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エルネスト・ショーソンの代表作「愛と海の詩 | 交響曲 変ロ長調」をフランス・セットで


エルネスト・ショーソン (Ernest Chausson, 1855-1899)
フランスの音楽家でフォーレとドビュッシーの間の年代になりますね。20歳を過ぎてから音楽の道に入り44歳で早逝、活動期間は短いです。セザール・フランクに師事していますが、ベルリオーズやドビュッシー、そしてワーグナーの影響も強いそうですが…



Poème de l'amour et de la mer | Symphonie
Alexandre Bloch (cond.) | Orchestre National de Lille
同年代作品の二つ、ショーソンの代表作ですね。

"Poème de l'amour et de la mer, Op. 19"はフランクの影響で統一テーマが繰り返して使われるそうです。3パートのカンタータ、もしくは連作歌曲で、楽曲的には上記の音楽家の影響が見られるとの事ですね。初期のアールヌーボーだともあります。Textはショーソンの友人でもあるモーリス・ブーショール(Maurice Bouchor)からになります。
"Symphonie, Op. 20"は師であるフランクの名曲「交響曲ニ短調 (1888)」の影響が大きいそうですがより自由度がある様ですね。年代的にはすぐ直後に作られています。

演奏はアレクサンドル・ブロック指揮、フランス国立リル管弦楽団になります。







1. 愛と海の詩, Op. 19 (1882-92)
瞬間的に感じる第一印象は仏ロマン派のイメージでしょうか。後期ロマン派も印象派も感じませんし、殊更ワーグナー を感じることもないですね。あえて言うなら歌曲にはシャンソンの香りがするかもしれません。駄耳なので統一された動機は気がつきませんでした。

3パートで中間パートの管弦楽曲はあまり面白みはありません。やっぱり歌曲がイイですね。ヴェロニク・ジャンス(Véronique Gens)はかなり濃い目のsopで、朗々とした歌いがメインですね。

歌曲にも関わらず、sopパートでもオケがかなり対位的に主張して来るのが特徴的です。オケが単なる歌曲伴奏にならないのは個性的ですね。それがショーソンの意図なのか指揮者A.ブロックのタクトなのかは不明です。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  録音風景ですね。alphaレーベルのPVです



2. 交響曲 変ロ長調, Op. 20 (1889-90)
第一楽章は主動機の変奏から入ってきますが、ロマン派から後期ロマン派への流れを感じますね。第二楽章は緩徐で陰鬱な流れが印象的な入りでしたが、気がつけばロマン派的な流れになっていました。第三楽章はベルリオーズやフランクの印象があるかもしれません。残念ながら、これと言った楽しさを見つける事はできませんでした



ロマン派の楽風ですね。特に強烈な個性を放つ事はありません。交響曲は退屈やや平凡で、歌曲の方が自由度が大きく楽しめる気がしました。

オケは明瞭さが強く、陰影を付ける表現ではありませんね。歌曲には合いましたが交響曲はフラットになったかもしれません。



テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





山下洋輔「バンスリカーナ」再々発売と過去の音楽記憶

久しぶりのジャズ系インプレで、再発売されていたとは知らずの一枚です。思わずポチッと…

クラシック好きの父親がかけていたSP盤/蓄音機の時代から、中学生の時にはSP&LP/stereoに。ロック中心時代のその頃の情報源は"ミュージック・ライフ"、ジャズ中心の高校生時代は"スウィング・ジャーナル"、クラシック系はレコードのライナーノートにある評論家の先生のあまりの上から目線でうんざり腰が引けて雑誌は一切買わない事にw

もちろん当時はインターネットどころがPCさえありませんでしたから、ロックは深夜放送、ジャズは新宿や銀座のレコード屋さんも情報源でしたね。
ネット情報は、インターネット発展の前の電話回線の"パソコン通信" nifty-forumからですから1990年代中盤になってからです。PCネタがメインで、音楽系は薄かった様な…

このアルバムはフリージャズ好きの学生時代でした。前衛現代音楽にシフトするのはもっと後の事ですね。


Player
山下洋輔 (1942/2/26 - )
山下洋輔さんの紹介をするつもりは当然ありませんw トリオは坂田明(as), 森山威男(ds)が個人的な印象です。その後、ドラムスを小山彰太さんに入れ替えて、大きな編成等もやっていたのではないかと思います。違うかな?

1970-1980年代の活躍が印象に残っていますが、この後1980年代からは激しさは変わりませんがコード重視の音作りになって行った様に思います。


Album Title
Banslikana (1976年)
Piano Solo
ライヴで見せる姿とは一味も二味も違うスタンダード曲を中心としたアルバムでしたね。レコードで購入した時は、どんなスタンダードになっているのか興味津々だった記憶があります。

聴きやすさと刺激のバランスが良くてBGMの様にかけていたと思いますね。






1. チュニジアの夜 - 2. ステラ - 3. バンスリカーナ - 4. キアズマ - 5. 枯葉 - 6. コーズ・デイドリーム - 7. ララバイ - 8. バード

ハードボイルドな味付けのスタンダード&オリジナルジャズ曲になっていますね。"チュニジアの夜"などは縦横無尽の打鍵の疾駆がYAMASHITA的で、"ステラ"はかなりフリー・バラードな味付けになっています。

"バンスリカーナ"は名曲で、このフレーズが今でも時折頭に浮かびます。メインフレーズ(主題)を変奏しながら強鍵で進んで行くのは前衛的です。YAMASHITA節炸裂ですね。

"キアズマ"も得意曲ですが、こちらは即興的な楽曲で熱が入っています。"枯葉"はトランスクリプション的で、オリジナルの気配はありません。激しいフリーインプロビゼーションです。"コーズ・デイドリーム"は挟まれる美しいコードが特徴的です。"バード"はバップの香りがありますね。

昔のレコードの録音時間制約から、全8曲で長くても一曲あたり8'以下と言うのが残念です。



バンスリカーナという曲を聴くと主題の変奏と、打楽器の様にピアノを扱う奏法とで、この後自分の嗜好が前衛現代音楽に向かったのがわかります。まさに前衛ピアノ曲と演奏です。

フリーインプロビゼーションは類型化を感じますが、バンスリカーナ 一曲を聴くために買っても惜しくないレアな一枚です!



 ★YouTubeで山下洋輔トリオを聴いてみる?
  やっぱりバンスリカーナのトリオ爆演と言うならこれでしょう。
  本CDと同年モントルー1976ライヴ"Montreux Afterglow"からです。
  3.5'あたりの爆演や、5.5'あたりからの坂田さんのas大ブロウもあって、
  こちらの方が聴きやすいかも。今聴くと思わず笑みがこぼれてしまいます。



テーマ : JAZZ
ジャンル : 音楽





アンナ・プロハスカ(Anna Prohaska) がソプラノで描く ミルトンの"失楽園"『Paradise Lost』

ジャケットに負けない素晴らしいコンセプトと表現力のアルバムですね。


Player
アンナ・プロハスカ
(Anna Prohaska, b.1983)
ドイツのソプラノ歌手ですね。現代音楽の賞であるハンス・アイスラー賞を受賞したり、オペラや古典だけでなく現代音楽も得意としている様です。そうなるとこのアルバムの構成も納得かもしれません。

プロハスカの個人的印象は殆ど無く、2012年ルツェルン音楽祭のアバドが振ったレクイエム(Mozart)が良かったくらいしか残っていません。古くて恐縮です。


Album Title
Paradise Lost
まずタイトルから惹かれますね。旧約聖書『創世記』第3章を元にしたジョン・ミルトンの同名作品をベースにした、良く知られるアダムとイヴのリンゴの話ですね。ジャケット写真もまさにそれに倣っています。

楽曲の構成が凝っています。全体を6つのパートに区切り、エデンの園から 追放されて地上での暮らしまでになっていますね。各パートに以下のバロックから近現代の音楽家20人の25作品を詰め込んでいます。それぞれ、失楽園に纏わるもしくは関連性のある小楽曲ですね。(例えばフォーレ"イヴの歌, Op.95")
ラヴェル, バーンスタイン, メシアン, フォーレ, ドビュッシー, ダニエル=ルシェール, ストラヴィンスキー,ヴォルフ, ブラームス, ライマン, ブリテン, プフィッツナー, ラフマニノフ, アイヴズ, パーセル, シューベルト, シューマン, アイスラー, マーラー, クラム


そしてピアノ伴奏のみのソプラノ・ソロと言う先鋭な設定です。(ピアノはジュリアス・ドレイク, Julius Drake)






I. 楽園の朝
ラヴェルは澄んだsopでパラダイスの三羽の小鳥を歌います。続くバーンスタインは弾む様な変化でとても生き生きしていますね。そしてメシアンの無調pfの音色とsopへと流れて、楽園がとても上手く構成されています。
楽風変化で作るI.ですね。


II. イヴの目覚め
フォーレの"楽園"はこのアルバム前半のメインでしょう。世界の夜明けを音数の少ないpfの上に透明なsopで、フォーレらしい美しさがピッタリですね。ドビュッシーからダニエル=ルシェールに繋がるフランス連携、美しさが輝きますね。
仏印象派の流れのII.です。


III. 理想郷/田園の牧歌
ストラヴィンスキーの知られた旋律にヴォーカリーズで弾むリズムで入ります。ヴォルフの二曲が色濃く、明瞭に、平和と喜びを歌い上げます。
心情を吐露するパートIII.ですね。


IV. 火遊び/イヴと悪/人間の堕落
古典(ブラームス)から、現代音楽(ライマン)、英音楽(ブリテン)、とリンゴへの欲望の世界を陰影強く歌います。プフィッツナーで遂にリンゴを食べてしまいます。
濃厚にリンゴの欲望を歌うIV.です。


V. 追放/出立/思い出
ラヴェルを思わせる様なpfのラフマニノフで混乱を見せて、アイヴズで夕暮れを陰鬱に、パーセルは古典英語の文でアダムに声をかけます。その後はシューベルトとシューマンが二曲づつ続き、ロマン派リートとなりますね。
クラシカル歌曲らしいV.になっていて、一番平凡かもしれません。


VI. 地上の暮らし
アイスラーの短い二曲で、この世は天国であり地獄、楽園は地獄、と歌います。調性はかなり薄くぴったりです。この作品のキー曲ですね。
マーラー「子供の不思議な角笛」から "浮世の生活" が使われて、親子の厳しい話が神経質なpfと共に速めのテンポで歌われます。
人間の悲しみから 最後はクラムの "風のエレジー" で調性を感じさせながら自然を歌い静めます。しかし30"以上の無音の後、楽曲リストにない26曲目が現れます。
作者不明の "I will give my love and apple…" です。静かに諭すように、最後に希望の光を灯します。(ライナーノートには歌詞も載っていません。存在は無記述です)
この作品最大の聴き処のパートになっています。


 ★試しにYouTubeで観てみる?
  PVです。録音風景やプロハスカの思いが聞けます



各パートに個性が与えられ、ストーリー展開も見事に決まっています。特にパートIV. は構成と歌詞と曲の流れが合致して素晴らしいですね。強力オススメの一枚!です。

歌詞は、独語・英語・仏語になりますが、英訳付きなのでストーリーを追えるのは助かりますね。この曲に歌詞は必須です。

プロハスカの構成力が際立つ作品で、このコンサートがあったら是非行きたいですね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





ジェラルド・フィンジ(Gerald Finzi) の「チェロ協奏曲・他」をポール・ワトキンスのチェロで

COVID-19が世界の様相を一変させています。
こんな時"#StayHome"ならお部屋で音楽を。


Composer
ジェラルド・フィンジ
(Gerald Finzi, 1901/7/14 - 1956/9/27)
イングランドの音楽家で、一周り若い同じイングランド出身のベンジャミン・ブリテン(1913-1976)と似た印象でしょうか。年代的には近現代音楽ですがガチのイギリス音楽なので、このブログでは現代音楽リストには入れていません。久しぶりに聴くフィンジです。


Album Title
Cello Concerto・Eclogue・Nocturne・Grand Fantasia & Toccata
注目は代表作になる"チェロ協奏曲"ですね。チェロはポール・ワトキンス(Paul Watkins)で、今回のオケBBC交響楽団の首席チェリスト(1990-1997)を務めた後、ナッシュ・アンサンブルを経て2013-14シーズンからエマーソン弦楽四重奏団のメンバーとして活躍していますね。指揮はアンドリュー・デイヴィス(Andrew Davis)で、レーベルは"CHANDOS" バリバリの英国セットですね。

その他は、管弦楽曲とピアノ(と弦楽/管弦楽)曲で、ピアニストは仏系カナダ人のルイ・ロルティ(Louis Lortie)ですね。ロルティがどの様にフィンジを弾いてくれるのかもポイントです。






チェロ協奏曲 イ短調 Op.40 (1955年)
病で死の宣告を受けての第一楽章は派手な導入部で、やっぱりブリテンを思い浮かべてしまいます。(年齢は逆ですが…) チェロはオケの主題(序奏?)部が終わるとしなやかな流れで現れます。ワトキンスの音色はクセのない素直さを感じますね。vcのパートは穏やかに、カデンツァは独特のダブルストップを奏でます。愛妻の印象を元にした第二楽章は美しい緩徐楽章で、優しさを感じるオケの導入部からチェロもその延長線上に入ってきます。チェロの動機をclやhr等が引き継ぐ流れもいいですね。第三楽章はピチカートで入りますが、曲調は明るいアレグロ的なイングランド民謡🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿ベースの色合いを感じますね。
ブラインドで聴いても"英国"系?だよね、って言う音楽です🇬🇧


エクローグ ヘ長調 Op.10 (1952年)
ピアノと弦楽オケで、途中で放棄したピアノ協奏曲の一部を流用したそうです。マイルドで美しいロルティらしいpfで入ってきますね。上記コンチェルトの二楽章の類型を感じる美しさ、pfの主に対してオケの従といったホモフォニー構成感の強い楽曲です。全休符の後のトリオ?ではその美しさが心に響きますね。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  ピアノはRoberto Planoですが、本CDの方が優しさが染み入ります



夜想曲 嬰ハ短調 Op.7 (1950年)
"New Year Music"とサブタイトルがありますが、ニューイヤーイヴでの夜想曲になる様です。
暗く静かな主題部は緩やかな出し入れのアンダンテ風です。動機がロンドの様に組み合わされていますね。イングランドの印象でしょうか。


大幻想曲とトッカータ ニ短調 Op.38 (1953年)
これも未完に終わったピアノ協奏曲の一部楽章を元にしていますね。バロック的な旋律を時折見せながら、硬いタッチの音並び、硬派の印象の曲ですね。その中に見え隠れするフィンジ色と、ロルティのソフトなpfタッチが印象的です。



1950年代と言うと前衛全盛ですが、全く別世界の英国音楽ですね。まさにクラシック音楽たる所以でしょう。でも英国音楽ファンにはたまらない調べでしょうね。後期ロマン派でも新古典主義でもない独特の味わい、そしてフィンジの美しい優しさの緩徐ですね。

ワトキンスのチェロは平和です。ロルティのピアノは美しい緩徐にピッタリですね。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





ルーセル「蜘蛛の饗宴」デュカス「魔法使いの弟子」19世紀末-20世紀初頭のフランスの管弦楽曲を、フランスの指揮者とオケで聴いてみましょう



Composers
ポール・デュカス (Paul Dukas, 1865-1935)
アルベール・ルーセル (Albert Roussel, 1869-1937)
ポール・デュカスはドビュッシーやサティと同年代のフランスの音楽家ですね。パリ音楽院に学んでいて、仏印象派年代ですが独ロマン派の様な楽風印象がありますね。仏前衛現代音楽の師となるメシアンが師事していました。

アルベール・ルーセルはデュカスより4歳若く、同様に仏印象派年代ながら独ロマン派の香りがするのが特徴的です。初期の作品は前者ですが、後期はより調性が明確で新古典主義と言われている様です。こちらも後に米現代音楽に影響を振るったヴァレーズが師事していましたね。

それぞれ二人の代表作の一つで、演奏はパスカル・ロフェ指揮、フランス国立ロワール管弦楽団ですね。







1.ポリュークト序曲, Polyeucte (1891, Dukas)
デュカスの事実上のデビュー曲で「コルネイユの悲劇」を元にした演奏会序曲です。
印象派と言うよりも後期ロマン派的な流れとライトモティーフの様な表題音楽風の構成を明確に感じますね。そう言った意味では指摘されている様に重厚な管弦楽はワーグナー的で、少し古いですがイデーフィクスの仏ロマン派ベルリオーズの様な感じもあるかもしれません。少なくとも仏印象派の気配はありませんね。


2.蜘蛛の饗宴, Le Festin De L'araignée (1913, Roussel)
ファーブル昆虫記を元に蜘蛛や虫たちの戦いのバレエ音楽(13パート)で、ルーセルの初期作品ですね。
前奏曲はいかにもの"仏印象派"の流れを感じます。それをベースにバレエ音楽らしい表情付けがあって、パート毎のタイトルを見ながら聴くとシーンが浮かぶ様です。チャイコフスキーやストラヴィンスキーのフランス版という面持ちでしょうか。実は組曲版もあるのですが、洒脱なバレエ音楽の楽しさがあって聴くならこの全曲版ですね。
仏セットの演奏もそれらしい洒落た表情を見せています。


3.魔法使いの弟子, L'apprenti Sorcier (1897, Dukas)
デュカスと言えばこの交響詩(交響的スケルツォ)ですね。ゲーテの詩を元にしていて、箒に魔法をかけて水浸しになるミッキーマウスのアニメで有名なストーリーです。
"ポリュークト"に比べると重厚さが引き算されて表情の付け方がストーリー性が強く感じられる様です。多分誰でもディズニーの"ファンタジア"が浮かぶのではないでしょうか。(実際にはストコフスキー編曲ver.ですが)

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  ミッキーマウスのアニメ"Fantasía"からです。やっぱりこれ?!




このアルバムの聴きどころはルーセル"蜘蛛の饗宴"のフランスらしい洒落たバレエ音楽でしょうね。

デュカスの"魔法使いの弟子"はどうしてもミッキーマウスが出てきてしまいますw




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





アントン・アレンスキー(Anton Arensky) の「ピアノ三重奏曲 第一番・第二番」を トリオ・カルドゥッチで聴いてみましょう


Composer
アントン・アレンスキー
(Anton Arensky, 1861/7/12 - 1906/2/25)
アレンスキーと言われても名前を聞いた事があるかもしれない…と言った印象です。年代的には後期ロマン派時代ですが、ロシアの音楽家ですから。

ロシアではR.コルサコフとスクリャービン/ラフマニノフの間の年代で、前者に師事していて後者はアレンスキーに師事していました。(スクリャービンは後年 対立関係にあったとありますが、音楽方向から行けば当然の様な…) 楽風は師のコルサコフや同年代のチャイコフスキーの影響が強いと言われていますね。ロシア民謡をあまり取り入れず、欧州ロマン派の影響も見られる様です。


Album Title | Player
Piano Trios
トリオ・カルドゥッチ (Trio Carducci)
アレンスキーはピアノ三重奏曲(pf, vn, vc)を二曲残しています。本人の一部演奏も残っている第一番は代表作の一つですね。両者とも四楽章形式で交響曲に近い構成です。

"トリオ・カルドゥッチ"は、2016年に創設されたイタリアの新進気鋭のピアノ・トリオです。本アルバムがデビューCDとなりますが、この録音の後ヴァイオリニストを変更していますね。






ピアノ三重奏曲 第一番, ニ短調 Op. 32 (1894年)
第一楽章第一主題は哀愁を強く激しさを増すと第二主題のvcは落ち着いた流れを作ります。出し入れの強いロマン派的な流れです。展開部・再現部でも特にpfの力感を強く感じますね。第二楽章のスケルツォ主部は跳ねる様な三つの楽器の会話ですが、ここでもpfの強音が気になります。中間部ではやや流麗さを加えてきます。変奏はあっても楽章内の表情変化は薄いです。全楽章に感じますね。
緩徐の第三楽章・最終楽章も含めて、四つの楽章での変化はそれぞれあるのですが新鮮さは見当たりません。古さを感じる流麗な主題と強いコントラストのロマン派楽曲ですね。


ピアノ三重奏曲 第二番, ヘ短調 Op. 73 (1905年)
第一番の11年後、亡くなる前年の作品です。全体を3拍子ベースにした四楽章構成。第一楽章導入部からすぐに感じたのは第一番から変わらない出し入れの強い流れですね。楽章構成も緩徐とスケルツォを入れ替えているだけですし、vnの濃厚フラットな演奏も気になります。各楽章のインプレをするのは控えましょう。



古典から推移したロマン派の様な古さを感じます。残念ながら楽曲的には面白さが見出せませんでした。

出し入れが強いのは演奏者の個性かもしれません。今の時代のプレイヤーらしくエモーショナルよりも激しいコントラスト、YouTube方向性を感じますね。くどい演奏と合わせて、悪趣味なこのジャケットも何とかして欲しい様な…w

駄耳な上に感性も低いので。m(_ _)m




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





ジョヴァンニ・ボッテジーニ(Giovanni Bottesini) のコントラバス曲集『Via Bottesini Concerti E Pezze Concertanti』: ウィース・ド・ブフ


ジョヴァンニ・ボッテジーニ
(Giovanni Bottesini, 1821/12/22 - 1889/7/7)
ロマン派時代のイタリア人の指揮者・コントラバス奏者・作曲家ですね。元はヴァイオリン奏者でしたが、ミラノ音楽院入学時にコントラバスを選択しています。コントラバス奏者として活躍し、イタリアでは"Il Paganini del contrabbasso" (コントラバスのパガニーニ)と言われている様です。

その後作曲家としてオペラも書いていますが、主としてコントラバス曲で知られていますね。この時代らしくベッリーニのトランスクリプションでコントラバス幻想曲も多く残しています。指揮者としてはヴェルディからの要請で「アイーダ」の初演を指揮しいるそうです。


Via Bottesini Concerti E Pezze Concertanti
ウィース・ド・ブフ (Wies de Boevé, b.1987)
現バイエルン放送響首席コントラバス奏者のブフがボッテジーニのコントラバス協奏曲を四曲選んだアルバムです。ボッテジーニに倣って3弦のコントラバスを使用しているとの事ですね。(ジャケット写真を見てもその様です)

コントラバス曲となるとついつい聴きたくなってしまいます。ヴァイオリンはヨシフ・イヴァノフ(Yossif Ivanov)、ワイラースタイン指揮、ブリュッセルフィルの演奏です。






Double Bass Concerto in B Minor
「コントラバス協奏曲 第2番」ですね。 ロマン派時代ですが、古典や宮廷音楽的な印象も受けます。コントラバスのチェロ的な鳴りと旋律感が強いですね。全体的に柔らかい印象で、技巧が全面に出てくるわけではありません。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  Bottesini Competition 2017 で優勝したときのステージです!



Grande allegro di concerto (alla Mendelssohn)
この曲の方がロマン派の流れが明確ですね。"メンデルスゾーン風に"とありますが、メンデルスゾーンに詳しくないのでわかりません。多分に情感の強いオケとコントラバスの協奏構成にはなっていますね。その意味では個人的にはより聴き易さを感じます。カデンツァもエモーショナルです。


Gran Concerto for Double Bass in F-Sharp Minor
「コントラバス協奏曲 第1番」です。やはり古典的な流れを感じますね。出し入れが強く、第2番よりもオケのパートが多く取られています。三曲続けて聴いてくると残念ながら少々退屈に感じてしまい、コントラバスならではの何かが欲しい気がしてしまいます。


Gran Duo Concertante for Violin and Double Bass
以前エーデン・ラーツのコントラバスでインプレしています。その時も書きましたが、R.シュトラウスの「ドンキホーテ」の様なvnとcbの掛け合いが楽しめます。(もちろんドンキホーテはvaとvcですが)
ここではイヴァノフのvnが切れ味良く、冴えて楽しませてくれます。楽曲的にも演奏的にもこのアルバム一番ですね。



コントラバスの奏でる古典風な優雅な楽曲を楽しむアルバムですね。グリグリのcb超絶技巧を味わう作品ではありません。もちろん技巧性の高いパートも存在して楽しめます。

長い夜にウイスキーのお供で楽しむ…そんな一枚です。

次はH.W.ヘンツェの現代音楽コントラバスのアルバムをインプレ予定です。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





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