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ベンジャミン・ブリテンの『春の交響曲』5CD聴き比べ:ブリテン, ガーディナー, ヒコックス, ラトル, プレヴィン


ベンジャミン・ブリテン
(Benjamin Britten, 1913/11/22 - 1976/12/4)
今更のブリテンで、いつも書く事ですが前衛全盛期に生きていますがそこに踏み入れる事はありませんでした。でも調性の微妙さは聴いてわかりますね。前衛と新古典主義の時代ですが、どちらでもない英国音楽で、このブログでも現代音楽家のCDリストには入れていません。



Spring Symphony, Op. 44 (1949年)
メリハリのあるブリテンらしい曲ですよね。12曲全歌曲で、元はラテン語で書こうとしたらしいので俗語オラトリオ(orカンタータ?)的な四部構成で、4楽章の交響曲になっています。個人的な楽しみ方は次の通りですね。

【第一部】
一番長い"序奏"と続くキャラクター色の濃い3'以下の四つのパートのコントラストですね。聖歌的で後半強い流れの序奏 "1.Shine out" を幽玄さと切れ味で、続く短いパートでは "4.The Driving Boy" の少年少女合唱団の明るさに期待しますね。
【第二部】
緩徐楽章に当たる三曲です。序奏と似た構成の三曲目 "8.Out on the Lawn I lie in Bed" の澄んだ流れがメインですが、その前の二曲を上手く繋げて欲しいです。
【第三部】
スケルツォに当たる楽章になる三曲でしょうか。テンポの良さがあると良いですね。アタッカで繋がる "9.When will my May come" と"10.Fair and Fair" のテノールとソプラノのコントラストが聴き処です。
【第四部】
"12.Finale"の一曲構成です。やっぱり派手に切れ味よくブリテンらしく、ですね。特に後半の"Sumer is icumen in"は明るく。




5CDの個人的印象です

 ① ブリテン本人 :押し出しの強さで、ブリテンらしい?!
 ② ガーディナー:バランスとクールさで、完成度を感じます
 ③ ヒコックス :朗々たる鳴りの良さがあります
 ④ ラトル   :意外にも落ち着いた聴き易さです
 ⑤ プレヴィン :表情ある楽しさはプレヴィンならでは

個人的オススメは⑤プレヴィンらしい心地よさでしょうか。ブリテンの曲らしい音の張りが好みなら本人指揮ですね。





個別インプレです


①ベンジャミン・ブリテン
 (コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団)



【第一部】序奏は幽玄で濃厚、主張の強さを感じます。続く小曲は明るさの中に陰影付けがあります。"3.Spring…"の鳥の鳴き交わしは、重厚な背景音がすごいですね。
【第二部】少し暖かみを感じる春の足音の様な流れから、"8.Out on…" は広がりを感じる伸びやかさがあります。緩やかな明るさの緩徐楽章ですね。
【第三部】9.10.のテノールとソプラノは演奏共にシャキッとした流れです。"11.Sound…"は弾む様なスケルツォになっています。
【第四部】終始炸裂的な音を使った歯切れの良さが際立ちます。起立整列してビシッとした印象です。"Sumer…"では花咲き乱れる派手な様相からフィニッシュです。

折り目正しい表情で、強音側のディナーミクが印象的です。




②エリオット・ガーディナー (フィルハーモニア管弦楽団)



【第一部】序奏は抑えた透明感のある幽玄さから、後半激しさを盛り上げます。続く小曲は明るさを前面にして、"4.The Driving Boy"は子供達の歌声に心地よさが良いですね。
【第二部】幽玄さと暖かみのバランス良い流れから、"8.Out on…" は静かで明るい日差しの森の中を歩く様に進みます。透明感を感じる緩徐楽章になっています。
【第三部】9.10.のテノールとソプラノは抑えながらもアゴーギクの良さを感じてシャープです。"11.Sound…"の合唱団も素晴らしいですね。
【第四部】ここでもディナーミクで透明感ある入りから、アゴーギクを利かせて切れ味の強い流れです。力技よりも切れ味ですね。後半"Sumer…"は揺さぶりを効かせて明るさを作っています。
全体、オケと合唱団のバランスも優れますね。

アゴーギク/ディナーミクを効かせながらもクールです。




③リチャード・ヒコックス (ロンドン交響楽団)



【第一部】序奏は冷静で落ち着いた流れを作り、後半山場も迫力を付けますが客観的に感じますね。続く小曲は春の訪れを感じる様に、"3.Spring…"は歌唱も鳥の鳴き交わしも色濃く、"4.The Driving Boy"は子供達が元気です。
【第二部】明るさ主体の明瞭さの流れから、"8.Out on…" は聖歌的な印象が強く落ち着かせる様な緩徐を感じますね。
【第三部】9.10.のテノールとソプラノはメリハリが強い演奏と相まって朗々としています。"11.Sound…"は派手さとリズミカルなスケルツォです。
【第四部】落ち着いた入りから晴朗なハリのある歌唱が広がります。後半"Sumer…"は少しスローに狂乱風に鳴らします。

明瞭で朗々とした流れが特徴的ですね。




④サイモン・ラトル (バーミンガム市交響楽団)



【第一部】序奏の入りからアゴーギク/ディナーミクの振りを感じますね。鬱な気配から表情豊かな流れの緊張感、後半山場は意外に冷静です。続く小曲群はバランスの良さを感じますね。"4.The Driving Boy"は思いの外落ち着いた流れです。
【第二部】冷静な表現から、"8.Out on…" は静でスローを基本に緊迫感の流れです。やや暗めの緩徐楽章になっています。
【第三部】9.10.のテノールとソプラノはクールに落ち着いた流れに乗って、"11.Sound…"も興奮を排除して、落ち着いたスケルツォ楽章ですね。
【第四部】基本は冷静さかと思いきや、強音パートでは荒さを上手く見せます。出し入れのバランスが良く、それまでの楽章と一味違いますね。後半"Sumer…"もドンシャン的です。

抑え気味のコントラスト付けで聴き易い表現です。




⑤アンドレ・プレヴィン (ロンドン交響楽団)



【第一部】序奏は静的な深淵さで沈んだ流れから中盤で切れ味を見せて、山場もシャープです。続く小曲では表現力ある歌唱と演奏のバランスが良く、"3.Spring…"は演奏も歌唱も鳥の鳴き交わしも華麗、"4.The Driving Boy"は子供達が楽しげです。
【第二部】優しさを感じるプレヴィンらしい流れからの "8.Out on…" は、祈りを感じる様な神聖ささえ感じます。山場は抑え目にしてクールな緩徐楽章です。
【第三部】9.10.のテノールとソプラノはメリハリが付いてオケとのバランスが良く、"11.Sound…"も心地良いリズム感でまさにスケルツォですね。
【第四部】落ち着きから強音へ、小刻みからパワーへと、流れに表情が豊かです。"Sumer…"は締めくくりに相応わしい華々しさです。

表情豊かな歌唱とオケが心地良いですね。




来月4日都響#897のコンサートを前に予習を兼ねて聴いて見ました。大野和士さんが得意としそうなメリハリがあるので期待できそうですね。

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





2019-20アン・デア・ウィーン劇場公演 モニューシコ 歌劇「ハルカ」をNHKプレミアムシアターで観る

19世紀のポーランドの音楽家 スタニスワフ・モニューシュコ(Stanisław Moniuszko, 1819-1872)のオペラ「ハルカ, Halka」です。男性主役、演出、指揮者、含めてポーランド布陣による公演ですね。演出のM.トレリンスキに知見がありませんので、どの様な舞台になるか楽しみです。


■ 超あらすじ
【第一幕】領主ヤヌシュと名門令嬢ゾフィアの婚礼の会場。そこにヤヌシュに弄ばれた村娘ハルカが現れますが、ヤヌシュに言いくるめられてしまいます。
【第二幕】村の青年ヨンテックがハルカに騙されている事を伝えると、たまらず婚礼会場に向かいます。領主であるヤヌシュはヨンテックにハルカを何とかする様に言います。
【第三幕】正気を失って行くハルカ、ヨンテックはハルカがヤヌシュに遊ばれた事を村人に伝えます。
【第四幕】教会に向かうヤヌシュとゾフィア、それを祝う村人たち。ハルカは火を放とうとしますが止まり、川に身を投げます。教会から出てきた人々は、その事実を知りますが領主の婚礼の祝いはそのまま過ぎていきます。



Halka2019NPC.jpg
(オフィシャルサイトより)



1. 演出
設定を現代のホテルにして、裕福な婚礼客(領主の結婚)と従業員(村人)という構図になっていますね。そして舞台上にはプロジェクションマッピングと、今の時代らしい設定です。ハルカの赤ちゃんのシーンで一瞬グロテスクさが出るかと思いましたが、大丈夫でした。今の時代の演出はその手の危険性が高いですからねw と言う訳でアヴァンギャルドではありません。
前奏曲の際に舞台では事件の検視の様なシーンを持ってきているのはヤヌシュが引きずる背景設定の様ですね。

2. 舞台・衣装
回り舞台に階層の構造物とお金をかけていますね。衣装は現代風(ミニスカートとベルボトムは1970年代風?)です。全体的にモノトーンで合わせてありクールな感じでした。回り舞台は多用されて効果的に見えましたね。

3. 配役
男性陣では、ヨンテックのベチャワは太りましたねぇ。でも流石のテノールを聴かせてくれました。もちろん演技もビシッと決まっていました。
ヤヌシュ役のコニェチュニも良かったですね。バス・バリトンもさる事ながら、演技も好感が持てました。悪いヤツに見えないのが弱点といえばそうだったかもしれませんね。そう言えば2018バイロイトのローエングリンでもベチャワと一緒でしたね。その時のテルラムントでも悪さが足りない気がしたのを思い出しましたw

女性陣、タイトルロールのコリーン・ウィンターズはspoは朗々として、態度も堂々、本来のストーリー上のイメージとは少々印象が違いました。
ゾフィアは、シックな上流階級のお嬢様というよりも活発元気な女性の設定です。カヴァウェクは見た目も含めてピッタリでしたね。

4. 音楽
演奏は控えめに感じました。録音の問題もあるかもしれませんが、もう少し前に出てきても良かった気がしました。いかがでしょう。


女性陣二人の設定がイメージと違ったのは、現代の設定にした演出なのでしょう。男性陣は楽しませてくれましたね。

全体的に演出の上手さを感じました。意外ですが舞台と衣装の統一感も印象的で、クールに引き立てていましたね。



<出 演>
 ・ハルカ:コリーン・ウィンターズ [Corinne Winters]
 ・ヨンテック:ピョートル・ベチャワ [Piotr Beczała]
 ・ヤヌシュ:トマシュ・コニェチュニ [Tomasz Konieczny]
 ・ゾフィア:ナタリア・カヴァウェク [Natalia Kawałek]

<合唱指揮> エルヴィン・オルトナー
<合 唱> アルノルト・シェーンベルク合唱団
<管弦楽> ウィーン放送交響楽団
<指 揮> ウカシュ・ボロヴィチ [Łukasz Borowicz]
<美 術> ボリス・クドリチカ [Boris Kudlička]
<衣 装> ドロタ・ロケプロ [Dorothée Roqueplo]
<照 明> マルク・ハインツ [Marc Heinz]
<映 像> バルテク・マシアス [Bartek Macias]
<演 出> マリウシュ・トレリンスキ [Mariusz Treliński]


収録:2019年12月15・17日 アン・デア・ウィーン劇場(オーストリア)

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





ルーラ・ロメロ(Lula Romero) の繰り出すライヴエレクトロニクス「Ins Offene / Die Wanderung / Entmündigung」


ルーラ・ロメロ
(Lula Romero, 1976 - )
スペイン(マヨルカ島)生まれの女性現代音楽家です。セビリア、ハーグ、グラーツで学び、現在はベルリンを拠点に活躍中です。楽風は電子音楽、特にライヴエレクトロニクスで知られていますね。

以前は"テープ"と表現されていましたが現在はもちろんソフトによるプログラム構成です。プログラムと言っても直接言語を構築する訳ではなくモジュールの操作になりますね。今の時代で言う"プログラム"です。彼女はサンプリングデータのミリ秒単位での細分化等も導入して先端のエレクトロニクスを楽しめます。


Deutscher Musikrat "ZeitgenössischeMusik"
Wergoレーベルのシリーズ「ドイツ音楽評議会 "現代音楽"」がキュレーターとなった作曲家紹介での一枚です。

ロメロが得意とするエレクトロニクスが全面に扱われていますね。プレイヤーによる電子音処理選択や様々な音がエフェクト処理されているそうです。元の音源がなんであるかが不明になる音響処理ですね。その一部の音はフィールド的で、ミュージックコンクレートにもなっていそうです。






Ins Offene, for 10 instruments and live electronics (2012/13)
アンサンブルとライヴエレクトロニクスです。細かい旋律とグリッサンドのポリフォニー・ポリリズムで打楽器のインパクトが大きいです。反復も強調されている感じで、数分すると流れに統一性があるのがわかります。その流れは変化して、主題の様に楽曲を構成している様ですね。それがノイズ系になったりもします。そこでは明らかにエレクトロニクスとわかるパートがありますね。
調性感の強い流れから入り、無調混沌、ノイズと表情変化も大きく、最後は調性感が回帰します。いかにも前衛的な感じです。


Die Wanderung, for solo instruments and live electronics (2016/17)
6パートの楽曲で、ソロはfl, sax, accordion, hp, vcですね。緊張感のある空間にソロ楽器と明らかな電子音が混じっているのがわかります。それ以上の電子処理はCDで聴き分けるのは難しそうですね。楽曲としてはポリフォニカルな混沌になりますね。クラッタリングの様な特殊奏法も入っている様です。静的流れのパートが多いですが、今の時代の欧エクスペリメンタリズムの印象ですね。#2パートのsaxなどは前衛Jazzの色合いも感じます。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  "Die Wanderung II" ですね



Entmündigung, for two sopranos, alto and live electronics (2015/16)
2人のsop, 1人のaltoとライブエレクトロニクスです。Textはなくヴォーカリーズですね。肉声が強張れば電子音も強張り、肉声が叫べば電子音もそうなります。肉声に触発される電子雲の中に居る様な空間になります。上記2楽曲とはまた異なり面白いです。



基本的流れは刺激と緊張の無調混沌空間です。ステージでないとエレクトロニクスがどの程度使われているのかは微妙ですが、楽曲の中に消化されている感じですね。

強弱や調性に近い流れもあって、今の多様性欧州エクスペリメンタリズム現代音楽を楽しめる一枚でしょう。



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デンマーク前衛実験現代音楽 シモン・クリステンセン(Simon Christensen) の「マニュフェスト, Manifest 」


シモン・クリステンセン
(Simon Christensen, 1971 - )
デンマークの現代音楽家で、デンマーク王立音楽アカデミーで習った後、仏に渡りパリ音楽院で学んでいますね。楽曲の流れ以上にスコアは複雑との話もあって、そういう意味では"新しい複雑性"の範疇になるかもしれません。また、以前インプレでも感じましたがポリフォニー (基本音階も変化させている様です) の傾向が強いですね。ポリリズムでもあるという記事もありました。今回は違いますが…

ミュージシャンとしてはロックバンドNew Paragraphsのドラマーでもあり、その他Duo活動もある様です。でも楽風にはその傾向は感じられませんね。そう言った経歴も含めて今の時代の多様性の現代音楽家という事になるでしょうか。


Manifest (But There's No Need to Shout)
1曲1楽章構成(約72分)の弦楽四重奏曲です。以前紹介した"Towards Nothingness"も弦楽四重奏曲でしたね。
その印象ではポリフォニー, ポスト・ミニマル, ノイズ, と言った方向性でしたが、今回は "音楽の中でかつてないほど美しい曲" だそうです… 普通の"音楽"じゃありませんが

演奏は、Birgitte Baerentzen Pihl (vn), Signe Madsen (vn), Mina Fred (va), Sofia Olsson (vc), です。






Music for string quartet (2013年)
ただの弦楽器の単音のボウイングの音色です。全休符が入って区切りを付けながら、多少の色合いを変化させ延々と続きます。特殊奏法などもなく、四つの弦楽器は基本は調性の和音となっていますね。それだけです。異常性や突出した物は何もありません、それ自体が異常なだけです。似てはいませんが、なんとなく読経を思い浮かべてしまいました。

途中で何か仕込まれていないか気になって最後まで聴いてしまいました。そんな感じです。2008年の"Towards Nothingness"よりも症状は確実に悪化していますねw

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  デンマーク前衛実験音楽の一端を味わってみますか




延々と単純な72'で、類型がありそうな実験音楽ですね。72'というのはCD化前提の様な気もします。スコアがないので反復パートがあるのかよく分かりませんが、どうせなら徹底的に720'で全休符120'があってとかの方が面白い気がしますね。

作り出される和音が機能和声というのも今ひとつ感です。倍音の様なうねりとか、突飛な音とか一捻り何か尖ったものが欲しい気がします。でも、それだと当たり前の現代音楽という事で排除しているのでしょうね、きっと。



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ハドキンソン(J.Hodkinson)とレンスホルト(N.Rønsholdt) の『Fish and Fowl, 魚と鶏』はデンマーク系前衛実験現代音楽が楽しめますね


ジュリアナ・ハドキンソン(Juliana Hodkinson, 1971-)
ニルス・レンスホルト(Niels Rønsholdt, 1978-)
ベルリンを拠点とするイギリス人女性現代音楽家ハドキンソンは電子音楽やフィールドレコーディング、そしてインスタレーションと言った今の時代の現代音楽をベースにしていますね。デンマークの現代音楽シーンと密接な関わりも持って活動しています。

デンマークの現代音楽家レンスホルトはデンマークのオーフス王立音楽アカデミーでラスムセンに習い、ベルリンに渡っています。前衛オペラや声楽、インスタレーション系を得意としていますね。
なんとなく二人の接点が見出せる感じですね。


Fish and Fowl
という二人のコラボ(合作)の声楽を含む室内楽です。まぁ、普通に聴ける"音楽?"ではないのですが…

演奏はデンマークのセナテット(SCENATET)です。現代音楽&アートそしてパーフォーマンスでお馴染み、レンスホルトも創設(2008)に関わったていますね。二曲目?!はデンマークの音楽家で詩人(?)ウルスラ・アンケア・オルセン(Ursula Andkjær Olsen, 1970-)のTextで本人朗読になります。






Fish and Fowl
「魚と鶏」です。Scenatetはfl, cl, sax, pf, perc, guitar, vn, va, vc, sop, & voice 編成です。
電子音やフィールドレコーディングの様な特殊奏法と微妙な音使いが静的に流れて行きます。基本は静的な特殊奏法ノイズ系ですね。コツコツコツとヒールの足音(の様なクラッタリング?!)が混ざりながら、奇妙な雑音が挟まれて切迫した様な女性の吐息が入ります。それが36'以上続きます。

その緊張感の中に身を浸して楽しむ。もしインスタレーションでなければ、目を瞑って音空間に身を置けばOKですね。インスタレーションならそうは行きません。でも、ライナーノートには細かい解説は一切ありません。("何を思っているのか、なぜ殻に閉じこもっているのか" とあるだけ…) 勝手に楽しみましょう!!

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?


Ursula Andkjaer Olsen reads “Kære Fisk”
約10'の「ウルスラ・アンケア・オルセンによる朗読 "魚へ"」です。言語はデンマーク語ですが、ライナーノートに英訳があります。優しい英語ですが、中身は…
個人的には "Just a reading aloud, that's all!!" です。



完全なエクスペリメンタリズム系前衛ですね。一般的なクラシック音楽ファンは無縁の"音"の世界です。旋律も無い事は無いですが、所謂(いわゆる)"音楽"かは微妙なラインになりますね。たまりません!! (二曲目はただの詩の朗読としかわかりませんが…)

聴く事は難しいですね。その音の中に身を置く、音楽技法を想定する。と言った楽しみです。とは言え、欧前衛では基本となる特殊奏法で構成されますから、この世界では格別に突出ではないでしょうね。



ジュリアナ・ハドキンソンのCDはなかなか見つかりません。例えばこちらはSCENATETの演奏とパフォーマンス "Angel View (2014)" ですね。インスタレーションですからCDがあったとしても意味は薄くなるでしょう。最後に本人も登場します。超オススメです!! (ライヴエレクトロニクスも使われている様ですね)


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テーマ : クラシック
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ニールス・マルティンセン(Niels Marthinsen) の「モンスター・シンフォニー, 他」というマニエリスム現代音楽


ニールス・マルティンセン
(Niels Marthinsen, 1963 - )
デンマークの現代音楽家で、デンマークのオーフス王立音楽アカデミー(Royal Academy of Music in Aarhus)で習っています。ペア・ノアゴー(Per Nørgård)に師事していますが、その無限セリーの様な無調前衛の楽風ではありませんね。漫画世代という事で、米フィルム・ミュージックの様なポップさがスタンスです。

今デンマークの前衛現代音楽は注目なのですが、こう言った方向性も共存しているのが素晴らしいですね。その前衛系もインプレしたいと思っています。


Monster Symphony
管弦楽集になりますが、いかにも的な表題音楽でタイトル曲などは聴く前からなんとなく想像出来てしまいますね。

演奏はミシェル・タバシュニク(Michel Tabachnik)指揮、オーフス交響楽団(Aarhus SO)です。






Monster Symphony, First Symphony Remix (1995, rev. 2004)
  Monsters' Mating Call - Baby Monster's Lullaby - Real Monsters
一楽章の入りから派手です。ドンシャン的で強烈な反復、そして鳴り響きですね。まぁ、"Mating"ですからそうなりますかね。途中で静まりますがクイックな主題が小走りします。(ソナタ形式ではない様です) 第二・第三楽章も多少の変化はあっても流れは同じで、表題音楽らしくサブタイトルを感じる流れです。米オケが委嘱でもしそうな派手さ主体の管弦楽曲です。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  第一楽章"Monsters' Mating Call"です



Panorama, Per Orchestra (1993)
ここでも基本は反復ですね。もちろん調性からの逸脱はありません。緩徐パートがあっても静けさで落ち着く流れには成りませんね。変化に乏しく単一楽章(パート?)で約22'はとても長く感じます。


The Confessional, Opera Trailer (2004)
オペラ「告白」から4パート12'ほどの抜粋予告編ですね。"モンスター・シンフォニー"と似た流れですね。派手で表現主義的、すぐにお腹いっぱいになっちゃいます。



北欧現代音楽ではありませんし、ましてや欧エクスペリメンタリズムとは隔絶です。マニエリスム系米管弦楽の印象ですね。反復が強く管楽器を鳴らして、わかりやすくてドンシャン・バリバリです。

個人的には興味範疇の外なのですが、これも今の時代の一つの流れである事には違いありませんね。



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ヴァインベルクの「ピアノ五重奏曲」:シェプス盤とクレーメル盤(pf:アヴデーエワ)の聴き比べ


ミェチスワフ・ヴァインベルク
(Mieczysław Wajnberg, 1919/12/8 - 1996/2/26)
ポーランド出身の旧ソ連、ロシアの現代音楽家ですね。年代的には前衛全盛期に生きていますが、もちろん前衛方向はありません。

国が変わる度に名前を変える事や、ショスタコーヴィチへの傾倒、と言った印象が先行して楽曲自体の明確な印象は薄いです。交響曲で有名でこのブログでもインプレしていますが、近年はクレーメルが取り上げる事で印象付いているかもしれませんね。


Piano Quintet Op.18 (1944年)
1944年作品ですからショスタコーヴィチと出会ってすぐの時代、25歳の時ですね。そのショスタコーヴィチの同タイトルに類似性も言われる様です。

珍しい五楽章構成で、I. Moderato con moto - II. Allegretto - III. Presto - IV. Largo - V. Allegro agitato、となっています。

今回、オルガ・シェプス(Olga Scheps)のピアノとクス・クァルテット(Kuss Quartett)盤がリリースされました。
せっかくですから、クレーメルがユリアンナ・アヴデーエワ(Yulianna Avdeeva)のピアノをフィチャーしたクレメラータ・バルティカ(Kremerata Baltica)盤と聴き比べてみましょう。





オルガ・シェプス (ピアノ)
クス・クァルテット


第一楽章は第一・第二主題から全体的に色合いを濃くしていて、展開部のvnの強さがpfより勝るのが印象的ですね。第二楽章はpfの強い音色から入りますが、ここでも各楽器の主張が強くショスタコーヴィチの様な主題も新古典主義的な響きに感じます。第三楽章主部の弦楽とpfの絡みは激しさを見せ、第一トリオは弾む様な上手い流れですね。もちろん強烈なフォルテの響きは同じです。長い緩徐の第四楽章も重心は低く、各楽器はキレキレの演奏です。幽玄や優美ではなくシャープさと緊張感ですね。快速の第五楽章はこのセットの真髄で、強鍵のpfと切れ上がる弦楽群の狂乱的な対話が楽しめます。


各楽器が協奏的な立場を明確に主張した演奏ですね。そういう意味ではヴァインベルクの新古典主義的な面を最大限強調した演奏と言えるかもしれませんね。

緩やかさを排除してメリハリが強く終始シャキッとしています。もちろんpfのシェプスも個々の音をビシビシ鳴らしています。






ユリアンナ・アヴデーエワ (ピアノ)
クレメラータ・バルティカ

(他に室内交響曲1-4番が入った2CDsetですね)


第一楽章の両主題は表情豊な弦とpfのバランスが良く、強さの中に落ち着きと美しさを感じますね。第二楽章の主要主題のpfは弦楽との協調性が強く、その後もテンポアップしながらバランスとコントロールの良さで安心感があります。ショスタコーヴィチ的な動機は繊細です。第三楽章では主部の弦楽とpfの絡みを繊細さから技巧的につなげて迫力を見せ、続くトリオを優美さを加える流石の流れを作っています。第四楽章は重厚さから入りながら、幽玄でエモーショナルな流れですね。情感的な素晴らしい緩徐楽章となっています。第五楽章はキレキレで興奮さえ見せながらも、そこに表現する優美さが素晴らしいです。


繊細さから強音パワープレイまで楽曲を磨き上げた演奏ですね。この曲を満喫できる完成度と言って良いのではないでしょうか。

出し入れの良さと情感があり、落ち着いていますね。アヴデーエワのpfも表情が豊かです。




楽曲としては新古典主義の色合いの強さを感じますね。その完成度の高さを聴かせる②と、全編パワープレイ①という事になるでしょうか。

どちらをコンサートで聞いてみたいか? これが微妙ですねぇ, コンサートとなるとパワーで押し切る演奏に魅力を感じるのも事実ですから。



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テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





エクサン・プロバンス音楽祭2019 クルト・ヴァイルの歌劇「マハゴニー市の興亡」をNHKプレミアムシアターで観る

ドイツの近現代音楽家クルト・ワイル(Kurt Weill 1900-1950)のオペラ「マハゴニー市の興亡」(1930年, Aufstieg und Fall der Stadt Mahagonny)ですね。

台本はベルトルト・ブレヒトになります。ブレヒトとのコンビでは1928年に"マック・ザ・ナイフ"で有名な「三文オペラ」を大ヒットさせていますね。ヴァイルはナチスから逃れるため1935年に米国に移住してからはミュージカル音楽の世界に踏み入れてジャズやポップにも影響を与えている様です。

演出イヴォ・ヴァン・ホーヴェは尖った演出をする印象があるのですが、今回も危なさがあるのかも興味のポイントですね。(2017年のサロメはグロテスクさに腰が引けました)


■ 超あらすじ
  (ゴールドラッシュ時代のアメリカ)

【第一幕】場所の知れない荒野で指名手配犯3人(ベクビク, ファッティ, モーゼ)の車がストップし身動きが取れなくなります。そこで3人は"マハゴニー"という享楽の町を作り一儲け企みます。そのマハゴニーに4人のアラスカの木こり達(ビル, ジム, ジャック, ジョー)が楽しみを求めてやってきます。歓楽の町でジムは失望しながら売春婦ジェニーに出会い、町の規制を破り棄てます。
【第二幕】欲望に浸る中で、ジャックは食べ過ぎで死に、ジョーはボクシングでモーゼに撲殺されてしまいます。
【第三幕】ジムは様々な容疑と無支払で死刑となります。腐敗し火に落ちる町"マハゴニー"にデモが現れ、残ったビルがジムの棺を担いで行進して幕となります。


Festival_D_Aix2019.jpg
(写真はオフィシャルサイトからお借りしました)



演出
舞台上にカメラマンを配置して、その映像を大型モニターに投影すると言う設定ですね。インスタレーション系に踏み込んでいる感じです。ただ処々で背景に映像を入れる事自体はデフォルトで設定されている様です。
ただ流れ的にはやや寂しく、過食死やボクシング僕殺などはもっと派手なシーンを作っても良かった気がしました。ジェニーとジムの関係もはっきりしませんでしたね。

舞台・衣装
暗くてシンプルな舞台は今風で、上記の大型モニターが置かれます。そこにリアルタイムの映像が映されるのは斬新で、臨場感が上がりますね。衣装は当時の労働者風です。

配役
まず男性陣ですが、モーゼ(ウィラード・ホワイト)、ファッティ(アラン・オーク)は声・演技ともに地味ですね。期待したジム(ニコライ・シュコフ)も声は良いのですが人物設定が不明瞭で男性陣は今ひとつの感じでした。

一方の女性陣、悪役側ベクビクのカリタ・マッティラは、ラトルの"グレの歌"で素晴らしいトーヴェの記憶があります。今回の演技の内容と表情は全く別人ですねw 役作りはピッタリでしたが、sopはトーヴェで聴かせた優しさが感じられてしまいました。
ジェニー役のアンネッテ・ダッシュは、何と言っても2011バイロイトの"ネズミのローエングリン"でエルザ役の印象が残りますね。マッティラと同じく演技と容姿は役に合わせていて、ここでは売春婦的です。声にも伸びと尖ったsopが感じられましたね。

音楽
先ずは語りパートが多い事に気がつきますね。近現代音楽としては旋律感もあって、声楽パートも特異性はないので安心して楽しめます。その分中途半端感と背反ですが。なんとなくガーシュインやバーンスタインの様な音も感じる処もあります。
演奏はサロネン/フィルハーモニア管らしい落ち着いたコントロールとメリハリの管楽器を感じましたね。


原作のキャラクターと人間関係の不明瞭さが一番だと思いますが、イヴォ・ヴァン・ホーヴェの演出の切れ味も弱く、まとまりと山場に欠ける感じでした。

近現代の音楽と享楽のストーリー設定ですから、もっと出し入れの強いアヴァンギャルドな流れを作ってくれたら少しは楽しめた様な…
(現代音楽と前衛演出好きですが、今回は残念でした)


<出 演>
 ・レオカディア・ベクビク:カリタ・マッティラ [Karita Mattila]
 ・支配人ファッティ:アラン・オーク [Alan Oke]
 ・三位一体のモーゼ:ウィラード・ホワイト [Sir Willard White]
 ・ジェニー:アンネッテ・ダッシュ [Annette Dasch]
 ・ジム:ニコライ・シュコフ [Nikolai Schukoff]
 ・ジャック:シーン・パニッカー [Sean Panikkar]
 ・ジョー:ペイジン・チェン [Peixin Chen]
 ・ビル:トーマス・オリーマンズ [Thomas Oliemans]

<合唱指揮> リチャード・ウィルバーフォース
<合 唱> アンサンブル・ピグマリオン
<管弦楽> フィルハーモニア管弦楽団 [Philharmonia Orchestra]
<指 揮> エサ・ペッカ・サロネン [Esa-Pekka Salonen]
<美術・照明> ヤン・ヴァースウェイヴェルド [Jan Versweyveld]
<衣 装> アン・デュハウス [An d’Huys]
<映 像> タル・ヤーデン [Tal Yarden]
<演 出> イヴォ・ヴァン・ホーヴェ [Ivo van Hove]


収録:2019年7月4・11日 プロバンス大劇場(フランス)

テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





シュテファン・イルマーのピアノで聴く、ジギスムント・タールベルク『ピアノ作品集』


ジギスモント・タールベルク
(Sigismond Thalberg, 1812/1/8 - 1871/4/27)
スイス生まれでフランス・オーストリア・イタリアで活躍した、ロマン派時代のバリバリの超絶技巧ピアノストにして作曲家ですね。

曰く、3本や10本の腕や手があると言われる程の技巧曲の名手で、作品はトランスクリプションも含みますね。その辺りもよく比較されるリストと似ています。(リストもベートーベンの曲などトランスクリプションを残していますね)


12 Etudes Op 26, Fantaisies Op. 33 & Op. 40
二つの幻想曲と、12エチュードの三曲を収録したピアノ曲集ですね。エチュードは前後半を分けて、その間に「ロッシーニ "湖上の美人" による幻想曲」を挟んでいます。一曲目の「ロッシーニ "エジプトのモーゼ" による幻想曲」と共に得意のトランスクリプションですね。

ピアノはシュテファン・イルマー(Stefan Irmer)になります。






Fantaisie sur des thémes de lópéra Moise de G. Rossini Op. 33 (1839年)
美しいロマン派らしいピアノ曲です。激しい強鍵とソフトタッチの対比が明確です。技巧性の高さはありますが楽曲としては動機の反復変奏が印象的で、主題の変化もありますね。
イルマーのpfのタッチは強鍵パートでの粒立ちの良さがあって鳴りが良く、ピッタリしています。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  ピアニストは違いますが、こちらの方がアゴーギクの振りでバランスは良いかも



Douze Études nos. 1-6 Op. 26
基本的に反復変奏主体の技巧曲です。聴かせに入る楽曲並びで2'-3'なのでアンコール用とでも言ったらわかっていただけるでしょうか。例えばショパンのエチュードの様に美しいシンプルな流れに続く超絶技巧性ではなく、通して技巧性と感情の昂りを前面に押し出していますね。


Fantaisie sur des motifs de la Donna del Lago op. 40
前の幻想曲と同様にソフトと強鍵の対比になっていますね。イルマーのpfは全体的にパキパキとした音立ちが強いのでソフトな流れのパートもギスギスしているかもしれません。ソフトなパートは、やっぱり柔らかなタッチのエモーショナルさでコントラストを付けて欲しいですね。


Douze Études nos. 7-12 Op. 26
前半よりも柔らかい曲が並びますが、イルマーは叩きますから音がピンピンと立っています。ピアニストのキャラで、ピアノが鳴りまくりますね。緩徐のNo.10でもエモーショナルさは弱く、硬くフラットです。終わって、どっと聴き疲れ感がのしかかりますw



タールベルクの曲調はロマン派時代のピアノ・ヴィルトゥオーゾ楽曲そのものですね。よく弾み、その手のピアニスト向けです。今回はそれ以上にピアニストのキャラの濃さが出た気がしますね。

イルマーの常に"叩く"個々の音は、終始ピアノをガッツリ鳴らしている印象です。幻想曲のソフトなパートやエチュードNo.10でエモーショナルさが聴けたら良かったのではないかと感じました。
全編"グワワ〜ン!"といったピアノの鳴りが好きな貴方にオススメです。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





マリノ・フォルメンティ(Marino Formenti) の「Liszt Inspections」リストと現代音楽家の対比


Liszt Inspections
マリノ・フォルメンティ (Marino Formenti)
ウィーン在住のイタリア人ピアニストで、指揮者としても活動している様ですね。Klangforum Wienのメンバーでもありました。今回はピアニストとして意欲作となりますね。

リストを題材として取り上げていますが、現代音楽の基の元がそのピアノ曲にあるとの認識に立っています。今回も取り上げられている「*無調のバガテル S.216a」等、以前から無調音楽の原点としてその様に言われていますよね。
リストのピアノ曲を12曲選び、それらと現代音楽家作品との共通点(Vocabularyと表しています)を並べる事で、その表現に光を当てる。と言った考え方だそうです。

下記 [ ]内が作曲家です。記名がない楽曲はリストですね。すごいビッグネーム現代音楽家が幅広く並びます。






【CD1】(1)Ungarisches Volkslied Nr. 5. (2)Slowakische Erinnerungen aus der Kindheit Nr. 20 [Friedrich Cerha] (3)Fünf Klavierstücke – II. Lento assai (4)…waiting for Susan…[György Ligeti] (5)*Bagatelle sans tonalité(S.216a) (6)Touches Bloquées [György Ligeti] (7)Speech of Clouds [Gérard Pesson] (8)Michael Mosonyi (9)Klavierstück Nr. 6 [Wolfgang Rihm] (10)Funérailles (11)Klavierstück Nr. 7 [Wolfgang Rihm] (12)II Penseroso (13)Sonata No.6 [Galina Ustvolskaya]
【CD2】(1)Au lac de Wallenstadt (2)Wasserklavier [Luciano Berio] (3)Wiegenlied (4)Brin [Luciano Berio] (5)Nature Piece No.4 [Morton Feldman] (6)En rêve: Nocturne (7)En suspens [György Ligeti] (8)Cloches d’adieu, et un sourire [Tristan Murail] (9)Abendglocken (10)China Gates [John Adams] (11)In festo transfiguationis Domini nostri Jesu Christi (12)Natürliche Dauern Nr.5 [Karlheinz Stockhausen] (13)Resignazione (14)Polveri laterali [Salvatore Sciarrino] (15)O Heilige Nacht (16)Piano Piece 1964 [Morton Feldman]



チェルハやクルターグあたりは調性感が強いので、似ている静的な曲を探せたのかなという感じですね。「5.無調のバガテル」では、リゲティの弾むリズム感は近いのですが、調性の怪しさは落差を感じます。リストは移調による無調ですからねぇ。リームは途中、リストはトリオで、に強音パートが挟まれる曲ですね。「10.葬送」の方は曲の良さに気持ちが行ってしまいますが、フォルメンティは少し切れ味が欲しい感じでしょうか。

一番の問題は、リストの「12.巡礼の年 第2年, II 物思いに沈む人」と ウストヴォーリスカヤ「13.ソナタ 第6番」ですよね。確かに"物思いに沈む人"も反復で構成されていますが、無調爆裂轟音のウストヴォーリスカヤとの接点は見つかりません。この曲でのフォルメンティの強鍵は素晴らしいですが。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  強烈です。ウストヴォーリスカヤを初めて聴く人は驚くでしょうね
  ぜひボリュームを上げて聴いて下さい


後半も静的で美しい曲を中心に類似曲が並びますが、ウストヴォーリスカヤを聴いた後ではせっかくのシュトックハウゼンもシャリーノも解毒剤?でしかありませんね。



聴いてリストと似た構成の曲を現代音楽家から選んだのはわかりますね。それ以上の興味はひかれませんでした。唯一惹かれたのは好きなウストヴォーリスカヤの一曲だけでしたw

フォルメンティの言う共通する"Vocabulary"の真髄はスコアを紐解けないとわからないのかもしれませんね、残念ながら。やや企画倒れの気配を感じます。



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・2017年12月9日
音楽ブログに特化するためにタイトルを「現代音楽と酒の日々」から変更しました。


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