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室内楽版『マーラー 交響曲 第5番』クラウス・ジモン(Klaus Simon)編曲



ホルスト=シンフォニエッタ Holst-Sinfonietta
(クラウス・ジモン編曲, Klaus Simon 1968/4/19 - )
K.ジモンはドイツの音楽家で、ピアノをコンタルスキーに、指揮をH.ツェンダーとJ.カリツケに学んでいます。こう聞いただけで前衛色を強く感じますね。
ジモン編曲マーラー交響曲室内楽版は、第1番・第4番・第9番、がありますが聴いていません。今回は少し変わった"Bastille Musique"レーベルから第5番が出たので聴く事にしました。
演奏はジモン創設の"ホルスト=シンフォニエッタ"です。(編成は、#1vn, #2vn, va, vc, cb, fl, ob, cl, b-cl, fg, #1hr, #2hr, tp, #1perc, #2perc, hp, pf, acc, の18人です)

Mahler5-KlausSimon.jpg


ちなみに室内楽版マーラー5はナタリア・アンサンブル版も存在します。("マーラー聴き比べ #12"にインプレ済みです)




マーラー 交響曲 第5番 [室内楽版]



第一部
ファンファーレは意外や音圧を出して、葬送行進曲は超スローで雰囲気を作ります。第一トリオは落ち着いた切れ味、第二トリオの哀愁はスローで葬送の延長的印象です。
第二楽章第一主題は速くシャープでオケのイメージに近いです。第二主題はvc?の中低音を生かして哀愁を聴かせます。展開部もオケ版に近い"烈→暗→明"のコントラストを醸して、再現部にも違和感は少なく、通常のオケ版に近い音で驚きですね。

第二部
スケルツォ主題はhrの使い方もオケに近い印象を作り、レントラー主題は楽器数を減らしてスローに、上手いですね。第三主題は金管がオケそのもの、弦楽パートも上手く管楽器を加えて処理します。展開部から再現部もオケ版らしさを聴かせますが、コーダはやや薄くなってしまいました。主旋律と従旋律、特に従旋律を上手くアレンジしてオケに近づけている感じですね。

第三部
第四楽章はやっぱりハープ五重奏、アダージェットはこうなるのが自然でしょうが面白さはありませんね。
第五楽章は弦楽の第二主題に厚み不足を感じ、展開部は終始スローが気になります。再現部冒頭三主題は当然ピッタリ、山場からコーダは18人で頑張った感じですね。フィニッシュ編曲も見事にまとめました。



室内楽らしさを生かす編曲ではなく、18人でフルオケ並みに聴かせる方向性ですね。スカスカしてしまう音圧不足は、打楽器と低音の鳴らし方で上手く対処して18人とは思えません。アンサンブル・オーケストラ金沢さん辺りがやったら面白そう?!

ただ室内楽らしいマーラー5を聴いてみたい気持ちも残ったかもしれません。見事だったのですが、これなら普通にオケ版を聴けばいいか? などとも思ってしまいました。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





ピアノ2台版『マーラー 交響曲 第5番』を ミヒャエル・ナナサコフ で聴く

ここへ来てマーラー5の変則ver.2枚、ピアノと室内楽、がリリースされましたね。まずはピアノ2台ver.(左)です。

IMG_9794.jpeg


ミヒャエル・ナナサコフ Michael Nanasakov, pf
(アウグスト・ストラダル編曲, August Stradal 1860-1930)
ヴィルトゥオーゾ系ピアノファンなら知っているナナサコフですが、まさかマーラーで出てくるとは思いませんでしたね。

ナナサコフと七澤順一さん】
ナナサコフは七澤さんが作ったバーチャル・ピアニストですね。仮想履歴まであります。
演奏はYAMAHAの自動演奏ピアノ"Disklavier"、そしてMIDIシーケンス・ソフト。そう言った方式でのピアノ2台版になっている様です。いずれにしてもスコアにあるアッチェレランドの様な表現もデーター化して同期&再構築している訳ですから大変そうです。

ストラダル編曲
マーラー(1860-1911)と同年同じチェコ生まれのピアニストで作曲家ですね。得意とするのは交響曲のピアノ版編曲で、それを得意としたリストに弟子入りしていた事も影響しているかもしれませんね。その方向性はピアノで弾ける様にしたと言うよりも原曲に近く難易性が高いとの事です。

ちなみにピアノ版マーラー5はオットー・ジンガー版も存在します。(トレンクナー&シュパイデルのCDを"マーラー聴き比べ #12"にインプレ済みです)




マーラー 交響曲 第5番 [ピアノ2台版]



第一部
ファンファーレから音の厚みがありますね。そして音の歯切れが強くギクシャクで、葬送行進曲は強烈な不自然さを作っています。第一トリオはメイン旋律が裏に回り、第二トリオは哀愁が弾んでしまってます。マーラー本人のピアノロール第一楽章とは全く異なる印象です。
第二楽章第一主題はフィットした激しさ、第二主題は哀愁が跳ねています。展開部は本来vcの動機がギスギスと、再現部も全体的にそう言った音を強く感じてしまいます。

第二部
スケルツォ主題は良く鳴らし、レントラー主題では音量を落として少し揺さぶっていますね。第三主題のhrパートは違和感ですねぇ、弦楽パートはOKですが。変奏パートは'らしく'なっています。展開部と再現部も緩やかなアゴーギクを感じますが、スコア通り?!
第一部よりは総譜に近い印象かもしれません。

第三部
第四楽章は少し音の跳ね具合を落としますが、それでも鍵盤をカツンと叩く様なカクカクした印象のアダージェットです。
第五楽章第一・第二主題はとてもフィット感があって本録音中一番でしょう。コデッタもいいですね。展開部は強い流れで通して聴き疲れ、再現部冒頭三主題はフィットして山場からコーダは少しうるさいかもw



一音一音の粒立ちが極端に明瞭で、流麗さは極低くギクシャクとまさに機械仕掛けの様な印象です。

インテンポとライナーノートにはありますが、そもそもマーラー5のスコアにはBPM表記がありません。印象は全体やや速めでアゴーギクもしっかり感じますね。

スカスカなオットー・ジンガー編曲版より音数があってそれらしさが味わえます。ふとM.A.アムランの多重録音で聴いてみたいと思いました。




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ヴィトマン兄妹が奏でるブーレーズ「Anthèmes & Dialogue de l'ombre double」技巧系ソロ曲集



Anthèmes & Dialogue de l'ombre double
ピエール・ブーレーズ Pierre Boulez, 1925-2016
(Carolin Widmann, vn. Jörg Widmann, cl.)
指揮者の顔が印象強いブーレーズですが、作曲家としては欧エクスペリメンタリズムの隆盛期を作った前衛三羽烏の一人(他にK.シュトックハウゼン、L.ノーノ)です。
また作曲のみならず欧前衛現代音楽の拠点であるIRCAM(フランス国立音響音楽研究所)を創設し、亡くなるまで欧音楽界のドンとして君臨していましたね。

今回は前衛の停滞が叫ばれて久しい晩年の作品(1985〜1995)なので、実験的な色合いは薄くなりIRCAMのエレクトロニクスを使っていますね。この時代の代表作には素晴らしい「レポン」があるので興味がある方は是非。

演奏のイェルク・ヴィトマンは今や現代音楽界を代表する一人、演奏家・作曲家・指揮者他大活躍ですね。「サントリーホール サマーフェスティバル2018」での印象は"いつも笑顔で話が長い"そんな感じです。
その時も妹のカロリンさんがvnを担当で来日していました。お二人はブーレーズとの親交があったそうで、このアルバムは必然なのかもしれません。(二人ともこれまでにブーレーズの曲をレパートリーにしています)







1. Anthèmes 1 for solo violin (1991)
神経質でクイックな上昇音階・下降音階、それが調性的、が走ります。ダブルストップやピチカートも先鋭で技巧的なvnソロ曲になっていますね。実験前衛的な聴きづらさは無いので、ソロコンサートなどで取り上げると受けそうです。


2. Dialogue de l'ombre double for live clarinet and clarinet pre-recorded on tape (1985)
今で言えばライヴエレクトロニクスと言う事になるでしょう。すでに調性基軸になって、速い旋律を中心にしているのはここでも同じですね。ただエレクトロニクス(ここでは事前録音)を使った音の広がりを聴かせる様な印象です。左右だけでなく奥行き方向にも広がりますね。
反復を多用しているのもこの時代のブーレーズでしょう。基本はクイックな旋律を走らせる技巧クラリネット曲ですね。


3. Anthèmes 2 for violin and live electronix (1995)
神経質で技巧性が高い楽曲構成はトレースされて、エレクトロニクスが一層強くなっている感じです。ステージ上の配置だけでなくライヴ・リミックスでも使っている様な複雑な音の配置や変化が進んでいますね。空間音響的でもあってIRCAMの存在を強く感じます。これが一番面白くコンサートで聴いてみたいですね。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  マイケル・バレンボイムのvn、エレクトロニクスはIRCAMです
  CDのカロリンさんの方が先鋭性が高いですね




1970年台の実験前衛音楽の停滞から、それまで拒否拒絶していた反復や調性に回帰した音楽ですね。エレクトロニクスを使ってはいるものの前衛の牙が取れて行き詰まりを感じさせるのは残念です。(前衛ファンとしてはw)

ところが、それが今の時代にフィットした多様性と技巧性のソロ曲となっていているから不思議です。1940-60年代の実験前衛がブームだった証かもしれません。

二人の演奏も神経質で先鋭な音色を奏でて楽しめるアルバムになっています。でも、これを聴いて "ブーレーズってこんな感じか" と思うと全然違う, っていう事になっちゃうかも。



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野田燎さん自作自演のサックス曲集「Les Yeux Clos」不思議な浮遊感



Les Yeux Clos
野田 燎 (Ryo Noda, b.1948)
尼崎生まれ大阪音大出身のサックス奏者で現代音楽家の野田さんです。その後、米ノースウェスタン大や仏ボルドー音楽院でも学んでいるそうで、しばらくパリで活動していた様ですが現在は帰国していますね。邦楽では"能楽"とのリレーションもあり、米ではJ.ケージやP.グラスとの付き合いもあった様です。
(そして医学博士として"野田音楽運動療法研究所"なる音楽とトランポリン?!を使った医学治療・リハビリテーションの活動も行っています)

演奏者としてはアヴァンギャルドからバロック、ロマン派まで広く包括する活動で知られる様で、今回はサクソフォンのみ(ソロから4人)の作品集になります。

演奏者は野田さんの他、パヴェウ・グスナル(Pawel Gusnar), ゴルドン・トゥードル(Gordan Tudor), アンドレアス・ファン・ズーレン(Andreas van Zoelen)です。







Les Yeux Clos
1.Secret Garden I (for four, 2018) • 2.Zen I (for two, 2018) • 3.Kocho no Mai (for solo, 2016) • 4.Zen II (for two, 2018) • 5.Ryoanji 2 (for two, 2018) • 6.Dance Dance Dance (for solo alto sax, 2019) • 7.Midnight in Warsaw (for solo, 2019) • 8.Zen III (for two, 2018) • 9.Promenade pres d’Argenteuil (for solo, 2016) • 10.The Day of Split (for solo, 2018) • 11.Les yeux clos (for solo, 2019) • 12-14.Yume – Trois pieces inspirées des tableaux du Douanier Rousseau (for solo, 2015, "12.The Dream", "13.La Charmeuse de serpents", "14.The War") • 15.Secret Garden II (for four, 2018)


プロローグとエピローグの"Secret Garden I, II "は美しい旋律が4saxsで呼応しあう楽曲ですね。全くアヴァンギャルドさは無くヒーリング的で、ヘテロフォニーの様相も見られます。"Zen I, II, III"はスラップタンギングの曲、"3.Kocho no Mai"は邦楽和声的、"5.Ryoanji 2"はJ.ケージの変奏ver.かと思いましたが違いました 1.の2saxs ver.風ですね。

それまで抑えた音色だったのが"6.Dance Dance Dance"では大きめに鳴らしてハイテンポな流れも入ります。調性でターン音型的な旋律は同じですが、一部中東和声も感じますね。ディストーションさせた音で構成する"7.Midnight in Warsaw"、運指練習の様なハイテンポの"10.The Day of Split"、それぞれ押し付けがましい音は出しませんね。

タイトル曲の"11.Les yeux clos"は静スローの幽幻さが印象的でフルートで吹いている様な音色で入り、スラップタンギングとの併用です。珍しく一部で跳躍音階が使われていて、一番楽曲変化が大きい曲ですね。そして3パート構成17.5'の"12-14.Yume"で総括しています。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  タイトル曲"11.Les yeux clos"です




技巧と和声で練られていますが、基本は緩やかなヒーリング的音楽になっています。独特の浮遊感があるのは跳躍的な音階が少ないからかもしれません。

もしかしたら"野田音楽運動療法研究所"関係の音楽?!なのでしょうか。とても不思議なサクソフォーン・アルバムですね。



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1982 武満徹世界初演曲集:岩城宏之 & 札幌交響楽団

興味深いアルバムがいきなりDGから登場ですね。

1982 Historic Recordings
(Toru Takemitsu, 1930-1996)
Hiroyuki Iwaki, Sapporo Symphony Orchestra
本2021年「武満没後25年記念企画」のアルバムですね。演奏は武満サウンドで知られる札響、そして武満さん自らも立ち会って、指揮は初演マニアの岩城さんですから初演集になりますねw ご本人曰く"水のシリーズ作品"だそうです。

武満さんなので今更の紹介文は割愛。晩年に近づき調性回帰の美しさを聴ける1982年作品ですから楽しみです。時代も前衛の停滞期に入って久しい時期になりますね。

1982年6月27日 札幌市民会館 「武満徹世界初演曲 札響特別演奏会」からで、2CD, 1.5時間ですが2枚目の52分は武満さんの当日の講演です。"音"に対するこだわりやJ.ケージ、調性回帰について語っていてとても面白いですが、今回そこのインプレは勿論ありません。







1. A Way A Lone II, for String Orchestra
押しては引く様な幽幻神秘な弦楽奏曲ですね。調性動機の反復変奏的構成が存在して無調やセリエル時代からの決別は明確です。基本的にはホモフォニーで時にフーガの様に構成されます。流れの中にシェーンベルクの"浄夜"を思い起こさせる様な気配がありますね。そう言う意味では新ロマン主義的なのかもしれません。


2. Toward the Sea II, for Alto Flute, Harp and String Orchestra
  1. The Night - 2. Moby Dick - 3. Cape Cod
アルト・フルートとハープと弦楽オケの協奏曲です。"1. The Night"は尺八の様なflと箏を思わせる様なコンチェルトですね。バックの弦楽奏はここでも出し入れの強い流れを作っています。
"2. Moby Dick"では変化と幽幻さを増して表情やストリー性を感じる流れを作り、"3. Cape Cod"はフルートの反復とハープのコードが印象的ですね。
全体的にアンダンテ風、3パート共に終盤に現れる美しいハーモニーが武満さんらしさです。


3. Dreamtime, for Orchestra
基本的な楽風は1. 2.と変わりませんが、管楽器が入る事で幽幻な弦楽奏が生きて来ますね。特に弦楽に絡む木管はフィットしている感じです。鍵盤打楽器や金管もキラキラとした幽幻さを演出しています。武満さんらしい透明感ある幽幻さが光る一曲ですね。ディナーミクも一番強いでしょう。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  米女性指揮者オールソップとボーンマス響の演奏です
  こちらの方がディナーミクを抑えて透明感が強いかも




前衛が多様性時代に入ってからの調性基軸の幽幻な音楽です。今の時代のクラシック音楽の一つ流れ、その源流の様に思えますね。

確かにやや寂しくはなりましたが、前衛から調性への足掛かりともなった"カトレーン"から繋がる美しい風景は普遍ですね。

意外や最も楽しめたのは武満さんの講演だったかもしれません。実験音楽への熱い思いも語られて、札響へ愛情も伝わります。最後の質問の答えは秀逸ですね!!



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フィレンツェ五月音楽祭2020 ヴェルディ歌劇「オテロ」をNHKプレミアムシアターで観る


COVID-19影響下でストリーミング中継となった昨年11月の "Maggio Musicale Fiorentino" のオペラ「Otello」ですね。注目は85歳になるメータの指揮とビナスコの新演出でしょうか。



(タイトルロールのSartoriのYouTubeより)



演 出
ヴァレリオ・ビナスコの演出は今の時代としては古典的な印象でしょう。
ストーリーの置き替えは無く、プロジェクションマッピングも無く、舞台と衣装もストーリーに合わせています。もちろん前衛的な仕掛けはありませんね。オテロの最後も血も出ませんし当然ストーリー自体を弄るなど無く、その分安心して楽しめたかもしれません。個人的には何か尖った物をいつも期待してしまいますが。

舞台・衣装
時代考証的には全然合っていませんが、それとなく軍服でありそれとなくドレスです。舞台もそれなりに大物配置で違和感がありません。違和感があるのが今の時代の主流だとすれば、少し物足りないかもしれません。

配 役
【女性陣】デズデモナのレベカはもう少し悲劇の主人公らしさが濃くても良かった様な。Sopは良いのですが第一幕の幸せの絶頂からのラストは落差不足の印象が残りますね。もっと可哀想に思いたいです。
ピーヴァのエミリア役はそもそも出番が少ないのですが、それでも印象は薄かったでしょうか。

【男性陣】三人の男性陣がそれぞれフィットしていました。特に憎まれ役ヤーゴサルシですね。この役がハマらないと楽しさ半減ですが、表情から演技そして歌いがまさに嫌なヤツでしたw
カッシオのシュッカは見るからに人が良くて真面目さがありましたね。ハイトーンのテノールもフィットしていました。タイトルロール, オテロのサルトーリはどうもお人好し的な丸顔印象が勝ってしまいますが、伸びのあるテノールが冴えていました。ドラマティコと言うほどでもないかもしれませんが、オテロとデズデモナやヤーゴとの嫉妬渦巻く重唱は聴かせてくれました。

音 楽
メータらしく派手な構成の曲を派手派手しく鳴らしましたね。常時着座で、カーテンコールでは杖を、歳をとりましたネェ。


一言で言えばサルシの演じるヤーゴを楽しむオテロでしたね。次にオテロとデズデモナとの嫉妬と失望の重唱。と言う事は王道のオテロが楽しめたと言う事になるでしょうか。(個人的にはヴェルディの嫉妬系オペラは好きになれませんw)

今の時代としては演出に斬新さが欠けたのは残念ですね。どうしても前衛的方向を望んでしまうので…w

それにしてもカーテンコールはあまりに寂しすぎました。全体的にネガティブなインプレになってしまい申し訳ない感じです。



<出 演>
 ・オテロ:ファビオ・サルトーリ [Fabio Sartori]
 ・デズデモナ:マリナ・レベカ [Marina Rebeka]
 ・ヤーゴ:ルカ・サルシ [Luca Salsi]
 ・エミリア:カテリーナ・ピーヴァ [Caterina Piva]
 ・カッシオ:リッカルド・デッラ・シュッカ [Riccardo Della Sciucca]
 ・ロデリーゴ:フランチェスコ・ピッタリ [Francesco Pittari]
 ・ロドヴィーコ:アレッシオ・カッチャマーニ [Alessio Cacciamani]
 ・モンターノ:フランチェスコ・ミラネーゼ [Francesco Milanese]
 ・伝令:フランチェスコ・サムエーレ・ヴェヌーティ [Francesco Samuele Venuti]

<合 唱> フィレンツェ五月音楽祭合唱団
<管弦楽> フィレンツェ五月音楽祭管弦楽団
<指 揮> ズービン・メータ [Zubin Mehta]
<演 出> ヴァレリオ・ビナスコ [Valerio Binasco]


収録:2020年11月30日 フィレンツェ五月音楽祭劇場(イタリア)

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キャロライン・ショウ(Caroline Shaw)「Let The Soil Play Its Simple Part」Sō Percussionコラボ第二弾

今回インプレも米現代音楽です

Let The Soil Play Its Simple Part
(Caroline Shaw, b.1982)
グラミー賞受賞の"Orange"では少々ガッカリだった米女性現代音楽家のキャロライン・ショウですが、次の"Narrow Sea"では本ブログお馴染みのソー・パーカッションと組んで素晴らしい作品でしたね。

今回もソー・パーカッションとのコラボです。"Narrow Sea"で培われたアイディアだそうで、楽曲は基本的にはショウの作品ですが曲によってメンバーとの協業にもなっているとか。ショウのvoiceがフィーチャーされて、Textや一部楽曲はジェイムズ・ジョイスや礼拝式聖歌、そしてアバといった多岐に渡る広さです。ジャンルを超えた多様性になっている様ですね。







Let The Soil Play Its Simple Part
  [1] To the Sky [2] Other Song [3] Let the Soil Play Its Simple Part [4] The Flood Is Following Me [5] Lay All Your Love On Me [6] Cast the Bells in Sand [7] Long Ago We Counted [8] A Gradual Dazzle [9] A Veil Awave Upon the Waves [10] Some Bright Morning

[1]でダークドローンにvoiceのDJサウンドが入ったりする面白さにショウのポップな歌が入ってきます。ポップベースの面白さの扉を開きましたね。[2]でもその色合いが明瞭で、Sō Percussionが刻むリズムもそのラインです。[5]はABBAの曲だそうですが一工夫、voiceが三声部になってポリフォニカルに被っていますね。[9]はエレクトロ・ノイズを挟んで、[10]は聖歌ベースにと変化を見せています。
楽器編成の音色変化を生かしながらポップと言っても一括りには出来ないのは流石です。

もう一つの流れはSō Percussionの一つの楽器とショウのvoiceとのデュオですね。[3]はスティール・ドラムとのDialogue、[7]はドラムとエフェクトしたvoiceとの、と言った個性的なサウンドになっています。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  [5] Lay All Your Love On Me です
  "Don't go away"が響きます




エレクトロニクス的な音も挿みながら、楽器編成とサウンドも含めた多様性のポップ系米現代音楽ですね。反復はあっても所謂(いわゆる)ミニマル感はほぼ感じられなくなりましたし、類型的な楽曲の並びも感じられません。

いかにもN.Y.ブルックリンのポップカルチャーサウンドになってきましたね。個人的には、今の一つの流れになったのではないかと思います。(勝手な事を?!w)



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