近年リリース分中心の#13、増分はここに追記して行く予定です。 [最終追記:2023/9]
Mahler Symphony No.5 -- 195 CDs ★:名盤
(一般的いわれている…と思う盤) ☆:個人的お勧め
㊟:とっても変わっています
(普通の演奏じゃ満足出来ない貴方にw)
#1:15CDバーンスタイン[x5 ★☆], カラヤン[x3 ☆], プレートル, 小澤征爾, モリス[㊟], ブロムシュテット, ドゥダメル[x2], ドホナーニ, 参考音源/資料類
#2:20CD M.T.トーマス, テンシュテット[x6], ベルティーニ[x2 ㊟], ノイマン[x3], 小林研一郎[x4 ☆], シノーポリ, 井上道義, ザンダー[x2]
#3:25CDインバル[x4], セーゲルスタム[☆], ノット, ダーリントン[☆], スワロフスキー[㊟], レヴァイン, 外山雄三, ノリントン, ロジェヴェン[㊟], ズヴェーデン, 飯森範親, 尾高忠明, 若杉弘, ルイージ, ホーネック, ヴィト, マーツァル[x2], シェルヘン[x4 ㊟]
#4:20CDハイティンク[x4], ブーレーズ[x3 ★㊟], メータ[x3 ☆], クーベリック[x3], ショルティ[x3 ★☆], バルビローリ[x2], バルシャイ[☆], バレンボイム
#5:5CD アバド追悼アバド[x5 ★☆]
#6:15CDマゼール[x3], ナヌート, テミルカーノフ, スウィトナー, 上岡敏之, 井上喜惟, 西本智実, ベシェック, N.ヤルヴィ, アルブレヒト, I.フィッシャー, 堤俊作, フェルスター
#7:10CDガッティ[㊟], レヴィ, コンロン, リットン, ファーバーマン, クライツベルク, アブラヴァネル, フェルツ[㊟], 大植英次, マッケラス
#8:15CDサラステ[x2 ☆], ギーレン[x2 ㊟], M.シュテンツ[x2], ジェラード・シュワルツ[x2], ヘルビッヒ[x2 ㊟], フェドセイエフ, リンキャヴィチウス[㊟], フリーマン, タバコフ, ラート
#9:15CDカサドシュ, ヘンヒェン, ノイホルト, インキネン, コンドラシン[x2], オストロフスキー, ポポフ[㊟], ミュンフン, マック・カーロ, オラモ, ダニエル, アルミンク, アシュケナージ, ヴァイネケン, ヒルシェ
#10:10CDゲルギエフ[x4 ☆], ラトル, ジークハルト, ロンバール, マデルナ[㊟], リーパー, 山田一雄
#11:20CDシャイー[x2 ★], スラドコフスキー, シーヨン, ワールト, エッシェンバッハ, シップウェイ, P.ヤルヴィ, ネルソンス, スターン, デプリースト, ワルター[☆], ミトロプーロス[㊟], ケンペ, ロスバウト, パレー[㊟], ホーレンシュタイン, ラインスドルフ, アンチェル, ルドルフ・シュワルツ
#12:20CD佐渡裕[x2], 大野和士, ハーディング, A.フィッシャー[☆], ロト, スヴェトラーノフ[x2], ジンマン, ヴァンスカ, ヤンソンス[x2 ★], ズィロウ・チャン, フックス, フロマン, ブリッグス(オルガン), トレンクナー&シュパイデル(ピアノDuo), ミヒャエル・ナナサコフ(ピアノDuo), ナタリア(アンサンブル), ホルスト=シンフォニエッタ(アンサンブル)
#13:5CD 本投稿バッティストーニ, パヤーレ, ネゼ=セガン[☆], バーナード, ビシュコフ[☆], カーチュン・ウォン, クルンプ, バリエンテ
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アンドレア・バッティストーニ, Andrea Battistoni
Tokyo Philharmonic Orchestra
[DENON] 2022-9/19
イタリア人指揮者バッティストーニ(b. 1987)が2016年から主席指揮者を務める東京フィルハーモニー交響楽団を振ったマーラー5です。
【第一部】
抜けの良いファンファーレから葬送行進曲はややスローに鎮め、第一トリオでは鳴りを広げテンポアップ、第二トリオはアゴーギクを効かせた哀愁と
王道に表情を付けた流れです。
第二楽章第一主題は速く激しく、第二主題は落ち着いた哀愁で第一楽章トリオのパロディを避けています。展開部の"烈-暗-明"のコントラストも正攻法でと
見晴らしとコントラストの良い第一部になりました。
【第二部】
スケルツォ主題は優雅な舞踏曲、レントラー主題ではスローに微妙なアゴーギクで優美さを。第三主題のオブリガートHrは朗々と鳴らし、変奏パートも得意のアゴーギクで変化を付けました。展開部はテンポを上げ大きめに鳴らして再現部へ、コーダは約束通りの激しさでまとめます。
変化球なしの王道スケルツォ楽章です。
【第三部】
第四楽章主部は夏の夕暮れの様な優しさで中間部は繊細に。
穏やかさで包み込む様なアダージェットです。
第五楽章は第二主題をテンポアップで第一主題に絡ませる面白い組合せ、コデッタ主題は優美です。展開部は全体的に力感、再現部後半山場は派手に大きく、コーダは
強烈なアッチェレランドで駆け抜けます。
正攻法にアゴーギクの色彩を入れたマーラー5です。鳴らすパートはガッツリと鳴らして安定感があります。東京フィルの演奏も良く、バッティストーニの意図を表現していますね。
録音の上手さが一役買っているのも間違いないでしょう。完成度は高くこれと言った欠点は皆無、ただ聴き終えた後に残る印象がなぜか薄めなのはどうしてでしょう?!
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ラファエル・パヤーレ, Rafael Payare
Orchestre symphonique de Montréal
[PentaTone Classics] 2022-8/17, 18
2021年から音楽監督を務めるR.パヤーレとモントリオール交響楽団のマーラー5です。
【第一部】
ファンファーレから揺さぶり、葬送はややスローに間をとりながら優美さを感じさせます。第一トリオは華やかさを鳴らし、第二トリオも上品な哀愁を奏でます。
第二楽章第一主題では激しさをハイテンポで、第二主題も穏やかさで哀愁を押さえて、第一楽章のパロディを避けている感じです。展開部"烈-暗-明"の流れも心地良いコントラストですね。
アゴーギクを利かせながらも
心地良く見晴らしの良い第一部です。
【第二部】
スケルツォ主題は優美で舞踏風に、レントラー主題もスローに揺さぶる様な抑揚で優雅な流れを作ります。
スケルツォ楽章らしい心地良い主部(提示部)になりましたね。第三主題オブリガートhrは朗々と鳴らし、弦楽奏も懐広く受け止めます。変奏パートもスローで透明感ある広がりがありますね。金管が少々怪しいパートもありますがw 展開部はテンポアップで切れ味を、再現部は三つの主題をスケルツォらしさに奏でて、
ラストは超スローで入って一気呵成に突撃炸裂する聴いた事が無い超個性的コーダです!!【第三部】
第四楽章主部は静美で速めの流れ、中間部も澄んだ透明感です。
クールなアダージェットです。
第五楽章第一・第二主題は程良いテンポ設定で心地良く絡み コデッタ主題も優美さと、キッチリ押さえています。展開部も軽快さから音厚を上げる
堂々王道、再現部後半山場を派手に大きく鳴らし、コーダはビシッと締め括ります。
アゴーギクのスパイスで仕上げた心地良いマーラー5です。基本骨格は王道なので安心して聴けますね。だからこそ驚きの隠し技も生きて来ます。
次のマーラーが楽しみになりました。
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ヤニック・ネゼ=セガン, Yannick Nézet-Séguin
☆
Philadelphia Orchestra
[The Philadelphia Orchestra Association] 2010-10/29

(配信のみで現状CDリリースがありません)2012年から音楽監督を務めるネゼ=セガンがフィラデルフィア管弦楽団を振ったマーラー5ですね。録音は2010年で12年からの音楽監督就任がオケからアナウンスされた年です。
【第一部】
葬送行進曲は控え目な重厚さと鬱で、第一トリオもコントロールされたテンポアップと激しさ、第二トリオの哀愁もクールさです。
第二楽章第一主題と第二主題は一楽章トリオの再現風に、展開部の"列-暗-明"も明確に出し入れを作りつつも感情移入を回避しています。
王道ですが感情の起伏をコントロールした第一部です。
【第二部】
スケルツォ主題は程よいテンポで三拍子の優美さを、レントラー主題では弦楽奏を生かした優雅さを奏でます。第三主題主部はオブリガートHrと弦楽のやりとりは約束通りの安定感、変奏パートも同様です。展開部のテンポアップ、再現部の色合い付けもしっかりと。コーダは狂乱興奮を避けつつ最大限の音の広がりを鳴らします。
スケルツォらしい心地良さが楽しめる楽章になりましたね。
【第三部】
第四楽章主部は淡々としながらも静美そのもの、中間部から主部回帰も透明感に溢れます。
クールな甘美に包まれるアダージェット原器でしょうか。
第五楽章は第一主題から第二主題へテンポアップで爽快軽快に絡み、コデッタ主題で優美さへと導きます。展開部は静で入って力感アップを明確に、再現部も三つの主題を丁寧に、
後半山場を大きく構えて華々しく鳴らします。コーダの
アッチェレランドは勿論ビシッと締め括りました。
教科書的王道ながらクールなマーラー5です。それは装飾的なアゴーギクとディナーミクを徹底して抑えているからでしょう。
普通なら'つまらない'印象となる処をクールに聴かせているのは演奏の確かさかと。原点回帰的素晴らしさで初めてのマーラー5としても言う事無しの一枚です。
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デイヴィッド・バーナード, David Bernard
Park Avenue Chamber Symphony
[Recursive Classics] 2022-5 ?
米N.Y.を活動の拠点とする指揮者で、今回のパークアヴェニュー室内交響楽団の音楽監督を務めています。
【第一部】
少々荒いtpと曇った金管のファンファーレ、葬送は歩みを明確に感じます。第一トリオはややモッタリ金管は荒く、第二トリオも弦楽の哀愁感が弱くコントラストがつきませんね。
第二楽章第一主題は速めですがバランスが崩れ気味。第二主題は淡々とした哀愁で、気持ちおの入りは弱いです。展開部の"烈→暗→明"のコントラストは管楽器の撹乱が気になってしまいますね。行進曲はバタバタです。再現部は全体的に安定性に欠けてしまいます。
演奏の不安定さが気になる第一部です。
【第二部】
スケルツォ主題は落ち着いて優美、怪しい処もありますが…w、レントラー主題は少しスローに落として方向性は見せています。第三主題はオブリガートhrが音をまとめられません。受ける弦楽もドロドロです。展開部も駆け抜け様とするのですがギクシャクですね。この曲のラストを予測させるコーダが一番まとまりました。
演奏技量が暴露されて一体感に大きく欠けるレントラー楽章です。
【第三部】
第四楽章主部は速めの甘美さ、中間部はどことなく気持ちに欠け気味です。大きく馬脚を現さずに何とかまとめたアダージェットでしょうか。
第五楽章序奏はhrが不安定、第一・二主題はここでも何とかまとめコデッタ主題もギリギリの優美さ。展開部もとりあえずバランスは崩さずに山場へ登り詰めましたね。再現部山場からコーダはなぜかバランスも鳴りも良く、フィニッシュは見事にアッチェレランドを利かせました。
ラストを見事にまとめた第三部と言った風でしょうか。驚くほどビシッと決めましたね。
荒く不安定なマーラー5です。残念ながら荒っぽさが演奏技量からくるものなので表現力不足になってしまいます。余裕が感じられず、金管群だけでなく弦楽まで全てヤバイですw (アマかユーズのような印象です)
久しぶりの低次元争いの一枚かと思いきや、最後のフィニッシュはものの見事に音もテンポも揃えるという意味不明さもあって不思議さ満点!、この手が好きな方っていらっしゃいますよねw
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セミヨン・ビシュコフ , Semyon Bychkov
☆
Czech Philharmonic
[PENTATONE] 2021-12/8-11
2018年からビシュコフが首席指揮者を務めるチェコ・フィルハーモニー管弦楽団とのマーラー5ですね。マーラー・チクルスの一環だそうです。
【第一部】
静で鎮んだ葬送行進曲に興奮を抑えた導入句ファンファーレ、第一トリオでも力感をアゴーギクでコントロール、第二トリオの哀愁は静美で上品です。
第二楽章第一・第二主題は第一楽章トリオのパロディ、展開部の"烈-暗-明"も淡々としたコントラストです。再現部も各主題を厳しくしますが暴れず、それでも終盤のコラールはしっかりとした音出しで見事に聴かせますね。
コントロールされて落ち着いた第一部です。
【第二部】
スケルツォ主題は肩の力を抜いた優美な舞踏曲、レントラー主題もテンポをキープしながら軽妙さを聴かせます。控え目真面目な主部ですね。第三主題オブリガートホルンは朗々と鳴らして低弦と穏やかさを作り、変奏パートも必要以上のリズム変化を付けずクールです。
展開部も多少の力感を加えてテンポアップ、再現部主題群も踊るが如く対位法を生かして絡み合い、コーダはアップテンポで見事に鳴りを広げます。
三拍子が生かされた
端正で心地良いスケルツォ楽章です。
【第三部】
第四楽章主部は端正な美しさですがテンポは速めで入って甘美さを回避、落ち着くとテンポを落とし トリオも静美な透明感です。
クールなアダージェットで好みですねェ。
第五楽章序奏は'角笛'風、第一・二主題は軽快にコデッタ主題も優美さを奏でます。展開部も落ち着いていますが、徐々にテンポと共に緊迫感を上げて山場を大きく鳴らす上手い流れです。再現部三主題部はスロー化で'ため'を作り、山場からコーダは一気呵成に登り上がって派手に鳴らしフィニッシュは見事アッチェレランドです。
クールで端正なマーラー5です。揺さぶりなどありませんが何処を取っても緩みは無く、聴かせ処は締まりある見事さです。上品なコース料理の様で、これは'あり'でしょう。
近年のマーラー5で多くなった演奏の気がしますね。録音技術向上で細部の音色がわかるようになったのかもしれません。('作り込まれた'感は少し気にはなりますが…)
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カーチュン・ウォン, Kahchun Wong
Japan Philharmonic Orchestra
[DENON] 2021-12/10, 11
シンガポールの指揮者ウォン(黃佳俊)が2021年から主席客演指揮者を務める日本フィルハーモニー交響楽団を振ったマーラー5、昨年末のサントリーホールでのLIVEですね。
ちなみにウォンの初リリースCDで、2023-24シーズンから主席指揮者になる様です。
【第一部】
強めのファンファーレに僅かに揺さぶりを見せる主部葬送、第一トリオは鳴りの良さで勝負、第二トリオの哀愁は軽量ですがアゴーギクとディナーミクの揺さぶりが強くクセがあります。
第二楽章第一主題は速め、第二主題は緩やかに、一楽章トリオのパロディを避けています。展開部は"烈→暗→明"のコントラストはテンポ変化を大きく付けて、再現部も提示部より一層抑揚を付けます。
揺さぶりで聴かせ処を作る第一部です。
【第二部】
スケルツォ主題は緩やか穏やかですがclパートで揺さぶり、レントラー主題は速めの流れにアゴーギク。もう少し優美・優雅さが欲しかったかも。第三主題はオブリガートホルンと弦楽パートも、変奏パートもクセはなく。展開部は静スローから一気に登って、再現部も三つの主題をそつなくまとめています。コーダはもちろん約束通りの鳴りの良さでまとめます。
提示部以外
至って標準的なスケルツォ楽章になりました。
【第三部】
第四楽章主部は静的ですが気になるアゴーギク、中間部は静美に聴かせて、
微妙な変化球アダージェットですね。
第五楽章第一・第二・コデッタ主題ともに教科書的、展開部も徐々に上げていく良くある流れです。再現部山場からコーダもフィニッシュのアッチェレランドも
予想通りの盛り上げですね。LIVEらしいアプローズはカット…なぜ?!
揺さぶりと標準仕様が混在するマーラー5です。コーダのある第三・五楽章を落ち着かせて、一・二・四に変化をつけています。
どうせやるなら全部クセの個性派の方が拍手ですね。手が回らなかった?!
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ヨハネス・クルンプ, Johannes Klumpp
Landesjugendorchester Baden-Württemberg
[Animato] 2018-11/8
ドイツ人指揮者のクルンプがクリエイティブ・アドバイザーを務めるユースオケのバーデン=ヴュルテンブルク州立ユース管弦楽団を振ったマーラー5です。
同オケはC.ヴァイネケン指揮でもマーラー5を残していて、ユースらしい元気な演奏を聴かせてくれましたね。
【第一部】
力のこもったファンファーレから鬱ですが沈まない葬送、第一トリオでは伸びやかに鳴らして、第二トリオは落ち着いた流れで哀愁を奏でます。
上々の第一楽章です!!第二楽章第一主題はテンポ設定を速めて切れ味、第二主題も緩やかさを決めて、第一楽章のパロディを避けた上手い流れです。展開部もアゴーギクを生かしたコントラストで、再現部は抑揚を増してまとめ上げていますね。
表情豊かで生き生きとした素晴らしい第一部です。
【第二部】
スケルツォ主題は軽妙洒脱さを速さで表し、レントラー主題では優美な弦楽奏に落ち着かせます。第三主題オブリガート・ホルンと弦楽も情感を湛え、変奏パートのピチカートも表情を作って見事!! 展開部ではそれをまとめる様にテンポアップで締めて、再現部は三つの主題をアゴーギクとディナーミクで華やかに奏します。コーダは怒涛!!
表現力で見晴らし良いスケルツォ楽章になりました。
【第三部】
第四楽章主部は甘美を避けたクールさ、中間部も透明感ある美しさです。微妙なディナーミクとアゴーギクに、
やや速めのクールなアダージェットは素晴らしく、好きなパターンです。
第五楽章二つの主題は軽快なテンポを生かして絡み、コデッタ主題は優美な舞踏風。展開部は力感を軸に突き進み、再現部山場からコラールはパワーを溜めてコーダは一気のアッチェレランドで駆け抜けます。
もちろん大喝采!! (たっぷりとアプローズも入っています)
表情豊かで見晴らし良いマーラー5です。主流的流れにディナーミクとアゴーギクを生かした構成、それについて行けるユースオケの技量が驚きの素晴らしさです!!
微妙な揺さぶりもしっかりと表現して、なんとも爽快で気持ち良さが光りますね。一聴の価値があるマーラー5になりました。今まで聴いたユースオケでは抜群の仕上がりでしょう。(録音技術も含めてです)
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ホセ・マリア・モレーノ・バリエンテ, José María Moreno Valiente
Málaga Philharmonic Orchestra
[IBS Classical] 2020-6/22-26
スペインの若手指揮者バリエンテが2020/21シーズンから首席指揮者を努める同国マラガ・フィルハーモニー管弦楽団を振ったマーラー5ですね。残念ながら両者知見がありません。
【第一部】
ファンファーレのtpが怪しいw 葬送行進曲は穏やかですが何処か落ち着きません。第一トリオは標準的激しさで、第二トリオの哀愁も特徴は薄いですね。
第二楽章第一・第二主題、共に一楽章のトリオ再現的で、展開部の"烈→暗→明"のコントラストも平凡です。
個性は無く演奏も自信なさげな第一部です。
【第二部】
スケルツォ主題は標準的ですがhrがヒヤヒヤ、レントラーもスローに落としてSTD的です。第三主題のオブリガートhrは一杯一杯、短い展開部やカラフルな再現部もバランスや一体感に大きく欠けます。コーダは荒れ具合が面白いかも?w
標準的スケルツォですが不安定感満載です。録音の問題でしょうが、なぜかhrが遠く聴こえるのも気になります。
【第三部】
第四楽章は
弦楽奏なのに音色や揃いが良くないと言うのは困りものです。主部の途中でスローに落としている意味が不明です。
第五楽章序奏の管楽器は不安定、二つの主題をなんとか音にして提示部を逃げ延び、展開部もボロボロになりながらも山場へたどり着きます。再現部山場からコーダが一番いいかもしれません、やり直しを重ねたのでしょうねェ…
何とか形にした、そんな感じのマーラー5です。演奏レベルは酷しく、個性を見せる余裕は全く無さそうで"間"や"一体感"とはかけ離れている感じですね。
ミキシングのバランスも少し難を感じ、マスタリングのボリューム感にもやや違和感を覚えます。作り込んでいる割には全体今ひとつですね。下位争いに参加かも。
この後は新譜と何かのチャンスで既発売品の入手のインプレになります。
テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽