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『マーラー 交響曲 第8番 "千人の交響曲"』«web配信» セミヨン・ビシュコフ指揮/NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団 2024年4月12日


NDR Elbphilharmonie Orchester
Semyon Bychkov, cond.
ビシュコフがNDRエルプ・フィルに客演した先週のマーラー8です。(同オケの主席指揮者はA.ギルバートで、現在ビシュコフはチェコ・フィルの主席指揮者)

このオケは "テンシュテットのマーラー" や "ヴァントのブルックナー" のイメージが強くやっぱり"北ドイツ放送響"の方がフィットしますね。

配信はもちろんNDR radio&TVからです。


【ソリスト】
  キャロリン・サンプソン (Carolyn Sampson, sop)
  カミラ・ティリング (Camilla Tilling, sop)
  ミリアム・クトロヴァッツ (Miriam Kutrowatz, sop)
  ステファニー・イラーニ (Stefanie Irányi, mez)
  ジェニファー・ジョンストン (Jennifer Johnston, mez)
  アンドレアス・シャーガー (Andreas Schager, ten)
  アダム・プラチェトカ (Adam Plachetka, bas/bar)
  ネイサン・バーグ (Nathan Berg, bas/bar)



▶️ NDR radio&TV (配信期間は短いと思われます)






«web配信»
Mahler Symphony No. 8
"Symphony of a Thousand"


sbm8ndrepls.jpg
[Live at Elbphilharmonie, 12 Apr. 2024]


第一部 『来たれ、創造主たる精霊よ』
提示部:第一主題は微妙な揺さぶりでやや落ち着かず。第二主題のソプラノは少し遠く聴こえ、そこからの各独唱の重唱パートは落ち着いて力感が弱めですが多声を生かした絡みです。
展開部:入りの管弦楽奏はリズムを刻み、ソリストが端正に重唱をコントロールすると第一主題変奏の合唱が激しいパワープレイで一気に流れを変え、続くソリストも激しさで応えます。
コーダ:少年合唱団で始まる"Gloria…"が落ち着いて入り、ソリストと合唱が華々しく派手に飾り立てフィニッシュ。怒涛のパワープレイそのものです。
荒っぽいのは歓迎ですが どこか安定感に欠ける第一部です。



第二部 『"ファウスト"から最終場』
【1. 序奏:山峡・森・岩・荒地】
5度下降ピチカートと木管の主題は若干ギクシャク、一体感が弱く不安定さを見せるのが気になります。弦の激しいトレモロが入る山場も今一つです。

【2. 緩徐:聖なる隠者たち】
「合唱とこだま」は序奏の演奏の延長でやや締まりが弱く長く感じます。
「法悦の神父」バリトンは濃い表現で'自らを貫け'と歌い、「瞑想の神父」バスも声量が弱めですが力感を見せて肩肘張った隠者のパートになりました。

【3. スケルツォ (アレグロ):天使たちと子供たちと】
「天使の合唱」はやや荒い演奏に負けそうになりながら、「祝福された少年たち」と「若い天使たち」は落ち着いて。
「成熟した天使たち」ではvnのソロが強くやや邪魔なくらい、アルト(#1)は良く伸びていました。合唱は控え目でしたね。

【4. フィナーレ:マリア崇拝の博士、懺悔する女たち、栄光の聖母】
「マリア崇拝の博士」のテノールの入りは弱くオケと合唱に負けそう。それにもっと素っ頓狂なくらいに聖母を讃えて欲しいです。落ち着き過ぎでしょう。
「かつてのグレートヒェンの告白」ソプラノは静美な合唱の流れに促される様に登場し、聖母に願いを伝えます。ここは上手い流れです。
「罪深き女」は伸びやかに、「サマリアの女」と「エジプトのマリア」はしっかりと言葉を伝える様に願いを歌います。
その"贖罪の女三人の合唱"になると少しテンポアップし対位的な絡みを強めて良い流れを作りました。
「懺悔する女 (グレートヒェン)」は良く通るソプラノで聖母への慈悲を歌います。標準的ですが、それがグレートヒェンでしょう。
「栄光の聖母」は短いながら影の主役で願いを受けての台詞は感激的です。ここでは柔らかく澄んだソプラノでそれを歌いフィットさせています。hrももっと澄んだ音色で吹いて欲しい処です。
「マリア崇拝の博士」はここでも落ち着き払っています。好みはもっと弾けて欲しいのですが。違うだろ!? って感じw

【5. コーダ:神秘の合唱】
オケの揺らぎが強い流れからの「神秘の合唱」は静に落ち着いてから低くスローに、ゆっくりと雲海の様に広げます。ソリストが浮かび上がる様に入ると山場へ向かい"永遠なる母性"を讃えてハイテンションに感激的に。ラスト管弦楽はスローに派手に溜めを作り、その荒っぽさも味方に着けてまとめ上げます



やや荒いオケが軸となったマーラー8です。その為一体感と落ち着きに欠けるのが気になります。

ソリストも一部アンフィッティングな感もありますし、全体的にこれと言った構成感も見当たりません。それでもラストは激しさからの広がりある大団円でしっかりまとまってしまいます。実に困った曲ですw



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





『マーラー 交響曲 第5番』«ネット配信» クラウス・マケラ指揮/シカゴ交響楽団 2023年2月16日


クラウス・マケラ | シカゴ交響楽団
(Klaus Mäkelä | Chicago Symphony Orchestra)
つい先日(2024-4/2)、2027-28シーズンから次期音楽監督になる事がアナウンスされたマケラ/CSOのマーラー5が配信されました。
同シーズンにはRCOの主席指揮者にも就任が決まっていて、現在はパリ管の主席指揮者、オスロ・フィルの音楽監督でもあります。
28歳にしてトップクラスのオケを従える人気と実力の程がわかります。

マケラのマーラーはCD化はされていませんが、"ネット配信のLIVE" で以下をインプレしています。第五番は、パリ管(2021-6/16)との演奏がありました。

 ・マーラー第3番 マケラ/コンセルトヘボウ管 2023年9月24日
 ・マーラー第3番 マケラ/オスロ・フィル 2022年6月6日
 ・マーラー第2番 マケラ/パリ管 2023年3月13日
 ・マーラー第2番 マケラ/パリ管 2022年11月30日
 ・マーラー第6番 マケラ/コンセルトヘボウ管 2022年8月28日
 ・マーラー第5番 マケラ/パリ管 2021年6月16日
 ・マーラー第9番 マケラ/パリ管 2020年12月9日


今回はCSOのオフィシャルサイトCSOradioからの配信です。


▶️ CSOradio (2025-4/7まで配信予定です)





«ネット配信»
Mahler Symphony No. 5

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[Live at Orchestra Hall, 16 Feb. 2023]


第一部
ファンファーレは地鳴の如くCSOらしさですが、葬送は意外や静に鎮めて哀しみの行進に、第一トリオは明瞭に鳴らしますが激しさは控えめ、第二トリオも静の印象を強く奏でます。
第二楽章第一主題もシャキッとして切れ味勝負ですが怒涛ではありません。第二主題も静を感じる穏やかさで、第一楽章二つのトリオのパロディでしょう。展開部の序奏と両主題のコントラストもそれぞれ回帰的で彫りを深める事はありません。再現部のピークでは鳴りを広げて収束です。
落ち着いて淡々とした第一部になりました。

第二部
スケルツォ主題は抑えた穏やかな優美さ、レントラー主題も緩やかな表情ですがおとなしい流れです。ちょっと元気さが足りませんね。第三主題主部のオブリガート・ホルンも受ける弦楽奏も抑え気味、変奏パートもそのまま淡々と進み、本来それを締める短い展開部はスロー強調から入って鋭く進みますが力感は抑えます。再現部各主題・動機も程々の色付け、本来は激奏パートのコーダもしっかりと鳴らしますがコントロール感が強いです。
コントラストが低く覇気に欠けるスケルツォ楽章です。

第三部
第四楽章主部主題は静美で澄んだ音色ですが沈んだ印象、中間部もその流れをキープします。クールなのか元気がないのか変なアダージェットです。
第五楽章第一・二主題は少し気持ちが乗って元気を見せてリズミカルに絡んで進み、コデッタ主題も優美さを見せます。展開部は入りは緩く徐々にテンションを上げますが落ち着いています。ピークも太く鳴らしますが抑えられた印象です。ところが一転再現部山場からコーダは派手やかに仕上げてフィニッシュはビシッとアッチェレランド。これが狙いですか?!


極端な最終楽章ラスト集中型のマーラー5です。そこまでの長い道のりは元気がなく、せめて抑えた中に緊張感は置いて欲しかった処です。

2番や8番ではこのパターンも典型の一つでマケラもやっていますが、5, 6, 9番では記憶がありません。

また当初マケラは王道+αの方向でしたが、最近は少し捻りを入れて舵を切っている気がします。この先CSOやRCOとどの様なスタイルを見せてくれるのか楽しみですね。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





『マーラー 交響曲 第9番』«ネット配信» マリン・オルソップ指揮/ウィーン放送響 2024年3月15日


ORF Radio-Symphonieorchester Wien
Marin Alsop: cond.
円熟期に入った女性指揮者の草分け米🇺🇸のオルソップが主席指揮者を務めるORFウィーン放送交響楽団とのマーラー9です。
今月15日のLIVEで、配信はもちろんORF(オーストリア放送協会)からになります。


▶️ ORF OE1 (配信期間は短いと思われます)





«ネット配信»
Mahler Symphony No. 9


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[Live at Musikverein Wien, 15 Mar. 2024]


第一楽章
第一主題は優しさを湛え、第二主題での変化付けは緩やかです。厳しさを徐々に上げて提示部反復へ、王道バランスからの第三主題も派手さは控え目に鳴らします。展開部前半"暗-明-烈"も程々のコントラスト付け、その後の第二主題はやや強めに表現して第一主題変奏のピークはコントロールした力感です。
安定的王道の第一楽章です。

第二楽章
主部主題は第二動機の不点音符表現は控え目に速めでリズミカルに。第一トリオもチェンジペースはしますが安定感をキープ、第二トリオも極端にはスローに引き摺りません。回帰主部からのピークはもちろん激しさを見せますが狂乱はしません。
約束通りに仕上げたレントラー楽章です。

第三楽章
主部主題はスピード感で切れ味良く、第一トリオもその延長上に置く流れでテンポと相まって爽快です。主部回帰から音厚を増しながら進み、第二トリオでスローに。ターン音型を生かして最終楽章を予感させ、ラストはしっかりストレットです。
この楽章の高完成度王道を聴かせてくれました。

第四楽章
主部主題は濃厚で低重心の弦楽奏です。あまり好きな方向ではありませんがフィットして、迫るものを感じます。第一エピソードも唸る低弦で入り太い流れを作ります。第二エピソードも鳴りを抑える事なく進み、ピークはガッツリ広げます。後半からコーダのターン音型も殊更鎮めずに浮遊感を付けて納めます。(ここは会場の音を拾っているのでマスタリングの関係かも)


鋭く低重心のいかにもドイツのオケ的な鳴りのマーラー9と言った処でしょう。緩んだパートや奇を衒った流れは作りません。

完成度が高く締まりがあって最後まで楽しめます。個性が見えるとすれば濃厚で音厚ある最終楽章でしょうか。好きではありませんが、この流れなら'あり'かと。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





『マーラー 交響曲 第9番』«ネット配信» ヤクブ・フルシャ指揮/シカゴ響 2023年6月8-10日


Chicago Symphony Orchestra
Jakub Hrůša: cond.
昨年6月のヤクブ・フルシャが客演したシカゴ交響楽団のマーラー9が6日前からオフィシャル配信されています。
現地のレビューでも評価は上々です。

CSOのオフィシャル・サイト "Experience CSO" からの配信になります。


▶️ Experience CSO (配信は2027-3/10までの様です)





«ネット配信»
Mahler Symphony No. 9


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[Live at Orchestra Hall, 8-10 June 2023]


第一楽章
第一主題はとても柔らかくホンワリ、第二主題も変化率は低めです。落ち着いた反復から第三主題も勢いはコントロールされます。展開部前半も序奏から第一主題はかなり鎮め、そして緩い流れ。中盤のピーク群も鳴らしますがしっかり管理下に置き、ピーク間の鬱は静のスローが強くボンヤリした感じです。その後も緩々として、やや掴みどころが薄い第一楽章です。

第二楽章
主部主題は穏やかさからの付点リズムも弱く薄く、第一トリオは少し締まりを見せますが元気が足りません。第二トリオはスロー静でまた緩んでしまいます。回帰のピークもテンポアップしますが弾ける力感が出て来ません。
不健康なスケルツォ楽章になってしまいました。

第三楽章
主部主題は力感は抑え気味ながら良いリズムと多声的流れを生かします。第一トリオも流れに乗って軽快さで進み、回帰の主題では力感を出して来ました。第二トリオもスローに陥らずターン音型を生かし最終楽章を印象付け、ラストはパワーを見せしっかりストレットさせて締め括ります。これぞCSO!!
やっと締まりある流れを出して来ました。

第四楽章
主部は切れ味と優しさの弦楽奏で気持ちの入った流れで、fg動機からも弦楽に緩みはありません。一二楽章のスローとは全く違います。
第一エピソードは鎮んだ静を生かして進み澄んだ哀愁を奏でます。コンサート会場だとこの音色は心に沁みるでしょう。グッと来ます。
第二エピソードもその繊細な流れを維持して入り、ピークは気持ちを高める様に上げて行き感情を溢れさせます。見事!! 後半のターン音型からコーダは静で作られた前半を引き継ぎ気持ちが伝わりました。
静の中に込められた哀愁が伝わる最終楽章です


緩々で間延びの前半、素晴らしい後半のマーラー9です。一二楽章はどうなる事かと思いましたが、三楽章で表情が一変しました。

モワッと掴み処が薄い流れが、いきなり構成感のある三楽章でラストはCSOらしさ全開。最終楽章の鎮めた哀愁は見事で、特に第一エピソードは静の中に気持ちが入っていました。繊細さの最終楽章はフルシャらしさでしょう。
CSOと作り込んだ三四楽章が素晴らしいです。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





『マーラー 交響曲 第5番』«ネット配信» シモーネ・ヤング指揮/シドニー交響楽団 2024年3月1, 2日


Sydney Symphony Orchestra
Simone Young: cond.
2022年から主席指揮者を務めるS.ヤングが手兵シドニー響を振ったオーストラリアセットのマーラー5が登場です。
"ABC Australia" からの配信になります。


▶️ ABC Australia (配信期間は短いと思われます)





«ネット配信»
Mahler Symphony No. 5

ssosym524312.jpg
[Live at Sydney Opera House, 1,2 Mar. 2024]


第一部
第一楽章ファンファーレから葬送行進曲は明瞭さ、第一トリオは強めのテンポアップで騒がしく、第二トリオも鬱ですが鳴りが太いです。
第二楽章の第一・ニ主題は一楽章トリオのパロディ、展開部の"烈-暗-明"も暗のvc動機が太い音色を立てて来ます。
何かと騒がしさが気になる第一部です。

第二部
スケルツォ主題は太くやや暑苦しく、レントラー主題も洒脱さは無く流れが強いです。第三主題主部のオブリガートホルンを受ける弦楽も堂々と鳴らし、変奏部のピチカートは引っかかる様な不自然さが気持ち悪いです。展開部・再現部いずれも騒がしく、コーダはテンポアップも強く暴れん坊です。
本来の優美な心地良さは無く暑苦しさのスケルツォ楽章になってしまいました。

第三部
第四楽章主部は分厚い甘美さ、中間部動機の繊細さもしっかりと鳴らします。ネットリ太いアダージェットです。
第五楽章第一・二主題ともに騒がしくコデッタ主題も優美より濃さです。展開部もうるさいですw 再現部山場からはテンポを速めガガーッと怒涛の勢いで締め括ります。これはこれでありかも。
待っていたのは盛大なアプローズ!!


全体的に太い鳴りで騒がしさが気になるマーラー5です。アゴーギクの効果も薄く一本調子に拍車を掛けている様です。

ダイナミックレンジが強音側に寄った感じで、マスタリングの問題もあるのかもしれません。いずれ'がさつ'な喧騒の中で終わってしまいます。これが本当にS.ヤングの狙いだったのでしょうか。彼女がこんな個性(変則性?)を出すとは思いづらいのですが。

半端ないアプローズを聴くとマスタリング/ミキシングの問題があったと見る方が正解かもしれません。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





『マーラー 交響曲 第9番』«ネット配信» フランツ・ウェルザー=メスト指揮/ウィーンフィル 2024年3月3日


Wiener Philharmoniker
Franz Welser-Möst
ウェルザー=メスト/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のNY公演から先週日曜日のマーラー9のLIVEです。

米クラシック音楽放送局WQXRのwebサイトからの配信で、カーネギーホールに向かうタクシーに乗る処から始まる面白い放送です。


▶️ WQXR (配信期間は短いと思われます)





«ネット配信»
Mahler Symphony No. 9


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[Live at Carnegie Hall, 3 Mar. 2024]


第一楽章
第一主題は緩やかで穏やか、優しさで包まれる様に。第二主題は暗く重く流れを変え、揺さぶりもいれて緊迫感です。コントラストを付けて反復からの第三主題も落ち着いた派手さです。展開部は前半の"暗-明-烈"を彫りを浅めに対比させ、中盤の"速-遅-速"の流れは明確に対比、後半では葬送を緩やかな行進でまとめます。コーダはラスト'ersterbend'を思わせる穏やかさで〆めて、落ち着いて見晴らしの良いアンダンテです。

第二楽章
主部主題はややスローに出てリズムをハッキリ刻みます。音厚を上げると華やかな舞踏風になって、第一トリオもその流れを強調して弾みます。第二トリオも殊更落とさずに緩やかな舞踏風にキープ、回帰する主部をハイテンポでキレあがり、ラストはゆっくりと鎮めます。
弾む流れが心地良いレントラー楽章になりました。

第三楽章
主部主題は重心を下げてチョット荒っぽく、ポリフォニーっぽさも見せて突き進みます。第一トリオは軽妙なハイテンポでコントラストを付けて、その流れで主部回帰へ繋げます。第二トリオは速めで弦楽ターン音型も殊更にエンディングを思わせない様にコントロールされ、ラスト前でボリュームを上げて鳴らしコーダはキレキレのストレット!!
良いですねェ。
マーラーの指示するチョイ悪な流れをキープする第三主題です。

第四楽章
主部主題の弦楽奏は重厚さを効かせますがやや速め、fg動機後も流れをより厚くする事は避けます。
第一エピソードも速いテンポはキープされ、哀愁感に寄り掛からない流れを作ります。それでもピークは感激的で "これもあり" でしょう。ピーク後は一気に静のターン音型となってフィニッシュを思わせます。その流れから続く第二エピソードはピークは激しく大きく、二つのピークの間を思い切った速い流れにする変則個性も披露します。
後半からコーダも淡々としていて基本となる静スローの感情移入を回避、見事な驚きのハイテンポのアダージョです。


充実王道のマーラー9かと思いきや輝きは最終楽章に仕込まれていました。程良く絶妙なアゴーギク/ディナーミクの三楽章まで、待ち構える個性煌めく最終楽章です。

前半がキッチリ仕上がっているからこそ、最終楽章の構成が生きたのでしょう。個人的なウェルザー=メストを印象を覆す聴き応えある演奏になりました。一聴をオススメするマーラー9です。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





『マーラー 交響曲 第6番 "悲劇的"』«ネット配信» ラハフ・シャニ指揮/ロッテルダム フィル 2024年2月17日


Rotterdam Philharmonic Orchestra
Lahav Shani: cond.
今注目の指揮者シャニ、一月のパリ管とのマーラー6に続いて手兵のロッテルダムフィルハーモニー管弦楽団を振ったマーラー6です。
先週17(土)のLIVEでオランダの公共ラジオ局NPO Klassiekのサイトnporadio4からの配信です。


▶️ NPO Klassiek (公開期間は短いと思われます)





«ネット配信»
Mahler Symphony No. 6
"Tragic"


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[Live at Concertgebouw, Amsterdam, 17 Feb. 2024]


第一楽章
スッキリとした見晴らしの良い第一主題、パッセージはかなり鎮めてスローの間からアルマの主題を華やかですが重厚さを避けて広げます。提示部反復で僅かに色合いを濃くしている様です。
展開部も第一主題から第二主題へのコントラストはスッキリ感、再現部の主題はより明確に表情を作り、コーダの葬送もほどほど鬱にしてテンポアップで駆け抜けます。
重厚さ派手さ控え気味にスッキリ・クールな第一楽章です。

第二楽章
スケルツォです。主部主題はクールに抑え気味、第一楽章パロディ構成でしょう。トリオはスロー軽妙で落ち着いて、途中から少し揺さぶりますが変拍子はあまり強調しません。木管動機も流れに沿った落ち着きでまとめ、回帰でも殊更には色合いを強めません。

第三楽章
主部主題は抑え気味にややスローに弱いアゴーギク、哀愁感は入れません。第一トリオも表情変化を薄めに入り、続くピークはスロー静から広げますが淡々とした印象です。中間部(第二トリオ)も同様に明るい日差しをいっぱいにですが、嬉しさは届けません。後半のピークも気持ちは入れず、感情をコントロールした表情の薄いアンダンテです。

第四楽章
序奏は抑えた入りでタメを作りモットーを鳴らすとアレグロ・エネルジコで一気にパワーを乗せ、第一主題を疾駆させます。パッセージと絡み上げて進みますがクール、第二主題では約束通りに軽妙さで登場です。
展開部の第二主題は華やかに派手に鳴らして、行進曲は激しさをテンポアップで示して切れ味鋭く勇壮な流れを作ります。再現部も第一主題登場で大きく勢いを付けて、騎行は一気呵成のパワープレイで爆進。これを狙っていたんですね。
過度の興奮は避けつつシャープな最終楽章になりました。


最終楽章集中型のマーラー6です。落ち着いてクールな前半楽章、感情を抑えて表情を薄くした第三楽章、待ち構えるシャープな切れ味の第四楽章です。

興奮や豪華絢爛さを避けたクールな"悲劇的"ですが、全体が第四楽章の様な興奮は避けつつもシャープな流れなら更に良かった様な…



ダイジェストが見られます (1日前, 16日の模様で、アンダンテの一部です)



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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