2017年5月18日 サロネン/フィルハーモニア管 の マーラー交響曲 第6番「悲劇的」at 東京オペラシティ ★★★

エサ=ペッカ・サロネン(Esa-Pekka Salonen) / フィルハーモニア管弦楽団は、2015年3月6日「火の鳥」が良かったので期待大でした。(フィルハーモニア管の諸々の点についてここで触れる必要はありませんね)

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もちろんメインはマーラー6番ですが、2015年に楽譜が見つかり 昨年世界初演されたストラヴィンスキーの「葬送の歌, Funeral Song」も嬉しいですね。



ストラヴィンスキー葬送の歌 Op.5 (1908年) [日本初演]
 「火の鳥」の1年前の作品ですね。12分ほどの小曲で暗め。火の鳥に似た感があり、前半の弦のトレモロと管楽器が王子登場に、後半はカスチェイと悪党を連想しました。
サロネンは拍手を受けた時に、初演のゲルギエフにならってかスコアを掲げましたね。

106年ぶりに楽譜が発見され、2016年12月2日に世界初演された話はこちらから


マーラー交響曲 第6番 イ短調 《悲劇的》
 ライブならではの興奮とパワーの素晴らしい演奏でした。コンサートで聴きたいのは形通りの好演ではなく、暴れる様な乱れも包括する情熱漲る演奏ですね。

第一楽章は、提示部出だしの緩いテンポと怪しい管楽器を聴いた時はヤバイと思いましたw
ところが提示部の反復で一転、行進曲の第一主題で勇壮壮大さを見せ、続く流れに乗ったアルマの主題(第二主題)でも大きな流れを作りました。強音パートは多少の乱れも情熱となり、走るパートは駆け抜ける迫力となりました。ここから本領発揮でしたね。
第二楽章はスケルツォでした。主部は第一楽章再現部からの情熱溢れる流れをとり、トリオでは一転して優美さを前面にしてメヌエットの様です。
第三楽章は、見事に緩徐楽章の流れを作りましたね。第一主題は穏やかに各楽器で引継がれ、第二主題の流れも哀しみよりも優しさを感じました。とは言え、中間部の山場では迫力が波の様でした。
第四楽章はこの日の白眉でしょう。30分はあるこの楽章がこんなに短く感じたのは初めてでした。中でも素晴らしかったのは、この曲で一番厄介な展開部でした。炸裂するパワーがオケとホールに響き渡りましたね。サロネンはその前の提示部最後で右を向いた際に笑みを見せました。なんだっのでしょう?!。
この楽章は溢れるパワーに浸りました。もちろんラストの一撃は約束の衝撃で、ティンパニーと弦のピチカートも明瞭でした。
ちなみにハンマーは標準的な展開部二発でしたね。



物足りなさが残ったとすれば、静音スローパートが哀しみよりも優しさだった事でしょうか。もしそこが冷たい哀しみだったら凄い名演だったかもしれません。(個人的好みの問題ですがw)
でも、それを差し引いても指折りの素晴らしいマーラー6番だったでしょう




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

2017年5月16日 ブラビンズ/都響, S.オズボーン(ピアノ) で聴く英国音楽 at 東京オペラシティ ★☆

東京はこのところ天気がはっきりしません。そんな中、今日は近くて楽な初台でした。

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都響定期B第831回は、指揮ブラビンズ(Martyn Brabbins)、ピアノはオズボーン(Steven Osborne)、英国音楽家の楽曲という英国音楽シリーズですね。
実は英近現代音楽家は、ブリテンやマクミランら一部しか馴染みがありませんが、お楽しみの一つはスティーブン・オズボーンのピアノですね。今回は素直に事前の曲確認もなしで楽しんでみたいと思います。(聴いていない曲のCDを購入して確認するのも楽しみですが...)

曲目解説は都響のページを参考にどうぞ。



青柳の堤 (1913年) :バターワース(George Butterworth, 1885/7/12 - 1916/8/5)
 A.ベルクと同い年で、享年31歳と早世ですね。英国音楽らしい長閑な風景感のある、いかにも標題音楽です。6分と短く、展開はシンプルですね。演奏もマッチしていました。

ピアノ協奏曲 (1955年):ティペット(Sir Michael Tippett, 1905/1/2 - 1998/1/8)
 日本初演だそうです。細切れで忙しない音の並びに終始し、不協和音が微妙な調性感を醸し出します。動機の反復と変奏で構成されて、他二曲と対比する絶対音楽で好みですね。
オズボーンのpfはテクニックだけではなく、音の粒立ちと歯切れの良さが素晴らしいですね。揃いの良い都響と相まってこの曲の良さを引き出していたのではないでしょうか。

ロンドン交響曲(交響曲第2番, 1920年):ヴォーン・ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams, 1872/10/12-1958/8/26)
耳なじみの良い旋律を次から次へとつなぎ合わせて、その主旋律に伴奏パートを組み合わせた様な全曲ですね。聴き手を不安にする様な和声や、旋律が交錯するポリフォニーの要素は皆無です。その代わりにワクワク感や沸る様な刺激もありません。
でも各楽章にロンドンの情景が振られている標題音楽ですから、それをイメージしながら都響の素晴らしい演奏に身を浸すのが楽しみ方でしょう。



何と言ってもティペットのピアノ協奏曲が素晴らしかったですね。都響の見事な演奏は陶酔性を感じましたし、ピアノとのせめぎ合いもスリルがありました。
S.オズボーンはCDのインプレで何回か紹介済みですが、印象はずっと良かったですね。次は叙情性の強い曲で聴いてみたいと思いました。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

2017年4月18日 A.ギルバート/都響 の ジョン・アダムズ「シェヘラザード.2」at 東京オペラシティ ★☆

都響定期Bがサントリーホール改修中のため、初台の東京オペラシティへ。ここは京王線一本で近いですから楽ちんです。
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今更何が話題かは言うまでもないでしょうが、事前にCDインプレしていますので そちらをご笑覧くださいね。
前半はマ・メール・ロア(バレエ音楽版)で、頭の中はデュトア/モントリオール響の澄んだ美しい音色です。



・ラヴェルマ・メール・ロワ《バレエ音楽版》
演奏の素晴らしさとは別にやや好みの演奏とは異なりました。どちらかというとシャープでしょうか。愛おしさを思わせる様な美しい流れがより感じられると個人的な方向ですがw
 都響は丁寧な演奏ですが、好みから行けば管楽器とソロのvnの音色に より優しい美しさを感じられると嬉しかったです。
この曲では上記の様に好みがはっきりしているので仕方ありませんね。もちろんブラボー大喝采で、演奏が素晴らしかったのは事実です。^^;


・ジョン・アダムズシェヘラザード.2《ヴァイオリンと管弦楽のための劇的交響曲》
ちょっと騒々しいこの曲をコンサートで楽しむなら、ライブならではの情熱溢れた熱演でしょう。ジョセフォウィッツのヴァイオリンでそれが堪能できましたね。都響も好演でしたが、もう一つCDを超える何かがあると尚良かったかと。
 CDのインプレでも書きましたが、通して激情的展開で楽章間での変化が乏しいのはやっぱり楽曲の個性でしたね。第二楽章で緩徐パートがありますが、明確な抑揚や変化が欲しい気がしました。
都響は終始乱れのない充実の演奏でしたが、それに少々暴れるくらいの情熱が加われば最高でした。
今回楽しませてくれたのは二人。主役のvn, リーラ・ジョセフォウィッツ(Leila Josefowicz)は、この曲を手の内にした熱演で素晴らしかったです。大喝采でした。
そしてツィンバロン、生頼さんが隠れ熱演で良かったです。情熱でジョセフォウィッツと渡り合っていましたね。




アラン・ギルバート/都響は昨年7月25日のマーラー第5番で見せてくれた情熱ほとばしる見事な演奏とまでは行きませんでした。
期待値が大きかったので少しだけ残念な感が残りましたが、二曲とも充実の演奏で大喝采でした。^^



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

2017年4月15日 カンブルラン/読響 の バルトーク「青ひげ公の城」at 東京芸術劇場 ★★☆

春本番、満開の桜もあっと言う間に葉桜になった東京です。そんな中、池袋まで行ってきました。
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シルヴァン・カンブルラン(Sylvain Cambreling)のバルトーク(Bartók Béla, 1881/3/25 - 1945/9/26)「青ひげ公の城(Bluebeard's Castle)」は、やっぱり興味津々ですね。
今回の三曲は今年11月のメシアン「アッシジの聖フランシスコ」に向けたカンブルランの選択とか。一曲目のメシアン「忘れられた捧げもの」は、好演だった1月31日の「彼方の閃光」と似た曲調でもあり期待値は高かったです。



・メシアン忘れられた捧げもの管弦楽のための交響瞑想
弱音パートでの寒色的な美しさが弱い代わりに色彩感の演奏。個人的にはもう少し幻想的な方が好みでした。
 静音パート「十字架 La Croix」では思いの外 音が厚く色彩感がありました。期待の薄かった強音パート「罪 Le péché」が、読響の管楽器の美しさに適度な興奮が加わり良かったですね。続く「聖体 L'Eucharistie」の弦楽静音パートは期待の美しさでしたが、もっと薄くても良かった様な...


・ドビュッシー聖セバスティアンの殉教交響的断章
ここでも同じ傾向でした。 最終楽章では、薄い幽幻さのある美しさがバランスされて素晴らしかったですね。


・バルトーク青ひげ公の城Op.11(演奏会形式/字幕付き)
 ・ユディット[メゾ・ソプラノ]:イリス・フェルミリオン(Iris Vermillion)
 ・青ひげ公[バス]:バリント・ザボ(Balint Szabo)

この曲の印象を大きく変えさせらせる素晴らしい演奏でした。陰鬱な陰の様な世界から、青ひげと城に隠された秘密が彫り深く表現されました。(この曲だけなら★★★です)
 冒頭の吟遊詩人の口上はカットでしたね。まずは、ユディットのフェルミリオンですが良かったです。初めは陰鬱さに欠ける感が強く感じられましたが、聴くうちにオケとマッチした情熱に引き込まれました。
青ひげ公のザボは印象通りの好演。
何より演奏でしたね。カンブルランの描く青ひげの秘密とユディットを見事に表現しました。
ともすれば抑揚の薄い退屈な展開となる曲ですが、カンブルランは出し入れの効いたストーリー展開を見せてくれましたね。ユディットの気持ちの強さといい、バラージュの台本に近いのではないでしょうか。
ポイントの一つは長いパートのホールのシーンと「涙の湖」の部屋のシーンでしょう。ここを中だるみなど全く見せませんでしたし、バンダの入ったパートの迫力も素晴らしかったですね。ラストも綺麗に納めました。
出来れば三人の妻たちの呻き声があればより良かった気がします。




前半二曲はやや好みとの違いが先立ちましたが、後半の青ヒゲは素晴らしい展開でした。大方のオーディエンスの反応もそんな感じだった様な気がします。
結局カンブルランの方針は一貫していましたね。

そして読響の華やかな管楽器生き生きとそれに答える好演でした。このセットの良さを楽しめました。



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2017年3月13日 インバル/ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団のマーラー交響曲第5番 at すみだトリフォニーホール ★☆

今日は錦糸町 約1年ぶりのトリフォニーホール、曇り空は開場前には雨になってしまいました。すみだトリフォニーホール開館20周年記念、すみだ平和祈念コンサート2017《すみだ×ベルリン》との事でした。
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インバルのイメージの一つにマーラーがありますね。交響曲第5番はCDを4枚も出しているので、その印象は強いです。
近年のインバルのマーラー5番コンサートで言えば、2013年1月20日の都響との演奏は悪くありませんでしたよね。
今回は2001年から2006年にインバルが首席指揮者を務めたベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団 (Konzerthausorchester Berlin) との演奏。マーラー5番は150CD聴き比べもしてありコンサートでも好きな楽曲なので楽しみでした。



マーラー 交響曲第5番 嬰ハ短調
全体としては、オケの持つ上品なパワーに、全楽章に配された落ち着かない流れのマーラー5番でした。
微妙な変化球を投げたインバルは何を狙っていたのでしょうか。


[第一楽章] 鳴りの良いtpのファンファーレ、続く葬送行進曲は重さや陰鬱さを排して美しさも感じます 。第二主題(第一トリオ)でも本来の急速な変化は無く穏やかさでした。
[第二楽章] 第一主題は一転スピード感ですが激しさは抑え気味。第二主題ではまたもや優美さの展開です。マーラーの指示の激しさを持って、という感じではありませんでした。
第一部はお行儀の良さが前面に出ましたね 。
[第三楽章] スケルツォとレントラーに振られたアゴーギクは落ち着きません。そして第2トリオ以降はトゥッティやそれに近いパートは心地よいのですが、それ以外には微妙なアゴーギクが潜んでいました。ホルンの音は流石でしたね。
[第四楽章] アダージェットは厚みのある音色で暖色系 。そして流れの滑らかさを拒否する何かを感じました。
[第五楽章] リズミカルそして軽快に上げていきますが速め。展開部の山場、そして再現部山場からコーダはこのオケらしい上品な迫力で、ラストはアッチェレランドを効かせず速くも遅くもないバランスでした 。



例によって曲がライヴ向きなので拍手喝采、大ブラボーでした。
それにしてもインバルは足取りが軽く、随分元気に見えましたね。
主役の一つはベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団のお行儀の良い上品な音色でしたが、個人的にはもっと感情移入の強いコンサートならではの興奮が好みです。



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2017年3月2日 スティーヴ・ライヒ 80th Anniversary《テヒリーム》コンサート at 東京オペラシティ ★★

春めいて来た東京ですが、今日は家から30分もかからない初台(新宿のすぐ近く) の東京オペラシティ、Steve Reich 80歳記念公演に行って来ました。
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現代音楽好きですが、メインは前衛で欧エクスペリメンタリズム系です。米現代音楽もBOACやeighth blackbird 等好きです。今回はコリン・カリー・グループ(Colin Currie Group)とライヒの再来日を楽しみに行ってきました。
演目もライヒらしさが発揮される鍵盤打楽器二曲に、ラストはテヒリームといい並びですから。



前半はまぁまぁ的でしたが、後半のライヒの元気なインタビューとテヒリームの素晴らしさ!!
今回のコンサートは、やっぱりライヒの来日とテヒリームを楽しむという事でしたね。


クラッピング・ミュージック (Clapping Music, 1972)
'12年に続き再びのコリン・カリーとライヒのクラッピングでした。ライヒがいるコンサートでは、お約束です。例によって*フェイズ・シフティングがうまく聴きとれませんでした。
*今回、微妙なズレであるフェイジングではなく一拍のズレを採用している事がわかりました。これでスッキリ。

マレット・カルテット (Mallet Quartet, 2009)
2台のマリンバと2台のヴィブラフォンでFast-Slow-Fast、まさにライヒです。この空間に響く澄んだ音はコンサートホールならではでしょうね。ただ、音量的にはさほどでないので陶酔的に楽しむならオーディオでもOKかもしれません。

カルテット (Quartet, 2013)
近年の作品で楽しみにしていました。2台のピアノと2台のヴィブラフォン、13/4拍子から細かな変拍子と転調、ワンパートですがFast-Slow-Fast、といったサウンド。
この曲ではアゴーギクとディナーミクによる表情を感じました。それがライヒのものなのか、カリーなのかはわかりません。楽器編成を変えたらフュージョンとしても聴けそうな感じですね。
後半開始のインタビューで答えがわかりました。この曲の調性の激しい変化は自分らしくなく、その後パルス(Pulse for winds, strings, piano and electric bass, 2016年)を作ったそうですw

テヒリーム (Tehillim, 1981)
Fast-Fast-Slow-Fast、クラッピング、フェイズ・シフティング(カノン?)、オーグメンテーション、といったライヒの技術については今更不要、ヘブライ語がどうのも不要、そんな快感がありました。
生で聴く流れはやっぱりFastがメインの陶酔感です。CDでは聴けない、シナジー・ヴォーカルズとアンサンブル そしてコリン・カリーの指揮が一体となった素晴らしい演奏でした。ラストのハレルヤは最高でしたね。
電子楽器音かと思っていた音が弦楽器だったりとか、発見もありました。またPAを使っていましたがバランスも良かったですね。



オーディエンスの年齢がクラッシック系現代音楽、例えばシュトックハウゼンなど、と比べても30才くらい若いです。
もっとお年寄りクラシックファンにも来て欲しかったですね。若い方も、前衛系現代音楽にも来て欲しいものです。ちなみに最前列の小学生さんは前半熟睡でしたw
最後のスタンディングオベーションは 今やお約束的な気もしますが、ライヒ80歳おめでとう! でOKですね。^^v


P.S.:本日の公演がNHKにより収録され、4/14(月)5:00〜5:55 NHK BSプレミアム「クラシック倶楽部」にて放送の予定だそうです。



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2017年1月31日 カンブルラン/読響の メシアン「彼方の閃光」at サントリーホール ★★★

昨日の春の様な陽気から一転 冷たい空気で冷えた東京でした。
サントリーホールが来月2/6から改修に入るので今日は改修前のコンサート、kokotonMAMAと二人で行ってきました。
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この曲は普段よく流している曲で、楽しみにしていました。事前の聴き比べのインプレもしてあります。
こういう場合一番困るのは、耳に馴染んでいる曲なのでそれと比較してしまう事ですね。余程の良さやライブの盛り上がりがないと、どうしても???という事になってしまいます。今回の曲では後者はありえませんし、カンブルランのCDを所有していませんから余計厄介です。

とはいえフランス人で現代音楽を得意とするシルヴァン・カンブルラン(Sylvain Cambreling)がお国ものをどう演奏してくれるのか興味は尽きませんでした。
結果はカンブルランの面目躍如‼︎



オリヴィエ・メシアン(Olivier Messiaen) / 彼方の閃光(Éclairs sur l’Au-Delà …)
超大編成の響き渡る音の厚み、色彩と煌めきの演奏でとにかく素晴らしかったです。静的美しさ、打楽器管楽器の派手さ、そして鳥達の囀りがこの曲の構成なのですが、それが見事に一体となりました。
ちょっと驚いたのは、あまり目立たない第3パートの意外な煌めきでした。

パート毎の個人的インプレです。
1. 栄光あるキリストの出現 (Apparition du Christ glorieux)
2. 射手座 (La Constellation du Sagittaire)
 この二つのパートで今日のコンサートの素晴らしさは約束されましたね。生き生きとした音の厚みと色彩感、そして煌めきの素晴らしさに圧倒されました。
3. コトドリと結婚の街 (L'Oiseau-lyre et la Ville-fiancée)
 今日一番の驚きです。然程目立たないホモフォニー的パートなのですが、素晴らしいキラキラ感で惹き込まれました。
4. 刻印された選ばれし者 (Les Élus marqués du sceau)
 鳥の声のポリフォニーでカンブルランは殆ど指揮をしませんでしたね。
5. 愛にとどまる (Demeurer dans l'Amour...)
 静的に美しい弦楽緩徐パートで、透明感のある美しさを終始奏でてくれました。このパターンが好きです。
6. 7つのトランペットと7人の天使 (Les Sept Anges aux sept trompettes)
 打楽器と7本のトランペット、ならぬトロンボーン、ホルン、バスーンの曲。管楽器の揃いが心配されたのですが、全くの杞憂。素晴らしい音色でした。
7. そして神はことごとく涙をぬぐい去ってくださる (Et Dieu essuiera toute larme de leurs yeux...)
 鳥が入る穏やかなパートですが、美しさとのバランスが良かったです。
8. 星々と栄光 (Les Étoiles et la Gloire)
 会話の様な展開で特徴的なパートですが、予想よりも抑え気味ながらメリハリある素晴らしい華やかさ。
9. 命の樹にやどる鳥たちの喜び (Plusieurs Oiseaux des arbres de Vie)
 鳥のパートで、カンブルランはタクトを指揮台に置き、指でカウントを提示していました。楽しい鳥達の囀りでした。
10. 神の道 (Le Chemin de l'Invisible)
 衝撃的なパートで、この曲のイメージを象徴していますね。それに応える見事な音の厚みでした。
11. キリスト、楽園の光 (Le Christ, lumière du Paradis)
 パート5の回帰で前のパートの華やかさを美しく静かに納めました。トライアングル、お見事です。



頭の中で鳴っているチョン・ミョンフン/パリ・バスティーユ管を遥かに超える色彩豊かな素晴らしい「彼方の閃光」でした。
管楽器の華やかな読響の実力も発揮され、タクトを下ろしたカンブルランと読響メンバーの満足感も伝わりましたね。
久々最高のコンサートでした。




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2017年1月10日 小泉和裕/都響のブルックナー交響曲第5番 at サントリーホール ★☆

今年のコンサート初めは今日の都響第823回(定期演奏会Bシリーズ)で、サントリーホールです。厳密にはジルベスター・コンサートでしたが、あれは年末年始のお祭りですからw
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小泉さんの指揮は2013年4月21日のチャイコフスキー5番の素晴らしい演奏を聴いて以来です。近年は殆ど聴かなくなったブルックナーですが、マエストロと都響の重厚な音の構成が期待できそうですね。
今回は事前の聴き比べをしないで、G・ヴァント/BPO盤を数回聴いてきました。



ブルックナー:交響曲第5番 変ロ長調 WAB105(ノヴァーク版)
 強音パートは重厚さと言うよりも華麗でな響で、この曲らしい迫力の底力が見事でした。
しかし全体としては弱音パートの表情が薄く、変化の乏しさで惹き込まれるモノを感じられませんでした。


[第一楽章]
 まずは気になった序奏の入りはあっさり。提示部の第一主題、第二主題は特徴が薄く感じました。要は弱音パートのディナーミクが弱くフラットです。聴かせ処の対位法の絡みも明確さに欠けます。管楽器主役の第三主題は華やかでした。展開部と再現部も各主題を奏でますが中強音フラットです。

[第二楽章]
 主題と副主題のロンド、副主題の壮麗感も弱いです。でもこの曲独特のピチカートの強さは感じられましたね。

[第三楽章]
 この楽章では少しディナーミクが振られ、スケルツォと第二主題レントラーはやや速めながらそれらしさがありました。トリオでは優美さがちょっと弱かったでしょうか。

[第四楽章]
 主題を並べた序奏が一番良かったかも。第三主題はもちろん豪快に山場を作りましたが、その後のコラールから展開部、再現部はやや長さを感じました。コーダからラストは当然の荘厳さ。もちろん拍手喝采でした!! 



オーディエンスの反応から見ても、指揮者と都響メンバーの反応から見ても充実の演奏。駄耳な私の好みの問題なので仕方がありませんね。f^ ^;
アーノンクールとまでは言いませんが、個人的には何か変化が欲しかったです



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2016年12月14日 ヤクブ・フルシャ/都響のマーラー交響曲第1番「巨人」at サントリーホール ★★☆

いよいよ寒くなってきた六本木へ。どうにか晴れたのは嬉しいですが、寒いですね。
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マーラーというと、このブログでは5番の150CD聴き比べや6,9番と言う事になるのですが、あまり聴かないのが8番と並ぶ1番「巨人 Titan」ですね。(ちなみに好きなのは3番・7番です)
特に好きな演奏(CD)はないので、今回はジンマン/トーンハレ管で数回聴いてきました。

「第821回 定期演奏会Bシリーズ」は指揮者、ソリスト、そして作曲者をチェコ人(生まれ)で揃えましたね。



マーラー:交響曲第1番 ニ長調 《巨人》
 音の厚みと迫力を生かした演奏で楽しませてくれました。薄く暗いパートに欠ける感じがしましたがそれを補ったでしょう。フルシャ(Jakub Hrůša)と都響の息が合った素晴らしい演奏でしたね。

 第一楽章冒頭の下降動機からの序章は穏やかに出ました。チェロからの第一主題、管の似た第二主題は強さを感じる流れ、もう少し牧歌的な感じが欲しかった気もします。展開部では静的暗転の後に明るさが戻り、ラスト山場は華やかさよりも迫力。短い再現部(コーダ?)もその流れからビシッと決まりました。ここで強音パートの良さに気が付きましたね。
 第二楽章は第一楽章引き継ぐような重厚さでスケルツォらしい優美さには欠けるのですが、これもあり。弦のレントラーも同様の美しさがありますね。
 第三楽章、問題の(笑)「グーチョキパーで何作ろう」短調フーガ版です。暗く薄い陰影さは弱く、ティンパニの下降動機の行進曲的印象も薄いです。情感強めのトリオ後の主部回帰も音は厚めで変化を強く掛けました。
 第四楽章、この演奏パターンが生きて激しい序章の後の第一主題は迫力がはまり、続く第二主題は影ある優美さよりも感情こもった展開です。展開部はもちろん激情的、山場は見事。再現部はマーラーらしい各主題や動機が入り乱れる展開ですが、ここがややはっきりしませんでした。見事な終盤の山場から続くコーダ、ここが白眉でした。長いのでダレる事も多々あるのですが、ゾクゾクする様なパワー漲る流れでラストを盛り上げて終了しました。
コンサート向きの曲ですから当然の拍手喝采なのですが、それを上回るモノがありましたね。


ちなみに興味の薄い前半の印象は以下でした。ドヴォルザークの協奏曲だとチェロの印象が強いですよね。
ドヴォルザーク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 op.53 B.108
 ヴァイオリンのヨゼフ・シュパチェク(Josef Špaček)は確かにヴィルトゥオーゾ性を見せましたが特に個性はかんじませんでしたね。
しかし驚いたのはアンコールのイザイでした。繊細さから野性味のある音色まで聴かせました。彼はコンチェルトよりソロ曲向きですね。


残念ながら曲の構成等は理解していないので、内容はインプレしようがありません。眠さをこらえるのが...(汗)



マーラー1番の一つの楽しいパターンか明瞭に味わえましたね。フルシャの指揮は、パワー系の楽しさでしょうか。そのパワープレーを支えたのは都響の揃いの良い演奏、特に管楽器、なのは違いありません。
これからフルシャ/都響が楽しみですね。
近年の都響の演奏は充実感がありますね。
^^v


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2016年11月25日 ダニエル・ハーディング/パリ管弦楽団のマーラー交響曲第5番 at 東京芸術劇場 ★

昨日の東京は11月の雪で参りましたが、やっと穏やかに晴れましたね。体調は万全とは言いづらいですが、池袋まで行ってきました。
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マーラー5番は今までに150枚のCD聴き比べをしているコンサート・ターゲット曲ですから逃せませんね。
しかし微妙な組合せです。あまり好みの演奏に当たったことがないD.ハーディング(Daniel Harding)と、フランス音楽の方が良いイメージのパリ管(Orchestre de Paris)です。
ハーディングのマーラー5番は2011年6月に新日フィルで聴いていますが、特に頭一つ抜けたものは感じられませんでした。最近で言うなら、今年1月のブリテンの戦争レクイエムは今ひとつ。パリ管音楽監督就任のお披露目ならフランス曲の方が…なんてちょっと思いましたが。
さて結果はいかに…



マーラー/交響曲第5番 嬰ハ短調
 いろいろな意味で予想を超える演奏でした。悪い方は管楽器の揃いの悪さや音の乱れ。興味を惹かれたのはハーディングらしからぬ妙なアゴーギク。
ライヴもCDも数多く聴いている曲ですがコンサートでこれだけ変わったのは初めてでしたね。


 第一楽章のファンファーレはスロー、続く葬送行進曲もスローで不思議なアゴーギクですが重厚ではありません。始めは この辺りがパリ管かなと思う興味深い入りでした。第二主題の展開もいきなりテンポアップでもなく穏やかな変化。
ところが第二楽章。第一主題が速く管楽器の揃いに乱れがあり、第二主題からは妙なアゴーギクと何だか怪しげな管楽器が目立ち、ラスト山場はバタバタ。なんか変だな⁈の第一部です。
実は第三楽章がこの日の白眉w、とにかく妙なアゴーギクを振ります。スケルツォからレントラーへ、そして第2トリオ以降も怪しげで揃いの微妙な管楽器と合わせて目が離せません。近年のマーラー5では一番妙な揺さぶりの第三楽章です。
第四楽章アダージェットは一転極普通。少し音が厚めなくらいでしょうか。こうなると中途半端は面白くありませんw
第五楽章もクセは少なかったのですが演奏は微妙。展開部山場の後の静音パートではまたもや不思議なアゴーギクに怪しげな音。しかし最大の驚きは最後に待っていました。再現部山場からコーダは見事な切れ味大迫力でビシッとまとめ、ラストのアッチェレランドは素晴らしい切れ上がりでフィニッシュしました。
拍手喝采大ブラボーです。この曲はどんなコンサートでもこうなるように出来ていますが、皆さんどう言う意味だったのでしょう。


ちなみに前半のメンデルスゾーンも事前に5CD聴き比べてから行きましたが、普段聴く曲ではないので簡単にw

メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 op.64
 ヴァイオリンのジョシュア・ベル(Joshua Bell)の音色の甘さがオケのドイツ風押し出しの良さと不思議なマッチを見せました。穏やかな空気の緩いコンチェルトでしたね。

 第一楽章第一主題は甘い音で驚きました。オケは締りのあるディナーミクなのですが、第二主題もおなじですね。カデンツァはそういうわけでグイグイではありません。
第二楽章主題は緩徐楽章らしさをスローで展開したのでもろに甘美トロトロ。
第三楽章の軽快さは悪くなかったですね。




とにかく摩訶不思議なハーディングのマーラー5番。5年前の同曲演奏とは別人の楽風です。怪しげな管楽器で期待はずれのパリ管ですが、変な演奏で余計面白かったかもw
まともじゃないのは確かですが、楽しんじゃいました。



テーマ : クラシック
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2.マーラー交響曲第5番 150CD
 (名盤・珍盤 聴き比べ)

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