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『マーラー 交響曲 第5番』 «ネット配信» ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン指揮 / ニューヨーク・フィル 2017年9月19日

新型コロナウィルスの影響を大きく受けて生命最優先のニューヨーク。
そんな中ですが、ニューヨーク・フィル公式ウェブサイトでは2017–18シーズン開幕で FACEBOOK LIVE として放映されていた映像が配信されています。


Conductor | Orchestra
ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン (Jaap van Zweden)
New York Philharmonic
2017-18シーズンからN.Y.P.の音楽監督を務めるズヴェーデンの就任にあたってのコンサートですね。この日はエンパイア・ステートビルのスペシャル・コンサートで、続く22, 23, 両日もホームのDavid Geffen Hallで同曲を演奏しています。
ニューヨーク・フィル公式サイトの"Watch & Listen"から映像付き配信です。


➡︎ NYP Watch & Listen (配信期間は短いと思われます、お早めに)





マーラー 交響曲 第5番 «ネット配信»
(Live at Philharmonic Red, 19 sep. 2017)

JaapVanZweden-NYP-Mahler5.jpg


第一部
派手やかなファンファーレから葬送行進曲は美しさを感じさせる流れです。第一トリオは軽快感を付けて、tpの鳴りの良さも良いですね。第二トリオの哀愁は適度でコントロールが効いています。第二楽章第一主題は切れ味よく興奮を避けて速めに、第二主題(一楽章第二トリオ)は回帰的な色合いです。展開部でも同様にコントラスト付けは冷静に感じますね。録音の関係か、第二主題でのティンパニのトリルが強い気がししました。再現部山場もコントロールされて、まとまりと見晴らしの良さの第一部です。

第二部
スケルツォ主題は緩やか優美ですが、オブリガート・ホルンが今ひとつなのが残念です。(その後は大丈夫ですが、最終楽章序奏でまたコケますw) チェンジテンポのレントラー主題は美しさを感じますね。長い第三主題では落とし過ぎずに維持してスマートに、短い展開部はその延長線上にありますね。再現部はこの楽章の縮小版となって主題を並べ、コーダは切れ上がって見事に響かせます。

第三部
第四楽章主要主題は暖色系で夕暮れの景色の様に、中間部では微妙なアゴーギクを使っています。少し濃い味付けのアダージェットですね。最終楽章の第一主題と第二主題の絡みはテンポは速めで小気味良く、コデッタ主題では大きく広げます。展開部ではその流れに乗って華々しい山場を作り、再現部で落ち着かせると山場からコーダは壮大、ラストはビシッと決めました。もちろんここでもズヴェーデンは東京公演と同様 万歳フィニッシュですw
ブラボーの嵐と拍手喝采!!


落ち着いてまとまりのある、心地良いマーラー5です。突出した素晴らしさはないかもしれませんが、この一体感は一聴の価値ありではないでしょうか。

人種の坩堝的なメンバー構成もNYPらしさがあって素晴らしいですね。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





『マーラー 交響曲 第9番』 «ネット配信» ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 / ベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団 2020年1月31日

サラステはドイツのオケと素晴らしいマーラーを残していますね。今回はノルウェーのオケを振ったマーラー9です。
映像付き配信なのでサラステの生真面目なタクト・スタイルが見られますね。


Conductor | Orchestra
ユッカ=ペッカ・サラステ, Jukka-Pekka Saraste
(Bergen Philharmonic Orchestra)
フィンランド人指揮者のサラステが、今年一月ノルウェーのベルゲン・フィルハーモニー管弦楽団に客演した北欧セットのマーラー9ですね。

ところでサラステは昨シーズンでケルンWDR交響楽団の首席指揮者を退任していますが、その後はどうしているのでしょう。ご本人のサイトでも特に書かれていませんね。(3-4月は米国・カナダで客演することになっていますが、コロナは大丈夫??)

➡︎ Bergen Phil. (Official) (賞味期限は短いと思われますので、お早めに)





マーラー 交響曲 第9番 «ネット配信»
(Live at Grieghallen, 31 Jan. 2020)

JukkaPekkaSaraste-mahler9.jpg


第一楽章
短い序奏のバランスが気になりましたが、落ち着いた第一主題の静けさから第二主題以降高めて反復へ、第三主題を高らかに歌います。展開部もクセのない安定した流れで、緩-急(劇)-緩の構成を構成していますね。サラステらしいクセのない落ち着いた流れです。

第二楽章
レントラー主題は悠々と、第一トリオでもチェンジペースは緩やかでバランスが保たれます。第二トリオはややスローに適度な優美さを添えます。全体とすると少しフラットに感じるかもしれません。

第三楽章
主要主題は刺激を抑え柔らかめに、続く副主題も同じ流れに乗ってマイルドな軽快さです。中間部をシンプルに奏でるとターン音型を出し、最終楽章第二エピソードを思わせます。

第四楽章
序奏は色濃く、主要主題も濃厚です。今回初めてサラステの感情移入を感じました。第一エピソードも情感の深さを見せる大きな流れを作ります。第二エピソードの導入部は速めに入ってターン音型の鎮まりを避ける構成を感じますね。そこから山場は気持ちがこもる様に盛り上げます。後半ターン音型は導入部とは打って変わって緩やかに鎮めて、コーダの浮遊の沈黙へと導きます。
それまでの三楽章とは全く異なる素晴らしさです。


最終楽章一本に的を絞ったマーラー9です。危険な香りは微塵もなく、全体としてマイルドな味付けの三つの楽章。それに対して溢れる情感の最終楽章。あまりの違いですね。

最終楽章を際立たせるためなのか、はたまた最終楽章しか練習時間がなかったのか… 全楽章が揃えば、きっと聴き応えあるマーラー9になったでしょう。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





『マーラー 交響曲 第9番』 «ネット配信» ダニエレ・ガッティ指揮 / RAI国立交響楽団 2020年1月9日



Conductor | Orchestra
ダニエレ・ガッティ, Daniele Gatti
(Orchestra Sinfonica Nazionale della Rai)
ガッティがRAI国立響を振ったマーラー9ですね。ガッティというと残念な事件を思い出しますが、現在はローマ歌劇場の音楽監督を努めている様ですね。イタリア放送協会RAI傘下RaiPlayからの映像付きのweb配信になります。

➡︎ RaiPlay (配信期間は短いと思われますので、お早めに)





マーラー 交響曲 第9番 «ネット配信»
(Live at Auditorium RAI Arturo Toscanini, 9. Jan. 2020)

20200109DanieleGatti-mahler9.jpg


第一楽章
緩くスローな第一主題、過度の緊迫感を避けた第二主題、tpからの山場を大きく鳴らして第三主題は華やかです。展開部導入部は第一主題のテンポを生かした暗さからJ.シュトラウスの引用で柔らかな光を見せ山場を築き、第二主題の変奏からは混沌を上手く活かしながら緊迫感のある流れを作ります。緩やかなアゴーギクで見晴らしの良い第一楽章です。

第二楽章
主要主題は落ち着いたレントラーで、第一トリオをスケルツォらしく広げ、第二トリオはやや速めに鎮めます。ここでも大きな揺らぎの様なアゴーギクが感じられますね。

第三楽章
主要主題は軽快に切れ味よく、副主題は少しコミカルに、中間部でもあまり大きな変化は付けませんね。山場も緊迫感を避けていて、流れは統一されている感じです。

第四楽章
主要主題は緩やかに大きく包み込む様に奏でます。ここでも大きなアゴーギクを効かせていますね。第一エピソードは主部の流れに乗っていて、第二エピソードは山場を少し速めに緊迫感を高め その後のターン音型との対比を作ります。ポイントとなる上手い構成ですね。そこからコーダへはアゴーギクを使いながら鎮めて行きます。


大きく振られたアゴーギクが心地よいマーラー9です。重心を低く構えて死を捉えるのとは対角の穏やかな見晴らしの良さの好演です。

RAI国立響の各楽器の柔らかく美しい音色もガッティの狙った流れに合っていますね。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





期待を上回る好演:尾高忠明指揮・大阪フィル の『マーラー 交響曲 第9番』



Conductor | Orchestra
尾高忠明
大阪フィルハーモニー交響楽団
大フィルと言えば朝比奈さんがすぐに浮かぶわけですが、その後 大植英次さんが音楽監督を務め、今は2018年から尾高忠明さんがその席についていますね。(大植さんと尾高さんの間に、井上道義さんが主席指揮者を務めていました)

その尾高さんが振った2019年のマーラー9です。これで四人のマーラー9番が出揃いました。それぞれ実に興味深い演奏ですね。(大植さんと井上さんは大フィルではありませんが)


▶️ マーラー交響曲第9番:100CD聴き比べ





マーラー 交響曲 第9番
(フェスティバル・ホール, 2019年4月12,13日)



第一楽章
第一主題は抑えた入りから少し感情を込め、第二主題で切迫した流れを作ります。反復は感情豊かで第三主題も切れ味がありますね。展開部前半は低い落ち着いてJ.シュトラウス引用が心地良く、その後の出し入れの強い流れにつなげて再現部へと入ります。ラストのスローは効果的ですね。
微妙に振られたアゴーギクが効果的なスパイスとなった第一楽章です。

第二楽章
レントラー主題は跳ねる様に踊る様に、第一トリオでもシャキッとしながら舞踏的な流れを崩しません。第二トリオでは優美に色合いを変えて中間部的な様相を明確にしています。後半の主題回帰での荒れたパートはもう少し力感があっても良かった気がします。そこが少し長さを感じさせる気がします。

第三楽章
主要主題はシャープです。第一トリオでもリズミカルにキープして見晴らしの良さがありますね。この二つの主題のポリフォニカルな絡みは聴き応えがあります。中間部(第二トリオ)はあまりスローに落とさず、穏やかさの中に緊張感を感じます。その点ではあまり最終楽章のターン音型を意識させない様にしているかもしれませんね。ラストはビシッと決めて、締まりのある第三楽章です。

第四楽章
力の入った短い序奏から主要主題は穏やかに、テンポはあまり落としません。それでも気持ちの伝わる流れになっていますね。第一エピソードは入りからターン音型の鎮まりを見せて終盤への導入を感じさる構成です。第二エピソードは二つの山場を大きく鳴らすと、対比的に鎮めてターン音型の静寂へと落ち込んで行きます。フィニッシュまで緩やかに"ersterbend"です。
せっかくのLIveで好演なのにアプローズがカットされているのは残念。


締まりのある流れ、表情のある楽章構成、クールなマーラー9です。決して暴れたり、極度にエモーショナルに陥る事もありません。アゴーギクの色付けが絶妙で、効果を見せています。大フィルも見事です。

予想を上回る、失礼!!、聴き応えのあるマーラー9になっています。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





盤石の安定感『マーラー 交響曲 第5番』 «ネット配信» ヴァレリー・ゲルギエフ指揮 / ミュンヘン・フィル 2020年2月7日



Conductor | Orchestra
ヴァレリー・ゲルギエフ, Valery Gergiev
(Münchner Philharmoniker)
現在主席指揮者を務めるゲルギエフがミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団を振ったマーラー5です。ゲルギエフはマーラーを取り上げる事が多いので、第5番は昨年3月マリインスキー劇場管を振っていますね。
今回は独仏共同のアルテTVのwebサイト"Arte Concert"からの映像付き配信です。

Arte TV (2021年2月16日までと長い公開です。ぜひ一度観賞下さい)





マーラー 交響曲 第5番 «ネット配信»
(Live at Philharmonie Paris, 7 Feb. 2020*)

mahler5-gergiev-07feb2020.jpg


第一部
ややスローに重心の低い葬送行進曲は回帰のファンファーレのコントラストも良く、第一トリオも暴れる事はなく落ち着いた切れ味良い流れを作ります。第二トリオはスローの哀愁を付けていますね。第二楽章第一主題もクールに締りのある切れ味が光ります。すぐに第二主題(第一楽章第二トリオ)で哀愁に色合いを変えますね。少し抑えた哀愁で心地よいです。展開部もチェロのスロー静パートを中心にコントラストがあり、再現部ラスト前のコラールは最終楽章を想像させる切れ味ですね。堂々王道の第一部です。

第二部
スケルツォ主題は流麗に、レントラー主題は穏やか優美です。第三主題はスローの陰の色付けが良く、オブリガート・ホルンの鳴りも見事です。このパートは素晴らしく、グッときます。展開部に入って流れはシャープに変化し、再現部に戻ります。ここでは華やかさを見せて進み、コーダは派手にビシッと締めますね。ちなみにオブリガート・ホルンは起立演奏でした。

第三部
やや暖色系の主要主題は速めに感情移入は抑えめに入ります。山場に向けて感情を膨らませ、中間部では表情豊かに優しさを奏でます。主部の回帰で落ち着きを取り戻す、クールさとエモーショナル両面を持つアダージェットで拍手ですね。
最終楽章は第一主題と第二主題の絡みも落ち着いています。提示部反復で華やかさを増しコデッタは優美です。展開部は主題の絡みを適度な混沌さでまとめて山場を大きく鳴らします。再現部はその流れに乗って広がりを見せて、山場からコーダは派手に鳴らしました。

・・・・・・・

鳴り止まない拍手、団員が起立を拒否し指揮者に譲るオーディエンスの喝采、沸き起こる手拍子。素晴らしいコンサートに付き物が、そこにはありました。


王道で安定感のマーラー5ですね。落ち着き払って興奮せず、それでいて締りある見晴らしの良さ。演奏の破綻など微塵もなく、ミュンヘン・フィルの技量と個性でしょうか。独オケらしさを味わえました。

特出したものは無いかもしれません。あるとすれば盤石の安定感でしょう。非正規盤を含めたCDや過去の海外web放送も入れて、ゲルギエフのマーラー5では今回が一番かと。


* 同じ公演が2/5にフランクフルト(Alte Oper Frankfurt)でも行われているのでCD化されると良いですね。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





M.T.トーマス指揮/サンフランシスコ交響楽団 の2019年再録音『マーラー 交響曲 第6番』18年ぶりの印象は


マイケル・ティルソン・トーマス
(サンフランシスコ交響楽団)
M.T.トーマス(以下MTT)が25年間(1995-2020)首席指揮者・音楽監督を務めたサンフランシスコ交響楽団とのマーラー6、最後のシーズンに18年ぶりの録音が発売されました。2001年と同じく9月12〜15日のLiveからというのも面白いですね。退任後はもちろん桂冠指揮者だそうです。


 ・18年前のマーラー6との聴き比べは ▶️ こちら




マーラー 交響曲 第6番
(2019年9月12-15日)


(配信のみで、現状CD未発売の様です)


第一楽章
18年前よりも重厚さが感じられる第一主題からパッセージでは緩め、アルマの主題を大きく広げます。流れ自体は標準的ですが、アゴーギクが付いて表情があります。展開部も第一主題を切れ味よく、挿入部もスロー静での表情を感じますね。ところが再現部はあっさり、コーダも同様です。前回録音よりも表情は出ていますが、それでも淡白な印象でしょうか。

第二楽章
スケルツォです。主要主題は気持ち速めでシャープに、中間部(第一トリオ)は洒脱なリズムの変化を付けていますね。木管の第二トリオでの変化は薄めです。

第三楽章
主要主題は美しさの流れです。スローだったテンポは標準的になりました。副主題で少しスロー化させて哀愁感を強めて、流れにコントラストが付きましたね。中間部は自然な明るさの広がりになりました。この楽章は以前の録音よりも心地良いアンダンテになりましたね。

第四楽章
序奏はスローで抑え気味、アレグロ・エネルジコから流れ良く提示部へ入って行きます。抑えた感じの第一主題、第二主題も淡白です。展開部の両主題もそれなりのメリハリはありますが、'それなり'的。再現部は第一主題回帰からの騎行が個人的ポイントなのですが、何か一つ吹っ切れません。



標準的でタンパクにまとまった感のマーラー6です。クールと言う感じでもなく、感情を込めると言うのでもなく、'なんとなくほどほど'的印象ですね。MTTという期待値と整合しないだけかもしれませんが。

この曲は炸裂する感情か、もしくは抑えの効いたクールさか、どちらかの方向性が欲しい気がしてしまいます。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





トマーシュ・ネトピル / エッセン・フィル の「マーラー 交響曲 第6番 "悲劇的"」を聴いてみましょう


トマーシュ・ネトピル, Tomáš Netopil
(エッセン・フィルハーモニー管弦楽団, Essener Philharmoniker)
チェコの中堅指揮者ネトピルが同歌劇場の音楽監督を務めるエッセン・フィルを振ったマーラー6ですね。甘口で破綻のなかった9番に続くマーラーですが、どうでしょうか。
エッセン・フィルと言うと、1906年5月27日にマーラー本人の指揮でこの曲が初演された事が必ず出て来ますね。





マーラー 交響曲 第6番
(2019-5/14-17)



第一楽章
第一主題はビシッと勇壮で、パッセージは淑やかにアルマの主題はスローに華やか優美ですね。濃厚な提示部になっています。展開部の第一主題も締まり良く、第二主題回帰の挿入部ではスローでシンプルにしています。再現部を激しさを増して進み、コーダを陰鬱から立ち上げて鳴らします。バランス良く隙のない教科書通りの第一楽章ですね。


第二楽章
スケルツォです。主要主題は締まり良く、トリオはここでもスロー&シンプルです。王道なのか教科書的なのか、きっちりと作り込まれた感じです。


第三楽章
アンダンテです。主要主題は包む様な穏やかさで、第一トリオの副主題がobで哀愁を漂わせます。ほんの僅かにhrが綻びを見せますね。ミキシング修正すれば良かったのに、って言う感じです。中間部ではhr群がのびのびと音色を響かせ、第一トリオ回帰の山場は大きく鳴らします。


第四楽章
序奏はスロー揺さぶりは少なめでhrだけ少し怪しいw、アレグロ・エネルジコから第一主題は快走します。パッセージと上手く絡みながら第二主題は軽快で、王道ですね。展開部・再現部の出し入れもクセ無く安心して聴く事が出来ます。



王道的にキッチリ作り込まれたマーラー6ですね。堂々たる演奏でクセや欠点などありません。(後半楽章hrは少し修正すれば良かった気がします) その代わり情熱や個性の魅力も感じられません。

最近は演奏だけでなく録音技術を駆使して作り込まれた作品が多くなっている気がします。全曲通し一発勝負のLiveでどうなるのかが興味ありますね。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





オスモ・ヴァンスカ(Osmo Vänskä)・ミネソタ管弦楽団 の「マーラー 交響曲 第1番」はまとまりの良さですね


マーラー交響曲 第1番
(オスモ・ヴァンスカ/ミネソタ管弦楽団)
ヴァンスカ/ミネソタ管のマーラーは過去, "第5番", "第6番" とインプレしています。
現在マーラー・サイクルの最中ですが、本ブログのターゲットの9番が出る前に1番を聴いてみましょう。もちろん「花の章, Blumine」も各楽章の表題もありません。第三稿四楽章版なので「巨人, Titan」のタイトルも不要ですね。




Osmo Vänskä
Minnesota Orchestra


第一楽章
序奏の下降動機で静かに入り、第一主題が穏やかな音色を紡ぎ、第二主題の絡みで華やかに広げます。第6番と同じく提示部反復。その後の展開部は静まって落ち着き、カッコー動機後hrの登場で明るさを広げます。一気に派手な山場を作って再現部はその流れから晴れやかに走って締めますね。第一楽章は心地良い流れです。


第二楽章
主部スケルツォ主題はリズミカルに主部は全体的に跳ねる様です。中間部レントラー主題は少し落ち着いて舞曲風にコントラストを付けていますね。短い主部回帰は一層華やかになって見晴らしがいいです。


第三楽章
有名な短調「グーチョキパーで何作ろ」の主要主題は弱音(ppに感じるくらい)からゆっくりと入ってきます。ob動機が加わると葬送の列の様な感じを与えますが、哀愁のある動機(トリオ)で色合いを変えてきます。中間部は静かな明るさを漂わせますが、主部回帰は変調とリズム変化をもう少し生かしても良かった感じがありますね。


第四楽章
第一主題は締まり良く、第二主題は少し鬱を見せる様な穏やかさになっています。もう少しコントラストがあっても良い様な感じもありますね。展開部は激しさを見せますがまとまり過ぎな気配です。再現部は表情変化は付けるのですが、コーダも含めてやはりきれいに始末を付けている感じが強いですね。



きれいにまとまった流れのマーラー1ですね。アゴーギクもディナーミクもほどほど。何か弾けたものがあれば生き生きとした感じが出た気がしますね。

前半は心地よく感じられるのですが、後半も同じ様なまとまり感で流れるとスパイスが欲しくなってしまします。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





『マーラー 交響曲 第5番』 «ネット配信» フランツ・ウェルザー=メスト指揮 / クリーヴランド管弦楽団 2019年12月29日


フランツ・ウェルザー=メスト, Franz Welser-Möst
(Cleveland Orchestra)
2002年より長期政権(首席指揮者)を担うウェルザー=メストが, 手兵クリーヴランド管を振ったマーラー5ですね。米オハイオ州クリーヴランドの公共放送の運営組織 Ideastream "WCLV On-Demand" から配信です。
現地放送ではもちろんウェルザー=ストと言ってますね。

▶️ WCLV On-Demand (賞味期限は短いと思われますのでお早めに)





マーラー 交響曲 第5番 «ネット配信»
(Live at Severance Hall, 29 Dec. 2019)

WelserMost-Mahler5-20191229.jpg


第一部
第一楽章, 葬送行進曲は静に鎮めてファンファーレ動機を強くコントラストを付けています。そうなると当然第一トリオは強音を響かせます。荒れた感じはなくコントロール下にありますね。第二トリオは美しい哀愁で好印象です。第二楽章は第一主題は一楽章の強音パートの印象を続ける様に速めで揺さぶり荒々しく、第二主題(一楽章の第二トリオ)をスローの哀愁で対比させています。展開部のvc弱音パートも上手く、再現部のアップテンポも印象的ですね。マーラーの指示に従うコントラストを付けた第一部です。

第二部
スケルツォ主題は管楽器のバランスが少し気になりました。レントラー主題は弦楽器なので優美に流れます。第三主題は緩やかに鎮めてhrの動機を繋げて行きますが少しフラットです。ここでのオブリガートhrは朗々と鳴らしましたね。展開部で元気を取り戻し、再現部は元気なのですが主題の絡みがおとなしい感じでした。ややフラットな印象の第二部でしょうか。

第三部
やや速めで入る主要主題はテンポを落としながらクールな美しいさ、中間部では透明感ある流れを作ります。澄んだ流れの好きなアダージェットです。最終楽章第一・第二主題の絡みは速めの軽快さ、コデッタは軽妙です。展開部も主題や動機を速めのテンポでサッパリ味で進めます。山場から再現部は切れ味良く突き進み、コーダは疾走して派手に鳴らしてラストはアッチェレランドで締めくくります。上手い構成で最後を締めて拍手喝采!!


全体バランスに優れた聴きやすいマーラー5ですね。適度なアゴーギクによる揺さぶりが良く、ディナーミクにメリハリがあればもっと楽しめた気がします。速め基調なので胃もたれする様な要素はありませんね。そこが少し寂しいと言えば寂しいでしょうか?!



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





『マーラー 交響曲 第9番』 «ネット配信» アントニー・ヘルムス指揮 / 北オランダ管弦楽団 2019年12月14日 は驚きの好演でした!


アントニー・ヘルムス, Antony Hermus
(North Netherlands Symphony Orchestra)
オランダ人指揮者のヘルムスが首席客演指揮者を務める北オランダ管を振ったマーラー9です。(首席指揮者は不在で, 名誉指揮者がいる様ですね)
オランダの公共ラジオ局"NPO Radio 4"からのweb配信です。

▶️ NPO Radio 4 (賞味期限は短いと思われますので、お早めに)





マーラー 交響曲 第9番 «ネット配信»
(Live at TivoliVredenburg, 14 dec. 2019)

AntonyHermusNNO-Mahler9.jpg


第一楽章
第一主題はスローに澄んで、第二主題はティンパニを大きく鳴らして緊迫感を出します。反復から第三主題も見晴らしがいいですね。展開部は前半のスローな暗さからポリフォニカルな山場への流れは印象的です。その後も対位的な動機を絡めて混沌とさせるのも良いですね。再現部の第三主題回帰の穏やかさへの変化も極端に落とします。哀しみや優しさとは違う混沌の第一楽章を上手く作り上げている印象です。

第二楽章
主要主題は二つの動機を軽妙に絡ませ舞曲的に、第一トリオも演舞風に軽やかです。切れ味よく進んで第二トリオは緩やか優美です。この流れが第一楽章との対比になっていますね。後半も殊更に狂乱しません。

第三楽章
主要主題はまとまり良くリズミカル、副主題(第一トリオ)でも流れは軽快です。荒れた印象も上手くコントロールされています。中間部(第二トリオ)もあまりスロー化せずに流れをキープして、ラストも暴れすぎずに鳴り良く納めました。

第四楽章
主要主題は緩やかに優しさと哀しみを合わせた様に、ファゴットの動機で大きくスローに落とします。包み込む様な緊迫感が漂いますね。第一エピソードは導入部からターン音型を暗くしてラストへの印象を強く見せる流れです。見事ですね。第二エピソードも多声的な音色を静かに浮かび上がらせる上手さから、山場は壮絶に作ります。後半からコーダの静まりは言うまでもありませんね。

長い静寂のあと拍手喝采です!! 鳴り止まないそれも最後まで聞いてしまいました。


ローカルオケの演奏と思いきや見事な見晴らしの良さのマーラー9でした。指揮者の意図もオケの好演も大きく予想を裏切ってくれました、もちろん良い方にです。

混沌の第一楽章、軽妙さの中間楽章、静けさと哀しみの最終楽章。見事に揃えましたね。近年、素人が生意気なのはご容赦ください、マーラーの交響曲の演奏レベルが上がっているのを実感できます。素晴らしい演奏でクールです!! 欠点があるなら, まとまり過ぎの一点でしょうか。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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