ウーノ・クラミを FINLANDIAレーヴェル Meet the composer で聴く

以前も紹介したフィンランドの現代音楽家、ウーノ・クラミ(Uuno Klami、1900/9/20 - 1961/5/29)の Meet The Composer シリーズの一枚(邦題:ウーノ・クラミの個展 / CD2枚組)です。
とは言え無調ではないので北欧系管弦楽の楽しさを味わうにはちょうどいいですね。北欧ロマン派とでも言う楽風から、1924-25にはフランスに渡り、その影響もあります。ベースはカレワラ(Kalevala) と呼ばれるフィンランドの民族叙事詩が元になっていると言われていますね。それだけではなく、協奏曲では調性感の薄い楽曲も手がけます。不思議な音楽家です。
昨日に続けてのFINLANDIAレーベルの Meet The Composer の紹介になります。

一曲目の All' ouverture Op.43 (1951) は将に後期ロマン派と北欧系のマッチしたロマンチックで雄大な管弦楽です。
二曲目 Sea Pictures (1930-32) 「海の情景」は代表曲の一つで、民族音楽的傾向の強い6楽章からなる小管弦楽曲です。背景にカレワラがあるのでしょう。幻想的で美しい楽曲です。6曲目はフランス、特にラヴェルのボレロ、の影響を強く感じさせてくれますね。
三曲目はそのものズバリの Kalevala Suite Op.23 (1943) 「カレヴァラ」組曲になります。もちろん代表曲の一つで、5楽章からなる繊細かつ雄大な楽曲です。透明感もあり良い流れです。最終楽章はコーダに向けての迫力が素晴らしいですね。
四曲目以降が2CDになり協奏曲集です。 Cheremissian Fantasy Op.19 (1931) は 実質的にはチェロ交響曲になります。同年に作られた二曲目と同じく民族音楽的要素が強く感じられますね。
五曲目の Violin Concerto (1942) では調性感の薄さを感じさせてくれます。しかし、それ以上ではなく やや中途半端な感は否めませんね。オケとの協奏感が弱いせいかもしれません。そういう意味からは第三楽章Allegroが一番いい感じですね。
六曲目の Concerto No.2 for Piano and String Orchestra Op.41 (1950) は前回 舘野泉さんのピアノで紹介しましたが、こちらの方がより調性感の薄さと惹き付けられるものを感じます。この楽曲ではピアノが弦楽団との対比でよく浮かび上がるのですが、ピアノのタッチ(打鍵の強さ)は本盤の Juhani Lagerspetz の方が好みですね。前出とは逆に第二楽章より第一三楽章のドライブ感の方が素晴らしく感じますね。このCDの中で出色の出来です。この曲の為に購入して惜しくありません。

バリエーション豊かな楽風なのですが、独特の和声カレワラ(Kalevala)の民族性を強く感じる音楽がクラミの個性ですね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ラウタヴァーラを FINLANDIAレーヴェル Meet the composer で聴く

現在のフィンランドを代表する現代音楽家 エイノユハニ・ラウタヴァーラ(Einojuhani Rautavaara 1928/10/9 - )を聴くにはちょうど良い企画物のCDになりますね。少々古いのですが。
以前も紹介しましたが、FINLANDIAレーヴェルでは "Meet the composer" と称して北欧の音楽家の作品をCD2枚に納めて紹介していました。これもその一枚ですね。
(国内版では「フィンランド作曲家の個展シリーズ」全8点で展開されました)
若い頃にメリカントに師事していますね。楽風はセリー主義から展開してる典型的な現代音楽家ですが、北欧のそれらしく旋律を残した世界と無調のバランスがとても素晴らしいです。

◇Cantus Arcticus Op.61は、代表曲の一つでしょう。テープの鳥の鳴き声とのアンサンブルで、シベリウスを思わせますが処々に調性をこえる和声が展開されます。北欧らしさを音楽で描くとこんな感じかもしれません。個人的にはちょっと感動的に聴こえてしまいます。
◇Angel of Dusk は、表題に天使が付くセリー主義後の作品ですね。透明感のある弦楽の主題の中、管楽器が無調の調べを対位法的に縦走し、その緊張感が良いです。メインのコントラバスの無調の演奏も楽しいですね。この曲は無調です。セーゲルスタム指揮フィンランド放送響の演奏も素晴らしいです。
◇String Quartet No.2 は1958年作品で、セリエルになります。従って新ウィーン学派からの展開の様な感じを受けるのは事実ですが、その中に存在する旋律の美しさが際立ちますね。清廉な音色を感じます。
◇Cantos 1-3 は弦楽合奏曲です。1960年に作られたCanto1, Canto2 と、1972年に作られたCanto3で大きく楽風が異なります。前者は弦楽四重奏第2番と同じく十二音技法からの展開曲で、それと似た楽風。後者は調性の自由さを残しながらより自由な空間を作っています。この後の三曲も弦楽合奏曲になりますね。
◇Epitaph for Bela Bartok(1955/86に弦楽曲化) からは、ハンガリー音楽家三部作と行っても良い弦楽合奏曲になります。オマージュ(Hommage) が二曲でコダーイ(1982)とリスト(1989)にたいする礼賛です。いわれが多いのがHommage a Zoltan Kodalyで、文字とコードと動機の関係が知られていますね。殊更それを聞き分ける必要は無いと思いますが、演奏時間も他の二曲を合わせたより更に長く充実した楽曲ですね。
"バルトーク"は1900年代後半作品らしい雄大な弦楽曲、"コダーイ"は繊細さと刺激の無調曲、"リスト"は重厚さです。
◇A Requiem in Our Time は四楽章の初期作品です。まだセリエルに達する前の新古典主義作品になります。いかにも習作的な軽い音楽と言う感じですね。自然さよりも構成感が強く、いろいろやっています。
◇Sonetto(1969)は、ピアノとクラリネットの重奏曲です。会話の様で、現代音楽的にはとても構成し易いですね。聴き易くて楽しい小曲です。

実は交響曲とオペラが素晴らしいんですよね。そもそも知名度が上がったのも交響曲第7番でしたからね。また今度。




テーマ : クラシック
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2014年7月20日 インバル / 都響 のマーラー交響曲第10番 at サントリーホール ★

Eliahu Inbal と 東京都交響楽団のマーラー・ツィクルスの殿(しんがり)を勤める第10番が、二日間サントリーホールで開催されます。明日は仕事なので、今日20日の日曜日に行って来ました。
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事前にハーディング/VPO、ラトル/BPO、そしてウィン・モリスを聴いておきました。好みはそこに。

16日に行われた「インバルが語るマーラー第10番」の話とか、クックの件は、コンサートを楽しむ際には無用ですね。音の流れに自分を置くだけです。楽しみ方は人それぞれ。

結果的には、あまり好みの演奏ではなかった事、一部 演奏の乱れが気になった事、で...残念なマーラー10番と言う事になってしまいました。

第一楽章は元気、もう少し緩徐的にかつ調性感の薄さが欲しかったですね。
第二楽章が一番残念。入りのホルンの乱れ、途中のピッコロ強音での突き抜ける狂い。足並みが揃わなかった感じもあります。
ここでマエストロは中座、インバルは最近よくありますね。
第三楽章からはアタッカで一気に最終楽章まで。三楽章では角笛感に欠かせない小型木管のコンビネーションが今ひとつ。でも、第四楽章から演奏は復活しました。激情的なスケルツォらしい この楽章の流れが自然に聴けましたし、最終楽章も好みは別にして 安心感がありましたね。

全体的に同一の流れが強く感じられ、もう少し各楽章事のメリハリがある方が好みです。例えは第一楽章は、よりアダージョに、続く第二楽章は小気味好いスケルツォ、と言った具合です。今回は全体通して元気さが勝っていました。

それにしても割れんばかり拍手大喝采...
オケの反応はと見ると、管楽器群は遠慮がちに互いを讃えていましたが、弦楽器はしていませんでしたね。メンバーが足を踏み鳴らして、指揮者を呼ぶ事もありませんでした。
大喝采は気持ちの良いものですが、インバルのマーラー チクルス最後への慰労と感謝が手伝っていた気もします。

多分明日21日(月・祭日)の方が、遥かに良い演奏になるでしょう。今日は8割程度のオーディエンスでした。

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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

インバルのコンサートを前に、マーラーの交響曲第10番(クック版)を聴いておく

次の日曜日(2014年7月20日)インバル/都響のコンサートの前に、Mahler Symphony No.10 を少しだけ聴いておこうと思います。
(Eliahu Inbal の フランクフルト放送響盤は所有していませんw)

◆Wyn Morris / New Philharmonia O [1972/10]
 言わずと知れたクック第3稿(最終稿)の、1st録音ですね。第一楽章では、揺れの少ない流れの中に 時折狂気の様なな強音パートが現れます。調性の薄さをあまり感じない演奏ですね。9番の最終楽章の延長上には思えない感じです。第2楽章はスケルツォと言うには粗暴に展開されます。らしくありませんね。短い第三楽章は角笛らしさがある演奏でが、すぐに暴れます。(笑) 第四楽章はシャープで時折尖ったディナーミクを展開する、独自の持ち味でしょうね。第五楽章は静音と強音のバランスが良く広がりを感じる演奏です。やや間延び感がありますけど一番この楽曲らしいですね。
ウィン・モリスらしく、ややストイックな第10番です。モリスのマーラー第5番は好きな一枚なのですが、10番は尖り過ぎかなぁ...って感じですね。




◆Simon Rattle / BPO [1999/9]
クック亡き後最終稿を校訂された第3稿第2版になりますが、この曲のマスターピース的なアルバムでしょう。ラトルはこの曲の解析もして、第3稿(最終稿)もボーンマス響と録音を残していますね。
将にヴィルトゥオーゾ系のマラ10です。すべての楽章に共通している流れがはっきりしています。それは適度なアゴーギクとディナーミクです。このマッチングが素晴らしく、切れ味のある締まった演奏となっています。そこはBPOらしさかもしれませんが。
ただ、個人的には少々出来過ぎ的違和感があります。第一楽章などは9番の流れでメリハリをあまりつけない方が好きですし、第二楽章のスケルツォもより優雅な方が好みです。しかしながら最終楽章は素晴らしいですね。静的パートを押し通しながら、それまでの楽章に無い透明感の演奏になっています。
この楽章で救われますが、全体としてはやや肩ひじ張ったマラ10でしょうか。




◆Daniel Harding / VPO [2007/10]
今一番気に入っているマーラーの第10番です。それまでのマーラーの交響曲、第9番までの流れに近い雰囲気を持っているからですね。
第一楽章は将に9番のアダージョのごとく静的に展開されます。第二楽章が好きですね。スケルツォらしい躍動感が、コーダの締めを期待させてくれるワクワク感があります。
三四楽章は楽章自体に興味が薄いのですが、悪くありません。最もキーとなる最終楽章がポイントです。マーラーらしさが薄い感じの第五楽章なのですが、処々に"らしい"音列を感じられて悪くありませんね。
現在ハーディング(with新日フィル)のコンサートを楽しめるチャンスが多いわけですが、基本はベーシックで時折つまらなさを感じる事もなきにしもあらずです。しかし、ここでは楽譜の読込みの上に織り込まれた意図が最大限発揮されいて素晴らしいです。



この他にも、第一二楽章は退屈きわまりないのに第四五楽章を猛烈にドライブするジンマン(David Zinman)のカーペンター版や、クック版最終稿の編成を拡大して楽しませてくれるバルシャイ(Rudol'f Borisovich Barshai)のバルシャイ版と、どこまでがマーラーなのかは別にして、この楽曲には楽しみがいっぱいありますね。その辺りはまた。

クック版最終稿(クックが亡くなった年)は第2稿と表現される事もあり、その場合は第3稿第2版がただの第3稿になります。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

アバドの Bruckner Symphony No.9 最後の姿を聴く

本年(2014)1月20日逝去した Claudio Abbado 最後の正規録音。やっと発売になった、手兵 Lucerne Festival Orchestra との最後の共演になる演奏が届きました。
Lucerne Restival の 2013年8月26日の演奏ですね。
(ルツェルン・フェスティバル開催中の21-26日のコンバインドかもしれませんが)
実は23日の演奏が非正規盤で既に出ているのですが、あまり良くなかったので心配していました。

でも、この演奏は録音とともに良いですね。ブルックナーの交響曲第9番は自分の中で、交響曲としては一番好きです。コンサートで溢れる音に委ねる時に伝わって来るものが、良い演奏では感動的です。

ここでは過度の重厚さを控えたアバドらしい正攻法のブル9が感じられます。第一楽章、管楽器は美しい厚みを見せ、インテンポで揺らぎの少ない演奏です。第二楽章のスケルツォはやや力を入れて。ヴァントは指揮の最中にステップを踏む様にタクトを振りましたが、ここではより冷静です。第三楽章も、見晴らしの良い美しさを感じますね。この楽章にアバドらしさを一番感じます。

ブルックナーの九番として、全ての思い入れを排除せずに自分の中では忘れる事のない一枚になるでしょう。クールで澄んだブル9、もちろん好きな一枚です。
重厚さ第一の現在の流れに一石を投じた作品と言って良いと思います。

この演奏を昨年10月のライヴで聞く事が出来なくなったのは、本当に残念でなりません。東京でのコンサートの予定は、もう一曲:シューベルトの未完成でした。ヴァント最後の日本公演と同じでしたね。

ジャケット写真の笑顔が嬉しいですね。意図してのモノクロと思います。
再度になりますが、アバド氏の冥福をお祈りします。



カティア・ブニアティシヴィリ の Motherland を聴く

この処ピアノ曲が続いていますが、まずはこれが〆です。以前も書きましたが、現代音楽を聴く一つのきっかけはピアノ曲。リストのパガデルですから、ピアノ曲は個人的には付き合いが長いですね。

さて問題の Khatia Buniatishvili のCD第三弾。最近聴いたピアノ曲のCDの中では一番気になるアルバムです。
[Motherland:母国]とはいったいどう言う意味でしょう。
バロックから古典、ロマン派、国民楽派、印象主義、表現主義、近現代音楽までを並べたピアノ曲。そして途切れ目無くそれらを繋げています。アタッカとは言わないでしょう。
不思議なのは、その時代らしい楽曲の選択感が薄い事です。バロック臭さの弱いバッハ、ヘンデル。現代音楽らしくないカンチェリ、リゲティ。作曲者の個性は薄く平均化された様な世界ですね。
通して一曲の様に流れ演奏されるのはブニアティシヴィリの感性、静寂・透明感の世界です。それがブニアティシヴィリの言う"母国"なのでしょうか。

これはHJ.LimやValentina Lisitsaの様なピアニストに対するアンチテーゼなのか、はたまた目線を変えて作られただけのCD? 素晴らしき感性のなせる一枚なのか、BGMなのか。企画物なのか、本当に本人の意図なのか。
二三回聴いただけでは、普通の心地良いピアノ曲集にしか感じられません。もちろん、それはそれで良いのです。

有名曲のドビュッシー「月の光」や、ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」でも特別な事は感じられません。前者ならバヴゼ、後者ならアデールの方が好きですし、このCD"らしい"気がします。
カンチェリ、リゲティはもちろん大好きな現代音楽家ですが、この曲の選択なら他の作曲家の作品をもってきても良かった様な。
ショパンもエチュードとしては技巧パートの少ないOp.25/7を持って来ていますね。スクリャービンのエチュードはOp.2-1、初期作品でメロディアスな主題です。当然スクリャービンらしさは弱いですね。その辺がコンセプトなのかもしれませんが。
唯一 情熱的パートを配した Vagiorko mai / Don't You Love Me? はブニアティシヴィリ編による楽曲です。コーダ前の山場風に、全体構成上も企画的にもうまい配置ですね。
最後にもってきたペルトの「アリーナの為に」は、いかにもペルトらしく、現代音楽としてはつまらない作品ですが、弱音単音構成の楽曲で消え入る様に終えます。このアルバムらしいです。

いずれにしても、ブニアティシヴィリのコンサートのイメージでは然程のタレントを感じられなかったので、構成も含めてすっきりとしないのは事実です。

気持ちと技術の籠った演奏は、激情性の強い快演も澄み切った名演も、コンサートでの出会いが最高の楽しみです。また、録音(CD・等)ならば個人的な好みの演奏がいつでも部屋のオーディオで楽しめるのがイイです。ただ、それに値するのはそうそうあるものでは無いと言う事ですが。

一度 自分の耳で聴いてみる事をお勧めする一枚ですね。



【後日追記】同年8月18日(月)のNHKプレミアム・シアターで『カティア・ブニアティシヴィリ 森の中のピアノ・コンサート』が放送されました。それを見たら、Motherlandの意味が分かりました


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

スクリャービンの未発表初期作品と息子ジュリアンの小曲をマリア・レットベリのピアノで

スクリャービンのピアノ全曲集を出しているMaria Lettbergが2012年に録音した、初期作品と11歳で亡くなった息子ジュリアン(Julian Scriabin)の作品集『Opus Posthum:Alexander & Julian Scriabin - Early Piano Works』ですね。

スクリャービン(Alexander Scriabin)の初期作品は1900年以前の無調になる以前の作品ですから、個人的には興味は薄いです。悪くはありませんが、聴き易いロマン派作品ですね。その中では、やっぱり 13-15 の ソナタ 変ホ短調(1887-1889) が緩急の出し入れで断然面白いですね。作品年から行けばソナタ第1番 Op.6(1892)の前になり、Op.2 か 3 の位置になりますね。特に第三楽章は楽しめます。コンサートで聴きたいですね。

一方ジュリアン(ユリアン・アレクサンドロヴィチ・スクリャービン Julian Alexandrovich Scriabin [Юлиан Александрович Скрябин], 1908/2/12 - 1919/6/22) は父親の後期作品からの展開で作曲しているので興味深いですね。Setrakian、Zarafiants、Woodward のピアノで出ていましたが入手が難しかったです。

スクリャービンの後期作品は無調ですが、実験的な無調作品 (所謂訳のわからん現代音楽家?) ではありません。ジュリアンの作品も同じ展開です。
21.前奏曲 Op.2(1918)は、シンプルな単音構成でスタートして強鍵パートに以降、またシンプルに。その繰り替えしの中に微妙な動機を見る事が出来ます。将に父スクリャービンの晩年の傾向を写していますね。面白いです。
22-23.2つの前奏曲 Op.3(1918)は二曲で1分強という短い楽曲ですが、無調のメロディアスさを十分に生かしていると思います。
24. 前奏曲(1919)は影を感じる陰鬱さが生かされた2分弱の作品で、ここでもpパートとfパートの出し入れが使われています。
いずれも小曲のPreludeなので、残念としか言いようがありませんね。

レットベリは例によって、バランスの良いメリハリのある演奏を見せてくれますね。やや肩肘張った感はあるのですが、安心して聴く事ができます。




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ジャンル : 音楽

バヴゼのピノアで聴く Ravel, Debussy のコンチェルト & Massenet の素晴らしさ

kokotonPAPAの好きなピアニストの一人、フランスのバヴゼ(Jean-Efflam Bavouzet)が弾くフランス人作曲家三人のピアノ曲です。ラヴェルとドビュッシーを弾かせたら、現在最高のピアニストの一人だと思いますね。指揮もフランス人のトルトゥリエ(Yan Pascal Tortelier)で、同じくフランス人作曲家の作品を得意としていますから悪いはずが無いですね。

◇ドビュッシー(Claude Debussy)の Fantaisie for Piano and Orchestra は、初期の作品で本人が差し止めていた作品で死後初演されていますね。ドビュッシーらしさに華やかさのある曲です。バヴゼのピアノも第一楽章では煌びやかに弾かれ、オケ(BBC SO)も負けずに明るさを色添えています。緩徐楽章では実にエモーショナルな響きで、これこそがバヴゼの最高のタッチと思いますが、幽玄さを最大限表しています。オケの色合いも良い感じです。第三楽章でも緩急の入れ替わりの良さが気持ちよいです。
重すぎず軽過ぎないのがドビュッシーらしさを感じさせてくれますね。

◇ラヴェル(Maurice Ravel)のConcerto in G for Piano and Orchestra は、中東風の主題が特徴的な協奏曲で、スピード感溢れる第一楽章の細かい音列を明確かつ柔らかいタッチで弾いています。この辺りがバヴゼのピアノの素晴らさだと感じますね。続く緩徐楽章のタッチの良さは言わずもがなです。特に後半のオーボエとの二重奏は最高ですね。第三楽章Prestoでもスピード感溢れるオケとの掛合いは素晴らしいです。両者の持つ洒脱さは実にマッチしています。
◇ラヴェルのConcerto for the Left Hand for Piano and Orchestra (左手の為のピアノ協奏曲)は、右手を戦争で失ったウィトゲンシュタインの為に書かれた作品ですね。ちなみにラヴェルのピアノ協奏曲は、この二曲になります。17分ほどの曲の中にラヴェルらしい動機がいくつも盛り込まれて楽しい仕上がりと、それに見合う素晴らしい演奏になっていますね。

◇マスネ(Jules Emile Frédéric Massenet) は、5分以下の小曲もしくは一部を並べています。全てピアノソロになりますね。バヴゼのピアノは叙情的な楽曲をクールなタッチで表現する事に特に素晴らしさを感じますが、ここでも透明感の高い品位のある演奏をみせてくれますね。完全に好みの問題になるわけですが。(笑)

オケはBBCプロムスでお馴染みBBC SOです。トルトゥリエはBBC POの首席指揮者を務めた事がある様に、活躍の拠点が英国ですから手の内でしょうね。

お薦めの一枚です。持っていて悪くありません。




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ジャンル : 音楽

プロフィール

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。





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