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フィレンツェ五月音楽祭2020 ヴェルディ歌劇「オテロ」をNHKプレミアムシアターで観る


COVID-19影響下でストリーミング中継となった昨年11月の "Maggio Musicale Fiorentino" のオペラ「Otello」ですね。注目は85歳になるメータの指揮とビナスコの新演出でしょうか。



(タイトルロールのSartoriのYouTubeより)



演 出
ヴァレリオ・ビナスコの演出は今の時代としては古典的な印象でしょう。
ストーリーの置き替えは無く、プロジェクションマッピングも無く、舞台と衣装もストーリーに合わせています。もちろん前衛的な仕掛けはありませんね。オテロの最後も血も出ませんし当然ストーリー自体を弄るなど無く、その分安心して楽しめたかもしれません。個人的には何か尖った物をいつも期待してしまいますが。

舞台・衣装
時代考証的には全然合っていませんが、それとなく軍服でありそれとなくドレスです。舞台もそれなりに大物配置で違和感がありません。違和感があるのが今の時代の主流だとすれば、少し物足りないかもしれません。

配 役
【女性陣】デズデモナのレベカはもう少し悲劇の主人公らしさが濃くても良かった様な。Sopは良いのですが第一幕の幸せの絶頂からのラストは落差不足の印象が残りますね。もっと可哀想に思いたいです。
ピーヴァのエミリア役はそもそも出番が少ないのですが、それでも印象は薄かったでしょうか。

【男性陣】三人の男性陣がそれぞれフィットしていました。特に憎まれ役ヤーゴサルシですね。この役がハマらないと楽しさ半減ですが、表情から演技そして歌いがまさに嫌なヤツでしたw
カッシオのシュッカは見るからに人が良くて真面目さがありましたね。ハイトーンのテノールもフィットしていました。タイトルロール, オテロのサルトーリはどうもお人好し的な丸顔印象が勝ってしまいますが、伸びのあるテノールが冴えていました。ドラマティコと言うほどでもないかもしれませんが、オテロとデズデモナやヤーゴとの嫉妬渦巻く重唱は聴かせてくれました。

音 楽
メータらしく派手な構成の曲を派手派手しく鳴らしましたね。常時着座で、カーテンコールでは杖を、歳をとりましたネェ。


一言で言えばサルシの演じるヤーゴを楽しむオテロでしたね。次にオテロとデズデモナとの嫉妬と失望の重唱。と言う事は王道のオテロが楽しめたと言う事になるでしょうか。(個人的にはヴェルディの嫉妬系オペラは好きになれませんw)

今の時代としては演出に斬新さが欠けたのは残念ですね。どうしても前衛的方向を望んでしまうので…w

それにしてもカーテンコールはあまりに寂しすぎました。全体的にネガティブなインプレになってしまい申し訳ない感じです。



<出 演>
 ・オテロ:ファビオ・サルトーリ [Fabio Sartori]
 ・デズデモナ:マリナ・レベカ [Marina Rebeka]
 ・ヤーゴ:ルカ・サルシ [Luca Salsi]
 ・エミリア:カテリーナ・ピーヴァ [Caterina Piva]
 ・カッシオ:リッカルド・デッラ・シュッカ [Riccardo Della Sciucca]
 ・ロデリーゴ:フランチェスコ・ピッタリ [Francesco Pittari]
 ・ロドヴィーコ:アレッシオ・カッチャマーニ [Alessio Cacciamani]
 ・モンターノ:フランチェスコ・ミラネーゼ [Francesco Milanese]
 ・伝令:フランチェスコ・サムエーレ・ヴェヌーティ [Francesco Samuele Venuti]

<合 唱> フィレンツェ五月音楽祭合唱団
<管弦楽> フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団
<指 揮> ズービン・メータ [Zubin Mehta]
<演 出> ヴァレリオ・ビナスコ [Valerio Binasco]


収録:2020年11月30日 フィレンツェ五月音楽祭劇場(イタリア)

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





バイエルン国立歌劇場公演2019 コルンゴルトの歌劇「死の都」の素晴らしさ:NHKプレミアムシアター



COVID-19前夜の2019年12月のバイエルン国立歌劇場、エーリヒ・ウォルフガング・コルンゴルト(1897-1957)のオペラ「死の都 Die tote Stadt」(1920) ですね。若きコルンゴルト23歳の作品です。

以前に較べCDやコンサートで取り上げられる事が増えているコルンゴルトですが、年代的には後期ロマン派終焉から前衛現代音楽全盛期に生きた微妙な世代ですね。シェーンベルクよりも23歳も若い訳ですから。

今回の注目は二つ。カウフマンとS.ストーンの演出ですね。



(Official Trailerです)


演 出
前衛性はゼロで、狂気的なパウルも設定されていません。ストーリーにも勿論手を付けていませんね。
特筆があるとすればそんなシンプルさの中に光る主人公の個性を際立たせた上手さでしょう。

舞台・衣装
廻り舞台を活かした建築物(部屋)を中心に据えています。室内装飾は現代的になっていますね。ノートPCはMacですしw
そうなると衣装は至って現代のごくシンプルさです。

配 役
【女性陣】マリエッタ/マリーのペーターゼンが素晴らしかったです。ちょっとmezっぽいsopで歌唱で聴かせてくれましたが、それ以上に演技に惹かれましたね。ペーターゼンは明るくやんちゃなマリエッタそのものでした。
出番の少ないブリギッタ役のジョンストンも、半歩引いた役柄をとても上手く出していました。

【男性陣】パウル役のカウフマンのテノールはやっぱり聴かせますね。ハイトーンも伸びやかに、リリコかスピントかと言った感じでしょうか。演技は例によってワンパターンっぽさもありましたが、ラストは流石でしたね。
フランク/フリッツのフィロンチクも、マリエッタに対するブリギッタのミラーリフレクションの様に演技を含めて役柄にフィットしていました。

音 楽
メリハリと音の出し入れが明確ですが、感情移入は少なめの印象。それがペトレンコらしさでしょう。オペラの音楽というよりも管弦楽として演奏した様な。


二人の役が見事にフィットした素晴らしさが光りましたね。シンプルな舞台・衣装・演出もメインキャスト四人が作るストーリー性を引き立てた感じです。

近年のシンプル化する舞台と較べると大物配置でしたし、明確なストリーの置き替えもありませんでしたが、十分な観応えの「死の都」になったのではないでしょうか。


<出 演>
 ・パウル:ヨナス・カウフマン [Jonas Kaufmann]
 ・マリエッタ/マリーの幻影:マルリス・ペーターゼン [Marlis Petersen]
 ・フランク/フリッツ:アンジェイ・フィロンチク [Andrzej Filonczyk]
 ・ブリギッタ:ジェニファー・ジョンストン [Jennifer Johnston]
 ・リュシエンヌ:コリンナ・ショイルレ [Corinna Scheurle]
 ・ヴィクトリン/ガストーネ:マヌエル・ギュンター [Manuel Günther]

<合 唱> バイエルン国立歌劇場合唱団, 同児童合唱団
<管弦楽> バイエルン国立管弦楽団 [Bayerische Staatsorchester]
<指 揮> キリル・ペトレンコ [Kirill Petrenko]
<演 出> サイモン・ストーン [Simon Stone]


収録:2019年12月1・6日 バイエルン国立歌劇場(ミュンヘン)





早くもDVD,BDでリリースされる様ですね


テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





ベルリン国立歌劇場公演 シュトラウスの歌劇「ばらの騎士」をNHKプレミアムシアターで観る

リヒャルト・シュトラウスの代表作オペラ「ばらの騎士, Der Rosenkavalier」、COVID-19の中 昨年2月のベルリン国立歌劇場(Staatsoper Berlin)公演です。シュトラウスなら 狂気の"サロメ"、復讐の"エレクトラ" の方が好みで、残念ですが "ばらの騎士"は見所が今ひとつハッキリしない印象です。



(抜粋です)



演出
ストーリーにほぼ沿った舞台と衣装になっています。ストーリーの置き替えもなく、シンプル化したステージや衣装でもなく、プロジェクションマッピングの出番もなく、主配役にも個性を振っていません。今の時代らしからぬ感じがしますね。端役に個性を与えたり、手品の様な小細工もフィットしているとは思えませんでした。

舞台・衣装
妥当なステージに、ほどほどの衣装。特徴が薄いですね。それでも特徴はと言われたら舞台全体がカラフルだった事でしょうか。

配役
【女性陣】まずは元帥夫人のニールントですが、2014年バイロイトのタンホイザー"エリーザベト"の好印象がありますね。今回は体格が立派になっていて驚きましたが、声と演技は流石でした。
タイトルロール(とオクタヴィアン)のズボン役 ロジエもよく伸びるMezで聴かせてくれましたね。ゾフィーのシエラもしっかりリリックなSopで演技も素晴らしく、今回の女性陣は揃っていましたね。

【男性陣】オックス役のグロイスベックと言うと2017年バイロイトのマイスタージンガー"ポーグナー"のリストにそっくりさんを思い出します。今回も好演ですが、好色漢としては少し下品さが欠けたかもしれません。ファーニナルのトレーケルが今ひとつ光りませんでした。服装がゴールドで光っていましたがw

音楽
メータなのですが、強弱のメリハリはありましたが かなり引いた印象でしたね。舞台があるとどうしても視覚にパーセンテージを持っていかれてしまいますが。


あまり好きなオペラでもなく、捻りに欠ける演出、長く感じてしまい残念でした。

今の時代のオペラらしい多少なりの前衛性が欲しかった気がしますが、ニールントとグロイスペックの二人を始めとする歌手陣が楽しめたので良しと言う事になりますね。



<出 演>
 ・ウェルデンベルク侯爵夫人:カミラ・ニールント [Camilla Nylund]
 ・オックス男爵:ギュンター・グロイスベック [Günther Groissböck]
 ・オクタヴィアン:ミシェル・ロジエ [Michèle Losier]
 ・ゾフィー:ネイディーン・シエラ [Nadine Sierra]
 ・フォン・ファーニナル:ローマン・トレーケル [Roman Trekel]

<合 唱> ベルリン国立歌劇場児童合唱団
     ベルリン国立歌劇場合唱団
<管弦楽> ベルリン国立歌劇場管弦楽団
<指 揮> ズービン・メータ [Zubin Mehta]
<演 出> アンドレ・ヘラー [André Heller]


収録:2020年2月13・16・19日 ベルリン国立歌劇場(ドイツ)

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





ハヤ・チェルノヴィン(Chaya Czernowin) の「Heart Chamber」ノイズ系前衛音楽オペラの最先端


今注目の現代音楽家C.チェルノヴィン、初演情報から長く待ったオペラ作品がいよいよリリースされました。ベルリン・ドイツ・オペラの委嘱作品で世界初演の「ハート・チェンバー」です。


Heart Chamber, ハート・チェンバー
ハヤ・チェルノヴィン (Chaya Czernowin, b.1957)
イスラエル人の女性現代音楽家ですが、現在は米在住でハーバード大で教鞭をとっていて 今の若手米現代音楽家の指導者としての顔も大きいですね。作曲も指導も注目の現代音楽家の一人でしょう。楽風は空間音響系からノイズへとシフトして来ている感じです。

チェルノヴィンと言えば 2006年ザルツブルク音楽祭 『ZAIDE・ADAMA』でモーツァルトの未完オペラの"ツァイーデ"に自らの"アダマ"を組み合わせる再構築で新しい世界を作ったわけですが、今回もその延長上の様な表現になっている様です。演出も同じクラウス・グート(Claus Guth)ですね。

本作品は台本もC.チェルノヴィン、指揮のJ.カリツケは好きな現代音楽家の一人でもありますが 今回の指揮者はぴったりですね。オケ、室内楽、エレクトロニクスを含めた演奏です。



(左: DVD, 右: BD, 日本語字幕付きです)


■ 物語の構成 ■
メインロールは '男女' とその '心の声' の四人、一役が二人で表現されます。
街の階段での出会い、そこから二人の愛の 許容と拒否、欲望と拒絶、信頼と反目、そして別れと孤独を表現します。所謂(いわゆる)ストーリー性はありません。

最後は冒頭の出会いのシーンに回帰しますが、同じ接触にはなりません。エピローグは互いに惹かれる二人のシーンで、彼女と内なる彼女が揃って "I love you" と彼に発して終わります。


Official trailer です





音楽
完全に前衛実験音楽です。従って主題の様な明瞭な旋律や、心地よいアリアと言った旧来のオペラらしさは存在しません

基本はノイズ系前衛音楽で、そこに空間音響系の流れが加わります。風呂場のコケのシーンでは"彼女"が意味不明のvoiceを出し、クラスター, トゥッティの様な大音響が空間を埋め尽くすと言った変化も混じえてきます。他にも冒頭で目を引くコントラバス・ソロをフィーチャーし、特殊奏法も含めて個性を与えているのも面白いですね。映像なしの音楽だけで聴いても素晴らしいでしょう。

歌唱はトーキングを交えて主として鬱な表現しています。解説にある様なシュプレッヒゲザング、例えば"月に憑かれたピエロ"の様な、ではありませんね。流石に歌は前衛性は低く、ノイズの様な特殊声法?や微分音の様な難易性はありません。

演出
音楽が前衛で、TEXTも抽象性が高いので、演出はシンプルです。特徴的なのはプロジェクション・マッピングが大きく使われて、そこに抽象的な映像が流される事で言葉に表現出来ない二人の心象を表すようになっている事でしょう。
細かい処では四人のメイン以外はスローモーション的な動きになっていたり、動きが巻き戻されてループの様に表現されるのも混沌とした虚いを表現していますね。

舞台・衣装
舞台は大きく二つのパターン。一つは二人が舞台の左右に配されて心象を、もう一つは階段を中心とした舞台で時間的な動きを存在させるパターンですね。
衣装は今の時代のシンプルさ。'内なる声'の二人は黒の衣装ですね。

配役
アリアや重唱と言った聴かせ処がある訳ではなく、愛や嫉妬を強く表現する事もないので、特に誰がどうのはありません。役も特別の表現はありませんね。
ただ、"voice"と言う語りのsop.が居たり、"彼の内なる声"がカウンターテナーだったりと混乱しそうです。


前衛現代音楽の最先端のオペラですね。現代音楽オペラは数々ありますが、どうしても不協和音の展開の様な前衛とまでは言えない作品が多くなります。本作品はノイズ系前衛現代音楽にあって新鮮な作品になりました。

構成としては、二つの共存(今回は本人と内なる心)を "同一舞台に二人配置" で表現する「ZAIDE・ADAMA」の延長上です。C.チェルノヴィンのオペラ・スタイル進化形ですね。



<配 役>
 ・彼女:パトリツィア・チョーフィ [Patrizia Ciofi, sop.]
 ・彼女の内なる声:ノア・フレンケル [Noa Frenkel, mez.]
 ・彼:ディートリヒ・ヘンシェル [Dietrich Henschel, baritone]
 ・彼の内なる声:テリー・ウェイ [Terry Wey, countertenor]
 ・声:フラウケ・アウルベルト [Frauke Aulbert, sop.]


<指 揮> ヨハネス・カリツケ [Johannes Kalitzke]
<管弦楽> ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団
<室内楽> アンサンブル・ニケル [Ensemble Nikel]
<ソロ・コントラバス> ウーリ・フッセネッガー [Uli Fussenegger]
<エレクトロニクス> SWR エクスペリメンタルスタジオ・フライブルク

<演 出> クラウス・グート [Claus Guth]


収録:2019年11月13, 26, 30日

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





2020ハンブルク国立歌劇場公演 ヴェルディの歌劇「ファルスタッフ」をNHKプレミアムシアターで観る


ヴェルディのオペラ「ファルスタッフ, Falstaff」デブっちょの喜劇ですね。スペインの濃厚で刺激的な演出家C.ビエイトがどの様な舞台を作っているか興味がありますね。



(公式Excerptです)





演出
大袈裟な演技、表情、ドタバタ の喜劇演出でした。ビエイトらしいヤバいシーンの設定があるかと思ったのですが、ストーリーの置き換えも無く、舞台設定上の都合で洗濯籠とハーンの樫の木を弄ったくらいでほぼそのまま、少々肩透かしを食らった気分でもあります…w

舞台・衣装
舞台のメインセットは建物ですね。それがシーンによって回転して外観であったり二階建ての断面であったりで、キャストのドタバタが観易く作られています。衣装は現代風ですが、ラストの妖精達で少しアブノーマルになって僅かに前衛色を見せました

配役
何と言ってもタイトルロールのマエストリです。当たり役というだけあって存在そのものがファルスタッフです。デカくてデブの容姿w・演技・歌い、共にジャストフィットの楽しさでしたね。

大きくておデブのファルスタッフ以外は極端に言えば"その他諸々"的なのが このオペラ。女性陣で言えばアリーチェ(コヴァリェフスカ)も、メグ(アルドゥリアン)も、クイックリ夫人(カリャジナ)も突出したモノを見せる必要はなく大袈裟な表情や演技でコメディを演じればOKですね。

男性陣ではフォード(ブリュック)が気持ちの入った演技でしたが、役割通り。フェントン(パルチコフ)他も端役のファルスタッフの手下二人も同様で、控え目のキャラクタでコメディ演技主体です。


音楽
アクセル・コーバーはメリハリの強いタクトだった気がしますが、いかがでしょうか。特にディナーミクの振りが強く出し入れの明瞭な流れになっていた感じでした。


一にも二にもファルスタッフのアンブロージョ・マエストリのオペラでした。それが全てと言っていいくらいですね。

演出的には今の時代としてはスタンダード範疇で、もっとエロティックか危険な笑いの香りが欲しい気がしました。ビエイトですから。アヴァンギャルドな喜劇だったら興味深かったかと。



<出 演>
 ・ファルスタッフ:アンブロージョ・マエストリ [Ambrogio Maestri]
 ・フォード(金持ちの市民):マルクス・ブリュック [Markus Brück]
 ・アリーチェ(フォード夫人):マイヤ・コヴァリェフスカ [Maija Kovalevska]
 ・ナネッタ(フォード夫妻の娘):エルベニータ・カイタージ [Elbenita Kajtazi]
 ・クイックリ夫人:ナデジュダ・カリャジナ [Nadezhda Karyazina]
 ・メグ(ページ夫人):イダ・アルドゥリアン [Ida Aldrian]
 ・フェントン(青年紳士):オレクシー・パルチコフ [Oleksiy Palchykov]
 ・ケイアス(医者):ユルゲン・ザッハー [Jürgen Sacher]
 ・バードルフ(ファルスタッフの従者):ダニエル・クルーゲ [Daniel Kluge]
 ・ピストラ(ファルスタッフの従者):ティグラン・マルティロシャン [Tigran Martirossian]

<合 唱> ハンブルク国立歌劇場合唱団
<管弦楽> ハンブルク国立歌劇場管弦楽団
<指 揮> アクセル・コーバー [Axel Kober]
<演 出> カリスト・ビエイト [Calixto Bieito]


収録:2020年1月19日 ハンブルク国立歌劇場(ドイツ)

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





フィレンツェ五月音楽祭2019 ワーグナー 歌劇『さまよえるオランダ人』をNHKプレミアムシアターで観る

2019年の"フィレンツェ五月音楽祭"(Maggio Musicale Fiorentino) から「さまよえるオランダ人, Der fliegende Holländer」です。救済あり、一幕後インターミッションあり、のヴァージョンだった様です。

ポール・カランによる演出ですが知見がないので予想がつきませんね。下記YouTubeを見る限りでは奇抜さは無い様です。今の時代のオペラですと舞台・衣装だけでなくストーリーにさえ手を付ける事が不思議では無いので…



約1'と極短い抜粋版です


演出
衣装も舞台もシンプル化されていますが、原作に則った設定で 置き換えも採用していませんから今の時代にしたら古典的演出と言ってもいいかもしれません。もちろんストーリーに手を入れる事もありません。シンプルに暗いステージ、プロジェクション・マッピング(PM)は今のオペラの標準仕様でしょうね。

舞台・衣装
暗い舞台に大きなPM、単純な道具類。衣装は多少デザイナー的ですが、落着いたアースカラー基本に程々の時代考証でしょうか。いずれシンプル化されていますね。

配役
【女性陣】ゼンタ役のM.オーウェンズは太り過ぎです!!w 一人群を抜く巨体は役にフィットしないでしょう。ただ、sopは伸びと艶が素晴らしく今回のキャストではベストでしたね。性格設定は明るい女性です。個人的には細く鬱な方がワーグナー的だと思うのですが。
マリーのA.ヤーンスは印象が薄かったですね。

【男性陣】タイトルロールのT.ガゼリのバリトンと、ダーラント役のバスのM.ペトレンコは似た印象でした。歌唱・演技共に悪くないのですが、殊更良くも無いと言った風で、バリトンvsバスの重唱は地味に聴こえました。ただ、ラストのガゼリは素晴らしかったですね。
エリックのB.ベルヒトルトのテノールはほどほどでしたが、年齢的にはゼンタを慕う青年というには無理がある様な…w

音楽
ルイージのコンサートでの印象はクールな見かけと異なりますすね。単独でも演奏される序曲では 速め激しさで入り、アゴーギクとディナーミクのコントラスト付けを強くメリハリある演奏でした。(頭の中の序奏はE.D.ワールトです)
劇中での演奏もかなり出し入れの強い鳴りを感じ、やっぱりルイージでした。


ワーグナーと言うとバイロイトが前衛演出なので、久しぶりに旧タイプの演出・舞台・衣装のワーグナー作品でした。本来なら違和感なく楽しめるはずですが、今や少々物足りない感が否めないかもしれません。

配役も微妙で、ゼンタとエリックは少々アンフィット。その他男性陣は何かもう一つ欲しかった様な。



<出 演>
 ・オランダ人:トーマス・ガゼリ [Thomas Gazheli]
 ・ダーラント:ミハイル・ペトレンコ [Michail Petrenko]
 ・ゼンタ:マージョリー・オーウェンズ [Marjorie Owens]
 ・マリー:アネッテ・ヤーンス [Annette Jahns]
 ・エリック:ベルンハルト・ベルヒトルト [Bernhard Berchtold]
 ・かじ取り:ティモシー・オリヴァー [Timothy Oliver]

<合 唱> フィレンツェ五月音楽祭合唱団
     アルス・リリカ合唱団
<管弦楽> フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団
<指 揮> ファビオ・ルイージ [Fabio Luisi]
<演 出> ポール・カラン [Paul Curran]


収録:2019年1月10・13日 フィレンツェ五月音楽祭劇場(イタリア)

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





コロナ禍で中止になった 2020アン・デア・ウィーン劇場公演 ベートーヴェン歌劇「フィデリオ」NHKプレミアムシアターで



COVID-19に揺れる今年3月のヨーロッパ、オーストリアのアン・デア・ウィーン劇場(Theater an der Wien)での『フィデリオ, Fidelio』ですね。公演自体は中止を余儀なくされ、無観客ストリーミングによる上演となりました。

ベートーベン唯一のオペラですが、個人的には何回観ても今ひとつ感が拭えません。今回の演出C.ヴァルツも知見がないので、予想がつきませんね。第二稿二幕ver.です。



(CMajorEntertainmentからの配信、抜粋です)


演出
極端な置き換え、*ストーリーに手を付ける、前衛性の高いヴィジュアル、と言ったアヴァンギャルド方向はありません。プロジェクションマッピングも使わない極度にシンプル化した舞台設定と同じくシンプルで動きの少ない演技、ミニマル芸術的な方向性です。
 *注:ラストのマルツェリーネのシーン他 一部ストーリーを省略していますね。

舞台・衣装
無機的で何も象徴しない単純化された舞台ですが、スケールを感じます。そうなるとミニマル芸術方向ではないかも…汗。衣装も時代背景を紐付けしない単純なスタイルで、舞台と共に色彩感は極薄いですね。今の時代の舞台と衣装と言う事になるでしょうか。

配役
【女性陣】タイトルロールのN.シュヴァリエは地味ですが、役柄上そうなるのは仕方がないですね。sop歌唱は第二幕のフロレスタンとの重唱が聴き応えがありましたね。終わって見れば彼女がベスト・ロールでした。
フィデリオを愛するマルツェリーネのM.プティはsopも良く、可愛い女性役を演じました。

【男性陣】フロレスタンのE.カトラーがテノールも演技もフィットして良かったです。台詞が多いのはどうも好きになれませんが…
刑務所長のG.ブレッツはクールで良かったのですが、もっと悪党っぽい人選の方がこの舞台では映えたかもしれません。
ロッコのC.フィシェサーも良いバス・バリトンと演技で流れに締り入れました。

音楽
ホーネックと言うと、個人的には一癖ある演奏が浮かぶわけですが、左右の手を同期して振るスタイルも何となく違和感がありますね。(笑)
レオノーレ序曲についてはコメントするだけの知識がないのでパス、全体としては強音パートでの力感と派手さを感じました。第二幕ではその派手さが生きましたね。


舞台・衣装・演技の全てがシンプル化されたフィデリオです。そうなると配役が光らないとならないのですが、第一幕は光るパートがありませんでした。

期待外れかと思いきや、第二幕は主役二人を中心に見事な重唱で楽しませてくれました。

台詞も多く好みとは言えないフィデリオなので、どこかネガティブな見かたになってしまいますねw



<出 演>
 ・フロレスタン(囚人):エリック・カトラー [Eric Cutler]
 ・レオノーレ(男装してフィデリオ):ニコール・シュヴァリエ [Nicole Chevalier]
 ・ドン・ピツァロ(刑務所長):ガーボル・ブレッツ [Gábor Bretz]
 ・ロッコ(刑務所員):クリフトフ・フィシェサー [Christof Fischesser]
 ・マルツェリーネ(ロッコの娘):メリッサ・プティ [Mélissa Petit]

<合 唱> アルノルト・シェーンベルク合唱団
<管弦楽> ウィーン交響楽団
<指 揮> マンフレート・ホーネック [Manfred Honeck]
<演 出> クリストフ・ヴァルツ [Christoph Waltz]


収録:2020年3月18・20日 アン・デア・ウィーン劇場(オーストリア)

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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