Hans Kox の Four Orchestral Suites を聴く

ハンス・コックスはオランダ生まれで、ドイツの作曲家ですね。作品は多岐に渡り 交響曲からオペラまでフォローし、サックスを使った作品など現代音楽家らしいアプローチを見つけ出せます。
Tasmanian SO、David Porcelijn 指揮によるこの一枚は現代音楽家のコックスの代表作で、それを表現するのに理解者であるDavid Porcelijnがコンダクトしているのは功を奏していると思いますね。
曲調は調性は残しつつ、管楽器による主題やテーマを配して十二音技法を入れこむ形をとる様です。管楽器と打楽器の使い方で強音部を彩る旋律を多用します。弦楽器の奏でるフレーズとの対比をうまく使い、良く聴くと後期ロマン派の香りの欠片を感じられますね。
4つの作品は完成度が高く、コックス色が明確です。特異性は低いですが安心して聞ける現代音楽ですね。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ゴールデンウィークは音楽と読書だな

で、小松左京 の ”果しなき流れの果に” だ。SFなんて本じゃない?! 甘いな。
集団思惟。思惟といっても仏教のそれではない。kokotonPAPAが学生時代によく考えていた事だ。そういう作品の一つ、そういう考え方の一つ。であり、登場人物のキャラクター的展開やSF的時空設定に依存する事がコアではない作品。SFと言うのは実に解釈が曖昧だな。固定概念的文学から距離をとる事もSFのスタンスなら当然のアプローチとは言えるが。

果しなき流れの果に-小松左京
50年とは言わないが、それくらい前の作品だが未だに色あせる事は全くなかった。それは先ほどのような作品だからだろう。21世紀という時代の推測は陳腐化するので仕方ないがそれも然程感じなかった。
本書は1966/7月に早川から文庫化され角川を経て絶版状態にあったのを徳間が1990/3月に復刊させたもの。現在はハルキ文庫から出版されている。

もう一つ面白いのは”日本沈没”の続編となる予定だった展開、日本民族が世界に散らばり その果てに人類初の地球外植民地に旅立つ基本ストーリーもこの中に既にのっている事。そしてその展開もすでに構想にある事。逆に日本沈没はこの前章として後から具体的作品化されたと実感できる。日本沈没は1973年出版。残念ながら、その先が作品化される事はなかった。確か作者は、条件が揃わない、といった様な事を語っていたと覚えている。

久しぶりに昔の本を読み返してみた訳だが、以前のように本をむさぼり読むようになるのだろうか。年を取ると子供にかえると言うが、音楽の完全復活と以前にも増した没入度を考えると危険だから気をつけよう。もう新規投資する時は短い。

考える事は人間の必然だと思っているが、また文学(文字)の力を借りるのが必要な事なのか。一部の純文に手をつけるのはやめよう。思考の渦にはまるかもしれない。
単なる痛快読書は現実逃避に近づく、だからkokotonPAPAは好きでない。自分の思考に共鳴を与える物だけが価値がある。読書後の痛快感や文面上の感動など意味をなさない。自分にとって考える事こそが読書の必然。

話は脱線するが、kokotonPAPAは物理的実体の自分にあまりこだわりはない。その不具合の多い有機個体と指向性は好きだけど。(笑)
だから大きな病気を言われたときも驚くほど他観できた様な気がする。大切なのは考え続ける意識の存在、それが自分。


テーマ : SF小説
ジャンル : 本・雑誌

伯楽星でGWをスタート!

伯楽星 純米大吟醸 新蔵新酒23BY
 宮城県 大崎市 新澤醸造
嬉しいお酒を、気がつけば長い付き合いのヨッシーが遊びにきてくれた時にいただきました。東北応援 最高の食中酒です。
一口味わうと、しっかりとした味わい。一瞬の甘口をピシッとしめる重みを感じますね。でも、これで今日の肴は刺身。やっぱりうまい酒には日本文化の刺身が一番!
まったく邪魔にならないに味わいになります。いやぁ、日本酒の奥深さは最高ですね。

伯楽星 純米大吟醸

テーマ : 日本酒
ジャンル : グルメ

Henryk Mikolaj Gorecki の Lerchenmusik

ポーランドの現代音楽家 ヘンリク・グレツキ。
代表作、交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」は少々違うとして、この曲はただの室内楽と思って聴いたら火傷をするかもしれない。強烈きわまりないピアノ、そして挑戦者の木管楽器の猛り。薄い弦楽器のうねり。
音は渦巻き、荒れ、そして静寂。Part.2では徐々に膨張し引いていく、そして最後は静寂。ピアノは心臓であり、木管は心。テーマを変えながらPart.3へ。全体の構成感はかわらない。
素晴らしい緊張感。まるでこの音楽自体が生き物の鼓動の様だ。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

Wolfgang Rihm の Quid est Deus (Rihm Edition vol. 4)

現代音楽を代表する作曲家の一人 リーム。このアルバムは3曲からなっているが、一曲目の30分を超す Quid Est Deus für Chor und Orchester が素晴らしい。文字通り声楽とオケのナンバー。”神とは何か”と言う題名の展開を想像してもらうと通じる処を感じられるかもしれない。
二曲目 Ungemahltes Bild für Orchester はオーケストラナンバーで”描かれざる絵”と題名されている。
そして三曲目 Frau/Stimme für Sopran und Orchester は女/声で、そのものソプラノとオケのナンバーになっている。
リームの曲はムターの様なトップバイオリニストにも採用されるなど人気が高い。多分、電子音楽を使わずコンベンショナルな楽器と楽譜を採用している所にも起因するのだろうね。
この作品も極端に抽象性が高い処はない。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

Frank Martin の Ballades- Concerto for 7 Wind Instruments

フランク マルタンの7つの管楽器のための協奏曲/バラード集。
12音技法をとるので基本的には現代音楽の無調です。でも聴いていて調性を破壊するような音階は現れない。
そこがマルタンらしく、これは代表作の一つでしょう。長年にわたる楽器とオケの協奏曲を一つにまとめBalladesと名しています。牧歌的展開もあればスリル感溢れる流れも出てくる。しかし全体としては穏やかさが基本のコンチェルトです。マルタンは完全に調性を排除する事には否定的だったそうだが、そういう意味では今ひとつ物足りなさを感じてしまうかもしれない。
リッカルド・シャイー指揮、ロイヤル・コンセルへボーによる演奏に各楽器が入ります。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

Bruichladdich の PEAT を楽しむ

アイラです。常飲のラフロイグの10yと較べるとやや甘みを感じるがピッとした辛さも感じる。辛さはalc.46%に起因すると思う。基本的にはラフロイグよりも甘さがある。
アイラらしいピート感は流石。イイよね~、このタイプは。やめられません。^^;

ブルイックラディ ピート

今更だがピアソラ、 Piazzolla For Two と Suite Punta Del Este

アストル・ピアソラ。タンゴの新世界を切り開き現代音楽の扉を開いた、と言うよりもジャンルを飛び越えてしまった音楽家の一人。kokotonPAPAは大ファン。
これ以上の進歩的なタンゴはなくヌエボ・タンゴとも呼ばれて、旧来のタンゴファンからはボイコットされたと言う曰く付きの作曲家でも有名。しかしクラシックのソリストや弦楽四重奏団、ジャズプレイヤーもピアソラを取り上げる事多々。
我が家では、よく休日の朝にかける。家族は”休みの朝はタンゴ”だって。(笑)
とりあえずkokotonPAPA的と言うか、一般的にも言われる傑作3作(Finally Together ,La Camorra ,Zero Hour)や他の名作は別の機会にして、まずはチョイ変化球を2つ。

まずはギターとフルート、そしてそのデュオのアルバム Piazzolla For Two。ピアソラの持つ一つの面である美しいバラードをギターとフルートがつなぐ一枚。
L'histoire du tango, tango cycle for flute & guitarは、かけていてともて気持ちが落ち着く美しさ。後半は現代音楽の風合いが出てくる。いいよね。
The Four Seasonsは秋/春/冬/夏 という並びがそもそも面白いギター曲。秋と春は似たコンセプトを感じる。冬は美しい楽曲だ。夏は愁いを帯びたフレーズが意外。秋と春が一番起伏があるというのも一興だ。
6 Tango Etudes For Solはフルート曲。じつはフルートは苦手な楽器だ。特にオケではフルートのできの善し悪しがとても気になる。しかし、このフルートのソロはこの楽器の楽しさの一部を伝えてくれる。完全にクラシックの範疇の楽曲だ。テクニカルな曲と言っていいだろうね。この手のは好きだなぁ。
ラストはTango #2、美しいギターとフルートのデュオで終える。難解さもなく素晴らしい作品だね。




バンドネオン(後期)五重奏団による演奏。なんで自分のストックにこのCDがあるのだか、入手記憶が思い当たらない。(笑)
1984年ミラノでのライブ。ライブらしく激しいバンドネオンの演奏からスタートする。バイオリン、ピアノ、ベース、エレキギター、そしてピアソラ本人のバンドネオンと言うquinteto(キンテート)。この後ピアソラのバンドは1989年に再編成、バイオリンを抜いてチェロとバンドネオンをもう一人入れたsexteto(セステート)となる。
バラードあり、情熱的演奏あり、やっぱりライブの迫力を味あわさせてくれる。特に3曲目のVerano Porteno は現代音楽的な入りからタンゴのリズムが刻まれて音の変化も強く引きつけられる。ここからは演奏も好調、波が押し寄せ そして引くようなうねり、ピアソラワールドの姿が見られる。



始めに書いた傑作3作以外にも東京Live('82 ,'84)もすばらしい作品。他にも切りなく名作が並ぶ。
アルゲリッチといいピアソラといい、アルゼンチンからは素晴らしい音楽家がでるね。タンゴという音楽の深遠さを感じる。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

Norah Jones の Litte Broken Hearts を先行試聴

今月末発売のサンプルです。ノラ・ジョーンズの久しぶりのアルバム。ちょっと普通になっちゃったかなぁ。
かけておいてリラックス系。わざわざ聴くと言う感じでもないかも。
でも、みんながみんな同じように音楽を楽しむ訳じゃないからね。タイトル曲のリトルブロークンハーツとかオール ア ドリームあたりはそれらしいかな。ちなみにkokotonMAMAはけっこう気に入っているみたい。

テーマ : アルバムレヴュー
ジャンル : 音楽

バレーも鑑賞しようよ、ストラビンスキーの ”火の鳥”

オペラはストーリーだけでなく歌詞もあるから、なんやかんや言っても音だけでは楽しさは半減ですよね。よく熟知しているお気に入りならば脳内鑑賞でもOKかもしれません。
バレーは歌詞が無いですから、ストーリをあまり知らなくてもそれはそれなりに楽しめます。でも一回でも見ると事は違う事に気がつきますね。あまり意味を感じないような音やフレーズが、実はオペラ以上に重要な意味を持っていたと言う事ですね。
好きな楽曲ストラヴィンスキー『火の鳥』ならカスチェイが 捉えたイワン王子においでおいでするシーンの音。見ていないと、そのフレーズの楽しみが全然違います。

この曲は前半は王子と火の鳥のシーンで、捉えられた「火の鳥の嘆願」が見処。絵が無いと単調かもしれません。
中盤は13人の王女と王子のシーンで、「王女たちのロンド」が聴かせ処。美しいのですが聴かせ方は難しいかも。
後半はカスチェイとその手下、王子と火の鳥のシーン。「火の鳥の出現」で火の鳥がイワン王子の危機を救い現れてカスチェイ一味を踊らせる大活躍のシーンから続く「火の鳥の子守歌」まで息をつかせない展開。
最後の大団円。戴冠式と結婚式の音楽の盛り上がりでは、オペラ『魔笛』を思わせる素晴らしさ。

オケで聞くときは、こういった音楽とシーンが関連づけられた方が俄然楽しいわけです。なんと言っても絶対音楽ではなく、標題音楽なのですから。
バレエがあれば、前半の静的な組合せから後半の盛上りと大団円の見事な構成ですが、楽曲として聴くとなると前半をどう聴かせてくれるか、これがこの曲の流れとポイントですね。

先日のインバル/都響のコンサートの事もありますが、『火の鳥』の映像をここで持ち出したのは実はバレーとしたらはマイナー。でも 数は少ないですがオールリージョン版がけっこうお安く手に入るんですね。国内盤は高かったのに。
一度見る価値は大いにあると思います、是非。

 火の鳥:Leanne Benjamin
 イワン王子:Jonathan Cope
John Carewe指揮 The Orchestra of the Royal Opera House

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

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1.このblogで言う現代音楽
2.マーラー交響曲第5番 160CD
 (名盤・珍盤 聴き比べ)

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