トミー・ウルフのJazzヴォーカルを聴こう

ジャズボーカルと言えば、kokotonPAPA的には Tommy Wolf です。若い頃、ジャズにはまっている頃に廃盤の "Wolf at your door" を探してからのファン。当時は情報も少なく、入手がけっこう難しかったですね。
もう一枚は、ボビー・ロジャースがカヴァーで出したのを知って、大学時代に驚いて買った記憶があります。もちろん両方レコードです。

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随分前に、まさかCDで Wolf at your door の再発なんてないだろうなぁなんて探したらヨーロッパから出ていて即買いしましたね。今回amazonでチェックしたら、国内発売もされていたとは知りませんでした。(当然輸入盤の国内展開でしょうが)

Tommy Wolf、これはもう洒脱の一言です。ピアノ&ヴォーカルを担当して、ギタートリオをバックにスウィングします。この手の演奏にはJazz Guitarが実に合いますね。
スコッチのシングルモルトを置いて、夜の時間を楽しむ。そんなイメージがピッタリでしょう。



そして女性ヴォーカル版になるのが Bobbi Rogers ですね。
とにかく可愛いんですよ、ロジャースの歌いが。ピアノトリオをバックにしていますが、ピアノストのChick Cicchetti のアレンジが、原曲をとても大切にしていて好感がもてます。
Wolf at your doorの曲もやっていますから、聴き比べて見ても面白いですよね。



もう一人すきなのは Joe Mooney ですね。これまた渋いです。いずれまた。


テーマ : JAZZ VOCAL
ジャンル : 音楽

パーヴォ・ヘイニネンの Meet the Composer

フィンランドの現代音楽家ヘイニネン(Paavo Johannes Heininen, 1938/1/13 - )は、作曲をメリカントやコッコネンに師事しています。お馴染みの顔ぶれですね。またジュリアードや、ポーランドでルトスワフスキにも学んでいます。教え子にはサーリアホもいます。

この Meet the Composer はタイトルではなく、Finlandiaレーベルが作曲家別に代表作をオムニバスにしたシリーズになります。これはヘイニネン版と言う事ですね。

楽風は十二音技法からセリエルへ変化して行きます。と言う事で無調の作品になります。十二音技法と言う技法の難しさは、聴く方としては意識する必要は全くありませんが。
収録曲は、1974年までの古い作品になりますので十二音技法時代の作品集と言っても良いかもしれません。

CD1
1. アリオーソ op.16
2. 交響曲第2番 op.9「陽気な小交響曲」
3. ピアノ協奏曲第2番 op.15
4. セレナーデ op.31-1
CD2
1. 夏の音楽 op.11
2. ピアノ・ソナタ「よく響く白熱の詩」op.32a
3. プレリュード - エチュード - ポエム op.32b

この中でCD1-3,4 CD2-2,3 はピアノがフィーチャーされています。ヘイニネンがピアニストである事が功を奏してか、これらが素晴らしいですね。
・ピアノ協奏曲第2番は、ともすると特徴の薄くなる管弦楽にピアノが入りその音列に緊張感があります。
・セレナーデはチェロとのデュオ、チェロの駆け引き・会話はやっぱり相性がいいですね。
・ピアノ・ソナタとプレリュード - エチュード - ポエムは、ソロピアノ曲です。作品番号から見ても同系等ですが、演奏会で聴いてみたいですね。楽曲的には、演奏時間は短いものの緩急の変化がある後者の方が好みです。

近年の作品もまた紹介しようと思います。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

イタリアン・プログレッシブ ロック「ピエロ・リュネール」の GUDRUN を聴く

1970年代後半のごく短い期間活動したイタリアのアヴァンギャルド・ロックグループ、そのバンド名は言わずと知れた シェーンベルクの名曲ですね。GUDRUNは、2作品の内の後の作品です。

"月に憑かれたピエロ" 風の歌?(と言ってもシュプレッヒゲサングではない)や、ミニマル風のリズム、調性内のピアノ(サティ風?)、カセットテープ音、ロードノイズ、笑い声、いろいろ出て来ます。現代音楽と言う人もいる様ですが。
5曲目の Giovane modre や 続く Sonde in profondita の様なパートは、あまり興味を惹かれないプログレッシブロックです。1枚通して聴いてみれば 退屈かな。

これを聴いて、昔1970年代中頃に買った「風呂場の狂態」と言うレコードを思い出しましたね。ただ風呂場で暴れている音だけのレコードでしたが。みんなで大笑いしただけで、"音楽"と思って聴いた事はありませんでした。

学生時代にバンドなんかやっていると、遊んでいる中で色々やって笑っちゃう。演奏をテープ録音、当時はカセットにね、している時に時報なんかが勝手に入っちゃって、それがけっこう面白かったりね。そんなノリだなんて言うと不謹慎?




テーマ : 本日のCD・レコード
ジャンル : 音楽

2014年3月23日 シャイー/ゲヴァントハウス管弦楽団のマーラー第7番 at サントリーホール ★★★

春の気配の中、六本木のサントリーホールへ行ってきました。

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個人的には今年の前半コンサートのメインでした。シャイーのマーラー7番、コンセルトヘボウ管とのCDを事前に聴いてはおきました。第一楽章、第五楽章にあった解釈はつながっていたのかもしれません。

結果は素晴らしかったです。迫力と切れ味のマーラー第7番でした。
5.6番とは違って、やや緩い流れが好みですが、リッカルド・シャイー/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管は違いました。その一体感の溢れる演奏を目の当たりにして圧倒されましたね。

第一楽章の途中までは、まぁ こんなものかなといった流れ。ところが中盤から一気に切れあがりました。インテンポで特別なアゴーギクもディナーミクも振るわけではないのですが、締まりのある切れ味と迫力です。
第二楽章は、やや速めのテンポで入り そのまま迫力の「夜の歌」で突き進みました。出だしのホルン二人に あれっ と思いましたが、そこだけ。
第三楽章は、やっぱり今一つ。これは楽曲の事であって個人的な先入観かもしれません。
最も印象的な 第四楽章「夜の歌」は、マンドリンとギターが特徴的ですが、その牧歌調で室内楽的気配が伝わりました。この楽章での変化は良かったですね。強音パートは迫力でしたが。
第五楽章は、再び迫力と切れ味が冴えた一体感のある演奏で最後を締めくくりました。

大編成オケが、この楽曲を手の内にしてコントロールしていのが印象に残ります。

ブラボーと拍手の中、テノールホルン,マンドリンとギターには一段と多く集まったのは、この楽曲らしく良かったですね。

ヴァイオリンの両翼配置に、久しぶりのコントラバス左翼! マンドリンとギターは右翼上段でした。コンマスの大げさな振りも楽しく目立ちました。
入場時はメンバー全員が揃うまで客席を向いて立って待つのも久しぶりに見ましたしね。米国のオケとは正反対ですね。(笑)
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想像していた演奏を上回りました。素晴しかったですね。


PS:今回と同じ「マーラー第7番」シャイー&ゲヴァントハウス管の現地ライプツィヒでのライブ(先月2/28)映像が、仏独共同テレビ「ARTE」のサイトで配信されています。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

シャイーのマーラー第7番を聴いておく:2014年3月23日ゲヴァントハウス管とのコンサートを前に

マーラーの7番は、3番と並んで好きな曲ですね。でも、その為か5番・6番・9番の様に所有枚数はありません。好きなCDが決まっているかもしれませんね。
今回のコンサート前のチェックはもちろんリッカルド・シャイー。コンセルトヘボウ管と1994年に録音した第7番です。

この曲は5楽章ですが、3楽章を真ん中にして対象になっているのは知れた話ですね。
特徴的なのは第一楽章と第五楽章。基本スローでアゴーギクとディナーミクを振った派手な展開です。それに比べると第二第四楽章、せっかくの二つの「夜の歌」の影が薄く感じてしまいます。第三楽章は更に印象が薄いですね。
始めと終わりの楽章のイメージが大きく、その分メリハリ感が強く印象付けられてしまいます。個人的には第7番らしくない感じでしょうか。

さて、今回のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団とのセットではどう聴かせてくれるでしょう。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ヴィラ・ロボス の ブラジル風バッハ(全曲) を聴く

ブラジルを代表する音楽家、エイトル・ヴィラ=ロボス(Heitor Villa-Lobos 1887/3/5 - 1959/11/17) の代表曲ですね。個人的にはピアノ曲でお馴染みの作曲家で、そちらで今までも紹介していると思います。

“Bachianas Brasileiras”、これは全9曲収録の全曲版です。全編で美しいメロディーが流れます。ただ、バッハ(バロック?)を意識する旋律が一部に明確ですが、それ程気にしなくても大丈夫。そこの辺りはヴィラ・ロボスが小さい頃に平均律クラヴィーアを叔母から聴かされていたのが元と言われている証ですね。(そもそもバッハが自分の子供の鍵盤楽器の練習用に作った曲ですから当然?)
通して、無調でも多調でもなく調性の中の楽曲ですから安心?でしょう。

主題を変奏、対位法、フーガと言った技法で演出して行くのは古くからの作曲法であり、そこがこの曲の聴き易さと美しさになっていると思います。
一部に感じられる、例えば第1番第三楽章とか、バロックの鼻につく旋律があります。個人的に それ以外はと言う事になりますが。(笑)

全曲版にはいたるところに様々な美しい旋律がありますが、ただ美しいだけではなく 一番の大曲ピアノ協奏曲の第3番などでは得意のピアノ曲と言う事もあり、テクニカルで顔色の違う楽曲も含まれます。第6番のフルートとバスーンはイマイチですが、代表的なヴォーカリーズの旋律が含まれる第5番も楽しいです。CD3枚続けて聴くと少々退屈な気もしますが。(笑)

残念なのは思いの外 全曲盤が少ない事でしょうか。その点 廉価版NAXOSのこの盤はお買い得ですね。ピアノが弱いとか細々とした事は全曲を楽しむなら妥協範疇です。たまに ゆったりと聴く音楽、ですね。ヾ^^;




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

2014年3月15日 インバル/都響 の マーラー交響曲第9番 at 東京芸術劇場 ★★

インバルの新マーラー・ツィクルス-9、マーラー9番。インバル指揮のCD、日フィル(1979年)盤 と フランクフルト放送響(1986年)盤を事前に聴いて行って来ました。

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終わると同時、ややフライング気味に大拍手とブラボーのあらしでした。もうひと呼吸の余韻を楽しみたかったですが。
奇を衒う事の無い王道的なインバルの解釈と、都響の見事な演奏でしたね。

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でも、第二楽章レントラーのフラットさは個人的には残念。また、全体としても あまりにも見事にまとまり過ぎて、この楽曲に欲しい、個人的にですよ、思い入れ 興奮 狂気と言ったスパイスの味わいが弱かった気がします。
強音パートは悪くないのですが、大半を占める弱音パートに…..巧く言えませんが、惹き付けられるものが薄かった事もあります。

悪くはないのはわかりますが、期待しすぎた自分が居たかもしれませんね。今回は、あまり言葉がありません。
今回が初回、多分3月17日(月)の最終 サントリーホールが最高の演奏となるでしょうね。

インバルは体調でも悪いのでしょうか。第二楽章と第三楽章の間にチューンの為と思われる小休止がありましたが、舞台から一度引いて出てくるのに少々時間がかかりました。最近は太り過ぎで動きに制約が見えるのはいつもですが….
そう言えば、オーディエンスの咳が少なかったのも珍しい?
バックのパイプオルガンがブラインドになっていましたよね、これも珍しい。

次のマーラーはシャイーとゲヴァントハウス管の第7番です。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

マーラー 交響曲 第9番 名盤・珍盤 70CD聴き比べ! [#3 / CD:31-40]

マーラー9番聴き比べ第3弾です。
今回は週末のインバル/都響の新マーラー・チクルスのコンサートを前にインバルの既発2CDを中心に10CDですね。
《後日追記》コンサートのCD発売を機に追記(インバル3CD)しました (2015/3)

【参考】
 ★:名盤 (一般的いわれている…と思う盤)
 ☆:個人的お勧め
 ㊟:とっても変わっています

[リスト] 現状のMahler Symphony No.9の聴き比べです (現在#5回 70CDまで)
 #5:20CD
 #4:10CD
 #3:10CD 本投稿
 #2:20CD
 #1:10CD



エリアフ・インバル, Eliahu Inbal (3録音)

(#1)
Japan Philharmonic SO
[DENON] 1979-11/19
34年前の日本フィルとインバルのマラ9ですね。
第一楽章だけでなく全体的に管楽器に少し弱さを感じます。第一楽章はそれでも処々に狂気を感じさせ、また緩急出し入れで緊張感のある なかなか演奏です。第二楽章も緩く軟らかいレントラーで弦楽器が要所を締めて聴かせますね。第三楽章は解釈自体は平均的な短い楽章なのですが、楽器の纏まりが良くなり、コーダでは「極めて反抗的に」というマーラーの注意書きに近い荒れ方を見せてかなり楽しめます。マーラーの得意とする緩徐楽章が最終楽章にあるのが9番の特徴。それを感じさせてくれる第四楽章ですね。前半にまとまりをやや欠ける感じもしますが、緩いアゴーギクを巧く使って広がりを感じさせて、ラスト5分の消え入る透明感の世界へ導いてくれます。
・・・・・
特別な解釈は無く、狂気・興奮よりも切れ味でしょうか。悪くありません。




(#2)
Frankfurter Radio SO
[DENON] 1986-9/24~27
28年前のインバルとフランクフルト放送響のマーラー9番。
第一楽章がぎこちなく感じてしまいます。静かな流れが占めるディナーミク中でffパートは荒れます。でもそれは興奮とか狂気とは違い、落着きません。第二楽章も独特のリズム感で、個人的にはややスローのギクシャク系に感じてしまいます。これでレントラー?
第三楽章も同様の流れです。コーダはアッチェレランドを効かせます。第四楽章は第三楽章までの流れに比べると、速めです。1979年録音よりも1分30秒以上も短いです。ギクシャク感は少ないのですが、この楽章の持つ美しさをどう表現したかったのでしょう。ラスト5分で落ち着きを取り戻すのが救いです。
・・・・・
ギクシャクとした落ち着かないマラ9です。この6年間の変化はなんだったのでしょうか。



《後日追記》

(#3)
Tokyo Metropolitan SO
[EXTON] 2014-3/15-17
コンサートに行ってきた都響とのマーラー・チクルスですね。
第一楽章は特徴的な揺らぐ様な流れに身を任せたいのですが、どうもシックリきません。また、管楽器が突き抜ける音をだしたり、今ひとつまとまりに欠ける感じです。第二楽章も安定したレントラーを期待するのですが その感に欠ける気がします。入りで "らしさ" に欠ける様な間をとったりと 気にかかりましたし、ここでもオケのバランスに締りが感じられません。第三楽章は特に悪くはないのですが、インパクトや特徴に欠けるでしょうか。それでもこの楽章が一番まとまりがあり、特にコーダはアッチェラレンドに気合か感じられて悪くありません。全体的にはもう少しスローでディナーミクをつけた方が好みなのですが。第四楽章は入りから情熱が感じられます。この曲の最終楽章らしさが感じられる演奏ですが、好みはやっぱりもう少し"間"があると嬉しいですね。途中の静音パートはやや弱いですかね。
・・・・・
第三楽章の終わり辺りからは悪くないのですが、この曲に必要な強烈な情熱や狂気が見当たりません。それを望むのは酷というものかもしれませんが…
 都響との一年前のこのコンサート、その時のインプレもぜひどうぞ。



グスターボ・ドゥダメル, Gustavo Dudamel
L.A.SO
[DG] 2012-2/2-5
現在最も注目される若手No.1ドゥダメルが音楽総監督を務めるロスフィルとのマラ9です。
第一楽章は明瞭な表現です。一回目の頂点にかけてはただの明瞭だけでなく閉じ込めた情熱を振り解く様な展開。第二楽章は多少のアゴーギクを振ったレントラー。第三楽章は太い演奏で重厚ささえ感じますね。最終楽章も美しさではない何かがあります。何かが腑に落ちない様な....。それでもこの楽章の中盤以降が一番良いですね。
・・・・・
重量級のマラ9です。もっと暗く渦巻く様な"気"が欲しいかな。なにかボタンを掛け違っている様な感じです。でもコンサートで観たらこの音量感を良いと思うかもしれないなぁ。(笑)




ユッカ=ペッカ・サラステ, Jukka-Pekka Saraste

WDR SO Köln
2009年Live [Profil]
マーラー第5番では素晴らしい演奏を残したユッカ=ペッカ・サラステ(Jukka-Pekka Saraste)と、首席指揮者を務めるケルンWDR交響楽団(WDR Sinfonieorchester Köln)です。
第一楽章の第一第二主題は切れ味ある中に優美さ、そして展開部の第三主題後の山場を締める切れ味ある流れです。この後は再現部も含めて各主題の変奏が組み合わせれますが、コントラストの効いたシャープさです。
第二楽章のレントラーには微妙にアゴーギクが振られています。ディナーミクもあり、独特な揺らぎを感じる懐の広い演奏ですね。
第三楽章は軽快さが前面に押し出されています。中間部(トリオ)では優美さも見せてくれ、後半の表情変化から最後はストレッタの絡みを強めてアッチェレランドを利かせてフィニッシュします。
第四楽章の弦楽主題はうまいディナーミクとアゴーギクで大きさを感じさせてくれます。第一エピソード後の美しい弦楽はこの曲の印象を強く伝えています。そして第二エピソード後の山場へは情感強く登りつめ、ラストのアダージッシモはマーラーの指示する「ersterbend, 死に絶えるように」の通りに薄く細く冷たい音色で消え入ります。
・・・・・
完成度が高く、全楽章を通して切れ味と美しさのマーラー9番です。緩やかに振られたアゴーギクとディナーミクがマッチしていますね。オススメです。




ジョン・バルビローリ, Sir John Barbirolli

Berliner Philharmoniker
[EMI] 1964-1
LIVEでの良さからベルリンフィル団員が希望して、正規録音された納得の演奏。
この曲の第一楽章らしくアゴーギクとディナーミクを振ってきます。悪くありません。バルビローリとベルリンフィルの重量級の組合せが見事にマッチしているのでしょう。第二楽章のレントラーも広がりを見せ、若干中だるみを感じますが気持ちの良い展開です。第三楽章ロンドも少々単調になりますがロンドらしいシャープな演奏ですね。第四楽章は、本当は繊細な美しさを見せて欲しいのですが、太い演奏。個人的なイメージとはちょっと違うなって感じです。
・・・・・
重量級のマーラー9番。セッション録音ならお薦めの一枚。わがままヴィルトゥオーゾ軍団BPOが希望して録音しただけありますw
デジタルリマスタリングにより古さは全く感じません。




カルロ・マリア・ジュリーニ, Carlo Maria Giulini
Chicago SO
[DG] 1976
ジュリーニが首席客演指揮者を務めたことがあるシカゴ管を振ったマーラー9です。有名作曲家の第九番をCSOと録音したシリーズの一つですね。
 第一楽章アンダンテ・コモド、冷静沈着な演奏に終始します。強音パートもそれなりで、何か起る様な不安定さはありません。第二楽章のレントラー風も柔らかい演奏で、第二主題が少し遅く感じます。メリハリが薄い感じです。きわめて反抗的に.....とは行かない 第三楽章ですが、コーダにかけてそれなり反抗的?  "反抗的"には狂気が必要ですねぇ。第四楽章、繊細さが不足でしょうか。やや音の厚みがじゃまをしています。
・・・・・
特徴の薄いマラ9。スマートな薄味のジュリーニかな。




アンタル・ドラティ, Antal Dorati

Deutsches SO Berlin
[Weitblick] 1984-5/30
Antal Dorati と ベルリン・ドイツ交響楽団のライブ。ドラティというとkokotonPAPA的にはストラヴィンスキーが浮かびます。さてマーラーはどうなかと言う感じになりますね。
第一楽章は特徴らしき物を感じなくスタートします。しかし中盤に入る頃から暴れ始め、曲のイメージを変える様な奇妙な解釈さえ感じます。ギクシャク感が強く素直に付いて行きづらいかも。第二楽章もアゴーギクと言うよりもリズムの取り方が??的な...。
第三楽章、ホルンがもたついているのか そう演奏しているのか。ここでもリズムの取り方が変わってます。クラのお遊びも弱めです。第四楽章は割と普通に美しく出て、他の楽章に較べるとおとなしいですね。
・・・・・
特徴的な解釈もあり、"美しさと狂気"と言うよりも全体的に狂気っぽい、際物好きな貴方にオススメです。面白いと思いますねぇ。
ちなみに海賊盤から正規盤になって登場した一枚です。




ウーヴェ・ムント, Uwe Mund
京都SO
2001-3/22,24,25,26 [BMG]
京都交響楽団とムントの競演盤ですね。
 全体的にスローな第一楽章。ディナーミクが低く、やや眠い調子。演奏は丁寧ですが、それがかえって期待させる気配を薄めている様です。第二楽章の入り、レントラーも生真面目ですが、ロンドが少しメリハリがあって締まりのある演奏になります。最終楽章も一部ディナーミクを大きくとる事もあり、後半の二つの楽章が救いでしょうか。
・・・・・
揺さぶりのない、まじめなマーラー9番。やや退屈ですが。




Takashi Asahina, 朝比奈隆
大阪PO
1983-2/15 [FIREBIRD]
朝比奈さんが設立して亡くなるまでの54年間、手兵中の手兵"大フィル"を振ったマーラー9番ですね。
 全体的に暗い 第一楽章。演奏も暗く特筆する事はありません。第二楽章も少々眠く、ディナーミク不足の気がします。一つ一つの楽器に力が感じられません。第三楽章も処々でギクシャクした感じ、最後まで期待を越える演奏がないのは残念です。その中であえて言うなら第四楽章のラストの弱音の演奏が良い感じでしょうか。
・・・・・
見晴らしの良くないマーラー9番。人それぞれとはいうものの、コンサートならではとはいうものの、これで本当にブラボーでしょうか?......






もちろん日頃聴いておくわけですが、なかなか進みませんねぇ。^^;


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ジャンル : 音楽

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ヘルスタールのヴァイオリンで Catch Light-Nils Henrik Asheim 他 を聴く

現代音楽を得意とするノルウェーのヴァイオリニスト、ペーテル・ヘルスタール(Peter Herresthal, 1970 - )をノアゴーとノールハイムの作品で紹介しましたが、今回は彼の名義によるCDで 楽曲は四人のノルウェー現代音楽家による無調の作品になります。
繊細で冷たいvn音色は好みのパターンです。

Mad Cap Tootling  Violin concerto (Jon Øivind Ness, 1968/3/30 - ) は、ヘルスタールのヴァイオリンを全面にしたノルウェーの現代音楽コンチェルトです。Nessがヘルスタールと自身が関わったEnsemble Ernst の為に書いていますが、ここではOslo POとの共演です。ヘルスタールのグリッサンド中心の演奏とオケの各楽器の音列の並びですが、もう少し主役のゲインが強い方がマッチすると思います。
By the voice a faint light is shed (Henrik Hellstenius, 1963/4/28 - ) は Bit20 Ensemble との共演になります。Hellstenius と演奏者達の共作とでも言う様に、短い旋律とソロピースによって展開しています。全体は一曲目と近い内容で、ディナーミクが少なめと言った感じになります。録音の問題でしょうが、ここでも繊細なヘルスタールのvnにもう少しスポットを当てても良い気がします。
Initiation (Gisle Kverndokk, 1967/2/3 - )は Oslo PO との幽玄なコンチェルトです。最もヘルスタールの特徴が良く現れていると思いますね。ライブ録音になりますが、上の二曲より展開に優れる楽曲で、強いディナーミクの中にvnの音も明確でオケの広がりも感じられます。
Catch light (Nils Henrik Asheim, 1960/1/20 - ) は緩急のあるコンチェルトでBergen POとの共演です。打楽器の出番の多い楽曲で、インパクト的な音の並びです。後半のvnパートは良いとして、せっかくの Herresthal の繊細な音がオケに埋もれそうになるのが少々残念です。

後半の二曲が2009年のライブ録音になり、前ニ曲はAuroraレーベルとsimaxレーベルのCDに入っていたものになります。
曲的には三曲目がvnの相性が良いのですが、Herresthalのvnに焦点を当てるならソロやデュオを入れた方が楽しかったと思いますね。
いずれノールハイムの Complete Violin Music の方がお薦めと言う事になるでしょう。




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プロフィール

kokotonPAPA

Author:kokotonPAPA
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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。

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