スカルコッタスの Violin Concerto, Largo Sinfonico, 7 Greek Dances を聴く

ニコス・スカルコッタス(Nikos Skalkottas, Nίκος Σκαλκώτας, 1904/3/21 - 1949/9/19) はギリシャの現代音楽家です。ドイツに習い、その一時期はシェーンベルクのクラスでも学んでいます。ベースは無調・十二音技法と、ギリシャ民族主義になります。
ヴァイオリン協奏曲は十二音技法による作品です。1938年の作品で、楽曲の流れが良く 旋律が優先されて構成されて、技法はその手段として使われているのでとても広がりを感じます。vn:Georgios Demertzis
Largo Sinfonico は1944年の作品で十二音技法を使っていますが、一曲目同様に音の羅列にならずに一定の旋律と流れを感じます。第二交響組曲の一部として作られたものになる様ですが、少々長い気がします。
ギリシャ舞曲はスカルコッタスの代表曲で、小曲の集まりになります。ギリシャの舞曲をベースにリズミカルな楽曲で、現代音楽の一つの流れである民族主義の作品です。個性的で素晴らしい曲と後期ロマン派手風な曲が入り交じっていますね。無調ではありません。
北欧系の現代音楽に通じるものを勝手に感じていたのですが、オケがMalmö SOだったんですね。そしてヴァイオリン協奏曲、Largo、ギリシャ舞曲の一部が世界初録音になります。ヴァイオン協奏曲などは、コンサートで取り上げたら楽しみな楽曲になりますね。



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2013年9月28日 大友直人/東京交響楽団、マクミランとホルスト ★

東京交響楽団のマクミラン「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」、そしてホルスト「惑星」のコンサートをサントリーホールで観てきました。
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先日書いた通り、個人的メインはマクミランでした。その時に書いた通りで、やはり宗教曲は聴く方にも要求されるものがあると再確認しました。一曲目ではコーラスもまとまりに欠け、オケ(弦楽)とのバランスも合わずに、どうなる事かと思いました。でもその後はそれなりだったと思います。これ以上のコメントは事前と変わりませんね。

惑星は大編成のオケになりますが、それが逆に働いた気がします。やや締まりが無い感じがしました。その為に大音響の火星、木星、天王星は迫力よりもうるさい気がしてしまいました。また、金星や海王星は冷たく静な気配が好きなのですが、やや暑苦しい感じがしました。でも破綻をきたした楽器があった訳ではないので指揮者 大友直人さんの解釈なのでしょう。聴く方の好みによって分かれるのかもしれませんね。

残念ですが、終了直後に帰宅の途に着きました。



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マクミランの Symphony No.3 'silence', Confession of Isobel Gowdie を聴く

スコットランドの現代音楽家ジェームズ・マクミラン(James MacMillan, (1959/6/16 - ) は、作曲を Rita McAllister, John Casken に師事した現在イギリスを代表する作曲家、指揮者です。敬虔なカトリック教徒で、宗教曲も多数書いているのは昨日書いたばかりですね。

Confession of Isobel Gowdie は Bill Colleran に献呈された無調の管弦楽曲です。中盤に繰り広げられる弦・管・打 による展開は最高にスリリングです。もちろん調性は無いのですが、旋律は確保されて楽曲に明確な流れが存在しています。多様性、現在多く使われている発展性のある自由な調性、の音楽でしょうね。広がり感は素晴らしいものがあります。
二曲目のSymphony No.3 'silence' は、遠藤周作の「沈黙」を元に(memoriam)にした交響曲で、マクミランがN響と共演した時からすでに印象が出来ていたそうです。出だしから和楽をイメージさせる和声を使ってきます。このモードですから西洋音楽に慣れた耳にはかなりの不協和音の旋律に感じるでしょうね。全体を支配する和声は10分には消えて、部分的な旋律になります。20分からはマクミランらしい打楽器を積極的に生かしたポリフォニーな音の渦が現れますね。そして終盤に向けて再び極東的和声(とあります)が展開され、和楽で静かに終わります。マクミランは禅の瞑想"無"をイメージしたようですが、そこを読まなくても楽曲は素晴らしいです。ちなみにこれが世界初録音盤になります。



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マクミランの Seven Last Words from the Cross を聴く

9月28日(土)コンサートに行く予定なので聴いていますが、現代音楽家マクミラン(James MacMillan, 1959/7/16 - )の教会音楽をまたも取り上げるとは驚きです。モーツァルトのレクイエムとの様に一般的に楽曲として存在しているとも思えませんし、マクミランを知っているオーディエンスにこの曲がそれほど好まれているとは思えません。
この曲の日本初演は1998年、同じく大友指揮東響ですね。よほど思い入れがあるのでしょう。メインのホルスト(Gustav Holst, 1874/9/21 - 1934/5/25)「惑星」とは同じイギリスの作曲家繋がり?、東響のコーラスを両曲で使えるから?、理由はわかりませんが、隔たりが大きすぎます。マクミランには宗教音楽以外に素晴らしい曲があるのに不思議です。

一部演奏は調性の薄さを感じさせてくれます。それ以外は「十字架上のキリストの最後の7つの言葉」をモチーフにした七つの曲構成の宗教曲です。
当日はニ曲目や四曲目、六曲目の様なマクミランの現代音楽風な演奏パートがどう展開されるのかを聴きに行きます。マクミランの楽曲が取り上げられる事はあまり多くはないので行くしかありませんね。^^ゞ
残念ながらキリスト教徒ではないので、この言葉の持つ宗教的意味を汲み取れませし教会音楽の音の響きにも興味はありません。

CDでは続く On The Annunciation Of The Blessed Virgin, Te Deum も題名の通りに聖歌になります。マクミランが好きなのでCDを所有していますが、それ以上でもそれ以下でもありませんね。宗教曲マニア?もちろん違います。ヾ^^;




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2013年9月20日 イブラギモヴァ & ティベルギアンのベートーヴェン・ヴァイオリン・ソナタ演奏会 ★☆

銀座・王子ホールでのコンサートです。演奏曲目は発売済みのCDが元になっているので事前に聴いて感覚は掴んでおきました。

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その際に印象を書きましたが、その予想通りとは行きませんでした。と言うのはイブラギモヴァ(Alina Ibragimova)の演奏が思いのほか情熱的に感じた事でしょうか。演奏スタイルもクールなイメージとは違いました。ちょっと猫背に上体を前に倒す様にポーズをとるときはヒョウの様なイメージでしたね。
一方、ティベルギアン(Cedric Tiberghien)のピアノはヴァイオリンの引き立て役に廻っていたので個性はわかりませんが、フォルテを強調したり よりメリハリを感じました。

まずは1曲目のViolin Sonata 第6番(Op.30-1)ですが、明らかにCDよりも良かったですね。感情がこもっていました。曲調的には辛いですが。
2曲目のViolin Sonata 第3番(Op.12-3)が一番期待していた曲になります。しかしこれが全く逆で、今ひとつの出来。クールに渡り合うのが良かった感じなのですが、ミニチュア・クロイツェルの様になってどっちつかずかなぁ。
3曲目のお馴染み第9番クロイツェル(Op.47)は激情的な演奏でした。これはCDとはかなり違う演奏に観えました。この曲ではありげな事とは言え、ヴァイオリンの弓の毛(馬の尾っぽ)はちぎれるし。ディナーミクも効いていました。
じゃ凄いか?と言われると、実は演奏を観ないで聴くだけなら それほどの違いはないのかなぁ..っていう感じかもしれません。もちろん今日の演奏の方がCDより良いのは間違いないのですが、CDは録音の問題もあるので一概には言えませんね。クロイツェルなどはあの曲が持つパワーの結果とも言えそうです。
アンコールで"春"の第二楽章をやってくれたのですが、クロイツェルの後であの曲は盛り上がりが冷めますね。

今年観たヴァイオリニストなら、クロイツェルやっぱり樫本大進の方が良かったし、ブルーのヴァイオリンで淡々とした中に超絶的な演奏を見せたシュポルツルには及ばない。結局そこの辺りはCDを事前チェックした際と変わりません。
う〜ん、やっぱりベートーヴェンでイブラギモヴァを聴いても好きな部分が出ないかなぁ。ベートーヴェンは難しいです。^^ゞ

今日は観客の一人が大声出して迷惑かけてました。kokotonPAPAの席の3列前(写真では2列前で、写っていません)、団塊世代のおじさんでした。周囲の人から何か言われるたびに逆上、困ったもんですね。

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ダニエル・ベルツの Sinfonia No.1 他を聴く

スウェーデンの現代音楽家 Daniel Börtz (1943/8/8 - ) は Hilding Rosenberg, Karl-Birger Blomdahl それに Ingvar Lidholmに作曲を師事していますね。お馴染みの顔ぶれです。この時点で無調である事が既に明確です。オペラが有名な様ですが。
構成は特徴があります。弦楽による静音パート、そして管楽による強調パート、一部に明確な調性を残す。といったパターンですね。

Sinfonia No.1 は極端な静音パートを中心に構成されています。殆ど無音じゃないかと思うほどの虚無なサウンドと時折現れる構造物的管楽の世界です。僅かなエンディングには調性がありE-majorで集束します。
Strindberg Suite も基本は同じです。線の細い薄い音を中心にしています。そして管楽器の構造物的出現です。ピアノのインパクトが印象的です。第三楽章は入りが交響的弦楽曲らしい感じが残され、独特な弦楽の流れが感じられとても面白い展開です。最終楽章はインパクトのある展開で、コーダは調性があります。
Sinfonia No.7 は前半に構造的な音の流れがあります。何か題を付ければ標題音楽になりそうです。でも中盤以降はお馴染みの展開ですね。若干音数は増えて、流れは打音的になるのが残念ですが。こうなると何かの効果音の様に感じてしまいます。
Parodos は制作年が不明ですが、多分この中では一番新しいでしょう。入りからは音の洪水傾向になります。そして打音・パルス的な様相が強く感じます。弦楽だけ聴くとトレモロが圧倒しミニマル要素も感じます。そして短くなった静音パートへ。なんとなく特徴が薄くなった様な...

個人的には初期作品の方が好きかもしれません。冷徹な静音パートは北欧の原野のイメージがありますね。それにしても不思議なのは組曲は4部構成。シンフォニーにしないでシンフォニア(一楽章構成)。なんで交響曲にしないのでしょう。(Symphonyの作品はありません)
ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団、指揮ゲンナジー・ロジェストヴェンスキー!!です。




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カレヴィ・アホの Chamber Symphonies Nos 1-3 を聴く

何回となく紹介をしているアホ(Kalevi Aho, 1949/3/9 - )ですが、今回は室内交響曲全集になります。まだ第4番が出てくる可能性があるので最終的には全集とは言えませんが現在出ている三曲がこれ一枚で楽しめます。
第1番はポリフォニー&対位法の展開です。第2番は細く切れ上がるヴァイオリンがキーでしょうね. 実にスリリングで弦楽器の戦いの様な〆になります。この2番と3番は十二音技法からの展開の音の流れですね。調性感があります。
第3番にはAltoSaxが加わります。1番2番の流れを汲む弦楽曲の第一楽章を終えて、第二楽章から登場すると楽風が一変します。アルトのイメージよりかなり広い音域を吹く感じです。表現の幅がぐっと広がり面白いですね。カデンツァがあるとコンサートでは楽しそうです。何か楽器を加えて協奏曲風に仕上げるのが得意なアホらしい楽曲です。




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ラングストレムの Complete Symphonies を聴く

スウェーデンの作曲家テューレ・ラングストレム(Ture Rangström, 1884/11/30 - 1947/5/11) の交響曲集ですね。
年代的には昨日紹介したフィンランドのメラルティンと同じ様に20世紀前半の現代音楽に推移する作曲家、指揮者になります。と言う事はkokotonPAPAの興味の対象です。(笑) そして、古さは感じますが好きな北欧系作曲家の一人になります。

交響曲第1番は、Pfitznerに師事したドイツのロマン派色が濃厚ですが、その中に北欧の情景の伝わる楽曲です。嬰ハ短調、珍しいですね、の調性表記がある通り叙情的な展開です。短調的重厚さは悪くありませんが、この曲だけが少々異質です。コーダは締まれば、コンサート向きですね。
交響曲第2番は、三楽章構成でニ短調になります。1番から変化して見通しの良さがあり、暗さよりも冷たい感じがします。曲の展開にもバリエーションが増えて第二楽章ではアンダンテとスケルツォの対比が面白いです。ここではコーダをしっかりと纏めています。
交響曲第3番は、変ニ長調で一楽章形式になります。北欧らしい雄大さを感じられます。シベリウスやニールセン的な流れを感じます。そこに流れる沈んだ気配は其処彼処に残されていますが、少々構成が緩い気がします。
交響曲第4番からは調性表記が無くなります。五楽章形式で多少回帰傾向を感じる重厚感でスタートです。しかしその展開の中に僅かに、第三楽章Alla toccata以降の一部、調性からの離脱を試す音を感じます。また旋律もそれまでとは違いますね。これが最後の交響曲になったのが惜しまれます。

例によってcpoレーベルの全集ものは、既発のCDをセットにして価格を下げてくれるのでとてもお買い得感がありますね。
明確に旋律が残るので違和感は全くありません。お薦めです ^^v




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メラルティンの The Six Symphonies を聴く

フィンランドの現代音楽家 エルッキ・メラルティン(Erkki Gustaf Melartin, 1875/2/7 - 1937/2/14) は交響曲を6曲作っていますが、年代により所謂(いわゆる)現代音楽への傾倒がはっきりとしていきます。これは19世紀後半に生まれ、20世紀前半に作曲活動のメインとなった音楽家に見られる一つのパターンですね。気がつけばこの年代の作曲家のストックが多い様です。^^;

交響曲第1番Op.30 (1902年)は、古典やロマン派的でノルディックの作曲家らしい情景を感じる作品です。それ以上でもそれ以下でもないかな。
交響曲第2番Op.なし (1904年)は、minorな曲になります。この曲から陰的美しさを感じる様になります。既存の調性の中でのこの気配が北欧の楽曲の一つのケースになる気がしますね。
交響曲第3番Op.40 (1906年)も、調性はF-majorとあるものの旋律が暗く後期ロマン派的な楽風になっているようです。処々で勇壮な旋律が現れ調性は長調の曲なのですがなぜか陰的美しさを感じます。全体としてはどっちつかずの気配かもしれません。
交響曲第4番Op.80 (1912年)には「Summer Symphony」と表題が付いている通り雄大な自然を感じさせてくれます。ちなみにこの楽曲から調性の表記がなくなります。第一楽章の終盤では、いきなり転調して明るさを一気に消し去ります。第三楽章アンダンテではヴォカリーズ (Vocalise)が入り自然の美しさをたたえます。Leevi Madetojaによると「...その自然は、木陰でうたた寝ををする女性の森で、桜の花を咲かせナナカマドは甘い香りを放ち....」と叙情的な表現をしている様ですが、歌詞のないヴォカリーズでとてもそこまで嗅覚がありませんね。(笑)
交響曲第5番Op.90 (1916年)にも「Sinfonia Brevis」と表題があります。調性は残されていますが、楽章毎に異なります。全体的には判然としない感じで少々物足りない感じが拭えません。次の第6番への習作なのかもしれません。
交響曲第6番Op100 (1925年)では第一楽章の入りから変化が見られ、ここへ来て完全に作風が変化します。調性感がとても薄くなりますね。無調とは行きませんから、旋律は明白に残ります。この展開が、北欧系の現代音楽の楽しさの一つですね。調性の枠では表現できない広がりが感じられます。優しさが残るのはメラルティンらしさでしょうね。



ヴァイオリン協奏曲・他は以前紹介していますね。


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「飛良泉 山廃純米 ひやおろし」と「佐久の花 秋の純米吟醸」

いよいよ「ひやおろし」のシーズンですね。この春搾られた新酒が火入れ一回、一夏過ごして届く楽しいシーズンです。今シーズン初の「ひやおろし」二種です。

◆飛良泉(ひらいずみ) 山廃純米 ひやおろし
 秋田県 にかほ市 飛良泉本舗
秋のお酒のシーズンに相応しい濃いめのお酒が増えてきました。これも適度な辛口のしっかりとした味わいが楽しめますよ。秋の夜長にゆったりと味わいたいお酒です。
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◆佐久の花 秋の純米吟醸
 長野県 佐久市 佐久の花酒造
長野県産ひとごこち酒米を使った 文字通りの秋のお酒ですね。こちらも濃いめながら甘口の口当たりで、佐久の花らしい味わいが楽しめます。このラベルって、去年もあったのでしょうかねぇ。知りませんでした。
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1.このblogで言う現代音楽
2.マーラー交響曲第5番 160CD
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