全曲を是非聴きたいですね。

ちなみに本公演は11月25日にNHKのクラシック倶楽部で放送されますね。ただ一時間番組なので、どう編集されるのか…な?


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





マリオ・ブルネロ(Mario Brunello)の『 FILM 』を聴く

来月の公演を控えたチェリスト Mario Brunello の指揮者作品ですね。1994年に仲間と結成したオーケストラ・ダルキ・イタリアーナ(Orchestra D'archi Italiana) による演奏は映画に使われた音楽を取り上げて、題名FILMとなっています。

基本的に現代音楽家の作品が多いのは、映画に使われ易いからでしょうね。明確な主題を排した事で映像に出しゃばらないですから。



弦楽のためのアダージョ Op.11 / Samuel Barber (1910/3/9 - 1981/1/23)
 新ロマン派的なこの作品がバーバーの代表作でしょうね。映画「プラトーン」で使われている、とても美しい楽曲です。静的に終始する流れに浸るのが快感ですね。

ヴァイオリンと弦楽オーケストラのためのノスタルジア ~ アンドレイ・タルコフスキーの追憶に / 武満徹
 無調ですが、無拍ではないので前曲からの流れは不自然ではありません。いかにも武満作品であり、幽玄にして刃物の様な鋭さです。部屋中に この音楽が満たされる感覚を味わえます。

トリスティング・フィールズ / Michael Nyman (1944/3/23 - )
 英国を代表する現代音楽家 マイケル・ナイマンのミニマルではない楽曲です。映画音楽やコマーシャルにも使われるのですが、ここではモーツァルトの主題を使った古典的な流れと背景に流れるナイマンらしさが楽しめます。

◇弦楽四重奏曲第1番 「クロイツェル・ソナタ」/ Leoš Janáček (1854/7/3 - 1928/8/12)
 ヤナーチェクは民族音楽をベースにした現代音楽家ですね。このCDの中では全四楽章の この楽曲が"聴かせる"作品になるかもしれません。上記三曲とは異なり、部屋に流しておく というには主張がありますね。もちろん素晴らしい楽曲、演奏です。

アダージェット 交響曲第5番第四楽章 / Gustav Mahler (1860/7/7 - 1911/5/18)
 言わずと知れたマーラーのアダージェットです。マーラー5番のCDを100枚以上は所有していますが、この楽章だけはトーマス・マンの映画化「ベニスに死す」のイメージが拭えませんね。主人公のグスタフは、マンがグスタフ・マーラーからとったもの。ヴィスコンティの同名の映画の主人公の容貌は、それを元にマーラーを模しています。
ここでは夕陽の黄昏を前にしたような暖色系の演奏になっています。甘美よりも情熱を感じます。個人的には冬の原野を望む様なもっと静的に冷たい演奏が好きですね。あくまでも交響曲の楽章としての好みですが。(映画でのアダージェットは抑揚が強く諄いですが)

・・・・・・

切れ味・先鋭的なオーケストラ・ダルキ・イタリアーナとブルネロによる室内楽を肩肘張らずに楽しむ事が出来ますね。バーバー・武満・ヤナーチェク作品がお薦めです。





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