オペラ:カウフマンのローエングリン、'12/'13ミラノ・スカラ座開幕公演

ゴールデンウィークはオペラ。録画していた'12/'13ミラノ・スカラ座開幕公演、'12年12月7日のカウフマンのローエングリンを今日観た。^^;
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現在最高のローエングリンのタイトルロール、カウフマンのヘルデンテノール。クラウス・グートの演出は好みではない。そのくらいの感じでしょう。それほどのローエングリンとも思えませんでした。オルトルートに期待するのがこの作品だけど、エヴェリン・ヘルリツィウスは少々薹が立ち過ぎ。悪役っぽさも不足。
ローエングリンはもう少しカウンターテノールっぽい方が好き。カウフマンは良いのですが、テノールとしてはやや低めな気がします。
ローエングリンの様に最も良く見るオペラの一つになると、好きなパターンが決まって来るので先入観が勝ちます。と言う事でキャスティング等の細かい事は飛ばして... ヾ^^;
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スタートシーンが特徴的。オルトルートが手にした靴から水を流しだす。これはゴッドフリード王子をエルザが水死させた濡れ衣のイメージなのでしょう。そして、その後も幼少時代のエルザとゴッドフリードと、白鳥になったゴッドフリードが印象的に出てくる。
第三幕のエルザがローエングリンの素性を迫るシーンではなぜか沼。後は、やたらと舞台で崩れる様に倒れるシーンが多い。一番納得しずらいのがローエングリンがオドオドしている事。そして一人だけ裸足。(第二幕の途中まで) とにかく聖杯グラールの騎士とはほど遠い。そもそもローエングリンは、あの無知で無垢なパルジファルの息子のはず。
バイロイト歌劇場のネズミの国といい、バイエルン歌劇場の家を建てるのといい、最近の演出は奇を衒った様な傾向が強くてつまらない。正統な騎士道的な観点が合うと思うんだけどなぁ。オペラは演出がかなりの比重を締めるだけに、個人的にはつらいね。

バレンボイム指揮だけど オペラの場合、演奏は前奏曲くらいしか印象に残らない。本人の満足度は高かったようだから良い演奏だったのでしょうね。
しかしヨナス・カウフマンは、以前来日が中止になったのは残念だったね、チケット高額だったのに。^^;

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

セーゲルスタムの Symphony No.17 を聴く

フィンランド続き、レイフ・セーゲルスタム(Leif Segerstam、1944/3/2 - )は指揮者で作曲家の現代音楽家。 指揮者としては読響のゲストコンダクターとして、今年1月にマーラーの5番を聴いて来たばかり。

本作品は多作の交響曲(260曲以上?!)の中の第17番になる。もちろん無調。北欧の作曲家というと、その風景を想像させる様な冷たく雄大な曲想かと思われるかもしれないが調性の無い世界になる。そこが少しアホ(Kalevi Aho)とは異なる。
一楽章構成で、弦楽器管楽器ともに流れる様な幽玄な音に包まれており前半には打音的な展開は無い。そして前半は無調らしくアゴーギク、ディナーミクともに薄く好きな展開。時折鳥の囀りが入る、もちろん演奏だが。前半と後半に分かれており、後半は若干調性を取り戻す様なところや打楽器を含めたメリハリある流れ。ピアノが主体となるセーゲルスタムらしく取り込まれている。エンディングは消え入る様に終熄する。
ちなみに本人がつける作品番号?Orchestral Diary Sheet No.49 になる。
演奏はデンマーク国立放送交響楽団(Danish National Radio Symphony Orchestra)、指揮は本人セーゲルスタム。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

カレヴィ・アホの 交響曲1番・沈黙・ヴァイオリン協奏曲 を聴く

以前も紹介したkokotonPAPAのご贔屓(ひいき) フィンランドの現代音楽家 Kalevi Aho (1949/3/9 - ) の Symphony No.1 と Hiljaisuus, Violin concerto です。
交響曲第1番は学生時代の作品ながら、北欧の雄大さを感じられますね。この時代はまだ現代音楽的アプローチはなく、シベリウス的新古典風合いです。四楽章構成で30分弱の演奏は、冷たい空気を感じさせられます。
交響曲とはいえ、実際にはヴァイオリンソロが絡み協奏曲に近い楽曲ですね。曲調はシベリウス的ですが、ところどころで 明らかにショスタコーヴィチのフレーズを聴く事ができますね。澄んだ空気とショスタコ、こういうアプローチもあるんですね。ただ、コーダのドラはどうでしょうかねぇ。
Hiljaisuus"沈黙" は一転して12音技法による現代音楽になります。表題の通りの表現をする短い楽曲になります。この辺がアホの作品らしい感じですね。
ヴァイオリン協奏曲は三楽章構成で、Hiljaisuusと同年代の作品。これは素晴らしいです。調性は薄く、シマノフスキを思わせる様な幽玄で切れる様なヴァイオリンが支配します。アホらしいのは、打楽器の響きがスケールの大きさを見せ、管楽器が空気の流れを表現するといった感じ。
演奏はお馴染みヴァンスカ(Osmo Vänskä)とラハティ(Lahti)SO、ヴァイオリンはグレイスビーク(Manfred Gräsbeek)です。ヴァイオリン協奏曲における Gräsbeek の演奏は細く冷たく切れる様な素晴らしい演奏です。

購入は中古を探すしか無い様です。米amazonなら購入可能です。^^v

Kalevi Aho Symphony No.1

テーマ : クラシック
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ドゥシークのピアノソナタを Markus Becker で聴く

ヤン・ラディスラフ・ドゥシーク (Johann Ladislaus Dussek、1760/2/12 - 1812/3/20) は、モーツァルトやベートーベンと同年代のボヘミア(チェコ)人ピアニスト・作曲家。
と言うとkokotonPAPA的には興味の薄い古典派の世界。実は当時としては異端になるロマン派の香りの曲を作り上げた。そう言う意味ではイノベーターです。

34のピアノソナタを作曲していますが、代表作はOp.61 Elégie harmonique でしょう。このCDには初期のOp.9と晩年のOp.77の2曲が納められています。ピアノはマルクス・ベッガー(Markus Becker)。
ピアノソナタOp.77"祈り"は、四楽章形式です。まぁkokotonPAPAの駄耳にはやっぱり古典派的な香りが残りますが、ベッガーの歯切れの良いピアノが響きよくスリリングな演奏を聴かせます。
ピアノソナタOp.9はNo.1〜3でそれぞれが二曲で構成されています。これは古典だなぁ。(笑)
まぁ、たまにはこういう音楽をかけてみるのもいいでしょう。



テーマ : クラシック
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メラルティンの「ヴァイオリン協奏曲 ニ短調/抒情組曲第3番/「眠れる森の美女」組曲第1番」を聴く

エルッキ・メラルティン(Erkki Melartin、1875/2/7 - 1937/2/14) はフィンランドの作曲家。作風は民族音楽から現代音楽への変遷をたどる。初期の作品は雄大な背景を感じさせる。

ヴァイオリン協奏曲Op.60はヴァイオリン John Storgårds、Segerstam指揮 TamperePOになる。北欧らしいセット。ストルゴーズのヴァイオリンはkokotonPAPA好みの細く切れる音色を出してくれる。管楽器の使い方が気持ち良く、曲は雄大そのもの。作品的にはOp.90くらいからが現代音楽になってくるから、ここでは不協和音は感じられない。
抒情組曲第3番"ベルギーの印象"は作品番号がないが1914年ベルギーのブルッヘ行きで作られているので他の2曲の後年の作となる。6つのパートからなり、とても叙情的で美しい楽曲。雄大にして冷たい空気を感じる。少し物悲しい感じがいい。
組曲第1番"眠れる森の美女"Op.22も6つのパート、1.序曲 - 2.メヌエット - 3.ワルツ - 4.バレー - 5.ワルツ - 6.行進曲、という構成。それらしい楽曲で室内楽的要素が大きい感じがする。
北欧の澄んだ音楽を聴くのは良いものだなぁ、って実感出来る内容です。




テーマ : クラシック
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2013年4月21日 小泉/都響のチャイコフスキー第5番 と シュポルツルのドヴォルジャークvn協奏曲 ★★★

雨が降り四月の中旬とは思えない寒さの中、六本木のアークヒルズのお隣サントリーホールへ行って来ました。雨上がりのカラヤン広場。春らしい陽気ならアークヒルズのテラスでランチだったのにねぇ。
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しかしその天気を打ち払う様な 小泉和裕指揮、都響のチャイコフスキー5番は素晴らしかった。前半のドヴォルジャークのヴァイオリン協奏曲での締まった演奏を聴いて期待は出来ましたね。これは楽しみ、みたいに。
かなり練習を積んだのではないでしょうか。乱れの無いパート、マエストロ小泉の解釈を団員が共有している事は明らかな演奏。
そして、そつなく纏めただけではない キレの良さと爆裂的興奮。あえていうなら第三楽章が平坦に感じられた事くらい。面白かったのは、第三楽章と四楽章は切れ目無く(一拍はあったかな)演奏していた事。
チャイコの5番はマーラーの5番などと同じで、曲自体がうまく盛り上がるので快演に感じてしまう事はあるんだけど今回は凄かった。

そして前半のパヴェル・シュポルツルのヴァイオリンも良かった。何気なく演奏しきるコンチェルト。とにかく楽々と弾き熟してしまう。アンコールはパガニーニのカプリースから5番。まるで絹を裂く様なグリッサンドの音色。ヴィルトゥオーゾらしさを見せつけてくれた。青緑色のヴァイオリンは聞いてはいたがこれまた驚き!

今日は良い演奏会でした。^^v
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テーマ : ライヴレポ・感想
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明日4月21日のコンサートを前に、ドヴォルジャークのヴァイオリン協奏曲を Sarah Chang で

明日のサントリーホールはドヴォルジャーク(なぜか最近はドボルザークとは言わない)のヴァイオリン協奏曲とチャイコフスキーの交響曲第5番。久しぶりにkokotonMAMAと二人でコンサートです。
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事前に音を確認。チャイコの5番は古くからの超有名曲ですからねぇ。頭の中にムラヴィンスキー'60年が住んでいます。(笑)
ごちゃごちゃとありますが、他にはストコフスキーとチェリビダッケはたまにかけます。先ほど佐渡裕盤を聴いたらディナーミクの強さに疲れました。

一方ドヴォルジャークの中ではマイナーなヴァイオリン協奏曲。唯一の所有サラ・チャンのヴァイオリン。そしてつい先日14日に亡くなったSir Colin Davis, と手兵 London SOによる演奏です。
ドヴォルジャークらしい第一楽章Allegroの入りでのヴァイオリン、切れる、そして揺れ上がる様な旋律の持って行き方は絶妙。コリン・デイヴィスとロンドン響も流れのいい演奏で答える。この協奏曲はヴァイオリン演奏が長いのだが、両者の呼吸が合って飽きさせない。
第二楽章ではAdagioらしい緩やかな演奏も余裕さえ感じさせる演奏。懐の広いオケと相まっている。第三楽章Finaleは一二楽章とは入りが少々異なり古典派音楽風。そしてクレシェンドで上げて行きディナーミクを効かせている。
チャンは低音側にやや弱みを感じますが、高音にかけての音色、演奏、ともに素晴らしいですね。情熱的演奏がこの曲には向きます。
コリン・デイヴィスの追悼と合わせてじっくりと聴きました。

さて明日は小泉/都響をバックにヴァイオリン / パヴェル・シュポルツルはどんな音色と演奏を聴かせてくれるでしょう。^^


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

シマノフスキのピアノ曲を Hamelin, Roscoe, Anderszewski, Rosenberger, Lee, Vehviläinen, 6人のピアニストで聴く

Szymanowski (1882/10/6 - 1937/3/29)好きなのでピアノ曲を何回で紹介しましたが、まとめておきますね。
シマノフスキはポーランドの現代音楽家。と書くと異論が出るかもしれませんが、現実的にはOp.30番台からは調整が薄くなり無調になります。シマノフスキが心に残したポーランドのグラル民謡はフレーズやリズムにかなり特異性があったそうです。当然の帰結なのかもしれません。

◆マルカンドレ・アムラン(Marc-André Hamelin) の Mazurkas Complete
ポーランドの民謡曲であるマズルカを題材にしています。このCDはマズルカOp.50とOp.62の他に後期のピアノ曲2曲と、調性が無くなる後期作品集。

一曲目、20のマズルカは、Op.50とシマノフスキが無調となってからの作品。この曲を聴いてマズルカを思い浮かべるのは難しいと思いきや、得意な幽玄さの中に独特な世界は残されている。No.4 Allegramente の様に一瞬ショパンのマズルカを思わせる部分が所謂(いわゆる)マズルカらしさ。それもすぐに調性の薄い世界へ入り込む。その繰り返し。この流れにポーランド民謡らしい跳ねる様な音を織り込む。後期のシマノフスキらしさ満載。
二曲目、ロマンティックなワルツはやはりポーランド民謡らしさを感じさせる小曲。
三曲目、4つのポーランド舞曲は文字通り、Mazurek, Krakowiak, Oberek, Polonaise, の四曲からなる後期の小作品。このMazurek, Krakowiak, あたりが一番聴き易いかもしれない。個人的には四曲目のポロネーズらしいディナーミクが珍しく楽しい。
四曲目、2つのマズルカはOp.62でシマノフスキの未完成のマズルカ。研ぎすまされた細い音、いかにもシマノフスキ。そんな2曲が実に素晴らしい。この続きが作られる事無く終わってしまったのがなんとも残念。

アムラン(Marc-André Hamelin)のピアノはこういうパターンには最も向いている。ピアノのテクを最大限に生かしながら正確無比、そして冷徹に演奏する。Hyperionのアムランを あまり良く書く事がないのですが、これはgood !です。
実にお勧めのピアノ独奏曲集です。^^v




◆マーティン・ロスコー(Martin Roscoe) の Piano Works
4CDです。Martin Roscoeはニールセンのピアノ曲集もHyperionから出していますね。
今回はちょっと厄介です。例えば「20のマズルカ」は4枚のCDに、ソナタは3枚のCDに分割されて収録されています。なぜ? 作品年代順? いや違います。とにかくなんでわざわざ?と思われる配曲構成です。通しで聴くのに何回かCDを入れ替える事になりますからね。少々悪趣味的分割と言わざるを得ません。

まずは「20のマズルカ」ですが、アムランと較べるのはかわいそうかな。アムランの冷徹さはSzymanowskiの音楽にピッタリ来ていますから。それに較べるとロスコーのピアノは明るく明瞭さが強いです。その分だけ幽麗さが欠けます。不協和音的な流れも元気。それならマズルカ的色合いが合うのじゃないか? それが陰影に欠けて表現しきれていない感じ。

とりあえずロスコーの解釈はそんな感じと言う事で、「ピアノソナタ」を。ソナタは3番まで作られ、最後がOp.36ですから中期までの作品と言う事になります。
ピアノソナタ1番はOp.8と初期の作品で四楽章構成。古典というよりはロマン派的作品。シマノフスキらしさは無いですね。少々眠けがします。2番は二楽章構成になります。作曲者自身「悪魔的に難しい」と語った事で有名な曲ですね。1番に較べると微妙な不協和音が入り込みます。ロスコーはここでも太い音で弾きまくります。3番は四楽章構成ですが途切れなく繋がっています。ここで調性は無くなります。調性表記も当然ありません。繊細にして超絶的なシマノフスキの代表作の一つ。しかしここでも爆裂的に演奏されてしまいます。特に入りは繊細にして欲しかった。

メトープが第1集に入っています。幽玄にして繊細なるシマノフスキらしさ漂う、仮面劇と並ぶ傑作。1.セイレーンの島"L'île des sirènes" 2.カリュプソー"Calypso" 3.ナウシカー"Nausicaa"。これは古代ギリシャ長編叙事詩オデュッセイアに登場する女性像から引用している作品。ラヴェルのピアノ曲に通づる曲調を感じますね。

ロスコーのピアノはシマノフスキに合いません。基本的に全面的強鍵演奏です。(ニールセンのピアノ曲も同じです)
昨年ライブで観た庄司紗矢香のヴァイオリン協奏曲1番も合わないのですが、彼女の演奏は曲とマッチすると最高です。シマノフスキのkokotonPAPAの好みの方向と違うだけすね。
まぁこのCDには他にも良いピアノ曲があるのですが、紹介するまでもない感じです。




◆ピョートル・アンデルジェフスキ(Piotr Anderszewski ) の Piano Sonata No 3 Metopes Masques
ポーランドのピアニスト。従ってポーランド"お国もの"の演奏と言う事になる......のですが、三曲は調性の薄い、もしくは無調、シマノフスキのピアノ曲の代表曲が並びます。

仮面劇(Masques)の1.Scheherazade、シマノフスキらしい幽玄なる表現で入るのがいいです。冷たさも感じられ、マッチした演奏。後半雄弁になるところも、不安感を残す様な陰の部分が感じられます。2.Blazen Tantrisはラヴェルのピアノ曲を思わせますが、ここでも冷たさをうまく演出していますね。ちなみにこの曲はラヴェルへのオマージュと言われています。
ピアノソナタ第3番、ここでも入りがいいですね。繊細な細い音から流れて行き、大きな流れに。幽玄・雄大・先鋭、といったこの曲をうまく演奏しています。
メトープ(Metopes)、いかにもシマノフスキらしい曲です。その通りの演奏がここでは聴く事ができます。
シマノフスキのピアノ曲を楽しめるお勧め盤ですね。




◆キャロル・ローゼンバーガー (Carol Rosenberger) の Masques Etudes Mazurkas
デトロイト生まれの米人ピアニスト。西海岸で教鞭をとりながら、本CDのDELOSから30枚を越えるアルバムを残しています。そのシマノフスキのピアノ独奏曲集。
仮面劇(Masques)はローゼンバーガーらしい細い音ながら粒立ちの良い音で演奏される。少々音が明瞭すぎて幽玄さが不足しがちに聴こえる。しかし演奏ピッチが早い。一番のシエラザードで10分を切る。全体的に小気味好く進む、それが良いかは別だけど。
4つの練習曲(4 Etudes)は人気曲なのだが、Op.4と初期の作品なのでkokotonPAPA的にはそれほど好みではない。一音一音が明瞭な演奏。Etudesは調性が変化する時期にもOp.33が作られている。こちらは俄然面白い。本来12 Etudesなのだが、途切れ目が無いからか ここでは一曲で扱われています。
マズルカ(Mazurkas)はOp.62が先に。シマノフスキ最後の作品を先に持ってくるのはどうかなぁ。ちょっと明るい演奏だけど、やっぱり良い曲だ。Op.50の20 Mazurkas は7曲の抜粋演奏。CDに収まらないから? 演奏は同じ傾向。マズルカらしさとシマノフスキらしさが交錯する気配は残念ながら薄いね。

ちょっと異端な、深みに はまらないカルフォルニアのシマノフスキ? 録音は'70年代、デジタルリマスタリングされるはずもなくAADになるけど、ピアノ曲はそれほど聴きずらくならないからいいね。




◆デニス・リー(Dennis Lee) の Etudes, Fantasy, Metopes, Masques
マレーシアのペナン生まれで活躍の場はイギリス、ブゾーニのコンペで準優勝の経験もありこれがソロでの初レコーディング(1990年)になります。それ以前ですとPhilippe EntremontのRavelピアノ曲集での連弾(1974年)があったりします。

まずは4つの練習曲、Szymanowski の初期の作品でNo.4が少々面白いですが、まぁこんな感じ?といった具合です。
二曲目は名曲メトープです。デニス・リーの演奏も早いです。ローゼンバーガーとおなじくらい。でも演奏はリーの方が幽玄的です。しかし、もう少しスローにした方が間がとれて良いと思いますね。音色は好みなのですが、これでは技巧系が全面に出過ぎでシマノフスキらしい部分が削がれます。
続くFantasy, Masques も同様です。アゴーギクを効かせてスローパートもあるのですが、基本的に早い。とても残念ですね。
もともとこういった解釈なのか、やっぱり初録で技巧派な演奏を目指したのかなぁ。




◆アヌ・ヴェヘヴィライネン(Anu Vehvilainen) の Piano Works
フィンランドの女性ピアニスト Anu Vehvilainen(Vehviläinen)。第1集と2集になっていますね。先に言ってしまうと、シマノフスキのピアノ独奏曲集ならば一番のお勧めです。
まずは1集、"9つの前奏曲" "メトープ" "ソナタ3番" の組合せです。
9つの前奏曲はOp.1。従ってとても分かり易いのですが、6番辺りから早くもSzymanowskiさを感じられますね。
メトープですが、良いですねぇ。やや速めではありますがタッチが幽玄でシマノフスキらしさを演出します。こういった不活性的な演奏が最高です。間の取り方も素晴らしいですね。
人気曲のソナタ3番も打鍵の変化がとても好みです。変幻自在な演奏。

2集はやはり二曲目の仮面劇でしょうね。1集のメトープに対応する楽曲です。落ち着いたペースで入るScheherezadeの陰のある演奏。そしてTantris the Clownで強鍵的に変化し、Don Juan's Serenadeで仕上げに入る構成をうまく弾き切ります。
20のマズルカは残念ながら1から4番の抜粋。これはアムランの様にはいかないですね。でも4番などは全曲を聴きたくなる良さを感じます。ポーランドの民謡らしさとシマノフスキの幽玄さを出しています。
最後にマズルカOp.62を持って来ているのは流石と言う感じです。この2曲、シンプルにして透明感と冷たさが冴えますね。



他にも Roland Pontinen, Joanna Trzeciak, Martin Jones, Joanna Domanska, と言ったところがありますが、またその内に.....m(_ _)m


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我が家の現所蔵のスコッチ シングルモルト

現所有のスコッチ シングルモルトはこの9本ですね。
左からアイラ系、イングランズ系、ハイランド系です。たまたまスペイサイドとローランドがありません。まぁ書いてある通りで特別なシングルモルトは今はありません。あえて言うなら、スコッチウィスキーと言えないキルホーマンのニュースピリット。樽に入れて80日も行っていませんからほとんどポットスティル。蒸留アルコールに近いです。
ラフロイグとタリスカーに18年ものを入れてあるのが珍しい感じですかね。
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カロル・シマノフスキの The Complete Music For Violin and Piano を イブラギモヴァ のヴァイオリンで聴く

シマノフスキ(Karol Szymanowski、1882/10/6 - 1937/3/29)は良いですよね。以前ヴァイオリン協奏曲第1番の聴き較べを紹介しています。
ポーランドの現代音楽作曲家。現代音楽と書くと反論が出るかもしれませんが、ただの民族音楽と転調多調ではありませんね。このアルバムでも調性の薄い音楽が良くわかります。

これはロシア人Violin奏者, Alina Ibaragimova。Pianoは, Cedric Tiberghien です。主役はヴァイオリンソナタのようにイブラギモヴァのヴァイオリンです。シマノフスキはヴァイオリン曲がいいですね。


■「夜想曲とタランテラ Op.28」Nocturneでは幽玄なイブラギモヴァのヴァイオリンの繊細な音とティベルギアンの寄り添うようなピアノが良いですね。リズミカルなTarantellaは切れ上がるヴァイオリンの迫力を味わえます。
■「神話 Op.30」は三楽章で、この様な音がシマノフスキの神髄だと思います。神秘的かつ幻想的であり現実感のない世界で、音数の少ないヴァイオリンとピアノの流れです。調性はありません。La fontaine d'Arethuse と Narcisse は静けさと幽麗、Dryades et Panは少し上げて不安感的な要素が流れてきます。
■「ロマンス ニ長調 Op.23」も短いですが一二曲目と同系統の曲になり好きですね。
■「ヴァイオリン ソナタ ニ長調 Op.9」はOp.9と早い時期の作品で、ロマン派的な抑揚がありコンサート向きな楽曲です。
■「3つのパガニーニのカプリース Op.40」は "24のカプリース"から三曲(20,21,24番)にpfの伴奏を付けたものですね。特徴的で人気のNo. 24 in A minor などシマノフスキらしからぬメロディーラインの楽曲ですが随所に特徴が織り込まれて楽しく聴けます。
■「アイタコ・エニアの子守唄 Op.52」はシマノフスキらしい細い音、単音の並びから奥深い流れが楽しめます。

これは、お勧めの一枚ですね。

個人的にシマノフスキのヴァイオリンは好き嫌いがはっきりします。細く切れる様な幽麗さが好み。超絶技巧的痛快さで弾き倒されてもちょっと違う気がします。好きなのはThomas Zehetmairとかですね。



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2.マーラー交響曲第5番 160CD
 (名盤・珍盤 聴き比べ)

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