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フランク・マルタン(Frank Martin) の「小協奏交響曲, 他」を聴く


フランク・マルタン
(Frank Martin, 1890/9/15 - 1974/11/21)
スイスとオランダで活躍した現代音楽家マルタンは、時代的には前衛現代音楽の隆盛期にいましたが作風は調性を持っていますね。フランスで習いフランス音楽がベースにあり、十二音技法も取り入れていますが無調の約束事は破棄しています。多少の不協和音を混ぜて幽玄さを表現するのが特徴的でしょうか。

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Petite Symphonie Concertante, Concerto Pour Sept Instruments a Vent, Six Monologues De Jedermann
協奏曲と歌曲の組合せで、マルタンが得意とした分野ですね。1940年代三曲で中期作品になります。
演奏はアルミン・ジョルダン指揮、スイス・ロマンド管ですね。




FrankMartin-PettiteSympnohieConcertante.jpg
(amazonには登録が見当たりませんね)


小協奏交響曲, Pettite Sympnohie Concertante (1945年)
弦楽オケをバックに、ハープ/チェンバロ/ピアノをフィーチャーした協奏曲です。幽玄で美しい緩徐パートから始まり、点描音列配置的なサウンド、古典の色合い、混ざった感じですが、ベースは仏印象派にある様な流れですね。オシャレで美しい楽曲です。

 ★ 試しにYouTubeで観てみる?


"イェーダーマン"より6つのモノローグ, Sechs Monologe Aus Jedermann (1943年)
「ナクソス島のアリアドネ, Ariadne Auf Naxos」等で知られるオーストリアの劇作家フーゴ・フォン・ホーフマンスタールの演劇「イェーダーマン」をベースにした独白です。情に薄いお金持ちが死神を前にして善行や信仰を描きながら死を迎える話ですね。(独語ですが英訳付きです)
語りに近い歌でシュプレッヒシュティンメと言っていいでしょう。バック音楽はマルタンらしい抑えた音色の幽玄さですが情熱的な音も出して来ますね。それが劇音楽らしさを感じさせてくれますが、音楽だけ聴いてもTextがないと面白さは伝わらないですね。バリトンはジル・カシュマイユ(Gilles Cachemaille)です。

前回紹介の「Maria Triptychon - Sechs Monologues aus Jedermann-Der Sturm」にも同曲が入っています。そちらの方が、バリトンの重心が低めで演奏にも色付けが濃厚な感じですね。
バリトン:デイビット・ウィルソン・ジョンソン(David Wilson-Johnson)、マティアス・バーメルト(Matthias Bamert)指揮、ロンドン・フィル(The London Philharmonic)です。



7つの管楽器とティンパニ、弦楽器のための協奏曲, Concerto Pour Sept Instruments a Vent, Timbales, Peucussions et Orchestre a Cordes (1949年)
フルート/オーボエ/クラリネット/ファゴット/ホルン/トロンボーン/トランペットの7管楽器です。音作りもチャンバー・ミュージック風で、弦楽オケが絡んで来ると厚みが増して来ます。ここでもマルタンらしい瀟洒な流れが作られていますね。

こちらも以前紹介した「Concerto and Ballades」に同曲が入っています。演奏はシャイー指揮、ロイヤル・コンセルトヘボウの豪華版で、7管楽器の音色は艶やかで表情豊かです。



前衛でも新古典主義でもない、興奮を排した洗練、それがマルタンの音楽でしょう。そんな仏音楽的な流れを感じますね。不協和音を混じえていますが、現代音楽拒否症の方も大丈夫でしょう。







テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

洒脱なジャズ・ヴォーカルの極み:ジョー・ムーニー(Joe Mooney) の『the Happiness of... the Greatness of...』を聴く


久しぶりに気分転換にジャズ・ヴォーカルでもインプレしてみようと…w

ジョー・ムーニー
(Joe Mooney, 1911/3/14 – 1975/5/12)
マイナーながら好みだったジャズ・ヴォーカリスといえば、トミー・ウルフ(Tommy Wolf)とこのジョー・ムーニーですね。J.ムーニーを知ったのは活動末期で学生時代にFEN*で聴いたからですね。もちろん国内盤の発売などなく、新宿や神保町のその手のマニア系レコードショップを廻ってやっと"The Geatness of"を入手した事を覚えています。
J.ムーニーはオルガン・アコーディオン奏者のヴォーカリスで、レコード発売は4枚と地味に活躍したのは'50-'60年代ですから入手は大変でした。

*FEN(現AFN):"This is the Far East Network!!" でお馴染みの米軍極東放送網です。当時は海外(米)音楽好きは皆んなこれを聴いていましたね。


the Happiness of... the Greatness of...
4枚のレコードの内、最後の2枚はコロンビアで これはその2枚を1枚のCD化されたものです。2000年の事で、ふとCDをチェックしたら見つけて驚いて購入しましたね。当時は¥1kちょっとだったと思います。






1. Wait Till You See Her - 2. But Beautiful - 3. The Second Time Around - 4. I Wish You Love - 5. Call Me Irresponsible - 6. Nobody Else But Me - 7. Once Upon A Summertime - 8. Lollipops And Roses - 9. This Is All I Ask - 10. What Kind Of Fool Am I - 11. Days Of Wine And Roses - 12. The Good Life - 13. Cute - 14. When I Fall In Love - 15. Emily - 16. You Irritate Me So - 17. I Wonder What Became Of Me - 18. Honeysuckle Rose* - 19. Happiness Is You - 20. She's Not For You - 21. I Wanna Be Around - 22. When The World Is At Rest - 23. When Sunny Gets Blue - 24. This Is The Life

12曲目までが"Greatness"で本人の演奏とバンドをバックに、それ以後が"Happiness"でクインテットをバックに歌っています。(*18. 一曲のみオルガン演奏です)
バックにはゲイリー・バートン(vib.)やマンデル・ロウ(g.)といった大物も名を連ねて、流石はコロンビアです。

一曲一曲を個別インプレなど無用の洒落たスタンダードが並んでいます。クルーナーですからシャウトや大向こうを唸らせるベルカントなエンターテイメント声量勝負は全くありません。グラス片手に話しかける様に洒脱そのものです。例えば"10. What Kind Of Fool Am I"などは声量勝負な曲でもありますが、ここでは演奏も含めて緩くオシャレなスウィング感です。

メル・トーメをもう一つクルーンにした感じでしょうか。一曲聴いてみませんか ➡️ 14. When I Fall In Love [YouTube]
(この曲は今ひとつなのですが、YouTubeにはこれだけでした)

今宵誰かと一杯にピッタリです。入手難が残念ですが…







テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽

カールハインツ・シュトックハウゼン(Karlheinz Stockhausen) の『Amour / Der kleine Harlekin / Wochenkreis』を聴く


カールハインツ・シュトックハウゼン
(Karlheinz Stockhausen, 1928/8/22 - 2007/12/5)
今更シリーズの一員シュトックハウゼンですw このブログではシュトックハウゼンの他、ブーレーズやクセナキスと言った現代音楽の古典(前衛黎明期〜衰退期)のビッグネームはインプレを避けています。もちろん好きでVerlagを含めて枚数もそれなり所有ですが聴かなくなったのも事実で、本CDはシュトックハウゼンとしては最後に購入したものかもしれません。
少し懐かしさを感じる様になったので、インプレして見ようかと。もちろんビッグネームですから紹介は割愛ですね。


Amour / Der kleine Harlekin / Wochenkreis
1975-1988年という中期作品で、クラリネット系曲集になりますね。この時期は前衛の衰退期にありシュトックハウゼンもポスト・セリエルを目指していて、不確定性からフォルメル技法と呼ばれる小動機フォルメル構築に移行しています。
"Amour", Der kleine Harlekin"はそのフォルメル技法の展開になりますね。二局目"ハレルキン, 小さな道化"は舞台劇音楽で、演技しながらの演奏になっています。その傾向が次の大作「LICHT, 光」に繋がっていますね。

"Wochenkreis"は、そのシュトックハウゼンの代表作で約28時間かかるキリストの生涯を描いたオペラ「LICHT, 光:一週間七つの日」の「月曜日 (第二幕)」ですね。前衛隆盛期に流行った「筋書きのないオペラ」で、以前紹介したH.ラッヘンマンの「マッチ売りの少女」もそうですね。実際には演奏家が演技を伴う演奏をするオペラなので実に大変です。

演奏はシュトックハウゼンと親交のあったミケレ・マレッリ(Michele Marelli, cl & bh)とアントニオ・ペレス・アベラン(Antonio Pérez Abellán, synth.)になります。







Amour, 愛 (1976年) five pieces for clarinet
5パートの小曲集で30分弱になります。年代から行ってフォルメル技法的で調性のある小旋律の組合せを感じます。その小旋律はセリエル的で、旋律同士が会話をしている様です。印象的なのは"3.Die Schmetterlinge spielen(The butterflies are playing)"で静音で上昇・下降旋律で蝶の飛ぶ姿、テンポを落として止まったりする姿、を表現している事でしょう。反復も含めてそれまでのシュトックハウゼンらしからぬ表現で、初期のシュトックハウゼンなら本人真っ向否定に思えますねw


Der kleine Harlekin, ハルレキン (1975年) for clarinet
年代からも上記Amourと似た傾向にありますね。上昇・下降音階や反復を多用して調性のある旋律を奏でています。音列配置的なのも同じですね。一つ違うのは舞台劇音楽で本人が演技している為、ドタバタという足音が打楽器的に付随している事でしょう。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  Karel Dohnal(cl)の"小さな道化"の演技も見ものですw



Wochenkreis, 週のサイクル (1988年) Duet for basset horn and synthesizer player
19パートの小曲計26'弱のバセットホルン(クラリネットの古楽器)とシンセサイザー曲ですね。バセットホルンのEvaとシンセのDialogue(ライナーノートのシュトックハウゼン談)で、表情がグッと豊かになっています。旋律に点描音列配置的な様子が残るのがシュトックハウゼンらしさでしょう。シンセのグリッサンド音は当時でもやや古さを感じたかもしれませんが、シンセならではの様々な音と特殊奏法を交えたバセットホルンの組合せは面白いですね。古さは否めませんが。



このソロ・デュオ作品ではこの時代らしい”制約から逃れ始めた前衛現代音楽"が感じられますね。旋律や反復と言った当初本人たちが拒絶していた音ですね。三曲の中ではやっぱり最後の"Wochenkreis"、この後時代は21世紀に向かって多様性の現代音楽に突入するわけです。

そんな事を頭に浮かべながら聴くのも一興かと。個人的にはシュトックハウゼンは"前衛の衰退期"(1968年〜)に入る前の尖った音世界の方が好きかもしれません。




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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

高橋悠治 のノイズ系電子音楽『リアルタイム-5 翳り』を聴く


高橋悠治
(Yuji Takahashi, 1938/9/21 - )
日本を代表する前衛電子音楽の現代音楽家にしてピアニストですね。ピアニストとしてもサティ等の紹介で著名ですが、個人的にはクセナキスに師事した電子音楽がキーですね。執筆活動も多く、今更の紹介もないでしょう。昨日久しぶりにクセナキスをインプレしたので高橋さんのCDを手に取ってみました。


Real Time- 5
1990年代初頭を代表する前衛電子音楽の一つですね。この頃はホワイトノイズかサンプリングかという演奏でしたが、これは後者です。まだPCソフトからリアルで、例えばライヴエレクトロニクスの様に処理してステージ上演奏はない時代でした。

68種の様々な単音サンプルを4組にして、IRCAMのソフトMAXでプログラミング。それが30-180秒でランダム再生されて、他の4組が短い間隔で出現する様に組んだそうです。(当時のMAXは言語プログラムだった?! 今はモジュールの組合せ化されているのでハードルは低いですが)
サンプリングをキーボードで音程処理しているかは不明ですが、サンプラーはAkai、コンピューターはMacで、大きくRAM拡張してありますが特別な機材ではありませんね。今はプーラーとソフトで素人でもかなり遊べる時代になりました。






YujiTakahashi-KAGERI.jpg
(ジャケット写真です)


翳り コンピューター音楽演奏システムのために
  KAGERI (1993年), for Live Computer Music System
  《 I, II, III, IV, V, VI, VII 》
ステレオの左右位相の中にサンプリング・ノイズが細切れに出現するPart I、何かの呼吸を感じるPart II、振動音のIII、・・・・多少感じるものは違っても基本的にパート間での流れは変わりません。ノイズは出現しては消える短サイクルで、常に全休符?を挟んでいるのが特徴的。"間"の支配ですね。
クセナキスの初期(や後期)のノイズを感じますね。クラスター音塊の炸裂ノイズ系サウンドではなく、ノイズそのものという感じです。

プログラムによってチャンス・オペレーションや、密集クラスター混沌の可能性も感じられて面白いです。



クセナキスのノイズ系電子音(楽)との違いは、クセナキスが大音響大空間なのに対して高橋さんは繊細音響小空間な事でしょう。現に「部屋あるいは人の出入りする空間に音量を小さめにして流しておく」とありますね。

次回写真展をやる事があったら、これをBGMにしたいという感じですw

高橋さんの音楽はピアノ演奏も含めて考えさせられる物があります。一つには執筆で意図や技法を表明しているからでしょう。現代音楽は作曲者(演奏者)の考え方や理論があって成立するのが基本ですから、たとえ断片としてもご本人のライナーノートは大切ですね。




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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ヤニス・クセナキス(Iannis Xenakis) の電子音楽曲集『Electronic Music』を聴く


ヤニス・クセナキス
(Iannis Xenakis, 1922/5/29 - 2001/2/4)
ギリシャ系フランス人(ルーマニア生まれ)の現代音楽家ですね。ビッグネームで今更なのですが箇条書き的紹介文です。
・第二次大戦時代にレジスタンス活動で左目を失い耳も損傷を受ける。 ・建築家として活動、その数学的素養をベースに現代音楽を始める。(パリ音楽院でメシアンから数学を生かす事を諭された話は有名ですね) ・ドナウエッシンゲン音楽祭成功やH.シェルヘンからの賛辞を受け、図形楽譜から電子音楽にも手を広げUPICを完成させる。 ・晩年はアルツハイマーで苦しみ、来日では弟子であり盟友の高橋悠治の手を借りていた。 ・最後は自ら音楽活動を終止させた。

といった感じでしょうか。その音群的サウンドはヴァレーズを思い起こさせて、管弦楽や電子音楽に素晴らしさを感じますね。

実はこのブログでは、クセナキスの他 ブーレーズ, シュトックハウゼン, といった前衛現代音楽の古典、黎明期(=最盛期?w)ポスト・セリエルのビッグネームのインプレは避けています。もちろん大好きでしたしアルバムもそれなりの枚数になりますが、今の時代に今更のインプレも腰が引けるのも事実ですね。



Electronic Music
というわけですが、久しぶりにクセナキスの電子音楽を聴いてみたくなりました。このアルバムは好きな一枚で初期を中心に1957年作から晩年の1992年までの電子音楽曲が並びます。その楽曲変化も楽しめるのが素晴らしいですね。

建築家時代の師ル・コルビュジエがブリュッセル万国博覧会(1958年)でフィリップス館の建設時、エドガー・ヴァレーズの大作電子音楽『ポエム・エレクトロニーク』と共に演奏された『Concret PH』や、大阪万博で披露された壮大な『ヒビキ-ハナ-マ (響-花-間)』が入っているのも嬉しいですね。実は中学生の時に現地で聴いているのですがグァーンとした音印象しか残っていませんw







Diamorphoses (1957年)
ロケットの噴射音に雷鳴や通信ノイズ(所謂ホワイトノイズ的)が絡む様な音です。今の時代だと一捻り足りない気もしてしまいますが、まだシンセサイザーの姿形もない60年前に作られた事が凄いですよね。


Concret PH (1958年)
パビリオンのConcret Paraboloïde Hyperbolique(コンクリート双曲線放物面)の略ですね。
プチプチ・キラキラとしたノイズ系サウンドです。その中にガラス片を混ぜる様な音が絡んでいます。3'弱、そんな音ですね。音底に低いドローン音も見えます。


Orient-Occident (1960年)
ユネスコ委嘱作でロングトーンの反響音の様になっていますね。中後期に繋がる作風の変化が見られ、切れ味の鋭いポリフォニーなクラスター音塊が発生してきます。それまでのノイズ一辺倒から、ノイズ系音楽への進化ですね。今の時代にあっても違和感がありません。


Bohor (1962年)
静的な空間に音を散りばめる様な変化を見せていますね。洞窟で採掘している音をキラやかにしたみたいです。それが緩やかに増幅して空間を満たし、混沌の音塊となって行きます。空間音響的クラスター、まさにクセナキスですね。


Hibiki-Hana-Ma (1970年)
オリジナルのアナログのダイナミックレンジを生かすためにノイズ・リダクションをかけていないとの事です。
強烈な弦楽グリッサンドの様なノイズ音が空間を縦横無尽に走り回り、空の中にキラキラとした音や花火の弾ける様な音、三味線(何かの打音?)等々のサンプリング音、全てが炸裂して狂気させ感じる強烈な大洪水コラージュです。ちょっとB.A.ツィンマーマンを思い出させますね。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる? 是非!!


S. 709 (1992年)
通信ノイズのキョロキョロ・ジャリジャリとした音、そこに音階を見せながら進んで行きます。楽風としたら1950年代のノイズに戻った様な気配です。



今更クセナキスもないとは思うのですが、三曲目"Orient-Occident"ではノイズ系電子音楽の、次の"Bohor"は空間音響系の 原点を感じ、今でも通用する欧前衛エクスペリメンタリズムでしょう。それに"Hibiki-Hana-Ma"が頂点をなす三曲はやっぱり最高、素晴らしい混沌の空間音響クラスターの炸裂です

音空間にして聴く事を強くお勧めします。ヘッドフォンで大音量もいいのですが、出来れば空間に音を満たしてその中にいる気分が良いかと。(難しいのは承知で恐縮です)

録音技術進化で後年アルバム化された素晴らしい管弦楽(全集)・他もあるので、いつの日かインプレしたくなりました。




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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

ダニエル・ウォール(Daniel Wohl) の「Holographic」ドローン・アンビエントの音に浸ってみましょう


ダニエル・ウォール
(Daniel Wohl, 1980 - )
ダニエル・ウォールはニューヨーク・ブルックリンを拠点に活躍するフランス人現代音楽家ですね。アメリカの大学で学び、このブログではお馴染みのデイビット・ラングやイングラム・マーシャルといった前衛に拘らない米多様性のニューヨーク系音楽家にも師事しています。
このブログでもお馴染みのSo PercussionやEighth Blackbirdといった米前衛アンサンブルへの曲提供にとどまらず、ポップ&エレクトロニクスにも強く、ライヴエレクトロニクスも得意としている様ですね。


Holographic
打楽器とエレクトロニクスを用いたアンサンブル曲集で、アンビエントとミニマルをベースにしていますね。エレクトロニクスは全曲に取り込まれていて、本人が担当しています。また曲ごとのプレイヤー以外にもキーボードやvoiceで参加していますね。






Replicate, Part 1 and 2, for percussion quartet & electronics
  ・Iktus percussion
パーカッションは金属音程を持つもの、そこに低音のドローンとノイズが背景にあります。気配は緩いインド辺りの和声を感じますね。part 2では基本ドローンに表情変化を付けて、細切れの音の構築に電子ノイズも強烈に出て来て、反復要素もあって陶酔的になっています。
聴き覚えのあるインド系アンビエント・ドローン・エレクトリカのポスト・ミニマル?!


Formless, for string quartet, percussion, keyboard & electornics
  ・Mivos Quartet, Mantra Percussion
一聴すると電子音楽にしか聴こえません。ライヴエレクトロニクスでアコースティックな音色を変調させているのかもしれません。特殊奏法があったとしてもここまでの音は難しいでしょう。幽玄なドローンですね。


Holographic Intro, Holographic
  ・Bang on a Can All-Stars with electronics
ライヴエレクトロニクスでBOAC-All Starsのサウンドがサンプリング&リミックスされているそうです。個人的贔屓のBOACなのですが、底に低音のドローンがいるのでBOACらしく感じません。即興風のパートや、前衛、民族音楽的な要素も強まって曲としては一番面白いですね。


Pixel, for percussion quartet & electronics
  ・Mantra Percussion
小物パーカッション?で小刻みな音を連続、その中には音階楽器の高速トリルの反復があります。ポスト・ミニマルでしょうか。


Source, for voices & electronics
  ・Olga Bell & Caroline Shaw
歌詞のない長音voiceと、それをサンプリングして変調させたライヴエレクトロニクスになっています。背景にはエレクトロニクスのノイズが控えます。気配はアンビエント。


Progression, string quartet, percussion quartet & electornics
  ・Mivos Quartet & Mantra Percussion
ガムランの様な音色とリズムでエレクトロニクス色の薄い演奏で始まります。途中から混沌ミニマルの気配になって行くのが面白いですね。


Shapes (co-written with Lucky Dragons), string quartet & electronics
  ・Mivos Quartet
静的な流れの美しい弦楽曲です。金属的なポルタメントや緩いグリッサンドを使った弦音にエレクトロニクス音が広がります。


 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  なんと全曲聴くことができちゃいます。



エレクトロニクスが前面に出て、基本はドローン・アンビエントとミニマルでしょうね。幽玄さと優しさがあるので、部屋でBGMとしてかけておいても洒落ています。単純なドローンだけではなく色々と仕込まれていますが、中では一番表情豊かな"Holographic"が面白いですね。

一昔前にインド系やドイツ系のエレクトリカ、ドローン・アンビエントにはまっていた頃を思い出しました。




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Bang On A Can メンバー、マイケル・ゴードン(Michael Gordon) の『weather』を聴く


マイケル・ゴードン
(Michael Gordon, 1956/7/20 - )
久しぶりに本ブログご贔屓の米現代音楽Bong On A Can(以降BOAC)メンバーの紹介ですね。創設メンバーの一人で、同じく創設メンバーでもあるジュリア・ウルフ(Julia Wolfe)の旦那さんのM.ゴードンですね。

米現代音楽BOAC、及びBOAC-All Starsについては過去たっぷりとインプレ済みですので割愛させていただきますね。興味のある方は"Bong On A Can"で本ブログ内を検索、もしくは➡️から参照ください。 ♬ 現代音楽CD(作曲家別)一覧


weather
少々古いアルバムになりますが、アンサンブル・レゾナンツ(Ensemble Resonanz)により委嘱された作品ですね。アンサンブル・レゾナンツは1994年創設の独ハンブルグを拠点とするアンサンブルで、現代音楽を意欲的に取り上げています。今までに藤倉大さんともコラボしています。注目のヴィオリスト:タペア・ツィンマーマンをソリストとして迎えていて、2013年には来日も果たしていますね。
また本ブログ一押しの現代音楽家ベルンハルト・ガンダー(Bernhard Gander)の傑作アルバム"Monsters and Angels"でも既に紹介済みです。

楽曲はPart I〜IVの4曲構成の弦楽アンサンブル作品です。演奏は同アンサンブルになりますが、指揮がBOAC創設メンバーのエヴァン・ジポリン(Evan Ziporyn)になりますね。本アルバム収録(1997年)時点ではまだメンバーでした。レーベルもBOACのNonesuchで、もちろんBOAC活動の一環で出したアルバムと言う事になるでしょう。






Weather One, for Madeline and Sidney Gordon.
雷鳴から始まる弦楽ミニマルで、躍動あるポリリズムの組合せです。そこに乗るのはエレクトロニクスでしょう。後半で表情が繊細化しますが、リズム感は変りませんね。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  少し荒っぽい演奏かもしれません。


Weather Two, in memory of Bette Snapp.
ノイズが乗ったややスローの葬送風なミニマルベースの弦楽曲ですね。そこにジビレ・ウルフ(Sibylle Wolf)のvnソロが切れる様なロングボウイングの音色で重なります。全体的にはジャリジャリとしたエレクトロニクスのイメージです。ラストはノイズが消えて、電子音打楽器と切れ味になります。


Weather Three, in memory of Dafna Ester Zamarripa-Gesundheit.
サイレンの音で#2とアタッカで繋がっています。複数のサイレンがうねる様にこだまし、電子ノイズが吹き抜ける風の様に重なります。後半になって重低音の電子音(シンセサイザー?)がドローンの様に出現してサイレンと共鳴しながら進みます。圧倒する面白さです


Weather Four, for Ensemble Resonanz
神経質な弦のミニマルと重低音エレクトロニクス、電子パーカッションの三者邂逅です。後半は縺れて混沌風になりますが、あまり目新しさはありませんかね。



四つのパートが特にweatherの表現になっているかはライナーノートにはありません。調性のある弦楽ミニマルとエレクトロニクスです。その中で一風変わったサイレンの様な音の#3の世界は面白いアプローチで、当時のBOACとしては革新的アプローチな感じがします。

エレクトロニクスは"Rhythm programming : Henry Jackman"とありますね。






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サイモン・ラトルで聴く、バーンスタインの『ワンダフル・タウン』の楽しさ!!


レナード・バーンスタイン
(Leonard Bernstein, 1918/8/25 - 1990/10/14)
今年はレニーことバーンスタインの生誕100周年で、楽曲や指揮作品が多くリリースされるのはとても喜ばしい事ですね。現役時代のカリスマ性が指揮者としては薄れていく反面、作曲家としての評価が進んで行くと思われる感じがしているこの頃です。今更ここで詳細の紹介は不要でしょうw

レニーファンなので『レナード・バーンスタイン生誕100周年記念限定盤/DG&DECCA録音全集(121CD+36DVD+1ブルーレイ・オーディオ)』も購入してしまいました。



Wonderful Town
バーンスタインの楽曲には二つの路線があって一つは「ウェストサイド物語 (1957年)」に代表されるミュージカル作品ですね。このワンダフル・タウンはその4年前の1953年作品です。

一つのポイントは、指揮のサイモン・ラトルですね。以前にも1999年と2002年にCDとDVDを残しています。このロンドン交響楽団(LondonSO)とのライヴは期待値が上がりましたね。来日公演も含めてラトルは今年になってバーンスタインをよく取り上げています。


あらすじ
オハイオの田舎からニューヨーク来たのは作家志望のルース(姉)と女優志望のアイリーン(妹)の、ドタバタと夢を掴む物語ですね。

■ 2人はグリニッジ・ヴィレッジのアパートに住み、ルースは出版編集者ベイカーに原稿を持ち込みますが相手にされません。
■ アイリーンはベイカーに心惹かれて夕飯に招待しディナーに。そこでルースはベイカーを怒らせてしまいます。
■ ブラジル海軍実習船の取材のルースは、一行とコンガを踊りながら街中を練り歩き、アイリーンが入ると騒ぎとなり警察に連行される羽目に。
■ 二人はアパートから出ていくよう通告されてしまいます。ベイカーの助けでその場をしのいだルースは、"オハイオ, Ohio" を偲んで(ベイカーへの思慕も)歌います。
■ 一方アイリーンは“ヴィレッジヴォーテックス”にステージに立つチャンスを得て、ステージの成功とアパート立ち退き取下げを願って "それが恋, It's love" を歌います。
■ 姉妹二人で歌う舞台は大成功。アイリーンのアンコールをバックにベイカーとルースの気持ちも寄り添います。






パートごとのインプレは今回ありません。

【楽曲】
間奏曲を挟んで二幕ですね。なぜかNo.7はありません。

1. 序曲, Overture
2. クリストファー・ストリート, Christopher Street
3. オハイオ, Ohio
4. コンカリング・ニューヨーク, Conquering New York
5. 100通りの抜け道, One Hundred Easy Ways to Lose a Man
6. 何という無駄, What a Waste
8. ちょっと恋して, A Little Bit in Love
9. パス・ザ・フットボール, Pass the Football
10. カンヴァセーション・ピース, Conversation Piece
11. もの静かな娘, A Quiet Girl
12. コンガ!, Conga!
 13. 間奏曲, Entr’acte
14. マイ・ダーリン・アイリーン, My Darlin’ Eileen
15. スウィング, Swing
16. 静かなできごと, Quiet Incidental
16a. 繰り返し:オハイオ, Ohio (Reprise)
17. それが恋, It’s Love
18. バレエ・アット・ヴィレッジ・ヴォーテックス, Ballet at the Village Vortex
19. 音の狂ったラヴタイム, The Wrong-Note Rag
19a. 繰り返し:それが恋, It’s Love (Reprise)
20. "ボーナストラック"

【出演】
ルース:ダニエル・ドゥ・ニース [Danielle de Niese]
アイリーン:アリーシャ・アンプレス [Alysha Umphress]
ベイカー:ネイサン・ガン [Nathan Gunn]


ミュージカルの楽しさいっぱいの一枚ですね。個人的にはかつてのMGMのミュージカル映画の多くの作品をも思い出しました。挟まれるセリフと歌で表現する物語はシンプルで明瞭、それが楽しさです
"オハイオ"の重唱や、アイリーンの"それが恋"、ボーナストラックにもなっている"コンガ!"は楽しさに溢れています。

サウンド的にはグレンミラーやドミードーシが脳裏をかすめる訳でベースがジャズにあるのはもちろんでしょう。その米国独特のサウンドは、現在でも米オケの委嘱を中心とした現代音楽家の一つの分野のベースになっている事は間違いありませんね。

このアルバムを聴くとバーンスタインの作曲家としての米国での影響力が見直されてしかるべきと感じますね。バーンスタイン生誕100周年を機に、一聴に値するアルバムだと思います。




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クールで洒脱なBGM:エレーヌ・グリモー(Hélène Grimaud) の『メモリー Memory』を聴く


エレーヌ・グリモー
(Hélène Grimaud, 1969/11/7 - )
グリモーも今年で50歳になるんですねぇ。前回のアルバム『Water』と同じ様なジャケットを見ると髪を切ってショートにしてさすがに老けたかな。っていうくらいお馴染みの米在住フランス人ピアニストですね。
全集物やその他もあるのですが今ひとつスタイルがわかりづらいというのが個人的印象です。レパートリーがドイツやロシアの大物作曲家というのもあるかもしれません。(ピアノ曲は敬遠気味w)


メモリー
サティにドビュッシー、Waterに続きグリモーらしからぬエモーショナルな曲を並べて来たアルバムです。ピアノソロはこの手の楽曲の方が人気が出るからでしょうか?!w 11月来日公演予定で、もちろん本アルバムのレパートリー(+ラフマニノフも入れてますね、やっぱり)ですね。

アリス=紗良・オットが先日リリースした『ナイトフォール Nightfall』と曲が被ります。印象の違いは最後にインプレしておきましょう。両方ともDGなのでツアーも合わせて販売路線w






シルヴェストロフ:バガテル第1番, 第2番
両曲ともに透明感のある抑揚を殺した静&スローです。曲の持っている穏やかで澄んだ旋律が生きていて素晴らしいですね。


ドビュッシー:アラベスク第1番, レントより遅く, 月の光, 夢想
緩やかなアゴーギクがかかったアラベスクは明るく明瞭さが強いですね。"レントより遅く"と"夢想"はさらにディナーミクも付けて表情があります。"月の光"は美しさとエモーショナルさを緩いアゴーギクとディナーミクで強調して甘美です。


サティ:グノシエンヌ第1番, 第4番, ジムノペディ第1番, 冷たい小品/2.ゆがんだ踊り第1,2曲
グノシエンヌは冷たい音色と緩いアゴーギクのマッチが良く繊細なサティらしさが出ていましたね。ジムノペディではより表情を抑えて実にクールで好きですね。


ショパン:ノクターン第19番, マズルカ第13番(作品17の4), ワルツ第3番
ショパンの選曲は技巧パート強調がない事でしたね。ノクターンとワルツはディナーミクを他の曲より強めに付けて感情表現を入れていました。マズルカでは冷めた流れにディナーミクの波を挟んでいましたね。


ニティン・ソーニー:ブリージング・ライト
Waterの時とは違い普通のピアノ曲で、一番強いタッチの表現でした。



作曲家毎に揺さぶり具合が違うのが興味深いです。ディナーミクやアゴーギクを抑えたシルヴェストロフとサティのクールな情感表現は素晴らしかったですね。ショパンやドビュッシーあたりの色付けが本来のグリモーかもしれませんが、いずれ部屋で静かにかける洒脱なBGMとしてはクールな一枚でおすすめです。

透明感あるピアノの音色は良いのですが、エコーがかかった様な残響音が少し気になります。(ペダリングではありませんね)




《アリス=紗良・オットNightfallと重なる四曲*の印象の違い》
*サティ (グノシエンヌ#1, ジムノペディ#1)、ドビュッシー (夢想、月の光)
オットは揺さぶりを抑えスローで静、淡々としたクールな表現でした。グリモーもクールですが、澄んだ音色の中にアゴーギクとディナーミクを入れて表情を付けていますね。
アルバムとしてはオットNightfallには強音パートで知られるラヴェル"夜のガスパール"が入っているので全曲エモーショナルではありません。






テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽

Phillips Léandre Parker Saitoh の前衛コントラバス『After You Gone』を聴く


バール・フィリップス
(Barre Phillips, 1934/10/27 - )
四人のベーシストの共同名になってはいますが、当然バール・フィリップスを紹介でしょう。エリック・ドルフィーやアーチー・シェップらと共演している米ジャズベーシストですね。この時点でフリー・ジャズとわかると思いますが、ヨーロッパでも活躍して即興前衛音楽(ジャンルを超越した)にも加担していますね。

フリー・ジャズと前衛現代音楽の接点は個人的にも影響は大きく、学生時代にフリー・ジャズから現代音楽に舵を切った自分としてはお馴染みの世界観かもしれません。当時はオーネット・コールマン(欧州時代にバールも共演があります)のクロイドンコンサートなんか大好きでしたね。もちろん電化マイルスは別格ですがw



After You Gone
ダブルベース・クァルテットの即興アルバムです。タイトル『居なくなってから』は2002年に亡くなったベーシストのペーター・コヴァルト(Peter Kowald)への追悼ですね。
カナダの現代音楽国際フェスティバル(Festival International De Musique Actuelle)での2003年ライヴで、当初予定のバリー・ガイ(Barry Guy)に代わり同音楽祭出演予定だった斉藤徹さんが入っています。


B.フィリップス以外の三人。(* )紹介はライナノートの記載です。
ジョエル・レアンドル, Joëlle Léandre
 (*欧州クラシック・現代音楽) フランス人女性現代音楽家でベーシスト、即興音楽で知られていますね。

ウィリアム・パーカー, William Parker
 (*アフロアメリカン・フリー・ジャズ) ニューヨークで活躍するベーシスト、作曲家、即興音楽家ですね。

齋藤 徹, Tetsu Saitoh
 (*伝統音楽・タンゴ・即興) ウィキではドイツ語版しかないというベーシストでw、冨樫雅彦さんとの活動あたりから始まっているようです。後年、欧州での活動でセバスチャン・グラムス(Sebastian Gramss)との共演も果たして今の国内外の前衛・即興ベーシストの立ち位置を確立していますね。


以前、現代音楽家でベーシストのセバスチャン・グラムス(Sebastian Gramss)の「THINKING OF ...」を紹介しています。
そこでも斉藤徹さんやレアンドル、そしてフィリップスの共演が聴けますね。2010年代に入って齋藤さんの尽力でS.グラムス(2014)やB.フィリップス(2012)も来日・共演を果たし、一部CD化もされています。







Ant Warps
ギコギコ・ゴリゴリのノイズ系ポリフォニーですね。リコシェなどありますが、特殊奏法は無い様です。時折現れる旋律は無調、全体は小刻みなリズムを感じる流れが作られています。


Passing Threw
神経質なボウイングによる細い音色を絡ませせた曲です。キィー・キューン・キュルルル みたいなw 静空間に細かな蠢きを感じる様です。


Whoop Yer Tal
コル・レーニョや特殊奏法らしき打音を元にピチカートやアルペジオといった単音が主役、そこにボウイングが絡む様相です。流れはもちろんポリフォニー、当たり前?w、で旋律も現れて音圧も上がりますね。レアンドルのvoiceもあり、反復も感じられて一番熱い演奏です


Teebay Deep
低音ロングボウイングを下敷きにして、太い反復が唸ります。どこかに重音共鳴も感じられて、まさにダブル・ベースならではのフリー演奏です。陶酔感があります。ひどく咳き込んでいるのも音楽?!


Bleu Grek
少しジャズ色を感じる和声のアルペジオ、そのポリフォニーです。おしゃべりなインプロヴィゼーションですね。


p.s.-Te Queremos
アンコールはとても美しい旋律が重なる演奏です。これだけはスコアがあるのではないかと思ってしまいます。不協和音を挟む和声の旋律がミニマル風に流れます。スペイン語タイトルからいってもP.コヴァルトを追悼しているのは明らかですね。




無調混沌のポリフォニー、自由自在ダブルベース・インプロヴィゼーションです。フリー・ジャズなのか前衛現代音楽なのか、音からも顔ぶれからもジャンルに意味がないという証明ですね。

六曲それぞれが異なる顔を見せてくれました。こういう音楽は生、小ライヴでもコンサートでも、で味わいたいですねぇ。




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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。





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