オペラ:カルメン 2014年ヴェローナ野外劇場

NHKのプレミアム・シアターからですね。本年2014年6月21日 ヴェローナ野外劇場でのカルメンです。
いやぁ、良い時代になりました。ヴェローナが自宅で楽しめる訳です。(そりゃぁ現地とは果てしなく違いますよ)

第一幕の前奏曲からカルメンとわかり、全シーンが頭に浮かんじゃいますよねぇ。それが、このオペラの素晴らしい処じゃないでしょうかね。
屋外のコロシアムで、オーケストラピットの両サイドにもステージを仕立てたスケールの大きな舞台に、馬や馬車はでてくるわ、バレエ団は踊るわ、ヴェローナらしい豪華な演出も十分に楽しめました。
Opera-Carmen_at_-VERONA2014.jpg

ただ、第1幕〜第2幕前半はつまらなかったかなぁ。と言うのはカルメンとドン・ホセの二人がメインのこのシーン。二人がそろって太っちょさん。これは苦手なパターンw
二人とも演技はうまいんだけど、見た目が重視されるとキツイ。ドン・ホセ役のカルロ・ヴェントレのテノールは良いんだけどね。

一番良かったシーンは、第3幕後半のミカエラのアリアですね。イリーナ・ルングのソプラノは素晴らしかったです。この舞台で最高のアリアでした。ロシアの歌姫で美人、イタリアのオペラなのでちょっと気配が違いましたが。カーテンコールでも一番の拍手喝采を受けていました。
気配違うと言えば、東洋人が出て来るとどうも違和感を感じるのですが、スニーガ(竜騎兵の隊長)役の チェ・スンピルは眺めも声も良くて違和感は少なかったですね。
この二人が当りだったかな。

例によって有名曲が並ぶ訳ですが、闘牛士の歌(トレアドールのアリア)や闘牛士の入場の曲など、実はエスカミーリョが曲の主役っぽいのもお馴染みですね。
わかりきったストーリーは、今回はどんな展開だろぅ?っていう楽しみがあります。^^v


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

Mary Kathleen Ernst の Keeping Time を聴く

女性現代音楽家の作品をとりあげる事で有名な米国のピアニスト, メアリー・キャスリーン・アーネスト の現代音楽ピアノ・ソロ作品集ですね。個人的に 2014年前半、注目のピアノ曲アルバムです。

タイトルの Keeping Time「時を刻む」は、このアルバムに納められた親交のある女性音楽家達の作品1991年から2012年の流れを表している様です。小曲を集めていますね。

◇KEEPING TIME (3:49, 2011年):表題曲ですね。アーネストが推す若きカナダ人の現代音楽家 Vivian Fung(1974 - ) の作品です。西洋音楽と民族音楽の融合系 が特徴的な作品を出していますね。ここでは歯切れの良い音列で、右手左手が対位法の様な演奏を見せてくれます。ミニマル的は要素も感じられますね。

◇SECRET AND GLASS GARDENS (9:40, 2000年):フルート奏者でもあるアメリカ人現代音楽家 Jennifer Higdon(1962/12/31 - ) による印象主義的な無調のピアノ曲ですね。透明感のある美しい楽曲で、処々に調性感のある流れがあります。コンサートで聴いてみたいですね。

◇DREAM DANCES (8:52, 2008年):同じくフルート奏者でアメリカの現代音楽家Katherine Hoover(1937/12/2 - ) のピアノ曲は中低音域をうまく使った緩徐的な楽曲です。独特の拍子使いが現れて、曲の流れを作って行きますね。やや単調なきらいは否めませんが。

◇MOSQUITO (5:26, 1991年):Jing Jing Luo は中国の現代音楽家のピアニストです。単音の響きを生かして音を並べながら、時折 和音を強鍵する構成の楽曲でとても興味深い作品になります。演奏するピアニストによって、表情が変わる事を前提としているかの様な楽しさがありますね。お薦めです。

◇CHAI VARIATIONS (20:57, 1995) :アメリカの現代音楽家 Judith Shatin(1949 - ) による「Eliahu HaNavi によるチャイ変奏曲」は、Theme(31")からTheme(50")まで20小曲の構成になります。古典調性内の和声なのですが、単音構成を主体としている点が現代音楽のピアノ曲のイメージになりますね。小刻みな展開です。面白いとは思いますが、随所に古典が顔を出して やや意味不明的な......でも生で聴ければけっこう行けるかもしれません。

◇SPONTANEOUS D-COMBUSTION (16:15, 2012年) :ハンガリーの現代音楽家 ニューヨーク在住の Stefania de Kenessey(1956/10/6 - ) の三楽章からなるピアノ協奏曲第1番です。と言ってもピアノソロですが。調性感の強い楽曲ですが、個性的な和声の音楽です。多調で構成されたポピュラーの香りがしますね。

◇A RECOLLECTION (4:02, 1995年) :米国を代表する女性現代音楽家の一人 Nancy Bloomer Deussen(1931/2/1 - ) のミュージングス - サーカ1940 - 第1番 「回想」は美しいピアノ曲です。転調を繰り返すのですが、極端な違和感は感じません。むしろその不安定感が美しさを強調する様です。良いですね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

Modern Swedish Piano Music を Palsson のピアノで聴く

現代スウェーデン・ピアノ曲集になりますね。Blomdahl, Lidholm, Bortz 今までに紹介している現代音楽家が並びます。この3人は同じ会に所属したり、師弟関係にあったりしていますので興味深い組合せで、ちょっと面白いかも。
無調主体になりますが、共通するのは古典和声を残すパートが存在する事でしょうかね。和声の自由度を広げた楽曲で、年代が過ぎるに従って完全無調と変化して行きます。そんな流れがこのCDでも楽しめます。

◇Karl-Birger Blomdahl(1916/10/19 – 1968/6/14) の無調の作品は素晴らしいですね。Three Polyphonic Pieces はポリフォニック&ポリトーンで、特に第一楽章は新バロックの様な音列で興味深いですね。他二曲も生き生きとした音列がブロムダールらしさ全開です。古典との融合が特徴的なのは以前も書いた通り!

◇Ingvar Lidholm(1921/2/24 - )はブロムダールの月曜の会に所属していていますね。ここではまだ完全に無調に移行する前の作品が主に並びますが、ブロムダールより更に調性感は薄い展開です。調性感は薄いのですが、ストラヴィンスキーの影響が強いと言われる様に舞曲風な展開や、ブロムダールの様な古典との融合が割り込んでいます。年代順に並びますが、中心はPIano Sonata(1947年)でしょうか。処々で古典的な和声も残しながらほぼ無調の作品で、ライブで聴けたら楽しそうですよ。
Ten Miniatures(1948年) の様に古典要素が強過ぎる楽曲があるのはちょっと残念。でも1949年以降は無調になり、Klavierstuck, Sonatina No.2 が入ります。最後のStamp Music(1971年)は、このCDのピアニストHans Ingvar Pålssonのヴァージョンで演奏されています。プリペアードのピアノともおぼしき演奏で、かなり過激で深遠な楽曲です。
このCDのメインは、このリードホルムですね。

◇Daniel Börtz(1943/8/8 - ) は上記ブロムダールとリードホルムに師事しています。リードホルムの後期に影響を受けているのは明白で、古典調性は全く感じらない無調の作品です。Monologhi 6(1977年) では、ベルツらしいパルス的な打音で構成されて行きます。Monologhi 11(1983/84) では、音の洪水と静音パートを組み合わせた、これまたベルツらしい展開になりますね。

時代の流れを感じられて、面白いです。





テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ブニアティシヴィリの「マザーランド」のライヴ:NHK「森の中のピアノ・コンサート」

8月18日(月)のNHKプレミアム・シアターで『カティア・ブニアティシヴィリ 森の中のピアノ・コンサート』が放送されました。殆どが今年発売になったKhatia Buniatishvili / Motherland からになり、将にMotherland LIVE! ですね。CDマザーランドの印象がやや掴みどころが無かっただけに、楽しみでした。

KhatiaBuniatishvili-MotherlandLIVE2013.jpg
森の中に作られた小ステージ?は、ピアノ置き用のプレートにピアノだけ。デビューアルバム Franz Liszt のジャケットと似た感じになってるのかな? オーディエンスは50〜60人の少人数。

始めにブニアティシヴィリの語りが入っていて、全体の楽曲を母に捧げるとの始めの言葉「母の歩んで来た道そのもの、私の人生」が印象的です。これが Motherland の意味だったのでしょう。特に前半の個々の曲には、母親との思い出が語られています。
CD収録曲の演奏は概ね同じで、静音パートをよりpに、そしてエモーショナルな演奏でした。

ちなみに■印がCD未収録曲になります。*印は連弾で、お姉さんのグヴァンツァ・ブニアティシヴィリが低音サイドに入っていました。スラブ舞曲はCDでもそうでしたね。グヴァンツァは、髪型が違うもののとても良く似ていていますね。カティアほど、エロティックではありませんが。(笑)

<曲 目>
1. カンタータ BWV.208「狩りだけが私の喜び」から 「羊は安らかに草をはみ」(バッハ)
2. 四季 作品37bから 「10月 秋の歌」(チャイコフスキー)
3. ■スケルツォ 第2番 変ロ短調 作品31(ショパン)
4. ベルガマスク組曲から 第3曲「月の光」(ドビュッシー)
5. ラナ・ゴゴベリーゼによる映画から 「アーモンドの花咲くとき」(ギヤ・カンチェリ)
6. 間奏曲 変ロ短調 作品117-2(ブラームス)
7. ■ラ・ヴァルス(ラヴェル)
8. 練習曲 嬰ハ短調 作品2-1(スクリャービン)
9. 練習曲 嬰ハ短調 作品25-7(ショパン)
10. *スラブ舞曲 ホ短調 作品72-2(ドボルザーク)
11. ■*ハンガリー舞曲 第1番 ト短調(ブラームス)
12. ■「ペトルーシカ」から 3つの楽章(ストラヴィンスキー)
・ロシアの踊り
・ペトルーシカの部屋
・謝肉祭の日
13. あなたは私を愛していないの?(グルジア民謡/カティア・ブニアティシヴィリ 編曲)
14. ハープシコード組曲 第2巻 HWV.434から 第4曲「メヌエット」(ヘンデル 作曲/ウィルヘルム・ケンプ 編曲)
15. ■*リベルタンゴ(ピアソラ)

実はCDとの一番の違いは、未収録「ラ・ヴァルス」と「ペトルーシカ」の二曲でしょう。それ以外は、CDで感じたものを越える事はありませんでした。

ラ・ヴァルスは、かなりアブストラクトな解釈で本来持つ主題の美しい躍動感は薄れて、打鍵の強さとffパートの激しさが特徴的でしたね。「好きな曲ではないが、母のために練習した」という話が印象的でした。
ペトルーシカは、「17歳の時にテミルカーノフの指揮で演奏した。今でもオーケストラの演奏が響いている」との事。ラ・ヴァルスの展開に より生き生きとした躍動感を前半に交え、自由度の高い演奏になっていました。
この2曲をCDに入れると、ギャップが大きく叙情的な構成が崩れるからだったのでしょう。CDでは「あなたは私を愛していないの?」でも少々浮いた感じがしたくらいですから。でも、コンサートなら是非入れたいですね。
最後の「リベルタンゴ(ピアソラ)」は即興の短い連弾でした。アンコールに使う事が多いそうです。まさにそんな曲でしたね。

収録は、2013年7月 ザクロヴァー・ヴァルト(ドイツ/ブランデンブルク州)になり、マザーランドの録音2013年4月の後と言う事になりますね。
この構成でのライヴの可能性もあるかもしれないと、思いました。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

細川俊夫の Silent Flowers / String Quartets を聴く

日本を代表する現代音楽家の細川俊夫(Toshio Hosokawa, 1955/10/23 - )さんの作品は素晴らしいですね。kokotonPAPAの好きな音楽家です。
と言いながら、武満徹さんと同様 なぜか紹介する事が少ないです。多分、これが初めてかも知れません。作品は昨年購入したものになりますね。
実は先日 Tomás Marco の紹介でダルムシュタット夏季現代音楽講習会の事を書いた際に、細川氏が講師として長年出ていた事を思い出しました。その前に書いたユン・イサン(尹 伊桑)に師事していたのも引き金ですね。こうなると、このブログで紹介せずにはいられませんね。

Arditti Quartet の素晴らしい演奏と相俟って切れ味鋭い作品になっています。先日ユン・イサンを紹介したのですが、作風はかなり異なります。出し入れのコントラストが強いユンに比べると、より叙情的な無調作品になりますね。
もちろん先鋭的なパートは処々に見られ、この作品では Arditti Quartet の実力の見せ所にもなっている訳です。日本的とか、根底に仏教とか、武満徹との類似とか、いろいろと言われますが、それを考慮しても奥行きのある音楽でしょう。

弦楽四重奏曲として、弦楽器の可能性を最大限に使って表現されて楽しさいっぱいです。主題や動機といった旋律が無い、典型的な無調作品になりますが是非一度感じて欲しいですね。録音も良く、お薦めの一枚です。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

レスポールの弦高調整を簡単に出来る方法だよね

さてさて購入した Les Paul 2014 Traditional (Honey Burst) だけど、どうも弾きづらいんだよなぁ。
ってよく見ると、ひとつはフレットが高いので指板とのギャップが大きい。これは致し方無し。チョーキングでローズ指板の滑りが今ひとつ。こんなもんかいな? この辺は慣れだなぁ。
後は、弦高が高いんだよね、デフォルトだと。それがサスティーンが良い理由の理由の一つでもあるんだけど、調整してみたいよねぇ。

でも、ブリッジ両サイドのエレベーション・ナットで高さを調整する訳ですが面倒ですよね。弦を張りっぱなしじゃ動かない。緩めて都度 弦高やビビリを確認するのもこれまた厄介。
で、これを使ったら張ったままでも簡単〜。
ESP_multispannerMS-10_02.jpg ESP_multispannerMS-10_01.jpg

「ESP MS-10 マルチスパナ PROツール」ですね。ESP製と言うのが微妙? でも良いじゃんね、簡単に出来るんだから。ついでにオクターブ調整等々もやっちゃいましょ。
チマチマとスケールで計るよりも、まず気持ちよく弾けて、音に問題が無いポイントを探す事だよね。自分で出来る事はやり倒す! スペックよりも慣れだよ、ギターでもなんでも。(笑)

ナット径に関係なく噛めるのは他にも使えそう。でも、品物見たら「こんなの?」って感じ。




テーマ : エレキギター
ジャンル : 音楽

トマス・マルコの Sinfonia No. 5・ Sinfonia No. 4 を聴く

マドリッド生まれスペインの現代音楽家 Tomás Marco Aragón(1942/9/12 - ) の作品は以前にも紹介していますね。
マルコのスタイルは、かのダルムシュタット夏季現代音楽講習会(Darmstadt International Summer Courses for New Music)を元にする the Darmstadt School をベースにしています。と言うと現代音楽全体になってしまいますね。実際一番感じるのはシュトックハウゼンの影響に思えます。
ダルムシュタット夏季現代音楽講習会は1974年から活動を開始して、現在でも2年に一度 偶数年に開催されています。セリエルは固より、アメリカ実験音楽(個人的には苦手です)、管理された偶然性、エレクトロニクス、と言ったおおよその現代音楽の流れの中心的存在と言っても良いですよね。

◇Symphony No. 5 ('Modelos de Universo') は7楽章形式です。入りは、一瞬"ツゥアラツストラ..."を思い起こさせる調性感が強い展開、第2楽章は一転して無調。第3楽章はミニマル的な要素を感じます。そして第4楽章は無調の弦楽が支配する緩徐楽章。第5楽章ではピッチカートからのアップテンポ。第6楽章は打楽器主体。最終第7楽章は弦楽でミニマル要素の展開で、第一楽章に回帰する。といった風に展開を次々と変化させて行きます。変化に富んでいると言えば、そうですが全体としては統一感が薄い様な...
面白いといえば、面白いです。が。

◇Symphony No. 4 ('Espacio quebrado') は4楽章になります。ミニマル傾向の強い第1楽章から緩徐的弦楽主体の第2楽章...とこれまた楽章毎の変化の強い交響曲になります。最終楽章はSymphony No. 5の"ツゥアラツストラ風"に繋がる様な展開です。調性と無調の組合せもマルコの特徴ですし、そう言う事かもしれませんね。

いくつかのパターンが組み合わさり目先が変わって飽きはこないのですが、それで?、って言う感じでしょうか。
えっ?気楽に聴ける現代音楽!これかっw

Tomas-Marco

なかなか入手が難しい様ですが、米amazon や HMV(上写真) なら見つかるみたいですね。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ゲルギエフ、マツーエフ(pf) のプロコフィエフ : ピアノ協奏曲 第3番 | 交響曲 第5番 を聴く

セルゲイ・プロコフィエフ(Sergei Sergeevich Prokofiev、1891/4/23 - 1953/3/5)のPiano Concerto No.3 | Symphony No.5 と並ぶと、ついつい聴きたくなりますよね。好きなピアノコンチェルトと協奏曲の組合せです。

マツーエフ(Denis Matsuev)のピアノは、ゲルギエフ(Valery Gergiev)とのセットのイメージが強いくらいであまり記憶に残る音がありません。このプロコフエフのピアノ協奏曲 第3番でも、楽曲の持つ強烈さを上回る様な印象は残りませんでした。楽曲の素晴らしさをpfのくどさで殺す事なく最大限に引き出す、という風に感じましたね。個々で聴けば迫力・超絶技巧を感じられますが、全体としては"魅せつける"ヴィルトゥオーゾ系の演奏ではないと思います。
ゲルギエフの意図かもしれませんが。オケも重厚さよりも見通しとスピード感。今回はLSOではなくマリインスキー劇場管弦楽団というのも良かったかもしれませんね。
先日アップしたラン・ラン/ラトルBPOよりも、こちらの方がクールです。この曲のマスターピースと言っても良いアルゲリッチ盤とはイメージの違う演奏ですね。いずれにしても素晴らしい楽曲です。

プロコフィエフの交響曲第5番は、このセットで2年前にNHKホールのコンサートで聴いています。
その時の印象と比べると、第一楽章はこちらの方がディナーミクが効いてゲルギエフらしい迫力と繊細さのバランスが良いですね。第二楽章は速めで、スピード感とドライブ感の良い演奏でコンサートの印象と近い様です。アゴーギクを使い緩急を付けてメリハリも良い楽章です。第三楽章アダージョは主たる緩徐パートがややもっさりで切れ味がなく、で コンサートの方が良かった様ですね。第四楽章は総括的に主題が並びますが、フラット気味。もう少し出し入れがあっても良い気がします。ラスト1分半から盛り上げて、コーダはコンサート様なアッチェレランドは使わずにトゥッティで締められます。
なんとなく、第三四楽章はコンサートの方が良かった様な感じです。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ユン・イサンの Symphonies 1 & 3 を聴く

ユン・イサン(尹 伊桑 Isang Yun, 1917/9/17 - 1995/11/3)は微妙な生い立ちの現代音楽家ですね。
日本統治時代の朝鮮生まれで韓国からドイツに移り帰化しています。その後韓国に戻る事はありませんでした。政治活動にも熱心な事でも知られていますね。

交響曲第3番 (1985) は一楽章形式のベルリン時代の作品になります。韓国民族音楽と十二音技法の融和された壮大な楽曲で、処々に耳馴染みのある韓国音楽らしさが聞き取れます。実験的な無調の作品とは違い、旋律は残されて迫力の強音パートは現代音楽であり、静音パートに民族音楽が配されると言った風になります。メリハリの強い刺激的な作品です。

交響曲第1番(1982–1983) は四楽章からなるベルリン時代の作品で、基本的な展開は第3番と同じく強音パートと弱音パートの組合せになります。作曲年代も近いので当然かもしれません。こちらの方が、楽章間での差別化が感じられます。第二楽章は、特に速度表記はありませんがadagio緩徐楽章風です。ここでも緊張感の溢れる素晴らしさを感じられますね。韓国民族音楽らしさは第3番よりも薄いですね。

交響曲第一番は社会派、第三番はタオイズム(Taoism:道教・道家をさす欧州語。自然とか無為と同義)に傾倒した自然派作品と言われますが、聴いた限りでそれほどの主張の差異は感じません。第三番の方が煮詰まった作品という気がします。
強弱の出し入れで構成されるのは現代音楽では常套手段になり、聴く方も安心感がありますね。その範疇と言ってしまえば、そうなのですが。

演奏は 浮ヶ谷孝夫 指揮、"ポメラニア・フィルハーモニー管弦楽団 (Pomeranian Philharmonic Orchestra)Filharmonia Pomorska Bydgoscz" になります。クルシェネクの交響曲でお馴染みの浮ヶ谷孝夫は、イサンの交響曲全集も出していますね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

クレーメル/クレメラータ・バルティカ で聴く Mieczyslaw Weinberg

ミェチスワフ・ヴァインベルク(Mieczyslaw Weinberg, 1919/12/8 - 1996/2/26)はユダヤ系ポーランド人の現代音楽家ですね。活動はソ連・ロシアになります。ナチスのポーランド侵攻でソ連に逃れてショスタコーヴィチとの親交が強いと言われています。

もっとも、このアルバムに惹かれたのはクレーメル(Gidon Kremer)と Kremerata Balticaのニューアルバムだからですね。生のコンサートでもいつも最高の演奏を聴かせてくれます。好きなヴァイオリニストと言えば、クレーメル、ツェートマイア(Thomas Zehetmair)、ヘレスタール(Peter Herresthal)、ですからw
でも買ってから半年くらい経ってしまいましたかね。ワインベルクというのが... ^^;

個々の楽曲に付いて一つ一つ触れる必要は無いでしょう。先鋭的なクレーメルのvnはいつもながらの素らしさですし、クレメラータ・バルティカの一体感の強い演奏も十分に楽しめます。
一つだけ言うとすれば、やはり一曲目の 無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番(Sonata No.3 Op.126) でしょうか。この曲だけ一楽章で22分強の楽曲です。無伴奏でクレーメルのヴァイオリンの素晴らしさを堪能出来ます。(以外はクレメラータ・バルティカとの演奏です)
個人的にはもう少し、細く冷たい音色の演奏が好きですが、それはヴァインベルクの楽曲によるのでしょう。この曲が強音パートを中心に構成されているから、その様な展開になると思われます。
その他の楽曲も調性感は薄く良いのですが、新古典主義とかショスタコーヴィチの影響が強いとか言われます、楽風は今ひとつ明解さがありません。一番楽しいのは交響曲第10番、弦楽奏版で前出の無伴奏ヴァイオリン曲に類似していますが、こちらの方が音の出し入れが強いです。ライヴで聴ければとても盛上がりそうな楽曲ですね。
古典調性・和声に無い事だけは勿論はっきりしているのですが、個人的に今ひとつです。
以前、交響曲第6番を紹介していますね。

クレーメル/クレメラータ・バルティカは素晴らしいのですが、楽曲がやや好みではないかもしれません。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

プロフィール

kokotonPAPA

Author:kokotonPAPA
.
    




・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。





カレンダー
07 | 2014/08 | 09
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -
ようこそ
カテゴリ
ありがとう