ノルドグレンの String Quartets 4&5 を聴く

お馴染みフィンランドの現代音楽家、ペール・ヘンリク・ノルドグレン(Pehr Henrik Nordgren, 1944/1/19 - 2008/8/25)の弦楽四重奏曲になります。

弦楽四重奏曲の第四番がOp.60、第五番がOp.69で、ノルドグレンの中期の無調作品になります。
String Quartet No.4 (1983年)は三楽章構成ですね。一楽章Balladは静的で、時折現れるトレモロが強いパートは若干ミニマル風な気配が残ります。アタッカで繋がる第二楽章Aggressionsは、一転して緊張感ある弦の音に変化します。ピッチの速い展開を挟みながら、静的な流れが対比します。第三楽章Romanceでは、陰静的に回帰します。

String Quartet No.5 はNo.4の3年後に書かれた二楽章の弦楽四重奏曲になります。流れはよりフラットになり、抑揚を押さえた第一楽章Epilogue。そして激情的な展開を見せる第二楽章Return。後半では第一楽章の様な静的な世界に戻ります。このコントラストはノルドグレンに見られるパターンですね。

両者とも無調とは言え、その中に主題(旋律)は明確にあって kokotonPAPAの好きな流れです。
演奏は、Kokkola Quartet になります。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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オリヴァー・ナッセン、モーリス・センダックの Higglety Pigglety Pop! & Where the Wild Things Are

これは Maurice Sendak の絵本、Higglety Pigglety Pop! (Or, There Must Be More to Life) 『ヒグレッティ・ピグレッティ・ポップ ! (もっといいこと きっとある)』と Where the Wild Things Are『かいじゅうたちのいるところ』を、英国の現代音楽家 Oliver Knussen (1952/6/12 -) が児童オペラに仕立てた作品ですね。
入手したのは10年くらい前でしょうか、この楽しい作品をやっと紹介するタイミングが来ました。^^
Higglety-Pigglety-Pop!--Where-the-Wild-Things-Are.jpg

現代音楽の歌曲ですが やさしい英語ですから、歌詞を見ながら劇をイメージして聴くと楽しさ満点です!

◆Higglety Pigglety Pop! は、邦訳『ふふふん へへへん ぽん!』と邦訳の絵本でも紹介されてもいる様です。
ストーリーは、何不自由ない犬のジェニーが「もっといいこときっとある」とご主人の元から旅立つお話です。食べない赤ちゃんとライオンの話、不思議な世界を旅します。実はライオンは…...それは経験を積んでマザーグース劇場に入るため。そして最後には、ご主人に「もう家には帰りません I went away forever」と手紙を出します。エンディングは Higglety-pigglety pop! という劇に出演すると言うお話です。

Jenny役のメゾソプラノ Cynthia Buchan は歌うというよりもシュプレッヒゲザング的なトーキングソングですね。毛むくじゃらの犬なのですが、そう言う感じでもありませんね。現代音楽の歌曲らしさいっぱいなのですが、挿絵(写真)を見ながら歌詞を見ているだけで、あっという間に約一時間が過ぎてしまいます。

◆Where the Wild Things Are は、2010年に映画化されて話題になった事がありますね。
母親に叱られたマックスは、罰として夕食抜きで部屋に閉じ込められてしまいます。暗くなったマックスの部屋は不思議な世界。"かいじゅう"のいる不思議な島へ、船で出かけます。マックスは"かいじゅう"達の目を見据える事が出来たので"かいじゅう"の王様になって楽しく過ごします。でも、家が恋しくなったマックスが部屋に帰ると、そこには温かい夕食が置かれていました。

Max役のソプラノ Lisa Saffer は、可愛い女性の声に感じますね。オケは Higglety....よりも打音の多いインパクトのある展開です。マックスと"かいじゅう"のシーンは、オーケストレーションになり歌は殆どありません。40分程度の短い楽曲ですが、こちらは映像があった方がより楽しめるかもしれません。
Lisa Saffer は、Berg の Lulu などもやっていますね。

Lisa Saffer, Cynthia Buchan, ともに"月に憑かれたピエロ (Schoenberg)"をやっていれば欲しいです。



絵本も素敵です。





テーマ : クラシック
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ランゴーの Symphonies 12-14 を聴く

デンマークの音楽家ルーズ・ランゴー(Rued Langgaard, 1893/7/28 - 1952/7/10)は16の交響曲を作曲しています。以前、4, 5, 6番を紹介しました。

年代的には現代音楽家になりますが、ここでも後期ロマン派の香り漂う標題音楽系の流れを感じられます。この時代としては古く感じられたかもしれませんね。
第12番は"Helsingeborg"と題された一楽章形式の交響曲になります。7分ととても短い楽曲です。
第13番は"Undertro"(Belief In Wonders)、第14番は"Morgenen"(The Morning)と題されて、いずれも四楽章で27, 28分の短かめな作品になります。第14番は合唱が入り、より壮大になります。

個人的には、残念ながら いずれも調性を越える事はなく緩やか壮麗でいかにも上品な後期ロマン派と言った作風です。同じ調性感であっても、北欧らしさのある楽曲なら好みなのですが。

指揮はkokotonPAPAの好きな指揮者の一人、トーマス・ダウスゴー(Thomas Dausgaard)、オケはデンマーク国立放送響による演奏になります。




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ウーノ・クラミの Works for Piano & String を聴く

フィンランドの現代音楽家、ウーノ・クラミ(Uuno Klami、1900/9/20 - 1961/5/29) は、クラミはエルッキ・メラルティン(Erkki Gustaf Melartin)に師事し、後にフランス音楽にも感化されていますね。

フィンランド在住のピアニスト舘野泉さんとオストロボスニア室内管弦楽団(Ostrobothnian Chamber Orchestra) をフィーチャーしたクラミのピアノと室内楽のセットです。
メインは Concerto No. 2 for Piano & Strings, Op. 41 (1950)でしょう。三楽章で、調性範囲の第一楽章から始まる楽曲です。
とは言え、全面的にと言う訳ではありません。調性感はありますが、それでも北欧的現代音楽であり調性の自由度があります。特に緩徐楽章的扱いの第二楽章ではピアノの旋律は無調の響きです。単音の組合せは言われる通りラヴェルを感じさせますね。特にこの楽章が素晴らしいです。
第一・第三楽章は調性感があり リズミカルで鋭い展開ですが、メラルティンに習いフランスに傾倒したと言う感じではありませんね。

Hommage à Haendel, Op. 21 (1931)は四部構成で、特に第一部は幽玄陰的で特徴的です。第二部・第三部では美しさがありますね。その辺りが"ヘンデルへのオマージュ"なのかもしれません。悪くありません。
Four Finnish Folksongs, Op.12 (1930)は短い四つのフィンランド民謡を主体とした楽曲です。穏やかですね。
この二つの初期作品にはラヴェルの影響はなく、メラルティンの楽風を感じます。

指揮はお馴染み、フィンランドのカウスティネン生まれ カンガス(Juha Kangas)になります。



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ベック・ボガート & アピス の ライヴ・イン・ジャパン を聴く

なぜ今更の BBA(Beck Bogert & Appice) Live in JAPAN なのか? って言うと最近 復活してギターを弾くからね。楽しくなって来た。そこで以前はレコードで持ってたこれを久しぶりに買いなおしたって訳。
例によってギターをおもちゃの様に弄ぶ Jeff Beck。ベックのロックギターらしい時代最後の頃の演奏じゃないのかな。変な遊びが多いのもベックらしいよね。
この時代の無骨なロックのギターを味わえる素晴らしさは、やっぱり今聴いても楽しい!

これが発売になったのはkokotonPAPAが大学生の時、個人的にはジャズに好みの主体が変わっていた時期になるかな。古いよねぇ。でもこの時代をリアルタイムで味わえたのは最高だった。E.クラプトンのクリームが中学生、J.ペイジのツェッペリンが中学から高校、武道館のライブに行ったのが高校生だった。その二人に比べるとジェフ・ベックは、ギターを弾く人に人気があった気がするね。
もちろんバンドやってた。自分的に一番の最盛期にドツボだったのは C,S,N & Yのコピーだった。オープンDとかね。
ベックのJeff's Boogie は当時を思い出して弾くね。これはジャムる時に盛り上がるんだ。多少ヘマこいてもOK的なノリだよね。
ちなみにkokotonPAPAのギターのアイドルはMike Bloomfieldだけどね。

この再発盤は、Blu-spec CD2 とか言うリマスターなんだけどマスターテープのドラムが押さえ気味なのかな、少し弱い気がするね。

実はTim Bogert とCarmine Appice も思い出が大きい。所謂(いわゆる)ロックに目覚めた?のはバニラファッジから。小学生の時に土曜日の夜中にアメリカ制作の音楽番組があって、そこでKeep Me Hangin' Onの演奏を見てぶっ飛んだ。それまでクラシック以外はベンチャーズとビートルズ、後はヒットチャートのポップスくらいの音楽しか知らなかったからね。そこに居たのが、その二人。

そうそう、その後TVではBeat Pops、雑誌はMusic Life が海外ポップスやロック情報の定番になるんだ。今考えたらビートポップスは大橋巨泉、オヒョイこと藤村俊二、木崎義二、それにミュージックライフ編集長の星加ルミ子なんかも出てたよね。ウォーカーブラザースなんかも押してたなぁ、懐かし〜ぃ。
いやぁ、長生きしてて良かったw

それに、この歳でエレキギターが最高に楽しくなって来たし。あっ、年取って昔帰りしてる?




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ペッテションの交響曲 第15番 と ルツィカのペッテションのオマージュを聴く

アラン・ペッテション(Gustav Allan Pettersson, 1911/9/19 - 1980/6/20) の交響曲もNos.1,2,3,4,7,12, と紹介してきました。このSymphony No.15は最後からニ番目の交響曲になります。
調性音楽になりますが、脅迫概念の様な展開はペッテションらしさを感じますね。
第一楽章は、ヴァイオリンのシャープな演奏が際立つ緊迫感ある演奏です。管楽器が切迫感を彩りして何かに追い込まれる様な激しい展開です。
第二 第三楽章は、第一楽章に比べると激しさはやや引き、途中 静的なアゴーギクも展開されますが、それでも十分に激しさを感じます。
"chorale"と題された第四楽章で、やや落ち着きを増して来ます。でもそこにあるのは安堵では無く、諦めの様な流れです。
短い最終第五楽章は四楽章の落ち着きのまま、緊迫感を引きずる様に終演します。
全楽章はアタッカで繋がっており、緊張感と脅迫概念の固まりの様な展開に終止して終了します。例によって心休まる部分は待ったくありません。

指揮のルツィカ(Peter Ruzicka)によると、ペッテションが指示する演奏時間の31分は、指定された弦楽パートでは成立しない問題を抱えていると指摘されていますね。このアルバムでは38分の演奏になっています。

もう一曲、指揮者を勤めたルツィカによる「Das Gesegnete, das Verfluchte」が収録されています。無調の4パートの楽曲で、1991年にPettersson requiem とされたルツィカの管弦楽曲です。四つのパートがかなりコンセプトの異なる感じで展開され、第4パートはペッテションに近い楽風を感じます。
具体的に何がペッテションに捧げられたのかは不明です。^^;

ペーテル・ ルツィカ指揮、ベルリン・ドイツ交響楽団の演奏になります。




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ツェートマイヤーで 聴く Verklarte Nacht、最高の一枚

最近よくかけるのは、この2枚ですね。というか、以前からよくかけるCDです。今も一人、家に居るので大きめな音に浸っています。^^
Schoenberg-PelleasMelisande_VerklarteNacht.jpg

下のCD ダーリントン(Jonathan Darlington)によるペレアスとメリザンド(Pelleas & Melisande)は、以前紹介しましたが大好きな一枚です。
そしてもう一人、kokotonPAPAの大好きなヴァイオリニストのトーマス・ツェートマイアー(Thomas Zehetmair)が指揮をとり、音楽監督を任するカメラータ・べルンによる一枚です。

何と言っても表題曲の Verklarte Nacht (浄められた夜) です。なぜかもう一枚もシェーンベルクの初期作品(Op.4とOp.5)です。この二枚に共通するのは、シェーンベルクの初期作品にありがちな甘い後期ロマン派的な演奏でない事かもしれません。
ツェートマイヤーのVerklarte Nachtは、以前紹介したカラヤンのそれなどとはまったく違い、美しさよりも冷徹さです。不安感をも感じさせる その冷(さ)めた流れは最高です。
ツェートマイヤーのヴァイオリンの音色こそ、この解釈と演奏を作り上げていると言っても良いのではないでしょうか。
浄夜は、ストコフスキーの様なものも含めて様々なレコーディングがある訳ですが、これが最も好みです。
唯一の問題は、直訳過ぎて意味不明に感じる日本語訳のライナーノートですが、楽曲に関係ないのでよしとしましょう。

ヴェレシュ(Sandor Veress)の 「4つのトランシルヴァニアの踊り」はハンガリーの民族音楽をベースにしたクールな楽曲で、カメラータ・ベルンの演奏が四楽章のバラエティ豊かな中に冷静な美しさを見せて最高です。Verklarte Nacht からの流れもマッチしています。コンサートで楽しみたい楽曲ですね。
バルトークの影に隠れがちなハンガリーの現代音楽家 ヴェレシュ・シャーンドル(Veress Sándor [ˈvereʃˈʃɑ̈ːndor], 1907/2/1 - 1992/3/4)については、またの機会に。

バルトーク(Bela Bartok)の「弦楽オーケストラのためのディヴェルティメント」についても、同じ様にツェートマイヤーらしい素晴らしい演奏が楽しめますね。

もちろんお薦めの一枚です。



後日記:浄夜を個性派で聴き比べ:アルデッティ、ストコフスキー、マデルナ


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エドゥアルド・トゥビンの交響曲第3番・第8番を聴く

エストニア出身で、後にソ連に追われてスウェーデンに亡命したEduard Tubin (1905/6/18 - 1982/11/17) の交響曲は10番までありますが、前半はロシア国民楽派で後半が調性から脱出した現代音楽になります。
その意味から、このアルバム "Symphony No. 3・Symphony No.8" は両方を聴ける楽しさがありますね。

交響曲第3番は1942年に完成しています。三楽章形式で、一言で言うと退屈かもしれません。叱責覚悟で言うならば、チャイコフスキーを下敷きに北欧っぽい味付けといった感じでしょうか。

交響曲第8番になると、機能和声からの脱却が見られます。短い四楽章で演奏時間は30分にも満たないのですが、楽風は一変して無調となります。3番がイケイケ風なのに対して、懐疑的で冷徹な響きです。楽章間の展開も見通しが良くなっています。無調とは言え、動機的な旋律は残りますので広がりを感じる音楽になります。
この手の音が基本的に好きな人、kokotonPAPAとかw、には好まれますね。好きな一曲です。

以前、Symphony No.5 と Kratt を紹介しましたが、トゥビンの良さは調性を脱却してからです。また紹介すると思います。






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プロフィール

kokotonPAPA

Author:kokotonPAPA
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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。





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