エルンスト・クルシェネクの Symphony No 3 と Potpourri を聴く

昨日に続いて Ernst Krenek (1900/8/23 - 1991/12/22) で交響曲第3番とオーケストラのためのポプリです。
交響曲第3番は第1番の翌年に完成しています。良く言われるのは同年に作られた第2番との対比(それにつていは後日)。そしてその通り、かなり洗練されたアプローチに感じられます。
三楽章構成で、第一楽章が約24分で最も長いアンダンテ、ゆっくりと盛上げて行き最後はpppで締めくくられます。第二楽章が約9分のアダージョで基本的に一楽章と似ている展開、第三楽章が約10分半のアレグレット。全体として調性感は緩く所々でメロディーラインが残るので曲は聴き易いですが、楽曲としてはやや締りのない物足りなさを感じますね。
また、オーケストラのためのポプリ(Potpourri, Op.54)は1927年につくられた分かり易い楽曲。いろいろなミュージカルをごちゃまぜにした様な、といわれるのがまさにピッタリ。なぜこれを作ったのか不明? (笑)

演奏はこれも浮ヶ谷 孝夫指揮、ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団です。演奏のレベルは高いですね。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

エルンスト・クルシェネクの Symphonies 1 and 5 を聴く

クルシェネク(Ernst Krenek, 1900/8/23 - 1991/12/22 クシェネク、クジェネクなどとも書かれる) と言うと以前も書いたがナチス時代に退廃音楽家というジャンルに入れられている。ウイーン生まれの現代音楽家だが作風の変化が大きく、Symphonies 1 and 5 は交響曲第1番は後期ロマン派的時代と言われ、交響曲第5番は現代音楽の時代となる。

とは言え、一番も1920年代の作品らしく調性感は薄く好きな楽曲。9章からなる30分ほどの作品で切れ味の良い弦楽と華やかな管楽の組合せで構成される壮大な交響曲。展開もテンポが良い。楽章間の切れ目は無く続けて演奏される。
五番は後期の作品でナンバーのふられた最後の交響曲になる。5楽章で22分と短い曲が並ぶのは同じ傾向になる。このCDだけ聴けば、曲調は似ていて時代間で言われるほどの極端な変化が感じられない事になるのだが。
五番の方が緩急の出し入れがあり展開に情感が感じられて良い。
指揮は浮ヶ谷孝夫、Radio-Philharmonie Hannover des NDRによる演奏。
kokotonPAPAの所有は1CD盤だが、今なら1〜5番がセットになった4CDsetがある。これは個別に出された4枚の交響曲CDが全てそのままにセットになっている超お買い得セット。2012年に出たのですが、すぐに無くなりそう。kokotonPAPAも問題の4番を所有していなかったのと、浮ヶ谷指揮の2番がないので買いました。お勧め!


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カール=ビリエル・ブロムダールの The Symphonies を聴く

スウェーデンを代表する現代音楽家のブロムダール(Karl-Birger Blomdahl, 1916/10/19 – 1968/6/14)の交響曲1-3番がセーゲルスタム指揮Swedish Radio SOで聴ける。お馴染みBISレーベル。
楽曲は後期ロマン派的風合いながら調性は薄く良い展開です。後期では十二音技法の作品になります。そもそもは16世紀の歌曲やバロックを研鑽してから現代音楽に傾倒したからでしょうか。
交響曲第一番は第二次大戦中の作品ですが、陰惨と言うよりも叙情性の高い楽曲です。調性は記されていませんが三楽章からなるソナタ形式で書かれています。対位法的な風合いが強く、調性は不安定です。でもそのくらいの感じがとても美しい気配を感じさせてくれます。古典と現代音楽がうまく整合している素晴らしい作品です。

第二番はより調性が薄くなります。一楽章は対位法的展開で力強く、二楽章はアダージョの様な流れ、そして三楽章で再び一楽章と同じ展開に戻ります。フーガ的要素も強めでスリリングです。親交のあったヒンデミットとの協調路線かもしれません。

第三番は一楽章形式になり、Facetsのサブタイトルで最も有名な作品でしょう。十二音技法による作品ですがシェーンベルクの提唱した十二音技法を元にはしていないと語っている様です。途中のチェロを聴くと典型的な十二音技法に聴こえます。曲想の展開は似ていて、力強く、そして流麗に、またスリリングに流れます。最後は消え入る様に。
セーゲルスタムはこの手の指揮では本当に実力を発揮しますね。お勧めの一枚です!



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M.T.トーマス/LSOでラヴェルの「ボレロ・スペイン狂詩曲」を聴く

ラヴェル(Maurice Ravel, 1875/3/7 - 1937/12/28) のこのCDはボレロで知られていると思いますが、好きなのはスペイン狂詩曲(Rhapsodie Espagnole)ですね。第一楽章 Prélude à la nuit ”夜への前奏曲” の主題(F-E-D-Cis)が第三楽章以外には繰り返し用いられている事が特徴的で、特に第一楽章には全編に使われてモットーテーマの様です。
また第一楽章にはクラリネットとファゴットのカデンツァが採用されています。完全な独奏ではないのでわかりずらいですが。通して この楽章がとにかく印象的ですね。
面白い処は第三楽章のハバネラ(Habanera)。ご存知の通りこの曲だけはピアノ曲として既に存在していて、それを管弦楽化して四楽章のスペイン狂詩曲が作られたのですが、そのピアノ曲をArthur Hoereeによる管弦楽化とソプラノサックスで演奏した楽曲が次にHabaneraとして入っています。これも興味深いですね。(個人的には、そちらよりも第三楽章の方が好きですが)
全体はラヴェルらしい静的で透明感と幻想的な旋律と間が実に美しい演奏になっています。そして第二第四楽章では躍動感が現れ、そのメリハリ感のバランスが良いですね。
ボレロとの組合せとしてよくカップリングされているので数はあるわけですが、今回はお気に入りの一つ M.T.Thomas, London SO による演奏です。

ボレロは思い出があります。高校生の頃にボレロのレコードを購入したらライナーノートに「この様な俗世化した曲をクラシックと呼んで良いか.....」の様な件が書かれていました。なんと狭い了見なんだろう。それ以来クラシックの論評は見ないです。今の時代、大先生の評論がなくても情報はいたる処から自分の必要とするものが入手出来ます。
それに 大切なのは自分がどう思うか?!ですからね。「他人の意見に左右されない」「古い世界に浸らない」と言う良い勉強を若い時にしたわけです。^^v





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ストラヴィンスキーの「春の祭典 (for 2 Pianos)」をアシュケナージとガブリーロフで聴く

ストラヴィンスキー(Igor Fyodorovitch Stravinsky、1882/6/17 - 1971/4/6)の 春祭2Piano4Hands を重鎮アシュケナージ(Vladimir Ashkenazy)と気鋭のガヴリーロフ(Andrei Gavrilov)が弾いています。

1曲目のScherzo a la russeは短いけど楽しい曲。本来楽しいテーマでは無いのですが、曲調がいいですよね。ピアノは右がアシュケナージ、左がガブリーロフの様ですが、その個性を明確に判別する事はできません。ガブリーロフはショパンのEtudesなんかではかなり速く弾くのはわかっているのですけどね。(Etudes Op.10のNo.4とか)
Concerto for 2 pianosは絡み合う様なピアノが楽しめます。打鍵の強弱も適度にありますが、それがPianoDuo演奏の熱演を呼ぶほどでもない感じです。Sonata for 2 pianos は端正なソナタで、流麗に終始する感じ。
メインの春の祭典(Le Sacre de Printemps)がやっぱり一番楽しいですね。Ritual of the Rival Tribes あたりから楽しいのですが、もっとペースを乱すぐらいの興奮が欲しい気もしますね。全てが二人の計算範囲内の感じしちゃいます。残念ながらオーケストラ版を上回る様な楽しさは見いだせませんでした。
ピアノの連弾と言うと、どうしてもアルゲリッチが浮かんでしまいますが、同じストラヴィンスキーだとルガーノ2010年の「火の鳥」は素晴らしかったですね。




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シマノフスキのSymphonies Nos 1 & 2 を Gergiev と Stryja で聴く

kokotonPAPAの好きな作曲家の一人 Karol Szymanowski (1882/10/6 - 1937/3/29)。その交響曲の一番と二番をゲルギエフ(Valery Gergiev)で聴けるのは嬉しい。入手しながらなかなか聴けなかったので今日はゆっくりと聴きました。

この二曲はまだ調性を残している時代の作品で、二番は有名。一番は珍しい気がします。私もKarol Stryjaしか持っていません。
一番はMax Regerの影響を取りざたされますが、シマノフスキらしからぬ壮大な楽曲です。ゲルギエフ&LSOらしい雄大な演奏は素晴らしいと言っていいでしょうね。近現代の交響曲を思わせてくれる素晴らしさを感じます。
二番はシマノフスキらしい繊細さが現れる代表作の一つ。特にヴァイオリンでその表現が顕著ですね。ここでも流石はゲルギエフらしい繊細かつ大胆な解釈が明瞭です。生のゲルギエフの演奏で”当り”に出会った事が無いのですが、この演奏会にいたら素晴らしかったでしょうね。
細かい事は不要なくらい、最近入手した新譜では最高の一枚ですね。




そしてせっかくなので、シマノフスキと同じポーランド人指揮者ストリージャ(Karol Stryja, ストリアとも表記)の方も聴いてみました。オケもポーランド国立カトヴィツェ・フィルハーモニー管弦楽団です。今はナクソスから再発売になっているんですね。kokotonPAPA所有はシマノフスキの肖像画がが使われているマルコポーロ盤ですね。古い...(笑)
こちらも楽曲通りのスケールの大きさを感じられて素晴らしいです。聴き較べても問題の一番は然程の落差はありません。記憶通りの迫力です。これをより繊細かつ大胆にしたのがゲルギエフでしょう。解釈自体に奇異はありません。
二番はゲルギエフLSOの方がより繊細さがあって良い感じがします。こちらは爆演強調系かもしれません。



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ミリイ・バラキレフの「ピアノ曲集」をアレクサンダー・パレイで聴く

ミリイ・バラキレフ(Mily Balakirev, 1837/1/2 - 1910/5/29)はロシアの国民楽派でピアノ曲が有名で、ヴィルトゥオーゾのピアニストでもありましたね。その代表曲のイスラメイ(Islamey)が入っている本盤はピアノ・ソナタも聴けるので楽しいです。
でもイスラメイと並んで有名なのはロシア5人組の一人言う事かもしれませんね。

ピアノ独奏曲は当然難曲系でロシア民族音楽を元としたロマン派の色合いが濃く感じられます。一曲目のイスラメイはロシア国民楽派らしい楽曲ですがピアノの難曲の一つ。ソナタ形式で書かれており展開も明確なので聴き易く、初演はルービンシュタインになります。管弦楽曲の方が有名でしょうが、それは弟子のセルゲイ・リャプノフ(Sergey Lyapunov)による編曲版ですね。
一曲目が良いので後はどうかと思う感じもありますが、ピアノ独奏曲としては楽しめます。2曲目Fant On Themes From Glinka's や、3曲目Fantasiestuckは楽しいですね。
2枚目のソナタのセットは代表曲のソナタ(Piano Sonata in B flat minor)が聴けますが、Op.5のソナタNo.1も悪くありません。Esquissesは特徴が薄く、Esquissesというとどうしてもアルカンの方を思い出しますね。ソナタは幻想的な1楽章から始まり、あまり濃くないマズルカの2楽章、間奏曲の3楽章、超絶曲と言うよりもシンプル音を使った曲構成です。Finale最終楽章は民族音楽色の残るバラキレフらしい超絶技巧系に戻って締めくくられます。

アレクサンダー・パレイ (Alexander Paley)はスクリャービンのEtudesでも書きましたが旧ソ連モルドヴァ生まれ米在住のピアニスト。少々切れ味が弱いかもしれません。
本2枚組はパレイのバレキレフPiano Works集の1, 2集にあたり、全CDsetがBrilliantから、KOCHからは分割で出ている様です。





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ジークムント・フォン・ハウゼッガーの「自然交響曲, Natursymphonie」を聴く

オーストリアの指揮者、作曲家のジークムント・フォン・ハウゼッガー(Siegmund von Hausegger, 1872/8/16 - 1948/10/10)の大作:自然交響曲(Natursymphonie)です。
ハウゼッガーというとブルックナーの9番の指揮、ワグネリズム、といった言葉が浮かぶでしょうか。
ホルンの響きで始まる第1楽章は、暗く清なる世界から明るい開けた世界へと繋がる様に展開されます。マーラーより12歳下のほぼ同年代。それにしてはワグナー色が強いかな。舞台風景が見える様な曲風です。第2楽章(19'強)は展開が緩く、長く感じます。シェルヘンが指揮したらカットされそうです。(笑)
第3楽章はそれまでの陰鬱的なイメージから動的な展開を見せます。そして切れ目無く続く第4楽章は合唱から入ります。歌詞はゲーテの詩が使われています。この楽章だけが締まって感じられます。最後の5分はマーラーの第2番の様に成就するとありますね。
アリ・ラシライネン(Ari Rasilainen)指揮、ケルン西ドイツ放送響(WDR SO Köln) 同合唱団で評判を博した作品です。残念ですが、私も本作品しか知りません。コンサートでやるには勇気が要る大編成交響曲です。




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Tomas Marco の '900 Musica を聴く

先日紹介したトマス・マルコ(Tomás Marco Aragón, 1942/9/12 - ) の現代音楽をもう一枚。
'900 Musica は室内楽曲で構成されているアルバムになります。Quinteto Filarmonico はハープをフューチャーして、管楽器はフルートが絡みます。もちろん無調です。楽器同士の会話の様な流れ、でも劇的な展開は無く少々平坦で退屈かな。終盤で調性を取り戻す様な展開になります。この無調と調性感を組合わせるのはパターンですね。
途切れ目無く、2曲目の Memoria Deshabitada に入ります。弦楽器の緩いグリッサンドを並べるこの方が面白いです。しかしこの曲だけで30分以上あります。そうなると退屈。
3曲目のSettecento はピアノとホルンが入って来て面白くなり、展開も早いです。最後のCuatro Cartas もピアノが入り楽しめますね。全体として少々 つかみどころ が無い感じは否めないですが。
作品としては全開紹介したString Quartets (Arditti Quartet) の方が面白いですね。
例によって現在入手困難になっている様です。(Towerならリストされている様です)

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2013年6月5日 ユーリ・バシュメット&モスクワ・ソロイスツ合奏団with樫本大進 ★☆

今宵のコンサートはオペラシティ。ここのコンサートは近いので助かるね。
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屈指のヴィオラ奏者であるYuri Bashumetを観られるのはやっぱり嬉しい。アルバムStyxは個人的なベストアルバムの一つだ。
しかし自分の好みの曲でもないのに行ったのが災いした。去年、行けなかったからね。
聴きたかったのはバシュメットが指揮者で演奏する現代音楽、一曲目のシュニトケ。シューベルトやモーツァルトは鬼門。(笑)

バシュメット編によるシュニトケのTrio-sonata for Chamber Orchestraは素晴らしかった。この豪快な曲を乱れる事なく演奏するモスクワ・ソロイスツ。第一ヴァイオリン5人、第二ヴァイオリン5人、ヴィオラ5人、チェロ3人、コントラバス1人の編成。一カ所、チェロがフライングしたくらい。期待に違わぬ素晴らしさ。現代音楽と言っても無調でもなく、聴き易いと思うのだがオーディエンスの反応はボチボチ。これが現実だなぁ。

二曲目、Kluge-Balashov編によるシューベルトのSonata "Arpeggione"。これは全く好みでない曲。不安的中。バシュメットのヴィオラによる協奏曲風な曲なのだが、まったく良さがわからない。演奏がどうのこうのでなく、この曲が全く嗜好に合わないから何とも言えないのだ。

樫本大進が入るモーツァルトのSinfonia Concertante in E-flat Major, K.364も同じ。二曲目よりは聴けたが同様。バシュメットと樫本大進のカデンツァもスリルがない。唯一の救いは樫本大進のしなやかな野獣の様なヴァイオリン。モスクワ・ソロイスツはホルン2人とオーボエ2人が入る。こういう編成での樫本大進は生き生きとしている。

皇太子殿下がご列席。kokotonPAPA以外は二三曲目は大喝采だった。
しかしバシュメットも歳を取った。演奏終了とともにアンコールを待たずにホールを出た。


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kokotonPAPA

Author:kokotonPAPA
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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。





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