スティーブン・オズボーン(pf)でメシアンを聴く

フランスの現代音楽家オリヴィエ・メシアン(Olivier-Eugène-Prosper-Charles Messiaen、1908/12/10/ - 1992/4/27) の楽曲をスコットランド人ピアニスト スティーブン・オズボーン(Steven Osborne)のピアノで聴きましょう。

まずは代表曲のトゥーランガリラ交響曲(La Turangalîla-Symphonie, 1949)ですね。メシアン自身が参画し、指揮符に但し書きを付けたと言うチョン・ミュンフン指揮パリ・バスティーユ管弦楽団で以前紹介しています。
有名な楽曲なので細かい事は不要と思いますが、無調と調性音楽の組合せで出来ていて迫力の全10楽章です。調性内の楽章(5,6,10)も明確な主題はなく、繋がりに違和感はありません。
基本的に「愛の曲(Chant d'Amour)」バリエーションと「トゥーランガリラ(Turangalîla)」の組合せで、激情的なパートと緩徐パートの出し入れが強烈でスリル満点です。
ピアノ協奏曲ではないので、オズボーンのピアノはオケにやや隠れ気味になりますが弾む様なタッチが光ります。第四楽章など無調のピアノが超絶的に展開するパートは、オズボーンらしい切れ味のある素晴らしさです。ピアノの録音レベルが下げられていますね。緩徐楽章の第六楽章、ピアノは単音階の陶酔系で良い演奏かつ録音バランスも良いと思います。いずれライブで聴かないとダメですね。
ちなみにもう一人の主役楽器オンド・マルトノ(Ondes Martenot)は Cynthia Millar になります。Juanjo Mena指揮、Bergen PO の演奏は、この曲としては無機的無感情な演奏に感じます。悪くはありません。
楽曲自体が素晴らしく、個々のパートがどうのと言う話ではないからかも知れません。




もう一枚はマーティン・ロスコー(Martin Roscoe)との連弾、Visions de I'Amen・他です。
表題曲以外はオズボーンのソロですね。
◇アーメンの幻影(Visions de l'Amen, 1943) は、7曲構成のピアノ・デュオです。Turangalilaと似て、無調と調性の組合せと多曲構成になります。飛び跳ねる様なピアノのタッチも似ていますし、一部緩徐楽章が入りながら全体的に強めのディナーミクが支配するのも同じです。コーダは調性感バリバリw
ただ、これが連弾とは言えピアノ曲となると47分と言うのは少々辛い感じです。

◇ポール・デュカスの墓のための小品(Pièce pour le Tombeau de Paul Dukas, 1935)は4分弱の小曲。調性内なのですが、音の配列が不思議な音感を漂わせます。この時期の特徴でしょうか。タッチが強いのは変わりません。
◇ロンドー(Rondeau, 1943)も2分強の小曲。リズミカルな調性内の曲で、小鳥の囀りを感じさせるのはメシアンの基本かな。
◇滑稽な幻想曲(Fantaisie Burlesque, 1932)は微妙な調性感を見せるものの調性世界のピアノ曲(7分弱)になります。わかりやすい跳ねる様なリズミックな楽曲で、その打鍵の強さがオズボーンらしいですね。これが3〜5分ならアンコール曲向き。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ルガンスキー(pf)の プロコフィエフ : ピアノ協奏曲 第3番 / アルゲリッチ盤と比べて聴く

久しぶりのピアノ曲。ルガンスキー(Nikolai Lugansky)は好きなピアニストですね。このCDにはグリーグも入っているので先にそちらから。
エドヴァルド・グリーグ(Edvard Hagerup Grieg、1843/6/15 - 1907/9/4)の超有名曲になるPiano Concerto in A ninor, Op.16ですが、普段はまず聴かない楽曲ですね。(笑)
ロマン派バリバリで、形式に縛られすぎて 当たり前に窮屈です。その重厚さが冴えを見せるのはコンサートで、メインの交響曲の前に聴く一曲目といった対象ですね。
ちなみにルガンスキーは例によって音離れの良いクールな演奏で、殊更ヴィルトゥオーゾ的演奏を見せびらかす事はありませんね。
ケント・ナガノ指揮、ベルリン・ドイツ交響楽団の演奏は重厚にして切れ味ある悪くない演奏だと思いますが、なにせ普段聴かないので比較できませんから、この演奏が好みかどうかもわかりませんw

さて本命です。
セルゲイ・プロコフィエフ(Сергей Сергеевич Прокофьев :Sergei Sergeevich Prokofiev、1891/4/23 - 1953/3/5)は所謂無調の現代音楽家ではありませんが、特徴的な楽風と晩年の作風は前進的で良いでよすね。
この曲の原型は日本滞在時に作られたという曰く付きの Piano Concerto no.3 in C major, Op.26 、こちらは好きな楽曲です。
やや速めの展開でスタートする第一楽章で、ルガンスキーのピアノもffでもオケとの流れも良くて、ディナーミク・アゴーギク共にバランスの良い演奏です。第二楽章の微妙な調性感のAndantionも超絶的なパートを含めてクールに弾くのは良い感じです。第三楽章はピアノが引っ張るように展開し、ルガンスキーの演奏もヴォルテージが上がり気味。それでもプロコフィエフですから、アゴーギクの変化は強のですが、演奏全体がとても冷静に対応します。

この曲だと誰でもが浮かぶアルゲリッチ/アバドの古い録音でしょう。アルゲリッチの戦闘的な演奏は、このアンジュレーションの強い楽曲にピッタリです。
でも、時代は変わったので現代的にクールにしたら こんな演奏ではないでしょうか。素晴らしいです。



と言う訳で、アルゲチッチ(Martha Argerich)の二枚と比べてみましょう。
まずはアバドBPOとの'67年DG盤です。これほどの盤になるとみんな知っているわけですが、全編通してアルゲリッチの陰影の深い表現力と爆裂するピアノが楽しめます。それに互して表情豊かに、かつ強烈にドライブするアバドBPOのセットです。
ディナーミクの彫りの深さは格別です。超絶パートのピアノの音立ちの良さは凄いとしか言えません。個人的には今ひとつの第一楽章でさえ唸ります。ヴィルトゥオーゾ系ピアニストとオケの共演目線で見たら、これ以上のものが出てくるのか不思議なくらいですよね。
まぁ今更の後出しじゃんけんみたいなものですが、いつまでも"これ"が最高でもないかな...と。



もう一枚は元夫婦のデュトワとの'97年EMI盤ですね。こちらの方が録音も良くなって、この楽曲のもつ雰囲気は良く伝わりますね。それはデュトワ/モントリオール響の持つキャラクターかもしれません。録音の問題かもしれませんが(pfのゲインが低い感じかなぁ)、豪腕アルゲリッチのパワーも爆裂爆走にはならずに押さえ気味?に感じます。ラストのコーダも尻切れ気味ですしね。
静音パートでやや間延び感があるものの美しいプロコフィエフのピアノコンチェルトNo.3ですが、これならルガンスキー盤の方が良いでしょう。



このGW中に行われているLFJにアルゲリッチ(&仲間)とクレーメルが出る事になったのですが、チケットを買い逃したのが痛恨のミスです。T_T

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

Lars-Erik Larsson の Förklädd Gud, Symphony No.3 を聴く

スウェーデンの現代音楽家 ラーシュ=エリク・ラーション(Lars-Erik Larsson、1908/5/15 - 1986/12/27) の代表作 偽りの神 Op.24 と 交響曲第3番ハ短調 Op.34 のカップリングです。

ラーション(ラルソン、ラーソン、等々)はスタイルが多様です。まさに多様式と言っていいでしょうね。後期ロマン派、無調(十二音技法:ベルクに師事しています)、新古典派、といった具合です。

カンタータ、偽りの神 Op.24(Förklädd Gud)は、ヤルマル・グッルベリ(Hjalmar Gullberg) の詩 God in Deguise を元に二人の共作になります。作曲され、詩に追記がなされたのは1940年、大戦最中になります。
暴力(戦争)の拒絶を歌った内容で9つの話で、羊飼いの神アポロを牧歌的な世界で描きながら、その中に戦時中のスウェーデンの非同盟中立の立場を綴っています。
楽曲は新古典派的な流れに、ただのカンタータではなく朗唱(recitation)が各章の間に挟まれます。歌詞は英語版が付いていますがやや難解です。しかし、この詩の内容と作曲当時の大戦の問題を理解しないと曲は意味が無いかもしれません。

交響曲第3番Op.34は四楽章形式で1945年に書かれています。新古典派的作品で調性の音楽です。
北欧らしさを感じる楽曲ですね。第一楽章は勇壮、第二楽章は緩徐楽章で後期ロマン派風です。第三楽章はハイテンポで叙情的に展開し、第四楽章は重厚で処々にプロコフィエフの感があります。
けっこういける感じです。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

Kalevi Aho の Contrabasson・Tuba Concertos を聴く

大好き フィンランドの現代音楽家カレヴィ・アホ(Kalevi Aho, 1949/3/9 - )のレア管楽器の協奏曲で、チューバ協奏曲とコントラバスーン(コントラファゴット)協奏曲です。

この手の楽曲こそ現代音楽の醍醐味ですね。特にアホの様に交響曲にも独奏楽器を取り入れる作曲家なら尚更です。そして作曲は21世紀に入ってからですから、アホ特有の多様式の完成形になります。緊張感の溢れる素晴らしい楽曲です。

一曲目はチューバで、2000-01年の作曲になります。古典的な調性から逃れて、かつ明確な旋律が存在する素晴らしい楽曲です。その中をフルタイムのチューバ演奏者オイスタイン・ボーズヴィーク(Øystein Baadsvik)が陰的に、そして技巧を見せつけながら流れを作ります。三楽章形式で、特に第二楽章ではテクニックを披露しますね。オケの管楽器パートも緊張感のある演奏です。三楽章では神秘的な展開を見せてくれます。

二曲目はコントラバスーン奏者ルイス・リプニック(Lewis Lipnick)の依頼に寄る、2004-05年の作品です。リプニックがアホの交響曲第9番でクリスティアン・リンドベルイのトロンボーンとオケの演奏を聴いて思い立ったそうです。(リンドベルイは以前も紹介しています)
のっけからリプニックの暗闇の世界の様な、そして独特なコントラバスーンの音色が冴えます。流れは徐々に迫力を増して行きます。この第一楽章は不安を感じさせる様な展開の中、実にバリエーション豊かです。この楽章だけで独立しても良いのではないかと思うくらいです。第二第はより協奏曲らしく、三楽章は幽玄さを押し出した展開です。

特に二曲目の完成度は高く、悪いわけがないお薦めの一枚です。



テーマ : 現代音楽
ジャンル : 音楽

アルネスの Symphony No.1 & No.2 を聴く

ノルウェーの後期ロマン派の音楽家アイヴィン・アルネス(Eyvind Alnæs, 1872/4/29 – 1932/12/24)は交響曲を二つ作っています。
Alnaesの その二作を聴いてみます。両方とも四楽章形式です。

交響曲第一番の第一楽章からコテコテの後期ロマン派楽風全開です。マーラーより一回り若いのですが、時代が逆行している様な展開です。第二楽章はAdagioですが、やや教会音楽的な面が顔を出します。これはアルネスの音楽的なものがベースになっているかもしれません。
第三楽章は演舞の様な様相も見せるのですが、コーダも含めてやや重いです。ここで少し展開を見せてくれると嬉しいのですが。第四楽章が一番良く出来ている感じで、緩急の出し入れ良くマーチ風のパートもあり、コーダは派手に締めます。いずれ習作的で古臭さを感じてしまいます。

交響曲第二番の第一楽章は入りから第一番よりも広がりのある展開の良さが感じられますね。明らかにワルツをベースとしたAllegroですが、なんとなくチャイコフスキーを感じます。
第二楽章は管楽器でシンプルに入り、微妙な調性感やエレジーっぽさを一部残しながらの緩徐楽章です。第三楽章は軽快なAllegroになります。楽章毎にかなり明快な変化を付けていますね。第三楽章を短く設定しているのは第一番と同じですね。最終第四楽章は独特な楽風で、北欧らしい民族音楽ベースで自然の広がりを感じますね。北欧の作曲家らしいここが一番いいですね。テンポの良い展開で切れ味もあり最終楽章としてもコンサート向きです。
最終楽章の楽風をベースにしてくれると楽しいでしょうね。

ミケルセン(Terje Mikkelsen)指揮、ラトヴィア国立交響楽団(Latvian National Symphony Orchestra)による演奏です。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

2014年4月19日 カンブルラン/読響 の マーラー交響曲第4番・他 at 東京芸術劇場 ★★

今回のカンブルラン(Sylvain Cambreling)と読売日本交響楽団 は、好きな楽曲が並びましたね。これは聴きに来るしかありません。サントリーホールは平日だったので、こちらへ。最近は、会社の帰りにコンサートに寄るパワーが文字通りなくなってきました。^^;
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一曲目の「弦楽のためのワルツ」はシェーンベルク初期作品で、10の小曲からなっています。残念ながら?聴き易い楽曲ですね。作品番号はありませんが、Op.1と同じ年に書かれています。
ただ、この曲がここで必要? 時間合わせでしょう。この編成ならではの、7,8,9は悪くありませんでしたが。

二曲目はリスト「ピアノ協奏曲 第1番」、好きなリストの技巧曲です。聴き比べも何回か書いていますね。今回ステージ左横手の席を選んだのも、トライアングル協奏曲と揶揄されるのをたまには楽しんでみようかと。(笑)
それはさておき一楽章と三楽章の中盤以降ではニコライ・デミジェンコ(Nikolai Demidenko)のピアノが光りましたね。大きな手で流れる様に弾く様子からもヴィルトゥオーゾらしさが伝わりました。
オケも微妙なアゴーギクを上手く振りながら切れ味の良い演奏で応えました。三つの楽章をアタッカで通していたのも悪くありません。
でも、オーディエンスの拍手は今一つ。なぜですかねぇ。個人的には★★☆です。

マーラー交響曲第4番は、マーラーの中ではわりと馴染みが薄いので事前に聴いてきました。結果は★☆。
一楽章は不気味なアゴーギクもなく、美しい古典風なクールさと良い切れ味で好きな展開でした。ただ、三楽章が生温い緩徐楽章になってしまいました。弱音パートをもっと静音にして欲しかったですね。続く最終楽章も同じで、ローラ・エイキン(Laura Aikin)もメゾソプラノで太めの声。この最後の二楽章はちょっと暑苦しい天上の世界でした。
これは完全に好みの問題なので、仕方ありません。

好みの問題を別にすれば、カンブルラン/読響のセットは安心して楽しめますね。今回はマーラー4番の第三楽章、最後の山場で管楽器がやや破綻したり、ティンパニーが僅かにフライングぎみだったりしましたが….
それが気になるくらい、と言う事かもしれませんね。

カンブルランが招聘したというゲスト・コンマスのオスターターク(Christian Ostertag)は良かったですね。ソロパートでは明瞭な音を奏でていました。出来そうで難しい事かと思いますね。
20140419Yomikyo_Cambreling.jpg


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ギブソン(Gibson) と フジゲン(Fujigen)の関係

現在USギブソンの代理店はGibson Japan。以前は山野楽器がやっていてクオリティーコントロールは評判が良かったですね。
じゃぁ、今のギブソンジャパンはどうなの? って言うと、あまり評判はよろしくない様で。
でも、これです。
Gibson-Fujigen.jpg

今回購入したLes Paulの箱にはFUJIGEN ってありました。そう、USからまずフジゲンに送られる。そこでチェックされてからGibson Japanに展開されるそうです。
スタンダードやトラディショナルと言ったレギュラーラインは、けっこう怪しいのがあるみたいだからねぇ。どうなんでしょう?
フジゲンが、どういう約束で出荷品質を取り決めているかですね。知る由もありませんが。

購入後はギブソンジャパンの保証が厳しそうなので、販売店の技術力の方がポイントになるのかもしれません。

フジゲンファンのkokotonPAPAとしては、それならフジゲンのレスポールモデルの方が安心感かも。ヾ^^;

テーマ : エレキギター
ジャンル : 音楽

グレニーで聴く マクミランの Veni, Veni Emmanuel

お馴染みの現代音楽家ジェイムズ・マクミラン(James MacMillan, 1959/7/16 - ) はkokotonPAPAのご贔屓ですので何回も紹介していますね。

聴覚障害を持つ女性パーカッショニスト、エヴェリン・グレニー(Evelyn Elizabeth Ann Glennie) と、スコットランド出身同士の現代音楽がこのアルバムのポイントですね。

その パーカッション協奏曲「Veni, Veni Emmanuel」の初演は1992年にロイヤル・アルバート・ホールで、グレニーとスコットランド室内管弦楽団(Scottish Chamber Orchestra)、指揮サラステ(Jukka-Pekka Sraste)によりマクミランの両親に献呈されています。今回の録音(1993-5)と同じ顔ぶれですね。
パーカッションが活性的に飛び回る楽曲です。途中 part.5 の Gaude, Gaude はマクミランらしい宗教的なパートになります。続くTransition:Sequence2 では衝撃音的な管楽器とパーカッションの応答が楽しいです。全体も、現代音楽とは言え無拍の無調ではなくリズム感の明確な展開ですから聴いていて楽しさ一杯です。
コーダはキラキラ光る中に、まるでビッグベンの鐘の音の様な感じです。

「After The Tryst」は、マクミラン本人のピアノとクローチのヴァイリンによる静的な中に美しい調べの楽曲で、調性感の美しいピアノの上に無調のヴァイオリンが流れる小曲。これも素晴らしい。

「...As Others See Us...」は7人の英国の著名人をテーマにした6.partsの楽曲。グリーンスリーブスのメロディーを織り込んだり、明暗緩急のコントラストが展開したり、変化に富む楽しい楽曲です。Ⅴ: Thomas Stearns Eliot ではジャズ展開です。
「Three Dawn Rituals」は管楽器がフリージャズの様な雰囲気の小曲3曲、「Untold」は他の楽曲に比べるとやや平凡かもしれません。
この三曲はスコットランド室内管になります。

やっぱりマクミランは素晴らしいです。




テーマ : 現代音楽
ジャンル : 音楽

マーラーの交響曲第四番を聴き比べておこう:2014年4月19日カンブルラン/読響のコンサートを前に

マーラーの四番は、一番・八番を別にすれば あまり聴く方ではありません。「シュワルツコップの一癖ある最終楽章」なんて応えると"らしい" ヾ^^;

久しぶりのマーラー第四番のコンサートだからちょっと聴いておかないとね。と言う事で少しだけ聴き比べました。今更の録音ばかりですが。



◆M.T.トーマス San Francisco SO [San Francisco Symphony] 2003-9/24-28
 今やマーラーの交響曲を聴くなら外せないM.T.T & SFSO。聴くとすれば、これかもしれません。第一楽章の古典的な展開も冷静に雄大に演奏します。スケールの大きさを感じさせてくれるのが嬉しいですね。残念なのは第二楽章で、面白さは感じられません。そもそも個人的にこの楽章にピンと来ないのは確かなので仕方ありません。
M.T.T.の素晴らしさは第一楽章と、次の第三楽章ですね。この緩徐楽章は時間的にも長く、この楽曲のポイントだと思っています。静的エモーショナルで冷静な演奏が素晴らしいです。第四楽章の「天上の生活」はメリハリのある最終楽章になっていますが、個人的にはもう少し天上らしい軟らかさが好きですね。でも、この展開なら締まります。ソプラノは米を代表するコロラトゥーラLaura Claycomb。この時35歳 素晴らしいです。米国セットによるマーラーですね。
録音も良く、今的なマラ4だと思います。お気に入りです。




◆ゲルギエフ LSO [LSO] 2008-1
 ゲルギエフがロンドン響と行ったマーラー・サイクルから第四番です。第一楽章は古典的な優雅さを押出しながら、独特のディナーミクとアゴーギクを振って迫力を見せます。第二楽章はだいたい第一楽章と似た展開が多いですが、ゲルギエフも同じですね。でもやっぱりイマイチ楽章です。(汗)
第三楽章は緩い演舞の様な優美さです。上記M.T.Tが冷たさなら、こちらは温かさ。少々中だるみを感じますが。第四楽章、ソプラノは上記と同じくLaura Claycombになります。演奏は緩やかな流れと切れ味の中、ローラ・クレイクムも表情豊かに歌います。
全体に大きなうねりのマラ4ですね。今ならハイブリッドSACDのマーラー全集がお買い得。




◆バーンスタイン Amsterdam Concertgebouw [DG] 1987-6
 『バーンスタインの』DG盤マーラー4番です。思いのこもった第一楽章は力感いっぱい。言わずもがなのバーンスタインです。特有の古典的な気配が薄いのは好みですが。そして第二楽章も同じ様に繋がり、良い展開で聴かせてくれます。個人的にそれが逆手になるのが第三楽章でしょうか。この楽章のクールさはありません。暖色系のアダージョに力のこもった山場の組合せです。
最終楽章は何かと話題になるボーイソプラノ(Helmut Wittek)ですが、ここでもアゴーギクを効かせてリズミカルな感じさえさせる天井の至福になります。
いずれにしてもバーンスタイン。上記M.T.T.とのあまりの違いは驚愕です。




◆アバド VPO [DG] 1977-7
 BPOではなくてVPOとの盤にしました。この当時、アバドはシカゴ響との録音がメインですが4番はウィーンフィルとの共演です。みんな勝手に"なるほど"、って思いますよね。
全楽章通して違和感の無いのは流石はアバドでしょうか。個人的には何と言っても第三楽章の静音パートと強音パートのバランス、これが好みです。特に静音では冷たい静けさが漂い、好みの演奏です。
最終楽章も良いですね。軟らかいソプラノ(Frederica Von Stade)と演奏の組合せは将に「天上の生活」に相応しいと思います。
その他の楽章は、緩やかな中に締まりをみせる出来ですが極上というわけでもありません。でも安心感は確実にありますから、よくも悪しくもその辺りがアバド?かな。




◆メンゲルベルク Royal Concertgebouw [Philips] 1939-11/9
 あまりに古いのですが、マーラーが生きた時代の演奏者の録音となれば聴かない理由はありません。第一楽章はかなりアゴーギクを効かせてきます。でも騒ぎ立てるほど違和感のあるものでもないです。好きになれない第二楽章も同様に展開されて自然な流れで、安心出来ます。
違和感は第三楽章にあって、録音の問題でフラット過ぎです。こうなると、この楽章をメンゲルベルクが本来どう演奏したのかは不明ですね。アゴーギクに異常な展開はありませんからよけいです。
第四楽章も録音のせいでしょう、ジョー・ヴィンセント(Jo Vincent)のソプラノのパートではオケとのバランスはよくありません。ヴィンセントのソプラノは殊更にエモーショナルに天上を表現する事なく淡々としています。
録音が録音ですから観賞用と言うわけにはいかないですが、その分差し引けば(どうやってw)この解釈に格別に時代を感じると言う事はないですね。^^;




◆クレンペラー Philharmonia O [EMI] 1961-4
 クレンペラーのイメージとは少し違う演奏です。第一楽章は優雅な古典そのものです。時代が逆行した様。そして苦手な第二楽章はややアゴーギクを使って好きな演奏、聴いていて違和感を感じません、になりますね。第三楽章は第一楽章と同じ解釈で所謂緩徐楽章とは違います。それでも悪くありません。
最終楽章はそれまでの流れと異なり、オケもソプラノ(Elisabeth Schwarzkopf)もシャキシャキです。でもエンディングの仕舞いがうまく、歌詞に合わせる様に緩やかに集束します。名ソプラノ・シュヴァルツコップが楽しめるのも嬉しいです。
全体的に古典の香りが漂う中に、第二第四楽章の様な異なる展開が挟まれて個人的には面白いと感じます。そこを注目すれば、やっぱりクレンペラー?
今から入手するなら驚きのリマスター効果の廉価盤セットでしょう。




◆カラヤン BPO [DG] 1979-1〜2
 カラヤンBPOですねぇ。えっ"カラやん"? 最高にクールで、血の通わない演奏です。出来がどうのこうのではなくて、好きか嫌いかでしょうね。Edith Mathis のソプラノは表現豊です。(これが誰の演奏か聴かされなかったら、どう反応するか...…自分でもわかりません 汗)




CDにしろレコードにしろ"録音"なので、エンジニアの技量裁量 また時代の技術で大きく変わってしまいます。(そこまで踏み込んだカラヤンは、そう言う意味では別格かも)
本当のところはコンサートでないとわかりませんね。好みの演奏でなくても、素晴らしい演奏というのはコンサートには存在しますから。

歌詞の内容は当然ながら必須ですね。でもキリスト教徒ではないので、使徒の名前がでてくる天上の本質はわかりかねますね。

今回カンブルランのマラ4を聴きに行こうと思ったのは、全体クールな中に刺激を交えた様な料理をしてくれるかもしれないという期待です。さて当日はどんな演奏をしてくれるでしょうか。
楽しみですね。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ギブソンのレスポール、2014年モデル, トラディショナルを買ってみた!....ら

結局Gibsonの Les Paul、2014 Traditional (Honey Burst) を購入しました。決め手になったポイントは新たに採用された『New '59 Tribute Humbucker』ピックアップです。

GibsonLespaulTraditional2014_01.jpg GibsonLespaulTraditional2014_02.jpg GibsonLespaulTraditional2014_03.jpg

レスポールと言えば “マイク・ブルームフィールド(Mike Bloomfield)“。M.B.と言えば'59年LP。何をターゲットに新しいのを買うか決まらず 二の足を踏んでいたのですが、これで背中を押された感じ。オールラウンドも良いけど、やっぱり個性で行くぞ、ってね。

実際には似て非なるもの(ホントの'59知らないしw)でしょうし、どうせ改造しなきゃ気が済まない。価格もこなれているし、これなら遊び倒すのに惜しくない。^^;

【インプレッション】
とりあえず同じレスポールのレギュラーラインで弾き比べてみました。
  ・アンプはマーシャルのチューブJVM205C
  ・音はクリーンです。歪ませたらわかりません ^^;


◇2014 Standard…まずは同じ今年のSTDです
  1.持った時のバランスがいいです。座って試奏でね。
    軽い事もさることながら、これはいいかな。
    (モダン ウェイト・リリーフでボデーを削ってるからね)
  2.ネックが真っ平ら。これは好みじゃないんだな。
  3.音は言われるほど悪くないよね。レスポールらしいハムの音色。
    全然悪くない。単独で聴いたらマニア以外にはアンプの差?!

◇2013 Traditional…ピックアップ違いの昨年のTRDです
  1.重いし、バランス悪いよ。100%ソリッドだからねぇ。
    個体差のバラツキが大きい? 同モデルでも重さはまちまち。
  2.音色はメリハリがる感じかな。'14 Standard に似てる。
    素直に行くなら、こっちの方が好み?
    でも、それなら'14STDじゃない?!

◆2014 Traditional...今回購入品
  1.重さ・ネックシェイプは'13トラディショナルと同じ感じだよね。
  2.音は低音がまろやかでメロウ、高音との落差がすくない感じ。
    上記2機とは明らかにちがいます。
    "そう言う事か!" でこの瞬間これに決ッ定〜!

標準の弦高だと高くて弾きづらいかな。指板の滑りが悪い? まぁレスポール使った事無いし。^^;
しかし、アンプ替えたりエフェクターを通したらブラインドで言い当てられる人って本当にいるのかなぁ?

【2014 LesPaul Traditionalの特徴】
 ○ ギブソン伝統のバインディング処理
   →古臭いけど、この方が雰囲気だよね
 △ 落下を防ぐ新しいストラップピン
   →信用出来ないけど、ヘッドがデカイw
 △ ナットはGraph Tech製
   →微妙? セットが悪ければ意味なし
 ○ ハードケースが茶色に戻った
   →黒じゃねェ
2013年のスペック引き継ぎ項目もポイントですね
 ○ 繰り抜きのない”100% ソリッドボディ”
   →個人的には、何と言ってもこれです!
 ○ Custom Shop製1959Les Paulに近いネックシェイプ
   →かなり太いけど、雰囲気
 △ お約束のオレンジドロップ キャパシタ
   →まぁ普通だけど
かな。
12フレットの『120th anniversary』のインレイも特徴的で良いです。失敗作なら逆にマズイけどw

ちなみにUSでのうたい文句はというと以下。ギブソンの思惑にまんまとハメラレた....と言う事で。^^;
[Experience the Golden Age of the Les Paul!]
Gibson 2014 Les Paul Traditional Solidbody Electric Guitar at a Glance:
•'59 Tribute humbuckers take you back to Gibson's golden days
•The satisfying sustain of solid mahogany topped with premium maple
•'50s rounded neck carve gives you traditional chunkier feel

基本的にクリーントーンとクランチくらいに弾きます。特にサスティーンはテレキャスとの違いが明確でとても楽しい。^^v
でもこれはタップも出来ない癖物レスポール。カッティングなんて全然ダメよw
(クリーンでブリッジ側だけ、トーンを10にすれば何とかかな)
融通の効くギターならレスポールはスタンダードだし、元々の狙い通りにPRSのCustom24の方が良いけどね。

【ところが問題が.......でも】
ハムなのにノイズがデカイ! シングルのテレキャスを上回る。おかしい?! 購入した渋谷のG' Club SHIBUYA に見てもらったら本機が多少大きいものの同機種はいずれもノイズが出る事を確認。なんと導電塗料等のアース処置がしていないんだと。 (流石は本家の Les Paul Traditional!、Customに対して廉価版だから超手抜き。品質から行けば10万円以下? 現地平均的価格 $2,615...)
そしたら、なんと処置してくれるとの事。それも一般的な導電塗料やアルミ箔じゃなくて、銅箔。それもちゃんとアース線接続、ほれッ!

Lespaul-Noise.jpg

いずれにしろ自分でやっつけようと思っていたから、これはすごく助かった。侮れず、黒沢楽器。フロア担当もとてもCS度が高い!
(自分でやるなら幅広のアルミテープがおすすめ)

弦高調整やテールピースを少し下げてもらいチョークの感じも良くなった。もちろんノイズもね。ネックがしっかりしているのを選んだから、これで気持ちよく使い倒せるぞ〜 \^_^/

PS)箱にFujigenの住所が英語で貼ってあるけど、これって何だか知ってた?
Gibson-Fujigen.jpg

  

テーマ : エレキギター
ジャンル : 音楽

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kokotonPAPA

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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。





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