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エッシェンバッハの「ウェーバー作品集 "魔弾の射手"他」プロハスカが歌うアリアも



カール・マリア・フォン・ウェーバー
(Carl Maria von Weber, 1786-1826)
初期のドイツ・ロマン派を代表する音楽家で、オペラ「魔弾の射手」で知られるウェーバーですね。私もそれ以上の事は知りませんでした。世代的にはベートーヴェンの16年後、シューベルトの11年前という時代に生まれ活動していたという事になります。



ウェーバー 作品集
(クリストフ・エッシェンバッハ指揮, ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団)
ベルリン・コンツェルトハウス200周年記念リリースだそうです。ウェーバーが選ばれたのは「魔弾の射手」が創設(1821年5月)の翌月6月に初演されるなど縁(ゆかり)があるからとの事。

オペラ序曲が三曲、アリアを二曲、ピアノ小協奏曲の計6曲構成になっています。今注目のアンナ・プロハスカ(Anna Prohaska, sop)が「魔弾の射手」エンヒェンの二つのアリアを歌うのも楽しみですね。タクトはもちろん2019年から音楽監督を務めるエッシェンバッハです。







1. 歌劇 "リューベツァール" 序曲 (1804)
演奏会ver.の "Beherrscher der Geister" (精霊の支配者)です。ABAC的な構成??
冒頭のアレグロ的な入りはブルックナーを思わせます、年代的には逆ですが。第一トリオ?はアンダンテ風の優美さで、第二トリオはワーグナーの祝典音楽風です。確かにロマン派の色合いをしっかり感じますね。


2. ピアノと管弦楽のための小協奏曲 (1821)
「魔弾の射手」初演の日に完成させたという曲で、この曲の初演も行われたそうです。
美しい緩徐主体のピアノ協奏曲で、パウゼから後半はスケルツォ風の軽妙な流れから行進曲風になります。pfは長い上昇音階・下降音階が特徴的ですね。ファストな旋律はそれなりに速弾きを要求しています。後半の方が圧倒的に面白いですね。
pfはマルティン・ヘルムヒェン(Martin Helmchen)です。


3. 歌劇 "魔弾の射手" 序曲 (1821)
一番聴かれている曲でしょう。どこかタンホイザーを思わせる感じがありますね。(年代はもちろん逆です) その後の激情な流れの繋がり方や主題・動機の組合せなどは、ワーグナーを思わせるかもしれません。


4. 歌劇 "魔弾の射手" 第三幕 エンヒェンのアリア
アリア"Einst träumte meiner sel'gen Base" (死んだ私の従姉妹が見た夢)ですね。
緊迫感あるvnからプロハスカがすぐに登場。少しMez的な印象を残しながら神経質な歌声を聴かせます。アガーテの夢に反応する歌だったでしょうか? プロハスカが得意とするコロラトゥーラが歌われますね。


5. 歌劇 "魔弾の射手" 第二幕 エンヒェンのアリア
アリア"Kommt ein schlanker Bursch gegangen" (凛々しい若者が来る時)です。
優美な楽曲で舞踏曲風ですね。プロハスカも軽妙に歌い表情が豊かです。ちょっとモーツァルトの色を感じるかも。


6. 歌劇 "オベロン" 序曲 (1826)
冒頭はパルジファル風?w すぐに祝典風な音色になるのもワーグナーを感じるかもしれません。続くアレグロはモーツァルト的で、緩徐は再びワーグナー??ww どうしてもインプリンティングされたものがあるので、そんな事ばかりでインプレになりませんね。(少なくとも何処を聴いてもマーラーは出て来ないのも事実ですが)


 ★試しにYouTubeで観てみる?
  Alpha Classics の公式PVです




モーツァルト感を残したワーグナーと言った印象でしょうか。色々書かれている様に、確かにこの流れの先にワーグナーの楽劇があるのを感じるかもしれません。

ストーリー性や標題音楽性の強さがあって、少し聴いてみたくなりました。




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ツェムリンスキー「人魚姫」と シュレーカー「王女の誕生日」をワシリー・ペトレンコ指揮RLPOで



Zemlinsky "Die Seejungfrau"
Schreker "Der Geburtstag der Infanti"

1870年台生まれのオーストリアの作曲家二人を並べましたね。シェーンベルクと同年代ですから、後期ロマン派から無調/セリエルに向かう時代になります。二人とも当初は古典的流れから後期(ドイツ)ロマン派の流れに変化し、最後は調性旋律からの乖離を目指しています。今回の二曲は後期ロマン派時代の作品になりますね。

ワシリー・ペトレンコ(Vasily Petrenko)は20歳台(29)でロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団(RLPO)の主席指揮者(2006-2021)に就いています。その手兵RLPOとの演奏です。








アレクサンダー・フォン・ツェムリンスキー
(Alexander von Zemlinsky, 1871-1942)
ツェムリンスキーと言えば、このブログではマーラーの奥様になる前のアルマの指導者で元カレの印象ですw
ツェムリンスキーの代表作で、この曲くらいしか浮かばない「人魚姫」ですが、今回の注目は原典版の採用です。スコア14頁とも言われるカット部分を再現しているそうですが、たまにコンサート前に聴く程度なのでそのポイントはわからないと思います。

■1. 人魚姫 (1903)
 1st mov.は暗く鬱ながら美しい海底描写から'人魚姫の主題'を優しいvn独奏で対比させます。この辺りはR.シュトラウスを思わせますね。後半は出し入れを強く嵐を表現、ゲネラルパウゼの後は色濃い流れにしています。
2nd mov.の入りの派手さは約束通り、その後の人魚姫が人間になる希望や失望を変化を強くつけていますね。文字通り標題音楽的な表現になっている感じです。
3rd mov.も陰影の強さがストーリーをトレース、ラスト死から救済へ向かう澄んだ静の美しさからのエンディングは見事です。



フランツ・シュレーカー
(Franz Schreker, 1878–1934)
シュレーカーの印象は曲よりもDECCAの退廃音楽シリーズですね。ナチスが烙印を押した"退廃音楽"の対象は、楽風だけでなくユダヤ人音楽家にも向けられ、シュレーカーはその対象でした。

■2. 王女の誕生日 (1908)
 美しさ・軽妙さ・心地よさ、と言った流れで明確な調性旋律とホモフォニー、パントマイム音楽だそうですが標題音楽ですね。「人魚姫」に比べると激しさのパートが少なく、代わりに祭典風の華やかさが広がるパートが特徴的です。甘美な後期ロマン派作品といったイメージでしょうか。



"人魚姫"はいかにも標題音楽的な表現の濃さ、"王女の誕生日"は穏やかな旋律と華やかさで、まさに後期ロマン派らしい二作品を楽しめます

明快な心地よさを鳴らすペトレンコRLPOの演奏もフィットして、貢献していますね。

話は違いますが、指揮者でペトレンコと言うとどうしてもBPOのキリルさんが浮かんでしまうのですが…汗




テーマ : クラシック
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ユルギス・カルナヴィチウス(Jurgis Karnavičius)の「弦楽四重奏曲 第1番・第2番」



ユルギス・カルナヴィチウス
(Jurgis Karnavičius, 1884-1941)
リトアニアの音楽家でオペラで知られている様ですね。年代的には後期ロマン派から前衛にかかる世代で、同じ1880年台生まれですとストラヴィンスキー(1882)やバルトーク(1881)と言う事になりますね。

当初は法学を学び法曹界にいましたが、後に音楽家となりヴィオラを弾きながら独自の音楽理論を構築したそうです。楽風はこの年代らしく民族音楽を特徴としている様ですから、最終的には調性からの離脱を目指したのか興味がありますね。



String Quartets Nos.1 & 2
Vilnius String Quartet
ヴィオラ奏者としてアンサンブルでの演奏もあるので、得意とする弦楽四重奏曲と言う事になるでしょうか。演奏はヴィリニュス弦楽四重奏団(Vilnius String Quartet)で、なんと100年を経ての世界初録音だそうです。取り上げられる事が少なかったと言うことですね。







1. 弦楽四重奏曲第1番 Op.1 (1913)
part I.は透明感のあるアレグロで主題も存在して対位法の流れはあってもホモフォニー、流れは後期ロマン派に古典の香りをトッピングした感じです。part II.ではより古典の流れを強く感じますが、パウゼを挟んで曲調を変化させるのはシックリ来ませんね。part III. IV. は洗練されていますから、古典色を抜けばクールな後期ロマン派で聴けるので残念です。


2. 弦楽四重奏曲第2番 Op.6 (1917)
part I.はカノンで入るのでこれまた旧来の流れ主体かと思いきや、主題も陰鬱さを見せて僅かながら調性からの脱却やポリフォニカルさも感じさせてくれます。part II.は民族音楽和声や調整逸脱で、ハイテンポでは舞踏曲 スローで幽玄な印象を与えます。III.は緩徐楽章で僅かな不協和音が神秘的で、構成的にも今の時代にもフィットする弦楽四重奏曲となっていますね。



 ★試しにYouTubeで観てみる?
  CDの1番/2番に続く"弦楽四重奏曲第3番より"。演奏は同じヴィリニュスS.Q.です




やや古さを感じる第一番、古典的調性感から逸脱の第二番、と言った処でしょうか。特に洗練された第二番は一度聴く価値は大だと思います。

もっと演奏会で採用されてもいい感じがしますね。ヴィリニュスS.Q.もメリハリある音色を奏でていて楽曲にフィットしています。




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「ショスタコーヴィチ 交響曲 第6番」聴き比べ | コンドラシン, バーンスタイン, ムラヴィンスキー

週末のコンサート、東響定期#688 井上道義「ショスタコーヴィチ 6番」の予習です。古い録音にはなりますが、①コンドラシン, ②バーンスタイン, ③ムラヴィンスキー、ロシア物では好きな三人の指揮者で聴き比べておきたいと思います。

ショスタコーヴィチの交響曲としては少し変わり種の#6だと思いますが、ショスタコを得意とするミッキーこと井上さんがどう料理するかとても楽しみです。






【全体インプレ】
 ① コンドラシン:第一楽章偏重, 意外や控え目
 ② バーンスタイン:スローで強いコントラスト, ストーリー性
 ③ ムラヴィンスキー:変則性の強い主張, 個性的

個人的にはオススメはバーンスタインですが、極端な主張を展開するムラヴィンスキーも素晴らしいです。







キリル・コンドラシン
モスクワ・フィルハーモニー管弦楽団

(Kirill Petrovich Kondrashin, Moscow Philharmonic Orchestra)




第一楽章
跳躍旋律の主部主題は弦楽はアゴーギクとディナーミクで色濃く。木管に主題が移った後、弦楽から金管は神経質に。イングリッシュホルンが中間部に現れると落ち着きを見せますが、背景の弦のトレモロが緊張感を煽ります。主部回帰は入りの明るさが印象的に、優しさを感じる流れになっています。
色濃く神経質な楽章です。

第二楽章
主部は軽妙さから力感を増して、中間部も慌てる様子はなく落ち着いて進めピークを築きますね。木管と弦ピチカートの主部回帰でも淡々とした印象を受けます。

第三楽章
主部第一動機はウイリアム・テル序曲っぽさ、アゴーギクで第二動機に繋げて、動機を心地良く絡ませます。中間部は少し重量感を与えて切れ味良くピークを作り、fg動機からは繊細さを見せます。コーダは軽快さと爽快さから、フィニッシュは少しかき混ぜてコンドラシンらしさを見せます。


第一楽章の重厚さターゲットのショスタコーヴィチ#6ですね。後半二楽章は軽妙さを主体としています。

コンドラシンとしては濃厚さが抑え気味に感じますね。後半二楽章でも、もう少し色合いを付けて来るかと思いました。





レナード・バーンスタイン
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

(Leonard Bernstein, Wiener Philharmoniker)




第一楽章
主部は鬱は薄いのですが、ディナーミクを大きく振って抑揚を付けて来ます。弦楽は重厚で、続く管楽器もその上に乗っている感じです。中間部動機は鬱をスローに表現して葬送風の流れを繋げ、後半flが出ると静の緊張感に包まれます。一転主部回帰では明るい光が射す様に入って、緩やかな流れで締め括りますね。いかにもバーンスタインらしいスロー重量感です。

第二楽章
主部は明るくハッキリとした流れからシャープさを増して進み、中間部は落ち着いた流れからピークを激しく鳴らします。木管が冷静に主部回帰を出すと、そのままクールな流れをキープして終わりを告げます。

第三楽章
主部第一動機は速く軽妙、続く第二動機でも軽妙さを崩さず、そのまま絡んで進みます。中間部はテンポを落とし重厚な三拍子が出現して舞踏風に。ソナタ再現部的な主部回帰から、コーダは明確な明るさに一変してカンカン踊りの様な明るさに染め上げて終わります


スローで強いコントラストと濃厚さのショスタコーヴィチ#6です。明るさや鬱さの表現が明確に付けられていますね。

一楽章ラストの薄灯から三楽章コーダでは明確な明るさへ、この曲の持つ変化(ストーリー)を見事に聴かせてくれますね。





エフゲニー・ムラヴィンスキー
レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団

(Evgeny Mravinsky, Leningrad Philharmonic Orchestra)



(これだとは思うのですが…)


第一楽章
弦楽の主部主題はやや速めで鬱の色を濃く、後半金管が出ると緊迫します。イングリッシュホルンが主部変奏動機を静かに出すと中間部で、静鬱をキープしながら進んで後半は静の中の緊迫感が強いです。主部回帰は明るさを見せますが基本は暗く、光は見えません。最後は、マーラーなら"死に絶える"と表現するでしょうね。暗く鬱なベールに包まれた楽章です。

第二楽章
木管が上昇下降旋律で走るハイテンポで緊迫の主部、後半は慌ただしく追い立てる狩の様相です。中間部でもテンポはキープされて低弦のトレモロが緊迫感を作り、主部回帰は緊迫の名残を見せながら緩やかに収束します。速くて緊迫感の楽章です。

第三楽章
主部第一動機はウイリアム・テル序曲の印象強く、第二動機は跳ねる様に、いずれもテンポは速いですね。中間部は速いまま三拍子を明確に激しさを増してピークを作り、続くfg動機からは少し緊張感を解放して来ます。そのまま主部回帰、コーダも明るさよりも飛ばしてフィニッシュです。終始速い流れキープになっています。


速くて鬱と緊張感の対立するショスタコーヴィチ#6です。第一楽章を鬱に染めて、後半楽章は一気に突っ走ると言った極端な構成が個性的です。

明るさを徹底して殺し, 暗鬱とのコントラストも作りません。この明確な主張がムラヴィンスキーらしさかもしれませんね。




さて週末(2021-3/27, サントリーホール)のコンサートはいかに。何年かコンサートの井上さんは聴いていないのですが、スローを使った表現力の様な気が…
インプレは残す予定です。


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リュドヴィク・テジエ(Ludovic Tézier) のバリトンで聴く『ヴェルディ・アリア集』



VERDI
Ludovic Tézier (リュドヴィク・テジエ, b.1968)
これまでソロアルバムを出していなかったのが不思議なフランス人の人気バリトン、リュドヴィク・テジエですね。53歳と脂の乗ったバリトンは、近年ですと2018ザルツブルク音楽祭の「トスカ」のスカルピア男爵、2019ロイヤル・オペラ「運命の力」のドン・カルロが光りましたね。

ガラで歌うのも得意としていますが、ブリン・ターフェルの様なエンターテイメント性とは違ってオペラからはみ出す印象は個人的にはありません。アリアを朗々と聴かせてくれる印象が強いです。

CDの日本語紹介文にはカウフマンのアルバムでのビゼーの"真珠採り"「神殿の奥深く」のデュエットが紹介されていますが演奏含めてテンションが低く、この曲のテジエなら2007年の"オペラ・ガラ バーデン・バーデン"でのヴァルガスとのデュオが良いでしょう。

演奏はフレデリック・シャスラン指揮、ボローニャ市立歌劇場管弦楽団。満を持してのヴェルディのアリア集です。







楽曲 1. "運命の力"「死ぬということ…何と恐ろしいことだろう」2. "ドン・カルロス"(仏語版)「私です、カルロス!・・・わが生涯の最高の日」3. "エルナーニ"「偉大な神よ!この墓の大理石の上で奴らは」4.同じく「私と一緒に来ておくれ、バラだけで」5. "ファルスタッフ"「これは夢か? まことか?」6. "トロヴァトーレ"「全く人の気配はない・・・あの人のかすかな微笑みは」7. "椿姫"「プロヴァンスの海と大地」8. "マクベス"「裏切り者め!イングランドと組んで私に刃向かうか」9. "ナブッコ"「ユダの神よ」10. "オテロ"「俺は信じる、俺を造り給うた無慈悲な神を」11. "リゴレット"「廷臣たちよ、下劣で呪われた者どもよ」12. "仮面舞踏会"「あなたに微笑んでいる人生には」13.同じく「立て!お前の息子はあそこだ」14. "ドン・カルロ"(伊語版)「私です、カルロス!・・・わが生涯の最高の日」


1."運命の力"のカルロの様な曲に抑揚があるシーンはテジエらしい艶やかなバリトンが生きますし、4."エルナーニ"のカルロの様なトーンが高いパートはテノールの様な伸びのあるテジエの声質にはピッタリですね。

5."ファルスタッフ"のフォードは激情的で気持ちが入っているのが分かります。6. 7.と落ち着いた曲を並べるのも上手い構成になっているでしょう。8."マクベス"や9."ナブッコ"では表情変化を付けて歌い、10."オテロ"のヤーゴ 11."リゴレット"では力感を見せますね。

2.と14.は同じ"ドン・カルロス"のお馴染みアリア「ロドリーゴの死」ですが、仏語と伊語で歌いわけます。元々は仏語の方が先で、後から伊語版が出来ていますが、当然ながら仏語の方が歌唱がテジエにフィットした感じです。伊語ver.がスローに歌われているのもあるかもしれませんね。このシーンですとスローの方が良いのかもしれませんが…



テジエらしいバリトンと並びの良い楽曲で楽しめる一枚になっています。テジエらしい艶やかでテノールの様な伸びあるハイ・バリトンが素晴らしいですね。

欲を言えばデュオが入っていても良かったかもしれません。(3.ではほんの僅かなDuoがありますが)



 ★試しにYouTubeで観てみる?
  今回は入っていない"カルメン"「闘牛士の歌」です。素晴らしいので是非!!
  (2007年の"オペラ・ガラ バーデン・バーデン"から)
  今ほどの体型でもなく、声質もよりハイです

  参考までにブリン・ターフェルが歌う"闘牛士の歌"もどうぞ
  (アバド指揮で女性陣もフォン・オッターを含めて豪華布陣です)
  試しにターフェルも観てみる?



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





『チャイコフスキー 交響曲 第5番』2020パーヴォ・ヤルヴィを1960ムラヴィンスキーで聴き比べ


チャイコフスキー 交響曲 第5番
今更の曲をなぜ? それも2020年リリースのP.ヤルヴィを1960年のムラヴィンスキーで聴き比べ??

■週末1/30(土)の原田慶太楼さんと読響のコンサートの予習です
■この曲は個人的に1960ムラヴィンスキーが鉄板!!
■せっかくですから新しい録音(P.ヤルヴィ rec.2019)も合わせて

という事で…w




パーヴォ・ヤルヴィ
チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団



第一楽章
序奏「運命の主題」はスローのアゴーギク。第一主題はテンポを取り戻してディナーミク強調、第二主題第一動機はアゴーギク強調、第二動機もスローの揺さぶりからパッセージは気持ち良く鳴らします。展開部の第一主題変奏は波の様な出し入れですね。再現部はスロー化して抑え気味、コーダもその流れにあります。揺さぶり強調ですが感情移入は薄めですね。

第二楽章
美しい弦のコラールから主部主題のhrも静美に、ob動機は繊細さです。第一トリオはvcと管楽器の対話を色濃い美しさで、山場はテンポアップから迎えます。中間部のclとfgはアゴーギクを振られていて、山場の"運命の主題"は空を覆う黒雲の様です。主部回帰では伴奏の色付けを美しく生かして心地良い山場を。突然の"運命の主題"も唐突性は抑えてラストの美しさが光ります。美しさのアンダンテ・カンタービレです。

第三楽章
主部の第一・第二ワルツは軽妙に、第三ワルツでスロー化ですね。中間部は16連音符を軽妙さを利かせて、主部回帰の三つのワルツも優しさ穏やかさです。コーダのソフトな"運命の主題"の後の強音は広がりです。重さ控えめでワルツらしさ強調です

第四楽章
序奏の"運命の主題"は優しい美しさ、厳しい弦の第一主題は切れ味から重厚さへ。第二主題は流麗な木管、金管の"運命の主題"は華やかです。展開部は勇壮さで弦の響きが印象的ですね。再現部はテンポアップしますが落ち着いて、"運命の主題"からスロー化して山場をシャキッと締めます。コーダは落ち着いて晴々とした行進曲からラストはアッチェランドの様なテンポアップで締め括ります。力感よりもスッキリ感の楽章ですね。


スッキリと心地良い第5番ですね。重厚さや爆裂の対角にいる流れです。

それを証明しているのが中間楽章の二つでしょう。アンダンテ・カンタービレとワルツ、そのものですね。この流れもありのチャイコフスキー5です。






エフゲニー・ムラヴィンスキー
レニグラード・フィルハーモニー管弦楽団


(4, 5, 6番のset、いずれも名盤ですね)


第一楽章
序奏「運命の主題」は陰鬱なスロー、第一主題は色濃い力感でピークを激しく。第二主題は感情強く、パッセージは力強さですね。展開部はリズムを生かして音厚を増します。再現部は落ち着きから第二主題パッセージで感情を高めますね。コーダは弦の下降音階と管楽器が厳しい音で対峙します。感情こもったアゴーギクとディナーミクが素晴らしい楽章です。

第二楽章
主部のhrはスローで澄んで美しく、ob動機は明るい流れを作ります。第一トリオは静の中の緊張感から山場を大きな鳴りで広げます。哀愁の中間部は"運命の主題"をシャープに。主部回帰では優美さを見せつつ山場で炸裂!! そして突然の爆裂"運命の主題"です。厳しい出し入れで緊張感漂う流れですね。

第三楽章
主部の第一・第二ワルツは優美、第三ワルツは木管の鳴りを生かします。中間部は主部の流れキープし16連音符を明確にバトンタッチして行きます。主部回帰の第一ワルツは少しスケルツォ風、コーダの"運命の主題"後の強音が唐突です。ワルツらしさの中にもシャープさが見られますね。

第四楽章
序奏の"運命の主題"は悠然。弦の第一主題は厳しく速く、第二主題は流れに乗って現れて金管の"運命の主題"はキレキレに激走します。感動ものです!!
展開部はゆっくりと鎮めて哀愁に。再現部は突然暴れて緊張感と揺さぶり強く、スローに落として"運命の主題"から山場を作ります。コーダは祭典的な行進曲でラストは勇壮そのものです。


激しい出し入れと感情溢れる第5番です。ムラヴィンスキーが得意としたチャイコフスキー5、気持ちの入った強音パートに惹かれますね。

半世紀を共にした指揮者とオケの一体感が作る隙の無い見事さ
(脳にインプリンティングされているので) 個人的にはこれを超える演奏には出会えません。




対極にいる演奏ですね。気持ち昂る力演のムラヴィンスキー、肩の力を抜いて優美ささえあるP.ヤルヴィ、どちらも完成度が高いです。

どちらを聴いても損はありませんね。もちろん個人的には何十年も聴いているムラヴィンスキーという事にはなるわけですが。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





サン・ラックス(Son Lux) の「Bones」はLIVEが断然楽しいネ



サン・ラックス Son Lux
サン・ラックスは、以前 "eighth blackbird" のCDで楽曲をインプレした際はライアン・ロット(Ryan Lott)の別名義でしたが、本作では他二人のメンバーが加わったグループ名になっています。

具体的には2008年からR.ロット(keyboard, vocal)が使い、そこにツアーメンバーだったラフィーク・バーティア(Rafiq Bhatia, guitar)とイアン・チャン(Ian Chang, dms)が2015年に加入しています。

ポスト・ロックやエレクトロニカ方向は元々のR.ロットの方向性で、ジャズやヒップホップも包括してボーダーレス化。さて、どの様な方向性になったのでしょうか。



Bones (2015)
グループになっての初アルバムで、ジャンル的にはトップダンス/エレクトロニックのアルバムチャートで10位になっています。全曲がメンバーの作曲となっていて、制作とミキシングを含むレコーディングもこなしていますね。14人のvocalの他 演奏メンバーも追加しています。







1. Breathe In - 2. Change Is Everything - 3. Flight - 4. You Don't Know Me - 5. This Time - 6. I Am The Others - 7. Your Day Will Come - 8. Undone - 9. White Lies - 10. Now I Want - 11. Breathe Out

まずは低音ドローンにvocalの1'に満たないアンビエント "1. Breathe In" から入ります。"2. Change Is Everything" は電子音パルスの波の中、"4. You Don't Know Me" はヒーリング・ポップス、"5. This Time" のギターはディストーション、"8. Undone" では少しジャズ風ギターに、全曲歌入で簡単に括るとポップ・ミュージックです。

源流を手繰ればプリンスあたりが出て来そうな感じですね。



エレクトロニクス・ポップサウンドで、全曲歌入。もろにポップで このブログの守備範囲ではない様です。




実はLIVEがYouTubeにあって、こちらはvocalも含めて本人達トリオ演奏で全然面白いです。楽曲を「Bang On a Can」か「eighth blackbird」に提供して編成を見直せば、米エクスペリメンタリズムとしても生き生きとしそうですよね。えっ、ダメですか?!

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  "Bones"のLIVEです。圧倒的に面白いです!!
  CDはセッションなので、このエレクトロニクス・ポスト・ロック感は弱いです


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