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アダム・フィッシャー/デュッセルドルフ交響楽団 の「マーラー 交響曲 第1番 "Titan"」バランス良さですね


アダム・フィッシャー Adam Fischer
(Düsseldorf Symphony Orchestra, 2017-2/10-12 Live rec.)
アダム・フィッシャー/デュッセルドルフ響が進めるマーラー・サイクルから第三弾で登場した"第1番"ですね。

昨日インプレの1989年マーラー・フェスト・カッセル祝祭管から28年を経た"第1番"の変化はいかに!!ですね。




マーラー 交響曲 第1番「巨人」



第一楽章
序奏の弦ppp(pp)A音は鎮めて緊張感を与え、下降4度のカッコウ動機やファンファーレ動機との絶妙なバランスを作ります。提示部チェロの第一主題は明るく奏で、対位的な第二主題が絡むとリズミカルに広げますね。
展開部は透明感あるppスローからhr動機でテンポアップして穏やかな気配を作り、山場をハイテンポでバランスよく鳴らします。興奮はありませんね。
再現部は全体のおさらいの様に流れます。バランスが良く心地よさの第一楽章ですね。

第二楽章
スケルツォの主部は舞踏曲の様に優雅です。トリオでは繊細な弦の美しさをアゴーギクで際立たせ、上手い対比です。回帰では切れ味を加えた感じですね。

第三楽章
主部主題の短調『グーチョキパーで…』はやや速めに重さを控えた葬送行進曲で、カノンの流れを明確に奏しています。木管の二つの動機はスローからテンポを上げて雰囲気を変えて来ますね。良い流れです。中間部vnは緩徐の美しさを奏でて美しく、回帰からコーダは色合いを濃くするお約束になっています。

第四楽章
提示部第一主題はバランス良く落ち着いて、第二主題vnはスローな美しさに、そして緩やかに上げて行きます。
展開部第一主題も落ち着き感が強いですね。もう少しハジけても良いかもしれません。山場も行儀良さになっています。
厄介な再現部は序奏を静に心地よく、va動機を強烈に入れて雰囲気を緊張感に変えますね。コーダは落ち着いて勝利を讃えます。


突出したものはありませんが、バランス良く聴き易い"マーラー1"です。何か一つスパイスがあると嬉しい感じですね。

個人的好みはマーラー・フェスト・カッセル祝祭管との若々しさかもしれません。全体の流れはよく似ていますが、スローパートも含めて安定感のデュッセルドルフ響と言った感じでしょうか。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





アダム・フィッシャー/マーラー・フェスト・カッセル 1989 の「マーラー 交響曲 第1番 "Titan"」山場の鳴りの良さです


アダム・フィッシャー Adam Fischer
(グスタフ・マーラー・フェスト・カッセル祝祭管弦楽団, 1989 Live rec.)
A.フィッシャーがドイツのカッセル国立劇場の音楽監督時代(1987-1992)、グスタフ・マーラー・フェスト・カッセル音楽祭(1989年)で祝祭管弦楽団(Festspielorchester des Gustav Mahler Fest Kassel)を振った"マーラー1"が登場です。

なぜ今頃になって31年前の録音が登場したのでしょうか。デュッセルドルフ響とのチクルス推進中で"商売"になるという事でしょうねぇ。きっかけがなんであれ、聴けるのは嬉しい事ですが。




マーラー 交響曲 第1番「巨人」



第一楽章
特徴的な序奏A音静の7オクターブ・フラジョレットはやや音量が大きく、カッコウの4度下降は暗目です。チェロの第一主題が優美な舞踏風に登場、対位的な第二主題は繊細に流れます。明るい山場から反復して、展開部は繊細な序奏回帰で進みhrが明るさを見せて、山場は怒涛に鳴らします。再現部はその流れに乗って派手に、フィニッシュも壮大ですね。

第二楽章
スケルツォの主部は小気味よく低重心リズミカルです。トリオのレントラーでは軽妙ですが落ち着かない気配を感じますね。回帰ではいっそう重厚方向になります。

第三楽章
主部主題の短調『グーチョキパーで…』は暗さ控え目な葬送行進曲でカノンの流れは薄く感じます。木管の二つの動機は哀愁と軽妙さを上手く使い、中間部は緩やかなvnですが、今ひとつ締まりが弱いでしょうか。回帰は通常的で、アタッカで最終楽章へ入ります。

第四楽章
シンバルからの序奏はやや抑えて、提示部第一主題の管楽器と低弦が勇壮に出て来ます。激しい流れからの第二主題は優美スローですが、今ひとつ一体感に欠ける感じですね。
展開部第一主題は派手に鳴らして、徐々に上げて行き山場は落ち着いています。
厄介な再現部は静の表情を見せながら動機を並べて進みます。悪くはないのですが、緊張感が欲しい感じです。vaの動機で緊張感が出て山場は激走し、コーダは金管が鳴らし合いながら見事に終結させますね。


クライマックスの激しさを中心に据えたスカッとしたマーラー1です。なんと言っても鳴り派手な山場が聴かせどころでしょうね。スロー静のパートも悪くないのですが、そこに締まりがあったら更に良かったと思います。

こうなると次回は、デュッセルドルフ響との第一番をインプレしなければなりませんね。(未インプレですが既聴済みで、スロー静は一枚上手です)




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





オスモ・ヴァンスカ /ミネソタ管弦楽団 の「マーラー 交響曲 第7番」見晴らしの良さ!


オスモ・ヴァンスカ, Osmo Vänskä
(ミネソタ管弦楽団, Minnesota Orchestra)
ヴァスカ/ミネソタ管のマーラー・チクルス第6弾となる第7番が登場です。個人的には第三楽章〜第五楽章にかけての大きな変化がポイントですが、さてヴァンスカはどう繋げたのでしょうか。

現在A.フィッシャーもデュッセルドルフ響とチクルス中なので新しい流れが楽しめますね。




マーラー 交響曲 第7番



第一楽章
序奏, ボートを漕ぐリズムのテノールホルンの主題は標準的、木管の行進曲動機はスローです。提示部hrとvcの第一主題はリズミカルに登場、第二主題は感情を少し揺さぶって、コデッタは明るい行進曲になっています。長い展開部は動機や主題を入れ替えながらメリハリがありますね。第二主題は叙情豊かに広がりよく、第一主題回帰の山場は抑え目に作ります。
程よい揺さぶりで見晴らしの良い第一楽章になっています。

第二楽章
序奏のhrの掛け合いから主要主題は弦を連れて緩やかな行進曲風に進みます。チェロの第一トリオは優美に踊る様に現れて、中間部(第二トリオ)は哀愁をobが歌います。
良いリズムとテンポ、バンダとの掛け合いも上手く使った楽章になっています。

第三楽章
主部の動機群は適度な刺激を与えて潜む様な緊張感があります。マーラーの言う "影のように"ですね。中間部ではあまり変化を付けて来ません。

第四楽章
主要主題は緩やかでこの楽章らしさが出ています。そうなると、繰り返される変奏、そしてギターとマンドリンの音色が生きて来ますね。中間部では、その流れに長調旋律をのせる感じでいいですね。洒脱です。

第五楽章
主要主題は金管が華やかに空気を一変させます。パッセージも明瞭さですね。パウゼ後の第一エピソードは舞曲風に、第二エピソードはメヌエット風に主題と絡みます。その後は二つのエピソード変奏をテンポを振って進みます。第一楽章第一主題の回帰を切れ味良く陰鬱を醸して再現させて、優美な第二エピソードからコーダは華やかに結びます。



程よい刺激と揺さぶりがマッチしたマーラー7です。第三楽章の不気味さから、第四楽章の小洒落た夜曲、そして最終楽章の祭典的明るさ。この曲らしさ全開です。

予想を上回る素晴らしさを味わえました。アゴーギクの使い方が心地よく、今回のチクルスの中では聴き応えのある一曲になっているのではないでしょうか。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





アダム・フィッシャー/デュッセルドルフ交響楽団 の『マーラー 交響曲 第9番』は最終楽章ですね



アダム・フィッシャー Adam Fischer
(デュッセルドルフ響 Düsseldorfer Symphoniker)
アダム・ フィッシャーとデュッセルドルフ響のマーラー・サイクルから第9番が出ましたね。ここまでで穏やか基調のマーラー像になっているので、何となく想像できてしまう感じです。


 ▶️ マーラー交響曲第9番 100CD聴き比べ




Mahler Symphony No. 9



第一楽章
第一主題はスローで穏やか、いかにもA.フィッシャーらしいです。第二主題は急に黒雲が広がる様に、山場もコントロール下にありますね。展開部前半は緩やかな暗さからJ.シュトラウスII引用を穏やかに、アレグロ・リゾルートから山場も興奮っぽくを見せつつ冷静です。後半もアゴーギクを使って揺さぶりつつ、決して荒れる事はありませんね。第三主題回帰からの山場も客観的です。再現部は丁寧に。


第二楽章
主要主題は正攻法に二つの動機を絡ませ、第一トリオをテンポ明確にして色合いをつけています。第二トリオも基本に忠実な穏やかさで、変化球なしの王道的な第二楽章です。失敗の少ない方向性ですね。


第三楽章
ここでも王道の流れで、主要主題はテンポ良く 緩やかさの第一トリオと絡んで軽快です。中間部(第二トリオ)も予想通りの穏やかさでチェンジペースです。ラストpiù strettoは一瞬間を置いて走る計算した〆めになっていますね。


第四楽章
主部は穏やかな夕暮れの様、fg動機はグッとスローにして後半をテンポアップしています。程よいスパイスですね。第一エピソードは暗くスローに入り後半のターン音型を意識させていますね。弦楽器のポルタメントが懐かしさを誘います。第二エピソードでも冒頭からターン音型の静かな儚さを奏でていて方向性は全てラストに向いているのが明確です。山場は激しさではなく高まる感情になっていて、後半からコーダはまさに絶え入るがごとく… この最終楽章は"あり"かもしれません。



落ち着いた流れで細部まで計算されたマーラー9です。静音パートは魅力的で、強音パートも興奮を排しながらも刺激を与えます。特に最終楽章の静のターン音型表現はピッタリですね。

全てがコントロール下にある安心感と穏やかさをベースにした構築が好みを左右するでしょう。それがA.フィッシャーですね。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





インバル/都響 二枚の「マーラー 交響曲 第8番 "千人の交響曲"」その違いは?!



Conductor | Orchestra
エリアフ・インバル Eliahu Inbal
(東京都交響楽団, Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra)
約6年違いでの同楽団とチクルス完成という不思議なインバル/都響のマーラーですね。マーラー振りの指揮者と、マーラーを得意とするオケの二回の録音の違いはどこにあるでしょうか?!



マーラー 交響曲 第8番


① 2008-4/9 ミューザ川崎シンフォニーホール




第一部
提示部:第一主題「来れ創造主たる精霊よ」は程よく激しく、第二主題のソプラノ(#1)はスローに落ち着いて各独唱の重唱も丁寧に流れます。
展開部:入りの管弦楽奏は暗い中にリズムを与えて、再び重唱になり朗々とした歌唱が聴き応えがありますね。第一主題変奏と合唱は激しく登場しそのまま山場を構築します。
再現部:興奮を落ち着かせる様に重唱群が出現して、コーダは少年合唱団の"Gloria…"が弱い感じですが、ラストは高揚して終わりますね。
このパートらしい緩急出し入れの明確な第一部になっていますね。特別な事はないのですが…


第二部
【1. 序奏:山峡・森・岩・荒地】
5度下降のピチカートが印象的な主題を陰影強く表現していますね。程よい揺さぶりが聴きやすさを作っています。

【2. 緩徐:聖なる隠者たち】
序奏主題からの「合唱とこだま」は表情が薄い感じです。「法悦の神父」はテノール風のバリトンで、「瞑想の神父」は少々弱目ですが、愛を讃歌します。

【3. スケルツォ (アレグロ):天使たちと子供たちと】
「天使の合唱」もやや弱め、「若い天使たち」も少し弱いですね。「成熟した天使たち」ではvnのソロとアルト(#1)が登場しますが、どうしても合唱の弱さが気になります。「未熟な天使たち」「祝福された少年たち」も同じですね。

【4. フィナーレ:マリア崇拝の博士、懺悔する女たち、栄光の聖母】
「マリア崇拝の博士」のテノールは伸びの良い高音が役柄らしい気配を出して心地良いですね。「かつてのグレートヒェンの告白」(sop2)はやや表情に欠けます、「罪深き女」(sop1)の方が表情がありますね。「サマリアの女」(alto1)鎮めた印象を上手く歌い素晴らしいですね。「エジプトのマリア」(alto2)はやや腰高の印象で、"贖罪の女三人の合唱"は絡みが弱い感じです。
「懺悔する女 (グレートヒェン)」はいっぱいいっぱい。ピークとなる短い「栄光の聖母」は印象に全く残らず残念!

【5. コーダ:神秘の合唱】
「神秘の合唱」を静かに唱えると、ソリストが入るとスローで山場へ向かい大団円を作ります。興奮や高揚は避けた感じでしょうか。


特別な個性は感じられません、第一部は曲なりの良さですが、第二部歌唱パートは気になります。

テノールは良かったですし、サマリアの女のアルトも表現力がありましたが、他のソロや合唱には弱さを感じますね。





② 2014-3/8 東京芸術劇場, 3/9 横浜みなとみらい




第一部
提示部:第一主題「来れ創造主たる精霊よ」はテンポを速く切れ味があります。第二主題のソプラノ(#1)とそこからの重唱群は良い絡みを聴かせてくれていますね。
展開部:入りの管弦楽奏も表情が付いて、重唱はバランス重視、一転第一主題の変奏と合唱は派手派手しく鳴らし歌い上げます。見事な山場で、コントラストが見事ですね。
コーダは少年合唱団で始まる"Gloria…"から山場へは緊迫感を見せて一気に駆け上がり、見事にフィニッシュします。上手い流れです
表情豊かで見晴らしが良くなった第一部です。


第二部
【1. 序奏:山峡・森・岩・荒地】
5度下降(一楽章第一主題は4度)のピチカートが印象的な主題は適度に、山場は鋭い緊迫感を与えています。

【2. 緩徐:聖なる隠者たち】
「法悦の神父」はスロー静から緩急を交えて表現あるバリトンで、「瞑想の神父」のバスもワーグナー風な表現力で、愛を歌います。もう少し声量があれば尚可でしょうね。

【3. スケルツォ (アレグロ):天使たちと子供たちと】
「天使の合唱」「祝福された少年たち」も明瞭に、速いテンポが生きます。「成熟した天使たち」ではアルト(#1)が合唱に乗ってしっかりと愛の絆を歌っています。

【4. フィナーレ:マリア崇拝の博士、懺悔する女たち、栄光の聖母】
「マリア崇拝の博士」は児童合唱の勢いの上に現れて、テノールを生かして聖母を讃えます。まぁ役得ではありますが。優しいオケと合唱の流れから「かつてのグレートヒェンの告白」(sop2)は伸びやかに、「罪深き女」(sop1)も優しいソプで、「サマリアの女」(alto1)は低い声で切々と、「エジプトのマリア」(alto2)はシャープに、それぞれ願いを歌います。女性陣のバランスが良いですね。
「懺悔する女 (グレートヒェン)」の願いは澄んだsopでファウストを思う優しさを感じられ、ちょっとグッときます。そして応えるバンダの「栄光の聖母」はハイトーンで包み込む感じ、良いですね。このグレートヒェンから聖母は見事です。

【5. コーダ:神秘の合唱】
「神秘の合唱」で '永遠の女性' を静に讃えると、ソリストが入ってゆっくりと山場へ向かい、大団円はタメを作って炸裂です。お見事!


緩急出し入れと歌手陣の充実で、見晴らしの良いマーラー8になっています。バランスが良く、全編通して心地よさが感じられますね。

突出した何かはないかもしれませんが、録音も良く、誰でも安心して楽しめる一枚ですね。




緩急ある楽曲構成と歌手陣の充実度で、②の完成度が勝りますね。インバル/都響の二録音は概ねこの傾向にあると思います。

録音も妙に作り込まれた①よりも②の方が臨場感があって好感がもてますね。(個人的嗜好です)
個人的にはインバルはショスタコーヴィチやバルトークの方が素晴らしいと思っていますが。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





オスモ・ヴァンスカ/ミネソタ管弦楽団 の「マーラー 交響曲 第2番 "復活"」穏やかな流れ

そろそろ第七番がリリースされますね。その前に所有盤をインプレしておきましょう。


Conductor | Orchestra
オスモ・ヴァンスカ (Osmo Vänskä)
Minnesota Orchestra, 2017-6
ヴァンスカが長期政権で音楽監督を務めるミネソタ管と進めているマーラー・サイクルからの第2番ですね。
ちなみにヴァンスカの前の首席指揮者が大植英次さんでした。

ソプラノはルビー・ヒューズ(Ruby Hughes)、メゾソプラノはサーシャ・クック(Sasha Cooke)です。





マーラー 交響曲 第2番



第一楽章
第一主題低弦は速く重さ控え目、葬送行進曲は揺さぶりながら、第二主題は穏やかです。コデッタは晴れやかですね。展開部の前半も後半も微妙なアゴーギクで穏やかスローから山場はシャープにあっさりです。スロー&アゴーギクで重厚さは避けた第一楽章になっています。

第二楽章
主要主題はバロック風優しい舞踏、トリオでも少々緩めな流れです。回帰でも殊更には色合いを濃くしませんね。最後の主題回帰はいっそうの穏やかさになっています。

第三楽章
主部『子供の不思議な角笛』, 中間部共に控え目で流れは美しくヴァンスカ象徴的な感じです。コーダも炸裂はオブラートに包まれた感じ!?

第四楽章
主部アルト「原光」はスロー静に乗って美しい流れを作ります。中間部もその流れに沿った穏やかな美しさになっていますね。

第五楽章
提示部第一主題は刺激的に入り、hrの動機が直ぐに鎮めます。第二主題のコラールも落ち着いた音色で、復活の動機も秘めた意思ですね。
展開部も落ち着いて、"死者の行進"でも極端な刺激はなく爽快感になっていますね。
再現部は緊迫感を持ちながらも穏やかに進み夜鶯の一呼吸から、合唱が静かに現れるとソプラノが浮き上がる様に登場します。スローで静かな世界からアルトは "O glaube, Mein Herz" を朗々と歌いますね。男声合唱が「復活」を高々と歌いますが控え目、sop/alto重唱も刺激は薄いです。合唱が加わって一気に山場を作りますが、全てが落ち着いた山場ですね。


穏やかで美しい流れのマーラー2です。スロー緩やかマイルドな徹した構成で、ラストの大団円も興奮は排除のヴァンスカ・マーラーです。

ラストに待っているこの曲の感動をどう聴くかで、好みは別れるかもしれません。刺激物が苦手な方向きですね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





マーラー交響曲第6番 [悲劇的] 名盤珍盤 90CDを聴き比べてみました [#5 : 81-90]


#5回で90CDまで来ました。マーラーの交響曲で実績のあるブーレーズ、ベルティーニ 、インバルです。


Mahler Symphony No.6 -- 90 CDs 

 ★:名盤 (一般的にいわれている…と思う盤)
 ☆:個人的お勧め
 ㊟:とっても変わっています (普通の演奏じゃ満足出来ない貴方にw)


 #0:4CD バルビローリ聴き比べ
バルビローリ[x4]
 #1:16CD
バーンスタイン[x2 ★☆], アバド[x4 ★☆], カラヤン[x2 (★)☆], ハイティンク[x2 ★], ゲルギエフ, 小澤征爾, 井上道義[x2 ☆], プレートル[㊟], ワールト
 #2:20CD
ヴァンスカ, ダーリントン[☆], ラトル[x2 ☆], P.ヤルヴィ[☆], N.ヤルヴィ[x2 ㊟], ジークハルト, セーゲルスタム, パッパーノ, ザンダー, ショルティ[☆], ヴィト, シェルヘン[㊟], ズヴェーデン, ノット[☆], J.サイモン, アブラヴァネル, パク・ヨンミン
 #3:20CD
テンシュテット[x4 ☆], シャイー[x2], ヤンソンス[x2], MTトーマス[x2], ハーディング, 朝比奈隆[x2 ㊟], スヴェトラーノフ[x2 ㊟], セル[x2], バルシャイ, 井上喜惟, 山田和樹, クルレンツィス[★]
 #4:20CD
ギーレン[x3 ☆], シノーポリ, メータ, サロネン[☆], サラステ, ヤング, 大植英次[㊟], ボンガルツ[㊟], シュテンツ, ヘンヒェン[x2], アシュケナージ[x2], ヴロンスキー, タバコフ, シュワルツ, マーツァル, ネトピル
 #5:10CD 本投稿
ブーレーズ[x4 ★☆㊟], ベルティーニ[x3 ☆], インバル[x3]




ピエール・ブーレーズ, Pierre Boulez (4録音)

このブログでは現代音楽家の印象の方が強いわけですが、実はマーラーの良い録音を残しているブーレーズですね。



(#1)

BBC Symphony Orchestra
[Enterprise] 1973 mono


Mahler6-Boulez-BBCso1973.jpg

BBC響の首席指揮者(1971-1975)時代のマーラー6ですね。正規盤か微妙なイタリアのレーベルからのリリースです。

第一楽章
恐ろしくスローな第一主題の入りです。tpが怪しいですね。テンポを徐々に上げモットーでは標準的に、アルマの主題は鳴りの良い広がりです。提示部反復の第一主題は通常テンポに戻しますね。展開部の第一主題では引っ張る様な奇妙なアゴーギクを振ってからの炸裂です。第二主題は大人しい静的流れで、山場はスローから上げて行きます。ところがピークで奇妙なスローの揺さぶりに。再現部は普通に、コーダの葬送は暗く第二主題は晴れやか派手にです。
アゴーギク変化球の第一楽章です。
第二楽章
スケルツォです。主要主題はストレート、テンポと切れ味がスケルツォらしく素晴らしいですね。トリオも速めでシャープな美しさで、優しさではありませんね。木管の動機はスローに落としてコントラストが良いです。回帰するトリオでは少し揺さぶりをかけていますね。
変則パターン無しのキリッとしたスケルツォになっています。
第三楽章
主要主題は緩やか穏やかな中に微妙なディナーミクを付けています。第一トリオは哀愁感があって緩いアゴーギク、中間部(第二トリオ)は明確な明るさで変化を付けています。ラスト山場が強烈に速いと言うのが奇妙で珍しいですね。
アゴーギクで変化付けのアンダンテです。
第四楽章
序奏から揺さぶりを入れています。アレグロ・エネルジコから提示部第一主題はシャープな行進。切れ味のパッセージは主題と緊張感ある絡みでテンポアップし、第二主題は穏やかながら速いです。快速の提示部ですね。展開部チェロの動機から第二主題は揺らぎを強く現れ、激しい速度で山場へ駆け登ります。行進曲は抑えてクールですね。再現部第一主題は派手派手しく出現し、続く騎行を激烈に飛ばします。暴れ馬の様です!!



奇妙な揺さぶりの変化球と切れ味のストレート、両面を持つマーラー6です。ハイレベルの曲者アゴーギクですが、パワープレイも堪能できますね。

変化球好きの貴方はぜひ一度打席に立って下さい! 普通にマーラーを聴くなら無用の一枚かもしれません、個人的には手放せませんが…






(#2)
★☆
Wiener Philharmoniker (VPO)
[DG] 1994-5


(右は全集です。ブーレーズのマーラーはオススメですね)

BBC-SOから約20年後、ウィーンフィルを振った良く知られたマーラー6ですね。大きく変貌しています。

第一楽章
スローに入る第一主題は重厚、徐々に上げて標準的なテンポに。アルマの主題は華やかです。提示部反復の第一主題は初めから標準テンポですね。展開部第一主題は重々しく、実は厄介な挿入部は各ソロ・パートの上手さとバランスの良さでgoodですね。流石はVPO! 再現部は文字通りの再現ですが、より色合いの濃さを感じます。コーダも同様です。完成度が高い第一楽章です。
第二楽章
スケルツォです。主要主題は第一楽章の流れを受け継いで重厚で堂々と。若干速めのトリオは繊細な美しいメヌエットですが甘美に落とす事はありません。木管の動機も流れに沿った自然さでナチュラルです。全体を通して第一楽章の延長線上を感じますね。
第三楽章
この美しく優しい主題はまさにVPOの個性が発揮されたと思います。第一トリオも優しく哀愁が広がります。緩やかなアゴーギクがとても効果的ですね。中間部は雲が晴れるかの様に広がり、後半第一トリオ回帰の山場は壮大です。
6番最高のアンダンテの一つでしょう。
第四楽章
序奏はスローベースに揺さぶりを押さえ、二回目のモットーからアレグロ・エネルジコ達すると提示部第一主題を切れ味良く放ちます。パッセージも落ち着いてhrを朗々と鳴らし、第二主題が軽妙に現れます。展開部チェロの動機は抑えめに、第二主題は広大な音色です。第一主題からの行進曲は抑えながらも堂々ですね。再現部は第一主題回帰を華々しく迎えると騎行は切れ味鋭く駆け抜けます。



威風堂々とした完成度の高いマーラー6です。小細工無用、低重心盤石な構えといった風情ですね。優しく美しいアンダンテが色を加えているのも素晴らしいです。

VPOの鳴りの良さが最大限生かされているのも一つの大きな要因ですね。いつ聴いても間違いの無い一枚と言う感じです。






(#3)
Gustav Mahler Jugendorchester
[En Larmes] 2003-4/13

VPOの9年後、グスタフ・マーラー・ユーゲント管を振った非正規盤のマーラー6です。ブーレーズは同年同月同オケの東京公演で、シェーンベルクの"ペレアスとメリザンド"の名演を残していますね。
マーラー6番は、4/18:大阪ザ・シンフォニーホール、4/21:東京サントリーホールだったのですが、本CDはルツェルンでのLIVEです。(実は大阪の録音が存在するのですが…)

第一楽章
重厚な第一主題、途中からテンポを速めモットーから再びスローにします。アルマの主題は少し速めながら華やかですね。展開部第一主題は勇壮に、第二主題挿入部はVPOの様には行かずとも狙いは同じです。再現部はテンポを速めにしています。
第二楽章
スケルツォです。主要主題は速めながら第一楽章延長線で、トリオはスロー&シンプルにして流れを切り替えます。ここでも速い設定ですね。木管の動機は少しスローにして雰囲気を作っています。
第三楽章
アンダンテですね。テンポは少しアップしていますが、主要主題の穏やかさはVPOと似てブーレーズの基本的な方向性は9年間でも変わっていない事を感じます。第一トリオも同じ様な流れで哀愁を作り、中間部は穏やかな明るさ、後半の山場は速く壮麗です。
第四楽章
陰鬱渦巻く序奏は割とあっさりとしています。第一主題はシャープに落ち着いてパッセージと共に進んで行き、軽妙な第二主題を迎えます。展開部の第二主題ではテンポをいっそう速めて切れ味を出し、行進曲は軽快なこなしです。再現部スロー静からの第一主題出現は華々しく、パッセージから飛び出して騎行は気持ちが入っているのが良くわかります。ユースオケの楽しさを感じられますね。



速いテンポ設定を生かして、スッキリとしたマーラー6です。VPOのテンポ設定を速めて軽量化した感じですね。ブーレーズの狙いと思われ、ユース・オケの演奏実力が十分発揮されています。

この若々しい流れは"あり"ですね。音源も放送用レベルです。






(#4)
Lucerne Festival Academy Orchestra
[Accentus] 2010-8, 9


上記#3の7年後、2010年ルツェルン音楽祭でルツェルン音楽祭アカデミー管を振ったマーラー6です。ユースオケでの聴き比べが出来ますね。

第一楽章
スッキリとした第一主題ですね。アルマの主題は適度に優美で、全体的にスタンダードっぽい提示部になっています。なぜか展開部第一主題だけ変わったアゴーギクを振って(1973の様な)、挿入部はスローを強調し音は押さえた感じになりますね。再現部も今ひとつ切れ味が感じられないのが残念です。
第二楽章
スケルツォです。主要主題はメリハリがありません。そうなると速めのトリオはそっけない感で、木管の動機も印象が残りません。
第三楽章
主要主題は速めの設定になり、この方が自然な流れに感じますね。ユースの場合はテンポ設定が少し速い方が良い感じでしょうか。スローに落とす第一トリオは弱い感じです。中間部はhrとtpの対話が良いですね。でも残念ながら弱々しいアンダンテです。
第四楽章
序奏はスロー基本でモヤっとした感じ、第一主題もやや遅めなので走れません。安全運転の提示部です。展開部・再現部もどこかスッキリしない感じがしてしまいますね。それでも再現部第一主題回帰以降は元気を見せてくれた気がします。



スカッとしない曇り空の様なマーラー6です。テンポ設定が標準的で全体教科書的、そうなるとユースオケですからフラットになってしまいますね。

速めのテンポが生かされた "Gustav Mahler Jugendorchester" の様な若々しさ見つかりません。ブーレーズ85歳、流石に厳しかったのでしょうか。





ガリー・ベルティーニ, Gary Bertini (3録音)

都響の音楽監督時代のマーラーが思い出されるベルティーニですね。なぜか都響はベルティーニとのマーラー全集を出しませんね。選集はあるのですが…



(#1)

Deutsches Symphonie-Orchester Berlin
[Weitblick] 1973-4/30


ベルリン・ドイツ交響楽団(DSO)を振ったマーラー6ですね。

第一楽章
速くて切れ味のある刺激的な第一主題、モットーからパッセージでスッキリさせるとアルマの主題は派手で華やか若干速めです。提示部の反復はカット!です。展開部の第一主題は激しさを増し、第二主題は低弦が呪いの様なボウイングで唸っています。再現部第一主題は激走、コーダは荒々しく納めます。
強烈ハイテンポ切れ味の第一楽章です。
第二楽章
スケルツォです。主要主題は速く第一楽章の延長線上を感じさせる流れです。締まりが心地良いですね。トリオはブレーキを掛けてスローになっていますが優しいメヌエットには落としませんね。刻むリズムがピシピシ跳ねて印象的です。木管の動機も哀愁はほどほどでそっけないですが、この流れには合っていますね。
第三楽章
主要主題は流れを一変させるスローですが、優美さというよりキッチリ固い印象を受けます。第一トリオも同じ流れですが、少し緩やかさを付けていますね。第二トリオ(中間部)は明るい光が燦々と輝きます。ラスト山場は大きく鳴らして来ます。
一癖モノのアンダンテになっていますね。
第四楽章
序奏からスローベースにディナーミクを振って彫りの深い流れを作り、モットーから走る気配を漲らせて、アレグロ・エネルジコから提示部第一主題は強烈キレキレに疾走します。パッセージで手綱を締め直して走らせると、第二主題もテンポをキープして提示部の流れはシャープです。展開部はチェロの強迫的動機から第二主題は派手な鳴りで大きな山場を作ります。適度なアゴーギクからの行進曲は当然の怒涛爆進です。思わず笑っちゃうほどですね。再現部も一呼吸の前半を超えると第一主題回帰から騎行は狂気の突進になります。
爆裂爆走の最終楽章です。



テンポの速い硬派の突撃型マーラー6です。刺激と気合が全面に出た感じですね。また今の時代では聴く事のない、第一楽章提示部の反復カット版です。

決して素直なマーラー6ではありませんが、どうもこういう演奏が好きになりますねぇ。






(#2)
Kölner Rundfunk Sinfonieorchester
[EMI] 1984-9/21


(右は全集ですね)

かのケルン放送響とのマーラー・サイクルからの一曲で、もちろん首席指揮者時代(1983-1991)の録音です。

第一楽章
第一主題は適度なテンポに乗って勇壮に、穏やかなパッセージからアルマの主題は派手で華々しくアゴーギクを効かせていますね。展開部は勇壮な第一主題とスローの第二主題のコントラストを明確に付けてきます。再現部第一主題はテンポアップして激しさ漲らせて、ラスト第二主題変奏もパワフルですね。
怒涛で派手な第一楽章です。好きなパターンかもw
第二楽章
スケルツォですね。主要主題は一楽章の延長線上ですが、少しクールに納めていますね。中間部は穏やかなメヌエット風にギヤを切り替えて続く木管の動機はほどほどにと、良い流れを作っています。回帰でもう少し色付けをが欲しかった気もします。
第三楽章
アンダンテです。主要主題は穏やかマイルドに、第一トリオがそこに哀愁を付け加えて来ます。王道の流れです。第二トリオの中間部は陽光さす明るさを緩やかに表現していますが、全体少し緩さを感じるかもしれません。
第四楽章
序奏の揺さぶりは弱めの流れですが、アレグロ・エネルジコから提示部第一主題は歯切れ良い勇壮さです。パッセージも切れ味鋭く現れて第一主題と対位的に絡んでシャープです。第二主題もその流れを崩さずに入って来ますね。展開部は両主題を大きな鳴りで広げます。行進曲は快感の勇壮さ、ディナーミクのコントロールがとても効果的ですね。再現部も騎行パートは超ハイテンポで強烈に突き進みます。見事な締まりの良さです。



変化球なし、真っ向勝負のマーラー6です。あまりにストレート過ぎるのが問題でしょうかw 個性あるアゴーギクのスパイスを一振りして欲しかったですね。

勇壮な第一・四楽章が見事なので、中管楽章の二つに締まりがあれば素晴らしかったと思います。






(#3)
Tokyo Metropolitan SO
[fontec] 2002-6/30


音楽監督時代(1998-2005)の都響とのマーラー6ですね。埼玉と横浜で行われたチクルスです。この21年前の1981年に東京文化会館で6番を初客演で振っています。(#1と似た方向性で面白いのですが、残念ながら最終楽章は演奏が着いて行けませんでした)


第一楽章
低弦の弾む様なリズムを強調した第一主題、肩の力が抜けた流れです。アルマの主題は少し速めにマイルドな華やかさですね。展開部、再現部共に安定感抜群の流れを感じますね。手の内に入った演奏とでも言うのでしょうか。
18年前のケルンRSOと比べると落ち着いた流れを感じます。
第二楽章
スケルツォです。主要主題は落ち着いた流れで隙はありません。トリオも程よくテンポダウン、落ち着きは変わりませんね。木管の動機も違和感はありません。回帰でもアゴーギクの揺さぶりを上手く付けて来ます。
第三楽章
アンダンテですね。主要主題はややスローで透明感ある落ち着きに、第一トリオでもスローはキープして色合いを哀愁に変えて来ます。中間部は広がりある音色で明るさを見せて、緩やかな流れが全体を支配しています。
第四楽章
陰影強い序奏を押さえて進み、テンポアップしてモットーへ。第一主題は爽快に、パッセージもhrの鳴りを生かします。第二主題は軽妙ですね。展開部の両主題の交感もほどほどに、行進曲も計算通りの刺激でしょう。ウッドクラッパーの音色が良いですね。再現部は押さえの効いた流れから騎行も落ち着きの中にコントロールされています。



落ち着いて行儀の良いマーラー6です。全パートで程よいテンポ、程よい刺激、全てがコントロールされた成熟した姿でしょうか。

角が取れた円熟さと引き換えに角(つの)も削られた様な…
ベルティーニの声が良く聞こえますね。





エリアフ・インバル, Eliahu Inbal (3録音)

マーラー振りの一人インバルですが、三回のマーラー・サイクルの内二回が都響とですね。それも約5年ほどしか開けていません。なんだか不思議な感じですね。



(#1)
Radio-Sinfonie-Orchester Frankfurt
[DENON] 1986-4/24, 26


フランクフルト放送響(現:hr交響楽団)とのチクルスからのマーラー6ですね。

第一楽章
スローな第一主題は途中から徐々にテンポアップで計算を感じますね。重厚さはほどほどです。パッセージを大きく落として、アルマの主題は緩やかな印象です。展開部スローの挿入部を極緩く、後半の山場も興奮を避けるかの様ですが、再現部は締まり良い行進曲で入りますね。コーダの葬送ではスローを強調、全体の流れは緩い印象です。
第二楽章
スケルツォですね。主要主題は緩いです。これがインバルの狙いなのでしょうね。トリオはいっそう落とします。木管の動機もドロ〜んとした感じです。残念ながら強烈な間延び感を拭えません。
第三楽章
アンダンテはスローを避けて適度なテンポ設定ですが、それでも主要主題はのんびり感を醸して ぬるいコーヒーみたいですね。第一トリオは哀愁が漂いますが、主題からディナーミクが極度に弱くベターっとしています。第二トリオ(中間部)で何とか色合いを変えてくれますが、全体ユルユルです。
微妙なポルタメントもよく聴こえる様な奇妙さも…
第四楽章
序奏は当然スローでアゴーギクは薄め、提示部第一主題からパッセージは程よくテンポアップしますが、アゴーギクが弱く耳と脳が疑っていて快感は伝わりません。展開部からも、処々で標準的なテンポと揺さぶりを見せます。それなら今までの緩いスローは何だったのでしょう??って感じになりますね。この楽章だけ特別コントラストが良いわけでもありませんし。



緩くてもわ〜っとしたマーラー6です。アゴーギクは振っていますが基本はスロー、個人的にはシャキッとして欲しい気分が先に立ちます。特に中感楽章のモワモワ感は強烈です。

クセ物の一枚ですが、好みではないのでにはなりませんね。






(#2)
Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra
[fontec] 2007-12/19


都響のプリンシパル・コンダクターの前、特別客演指揮者以後でのマーラー・サイクルの6番ですね。フランクフルト放送響から21年後になります。

第一楽章
第一主題は重厚と言うよりも肩の力を抜く感じ、モットーからパッセージも段階的に落として、アルマの主題はスロー低重心の優美さが珍しいです。展開部は力感の第一主題変奏から、挿入部は表情を感じさせるスローで上手く奏します。再現部は勇壮さを増してテンポも上げて来ますが、第二主題は平凡な回帰です。
第二楽章
スケルツォです。主要主題は冷静さを感じます。そこへトリオが洒脱な色合いで入ります。ついでにインバルの唸りも着いて来ますがw
第三楽章
主要主題は微妙なアゴーギクを振っていますね。第一トリオは揺さぶりを消して哀愁から穏やかさに変化させて行きます。第二トリオ(中間部)では王道的に明るい光を感じさせてくれますね。
第四楽章
長い序奏はスローの緊張感で上手いですね。アレグロ・エネルジコからの提示部第一主題は締まりの良い疾走です。パッセージhrの鳴りが良く、第一主題との絡みも切れ味がいいですね。第二主題は軽快そのものです。展開部も教科書的にピシッとまとまって突き進みます。生真面目な完成度の高さと引き換えにスリルやワクワクする様な楽しさが薄まった感じですが、都響らしさかも。



クセも欠点も少ない、お行儀の良いマーラー6です。多少の揺さぶりは付けていますが、コンパクトにあっさりとまとまった印象ですね。

個人的には何+αが欲しい感じです。コンサートでもそうですが、インバルの唸りがやたらと聞こえますね。






(#3)
Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra
[Exton] 2013-11/2, 3


プリンシパル・コンダクター(2008-2014)時代、都響と二回目のマーラー・サイクルからの6番。上記の6年後になります。

第一楽章
第一主題は重心を低く力感の流れになっています。モットーからパッセージでも流れ良く鎮めてアルマの主題をスローに大きく広げます。展開部第一主題はビシッと決めて、挿入部スロー静も緊張感がありますね。(インバルが唸るフレーズがうるさいですがw) 再現部は勇壮さを見せながら進み、コーダも沈めた葬送から一気に走り抜けます。見晴らしの良い第一楽章になりました
第二楽章
スケルツォです。主要主題は落ち着いていますが切れ味は良いですね。重心を下げて流れを作るとトリオが静粛なイメージを作ります。上手い緊張感を作っていますね。続く木管の動機は殊更に哀愁を見せる事はしませんね。それぞれ回帰では色合いを加えて、表情のあるスケルツォになっています。
第三楽章
主要主題は緩やかなアンダンテで少しアゴーギクが振られ、第一トリオは透明感ある哀愁、中間部は力のある広がりです。それにしてもインバルの唸り声は歌い過ぎですね。
第四楽章
序奏は音の良さを感じます。提示部第一主題は姿勢正しく、パッセージも正面を見据えた感じです。第二主題は抑えた軽やかさで現れます。展開部は一呼吸入れる感じからチェロの強引な動機から第二主題が目覚める様に出現して大きく鳴らします。1stハンマーの後は行進曲を重心を低く堂々と進んで行きますね。静からの烈、再現部聴かせ処の第一主題回帰からの騎行パートは突撃突進で、素晴らしいです。



落ち着き払った堂々王道のマーラー6です。適度なアゴーギクとディナーミクがマッチして、録音も良く全方位良好です。興奮も排した出来過ぎ感が気になるかもしれませんが、それこそ都響の個性かと。m(_ _)m

インバルでマーラー6を聴くならこれでしょう。インバルのヴォーカリーズ(唸り声)で歌付きの6番になっていますがw







聴き始めると一気に聴けるのですが、なかなかその気になるきっかけがないのが問題ですw まだまだあるのですが…


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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