FC2ブログ

『マーラー 交響曲 第5番』 «ネット配信» ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン指揮 / ニューヨーク・フィル 2017年9月19日

新型コロナウィルスの影響を大きく受けて生命最優先のニューヨーク。
そんな中ですが、ニューヨーク・フィル公式ウェブサイトでは2017–18シーズン開幕で FACEBOOK LIVE として放映されていた映像が配信されています。


Conductor | Orchestra
ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン (Jaap van Zweden)
New York Philharmonic
2017-18シーズンからN.Y.P.の音楽監督を務めるズヴェーデンの就任にあたってのコンサートですね。この日はエンパイア・ステートビルのスペシャル・コンサートで、続く22, 23, 両日もホームのDavid Geffen Hallで同曲を演奏しています。
ニューヨーク・フィル公式サイトの"Watch & Listen"から映像付き配信です。


➡︎ NYP Watch & Listen (配信期間は短いと思われます、お早めに)





マーラー 交響曲 第5番 «ネット配信»
(Live at Philharmonic Red, 19 sep. 2017)

JaapVanZweden-NYP-Mahler5.jpg


第一部
派手やかなファンファーレから葬送行進曲は美しさを感じさせる流れです。第一トリオは軽快感を付けて、tpの鳴りの良さも良いですね。第二トリオの哀愁は適度でコントロールが効いています。第二楽章第一主題は切れ味よく興奮を避けて速めに、第二主題(一楽章第二トリオ)は回帰的な色合いです。展開部でも同様にコントラスト付けは冷静に感じますね。録音の関係か、第二主題でのティンパニのトリルが強い気がししました。再現部山場もコントロールされて、まとまりと見晴らしの良さの第一部です。

第二部
スケルツォ主題は緩やか優美ですが、オブリガート・ホルンが今ひとつなのが残念です。(その後は大丈夫ですが、最終楽章序奏でまたコケますw) チェンジテンポのレントラー主題は美しさを感じますね。長い第三主題では落とし過ぎずに維持してスマートに、短い展開部はその延長線上にありますね。再現部はこの楽章の縮小版となって主題を並べ、コーダは切れ上がって見事に響かせます。

第三部
第四楽章主要主題は暖色系で夕暮れの景色の様に、中間部では微妙なアゴーギクを使っています。少し濃い味付けのアダージェットですね。最終楽章の第一主題と第二主題の絡みはテンポは速めで小気味良く、コデッタ主題では大きく広げます。展開部ではその流れに乗って華々しい山場を作り、再現部で落ち着かせると山場からコーダは壮大、ラストはビシッと決めました。もちろんここでもズヴェーデンは東京公演と同様 万歳フィニッシュですw
ブラボーの嵐と拍手喝采!!


落ち着いてまとまりのある、心地良いマーラー5です。突出した素晴らしさはないかもしれませんが、この一体感は一聴の価値ありではないでしょうか。

人種の坩堝的なメンバー構成もNYPらしさがあって素晴らしいですね。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





『マーラー 交響曲 第9番』 «ネット配信» ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 / ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団 2020年1月31日

サラステはドイツのオケと素晴らしいマーラーを残していますね。今回はノルウェーのオケを振ったマーラー9です。
映像付き配信なのでサラステの生真面目なタクト・スタイルが見られますね。


Conductor | Orchestra
ユッカ=ペッカ・サラステ, Jukka-Pekka Saraste
(Bergen Philharmonic Orchestra)
フィンランド人指揮者のサラステが、今年一月ノルウェーのベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団に客演した北欧セットのマーラー9ですね。

ところでサラステは昨シーズンでケルンWDR交響楽団の首席指揮者を退任していますが、その後はどうしているのでしょう。ご本人のサイトでも特に書かれていませんね。(3-4月は米国・カナダで客演することになっていますが、コロナは大丈夫??)

➡︎ Bergen Phil. (Official) (賞味期限は短いと思われますので、お早めに)





マーラー 交響曲 第9番 «ネット配信»
(Live at Grieghallen, 31 Jan. 2020)

JukkaPekkaSaraste-mahler9.jpg


第一楽章
短い序奏のバランスが気になりましたが、落ち着いた第一主題の静けさから第二主題以降高めて反復へ、第三主題を高らかに歌います。展開部もクセのない安定した流れで、緩-急(劇)-緩の構成を構成していますね。サラステらしいクセのない落ち着いた流れです。

第二楽章
レントラー主題は悠々と、第一トリオでもチェンジペースは緩やかでバランスが保たれます。第二トリオはややスローに適度な優美さを添えます。全体とすると少しフラットに感じるかもしれません。

第三楽章
主要主題は刺激を抑え柔らかめに、続く副主題も同じ流れに乗ってマイルドな軽快さです。中間部をシンプルに奏でるとターン音型を出し、最終楽章第二エピソードを思わせます。

第四楽章
序奏は色濃く、主要主題も濃厚です。今回初めてサラステの感情移入を感じました。第一エピソードも情感の深さを見せる大きな流れを作ります。第二エピソードの導入部は速めに入ってターン音型の鎮まりを避ける構成を感じますね。そこから山場は気持ちがこもる様に盛り上げます。後半ターン音型は導入部とは打って変わって緩やかに鎮めて、コーダの浮遊の沈黙へと導きます。
それまでの三楽章とは全く異なる素晴らしさです。


最終楽章一本に的を絞ったマーラー9です。危険な香りは微塵もなく、全体としてマイルドな味付けの三つの楽章。それに対して溢れる情感の最終楽章。あまりの違いですね。

最終楽章を際立たせるためなのか、はたまた最終楽章しか練習時間がなかったのか… 全楽章が揃えば、きっと聴き応えあるマーラー9になったでしょう。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





『マーラー 交響曲 第9番』 «ネット配信» ダニエレ・ガッティ指揮 / RAI国立交響楽団 2020年1月9日



Conductor | Orchestra
ダニエレ・ガッティ, Daniele Gatti
(Orchestra Sinfonica Nazionale della Rai)
ガッティがRAI国立響を振ったマーラー9ですね。ガッティというと残念な事件を思い出しますが、現在はローマ歌劇場の音楽監督を努めている様ですね。イタリア放送協会RAI傘下RaiPlayからの映像付きのweb配信になります。

➡︎ RaiPlay (配信期間は短いと思われますので、お早めに)





マーラー 交響曲 第9番 «ネット配信»
(Live at Auditorium RAI Arturo Toscanini, 9. Jan. 2020)

20200109DanieleGatti-mahler9.jpg


第一楽章
緩くスローな第一主題、過度の緊迫感を避けた第二主題、tpからの山場を大きく鳴らして第三主題は華やかです。展開部導入部は第一主題のテンポを生かした暗さからJ.シュトラウスの引用で柔らかな光を見せ山場を築き、第二主題の変奏からは混沌を上手く活かしながら緊迫感のある流れを作ります。緩やかなアゴーギクで見晴らしの良い第一楽章です。

第二楽章
主要主題は落ち着いたレントラーで、第一トリオをスケルツォらしく広げ、第二トリオはやや速めに鎮めます。ここでも大きな揺らぎの様なアゴーギクが感じられますね。

第三楽章
主要主題は軽快に切れ味よく、副主題は少しコミカルに、中間部でもあまり大きな変化は付けませんね。山場も緊迫感を避けていて、流れは統一されている感じです。

第四楽章
主要主題は緩やかに大きく包み込む様に奏でます。ここでも大きなアゴーギクを効かせていますね。第一エピソードは主部の流れに乗っていて、第二エピソードは山場を少し速めに緊迫感を高め その後のターン音型との対比を作ります。ポイントとなる上手い構成ですね。そこからコーダへはアゴーギクを使いながら鎮めて行きます。


大きく振られたアゴーギクが心地よいマーラー9です。重心を低く構えて死を捉えるのとは対角の穏やかな見晴らしの良さの好演です。

RAI国立響の各楽器の柔らかく美しい音色もガッティの狙った流れに合っていますね。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





盤石の安定感『マーラー 交響曲 第5番』 «ネット配信» ヴァレリー・ゲルギエフ指揮 / ミュンヘン・フィル 2020年2月7日



Conductor | Orchestra
ヴァレリー・ゲルギエフ, Valery Gergiev
(Münchner Philharmoniker)
現在主席指揮者を務めるゲルギエフがミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団を振ったマーラー5です。ゲルギエフはマーラーを取り上げる事が多いので、第5番は昨年3月マリインスキー劇場管を振っていますね。
今回は独仏共同のアルテTVのwebサイト"Arte Concert"からの映像付き配信です。

Arte TV (2021年2月16日までと長い公開です。ぜひ一度観賞下さい)





マーラー 交響曲 第5番 «ネット配信»
(Live at Philharmonie Paris, 7 Feb. 2020*)

mahler5-gergiev-07feb2020.jpg


第一部
ややスローに重心の低い葬送行進曲は回帰のファンファーレのコントラストも良く、第一トリオも暴れる事はなく落ち着いた切れ味良い流れを作ります。第二トリオはスローの哀愁を付けていますね。第二楽章第一主題もクールに締りのある切れ味が光ります。すぐに第二主題(第一楽章第二トリオ)で哀愁に色合いを変えますね。少し抑えた哀愁で心地よいです。展開部もチェロのスロー静パートを中心にコントラストがあり、再現部ラスト前のコラールは最終楽章を想像させる切れ味ですね。堂々王道の第一部です。

第二部
スケルツォ主題は流麗に、レントラー主題は穏やか優美です。第三主題はスローの陰の色付けが良く、オブリガート・ホルンの鳴りも見事です。このパートは素晴らしく、グッときます。展開部に入って流れはシャープに変化し、再現部に戻ります。ここでは華やかさを見せて進み、コーダは派手にビシッと締めますね。ちなみにオブリガート・ホルンは起立演奏でした。

第三部
やや暖色系の主要主題は速めに感情移入は抑えめに入ります。山場に向けて感情を膨らませ、中間部では表情豊かに優しさを奏でます。主部の回帰で落ち着きを取り戻す、クールさとエモーショナル両面を持つアダージェットで拍手ですね。
最終楽章は第一主題と第二主題の絡みも落ち着いています。提示部反復で華やかさを増しコデッタは優美です。展開部は主題の絡みを適度な混沌さでまとめて山場を大きく鳴らします。再現部はその流れに乗って広がりを見せて、山場からコーダは派手に鳴らしました。

・・・・・・・

鳴り止まない拍手、団員が起立を拒否し指揮者に譲るオーディエンスの喝采、沸き起こる手拍子。素晴らしいコンサートに付き物が、そこにはありました。


王道で安定感のマーラー5ですね。落ち着き払って興奮せず、それでいて締りある見晴らしの良さ。演奏の破綻など微塵もなく、ミュンヘン・フィルの技量と個性でしょうか。独オケらしさを味わえました。

特出したものは無いかもしれません。あるとすれば盤石の安定感でしょう。非正規盤を含めたCDや過去の海外web放送も入れて、ゲルギエフのマーラー5では今回が一番かと。


* 同じ公演が2/5にフランクフルト(Alte Oper Frankfurt)でも行われているのでCD化されると良いですね。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





『マーラー 交響曲 第5番』 «ネット配信» フランツ・ウェルザー=メスト指揮 / クリーヴランド管弦楽団 2019年12月29日


フランツ・ウェルザー=メスト, Franz Welser-Möst
(Cleveland Orchestra)
2002年より長期政権(首席指揮者)を担うウェルザー=メストが, 手兵クリーヴランド管を振ったマーラー5ですね。米オハイオ州クリーヴランドの公共放送の運営組織 Ideastream "WCLV On-Demand" から配信です。
現地放送ではもちろんウェルザー=ストと言ってますね。

▶️ WCLV On-Demand (賞味期限は短いと思われますのでお早めに)





マーラー 交響曲 第5番 «ネット配信»
(Live at Severance Hall, 29 Dec. 2019)

WelserMost-Mahler5-20191229.jpg


第一部
第一楽章, 葬送行進曲は静に鎮めてファンファーレ動機を強くコントラストを付けています。そうなると当然第一トリオは強音を響かせます。荒れた感じはなくコントロール下にありますね。第二トリオは美しい哀愁で好印象です。第二楽章は第一主題は一楽章の強音パートの印象を続ける様に速めで揺さぶり荒々しく、第二主題(一楽章の第二トリオ)をスローの哀愁で対比させています。展開部のvc弱音パートも上手く、再現部のアップテンポも印象的ですね。マーラーの指示に従うコントラストを付けた第一部です。

第二部
スケルツォ主題は管楽器のバランスが少し気になりました。レントラー主題は弦楽器なので優美に流れます。第三主題は緩やかに鎮めてhrの動機を繋げて行きますが少しフラットです。ここでのオブリガートhrは朗々と鳴らしましたね。展開部で元気を取り戻し、再現部は元気なのですが主題の絡みがおとなしい感じでした。ややフラットな印象の第二部でしょうか。

第三部
やや速めで入る主要主題はテンポを落としながらクールな美しいさ、中間部では透明感ある流れを作ります。澄んだ流れの好きなアダージェットです。最終楽章第一・第二主題の絡みは速めの軽快さ、コデッタは軽妙です。展開部も主題や動機を速めのテンポでサッパリ味で進めます。山場から再現部は切れ味良く突き進み、コーダは疾走して派手に鳴らしてラストはアッチェレランドで締めくくります。上手い構成で最後を締めて拍手喝采!!


全体バランスに優れた聴きやすいマーラー5ですね。適度なアゴーギクによる揺さぶりが良く、ディナーミクにメリハリがあればもっと楽しめた気がします。速め基調なので胃もたれする様な要素はありませんね。そこが少し寂しいと言えば寂しいでしょうか?!



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





『マーラー 交響曲 第9番』 «ネット配信» アントニー・ヘルムス指揮 / 北オランダ管弦楽団 2019年12月14日 は驚きの好演でした!


アントニー・ヘルムス, Antony Hermus
(North Netherlands Symphony Orchestra)
オランダ人指揮者のヘルムスが首席客演指揮者を務める北オランダ管を振ったマーラー9です。(首席指揮者は不在で, 名誉指揮者がいる様ですね)
オランダの公共ラジオ局"NPO Radio 4"からのweb配信です。

▶️ NPO Radio 4 (賞味期限は短いと思われますので、お早めに)





マーラー 交響曲 第9番 «ネット配信»
(Live at TivoliVredenburg, 14 dec. 2019)

AntonyHermusNNO-Mahler9.jpg


第一楽章
第一主題はスローに澄んで、第二主題はティンパニを大きく鳴らして緊迫感を出します。反復から第三主題も見晴らしがいいですね。展開部は前半のスローな暗さからポリフォニカルな山場への流れは印象的です。その後も対位的な動機を絡めて混沌とさせるのも良いですね。再現部の第三主題回帰の穏やかさへの変化も極端に落とします。哀しみや優しさとは違う混沌の第一楽章を上手く作り上げている印象です。

第二楽章
主要主題は二つの動機を軽妙に絡ませ舞曲的に、第一トリオも演舞風に軽やかです。切れ味よく進んで第二トリオは緩やか優美です。この流れが第一楽章との対比になっていますね。後半も殊更に狂乱しません。

第三楽章
主要主題はまとまり良くリズミカル、副主題(第一トリオ)でも流れは軽快です。荒れた印象も上手くコントロールされています。中間部(第二トリオ)もあまりスロー化せずに流れをキープして、ラストも暴れすぎずに鳴り良く納めました。

第四楽章
主要主題は緩やかに優しさと哀しみを合わせた様に、ファゴットの動機で大きくスローに落とします。包み込む様な緊迫感が漂いますね。第一エピソードは導入部からターン音型を暗くしてラストへの印象を強く見せる流れです。見事ですね。第二エピソードも多声的な音色を静かに浮かび上がらせる上手さから、山場は壮絶に作ります。後半からコーダの静まりは言うまでもありませんね。

長い静寂のあと拍手喝采です!! 鳴り止まないそれも最後まで聞いてしまいました。


ローカルオケの演奏と思いきや見事な見晴らしの良さのマーラー9でした。指揮者の意図もオケの好演も大きく予想を裏切ってくれました、もちろん良い方にです。

混沌の第一楽章、軽妙さの中間楽章、静けさと哀しみの最終楽章。見事に揃えましたね。近年、素人が生意気なのはご容赦ください、マーラーの交響曲の演奏レベルが上がっているのを実感できます。素晴らしい演奏でクールです!! 欠点があるなら, まとまり過ぎの一点でしょうか。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





『マーラー 交響曲 第9番』 «ネット配信» クリストフ・エッシェンバッハ指揮 / ケルンWDR交響楽団 2019年12月13日


クリストフ・エッシェンバッハ, Christoph Eschenbach
(WDR Sinfonieorchester Köln)
ドイツ人ピアニストで指揮者のエッシェンバッハが、ケルンWDR響に客演したマーラー9ですね。ドイツWDR3 Radioのウェブサイトからの配信です。

▶️ WDR3 Radio (2020年1月14日まで配信される様です)




マーラー 交響曲 第9番 «ネット配信»
(Live at Kölner Philharmonie 13 Dec. 2019)

ChristophEschenbach-Mahler9-13Dec2019.jpg


第一楽章
第一主題は主旋律より管楽器が強いです。流れが少し詰まり気味で、第二主題もその流れですが緊張感がありますね。楽器間のバランスがやや不自然さを感じさせる提示部です。展開部はややモッサリとした前半スローの暗さから、荒れ気味に緩急を付けてきます。その後も全体としてはやや掴み処がはっきりしない印象です。

第二楽章
クセのない主要主題はモワッとした感じで、第一トリオもテンポはゆっくり目で締まりが弱い感じがしますね。第二トリオも何か一つシャキっとしませんね。

第三楽章
主要主題は教科書的にスタンダートな印象で、第一トリオ(副主題)が真面目に入ってきます。王道的に絡みながら、中間部は表情が薄めですね。ラストは荒れ気味で良い感じ、この楽章が一番普通に聴けたかもしれません。

第四楽章
主要主題、第一エピソードははクセなく美しく、第二エピソードはやや速め淡白からの山場、いずれも個性に欠ける感じです。


全体的に間延び感が強い印象のマーラー9です。アゴーギク・ディナーミク共に薄く、出し入れやコントラストが弱いです。基調ややスローなので余計にフラットな印象です。ボ〜っとしている間に終わった感じでしょうか。駄耳には難しい構成でした。

演奏前にエッシェンバッハがインタビューに応えて熱弁をふるっていましたが、たとえ独語がわかったとしても難しくて理解できないでしょう。どんなに専門家の先生が腕を振るっても聴く側はド素人ジイさんの嗜好なので…申し訳ない気がします。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





素晴らしい『マーラー 交響曲 第9番』 «ネット配信» テオドール・クルレンツィス指揮 / 南西ドイツ放送交響楽団 2019年12月13日


テオドール・クルレンツィス, Teodor Currentzis
(SWR Symphonieorchester)
人気のギリシャ人指揮者クルレンツィスが、2108年より首席指揮者を務める南西ドイツ放送響を振ったマーラー9ですね。独SWR2 radioのウェブサイトから映像付きの配信です。

▶️ SWR2 radio (賞味期限は短いでしょうから、お早めにどうぞ)




マーラー 交響曲 第9番 «ネット配信»
(Live at Stuttgarter Liederhalle 13 Dec. 2019)

TeodorCurrentzis-Mahler9.jpg


第一楽章
第一主題はスローで余裕を感じます。第二主題は濃厚な色付け、反復から第三主題はアゴーギクで引っ張る様な波を作ります。クルレンツィスらしい印象ですね。変化の大きい展開部も微妙なアゴーギクを振ってきますね。導入部の暗さはスローに、アレグロ・リゾルートからは一気に上げて山場からは奈落へ落とします。その後もコントラスト付けが強烈です。スロー基調が少し気になります。

第二楽章
主要主題はスローの揺さぶりのレントラーで濃い味付けですね。第一トリオはリズミカルにテンポアップで現れ対比を強調します。第二トリオはスローに一休み感を付けています。主要主題回帰後の山場は切れ味鋭いですが抑え気味ですね。

第三楽章
主要主題は速くポリフォニカルにやや荒れた気配を作ります。そこに副主題(第一トリオ)が軽やかに出現します。中間部(第二トリオ)はターン音型で最終楽章を想像させ上手い構成です。ラストはアッチェレランド風に激走です。
主要主題と中間部の扱いは見事で、素晴らしい楽章になっています。

第四楽章
短い序奏のf指示を協調して入ると主要主題を波の様な揺さぶりで流します。クルレンツィスですね。そうなると第一エピソードはもちろん静暗のスローで繊細、コーダを想像させる良い流れです。第二エピソードは二つの山場を鳴り良く大きく広げます。そこからはターン音型でコーダへ向かって息を鎮めて行きます。コーダは静で引っ張ります。舞台演出もライトを落として、最後は真っ暗です。長い沈黙(1'15"!)の後、拍手が湧き上がります。
二つのエピソードが見事な最終楽章ですね。


いかにもクルレンツィスらしい陰影付けの明確なマーラー9です。特にアゴーギクの揺さぶりとコントラストが強く演奏上の表情は豊かですね。完成度が高くSWR SOの演奏も見事です。この配信に間に合った人はラッキーでしょう。

特に第三楽章は見事ですね。ただ個人的にはクルレンツィスは構成上の仕込みが強いのが気になってしまいます。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





心に響く『マーラー 交響曲 第9番』 «ネット配信» エド・デ・ワールト指揮 / ミルウォーキー交響楽団 2019年4月26, 27日


エド・デ・ワールト, Edo de Waart
(Milwaukee Symphony Orchestra)
デ・ワールトのマーラーは個人的に好みです。2009〜2017年まで首席指揮者、現在は桂冠指揮者を務めるミルウォーキー響を振ったマーラー9、PRX(オーディオ&ストリーミング)からの配信です。
英発音ではエド・デ・ヴァールトですね。

▶️ こちら(賞味期限は短いでしょうから、お早めにどうぞ)




マーラー 交響曲 第9番 «ネット配信»
(Live at Uihlein Hall, April 26-27th, 2019)


EdoDeWaart-Mahler9-Apr2019.jpg

(写真はアウトリーチ活動組織'UPAF'のHPです。デ・ワールトも歳をとりましたね)


第一楽章
抑えの効いた第一主題から緊迫感を与えた第二主題へ、反復で大きく広げ第三主題は鳴りよく。中心となる展開部は暗い緊張感からJ.シュトラウスIIの引用で緩やかに光を見せて、山場を派手に奏でると後半を緊迫混沌に彩ります。再現部は大きな波の様です。緩急の緊迫感が見事な第一楽章ですね。

第二楽章
主要主題は洒脱に舞います。第一トリオではシャキッとして、第二トリオは優美に。三つの主題が舞曲の様に構成されますね。バレエ曲の様な美しい構成です。

第三楽章
主要主題は刺激的に対位的旋律を絡ませます。副主題は軽やかに、中間部はあまりテンポ変化を付けず一休み的です。ラストはパワー、全体は軽やかさが光ります

第四楽章
主要主題はスローに大きく、哀しみより包み込む様な優しさです。第一エピソードは抑えた暗い流れから大きく穏やかに広げ、後半は静的ターン音型でラストを印象付けますね。第二エピソードでは入りのターン音型から哀しみを深く、張り詰めた緊張感から山場を奏でます。後半からコーダは静かに緩やかに別れを告げるかの様です。


コントラストと見晴らしの良さが心地良いマーラー9ですね。第一・第四楽章の緊迫感に対し、中間楽章の心地よさ。各楽章の中での緊迫感と柔らかさの対比、と言った素晴らしい全体構成です。

流石はデ・ワールトと言った完成度、オケもそれに応えていますね。聴き応え十分の素晴らしさです。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





『マーラー 交響曲 第5番』 «ネット配信» "BBC Proms JAPAN 2019" トーマス・ダウスゴー指揮 / BBCスコティッシュ交響楽団 2019年10月30日


トーマス・ダウスゴー, Thomas Dausgaard
(BBC Scottish Symphony Orchestra)
先月初めての日本公演があったBBCプロムス。その初日のメイン、マーラー5番がBBCradio3のウェブサイトより配信されています。

指揮はお馴染みのT.ダウスゴー、BBCスコティッシュ響は初来日だったそうです。英語紹介ではダウスガードですね。 (当日の日本語パンフレット)

▶️ こちら (配信は2019年12月24日までの様ですね)




マーラー 交響曲 第5番 «ネット配信»
(Live at オーチャード・ホール, 2019年10月30日)

Dausgaard-Mahler5-30oct2019Tokyo.jpg


第一部
ファンファーレのtpが怪しげw 葬送行進曲は重厚さを避けて静的に、第一トリオでは速め適度な激しさでコントラスト付けです。第二トリオも少し速めですね。第二楽章第一主題も速めで荒れ気味の流れ、第二主題は(一楽章#2トリオですが)テンポを落とし優美です。やや切れ味に欠けますがコントラストの良い第一部です

第二部
スケルツォ主題は伸びやかに心地良く、レントラー主題は優美、第三主題もスロー&マイルドと良い流れです。再現部は緩急を付けながらの三主題の緊迫感ある流れを上手く作っていますね。締まりある第二部です

第三部
第四楽章は気持ち速めで表情は濃い目、トリオでは落ち着いた流れにメリハリを付けています。夏の夕暮れ、温泉に浸かりながら夕日を眺める様なアダージェットです。第五楽章の第一・第二主題の絡みは慌てず良い流れ、コデッタも優美に心地良いですね。展開部は山場へ向けて高める上手い流れを作り、再現部は緊張感を保ったまま山場・フィニッシュをビシッと決めました。


緩急・激しさと言ったコントラストの良いマーラー5でしたね。好演なのですが、スカッとした抜けの良さに欠ける感じです。原因はフラットに感じる録音の問題なのでしょうか。(金管が多少怪しいのがあるにしても…)

ダウスゴーのマーラー5は以前 新日本フィルでも聴きましたが、その時はオケの怪しさを感じた覚えがありますね。会場も同じだったと思います。



残念ながらCDではないので「マーラー第5番聴き比べ:175CD」にはアップしません。


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





ようこそ
カテゴリ
ありがとうございます