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現代音楽ヴァイオリン&ピアノDuo集『Phantasy of Spring』フェルドマン | B.A.ツィンマーマン | シェーンベルク | クセナキス



Phantasy of Spring
(Carolin Widmann, vn | Simon Lepper, pf)
カロリン・ヴィトマン(vn)が選んだ20世紀のビッグネーム前衛現代音楽家のヴァイオリン・ソナタ集ですね。いずれ紹介無用の四人でしょう。

1.(1978, フェルドマン)と4.(1979, クセナキス)が前衛停滞が明らかになった1970年代、それに挟まれる2.(1950, B.A.ツィンマーマン)と3.(1949, シェーンベルク)が前衛全盛の1950年前後と言う年代対比が作られています。
面白いのは後者は前衛全盛にもかかわらず新古典主義作品、実験的無調や十二音技法, セリエルが選ばれていない事ですね。

C.ヴィトマンは現代音楽家でcl奏者のイェルク・ヴィトマンの妹ですね。2018年のサントリーホール国際作曲家委嘱シリーズで二人揃って来日したのを思い出します。pf伴奏はサイモン・レッパーです。



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1. Spring of Chosroes [Morton Feldman]
特殊奏法を交えた(?)反復・変奏、そして音数少ない静音構成はフェルドマンらしさでしょうね。vnとpfは時に対位的でDialogue的、調性を感じる旋律を基本に不協和音に崩します。


2. Sonata fur Violine und Klavier [B. A. Zimmermann]
I. Sonata - II. Fantasia - III. Rondo
初期の新古典主義的作品で、"I. Sonata"は出し入れのコントラストが強い流れです。主旋律(主)と反復(従)のホモフォニー関係が明確で、vnとpfが役割を入れ替えます。途中で舞踏的な民族音楽和声も登場して面白いですね。
"II. Fantasia"は緩徐楽章で、二つの楽器の関係はここでも主従ですが尖った印象を受けます。
"III. Rondo"は刺激の強い流れが帰って来ます。主従関係は崩れず、ツィンマーマンらしい強コントラストを味わえます。

 ★試しにYouTubeで観てみる?
  "I. Sonata"です。演奏はCDの方がレベルが高いですが
  Rachel Koblyakov(vn)、Orlando Bass(pf)です



3. Phantasy, Op.47 [Arnold Schoenberg]
渡米後の晩年の作品 "ヴァイオリンのためのピアノ独奏付き幻想曲" ですね。
一瞬 2.の延長の様な印象ですが、vnとpfの協調性は1.に近い対話の様な形になっています。そしてその流れが2.の様な従が反復のホモフォニーにも変化します。そう言った様相変化がある新古典主義が米でのシェーンベルクでしょう。


4. Dikhthas [Iannis Xenakis]
いきなりpfの左右手ポリフォニカルで激奏(走?)で驚きます。調性基軸ですがvnもpfも鳴らしまくってクセナキスらしさ全開、楽器は二つですが時にポリフォニーにさえ聴こえます。神経質な響も持ち合わせて表情変化も大きく 楽しめますね。



作曲者の個性が明確な素晴らしい四曲と演奏でオススメの一枚です。調性ベースの多様性と新古典主義で安心感?もありますねw

興味深いのは2.3.の新古典主義作品で、B.A.ツィンマーマンは初期でシェーンベルクは晩年。実は二人の作風を代表する年代ではありません。あまり味わえないこの時代の素晴らしさが聴けるのも嬉しいですね。
(ツィンマーマンはコラージュの後期、シェーンベルクは後期ロマン派から十二音技法への渡米前がメイン)




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





ミルトン・バビット(Milton Babbitt) の「Piano Works」で聴く20世紀前衛音楽の限界



ミルトン・バビット
(Milton Babbitt, 1916–2011)
個人的には興味が湧かない古い前衛現代音楽家の一人、M.バビットです。今更にはなりますが。
年代的にはジョン・ケージ(b. 1912)と同じ1910年代生まれです。欧エクスペリメンタリズム前衛で吹き荒れたセリエルの源流と言われる米現代音楽家で、その欧三羽烏(シュトックハウゼン, ブーレーズ, ノーノ)は1920年代生まれになりますね。要は前衛全盛期の音楽家と言う事になります。

元々数学に素養を持っていて、"time-point technique"と言ったセリエル技巧を駆使する頭デッカチ前衛の代表ですね。新しい音色を探してエレクトロニクス(シンセ)を目指した時期もありました。



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Piano Works
(Robert Taub, pf)
M.バビットの作品変化を聴ける年代別のピアノ曲集です。

【第一期: 1935-】新ウィーン楽派の影響から十二音技法やセリエルを構築しつつ、同時に数学研究も並行して進めています。

【第二期: 1961-】電子音楽に興味を持ち "RCA Mark II Synthesizer" を駆使する様になります。目的は刻むリズムの正確さよりも音色にあったそうです。そして、アコースティックとエレクトロニクスを協調させる方向に向かいます。時代はポスト・セリエルが叫ばれる様になりますね。

【第三期: 1980-】エレクトロニクスから十二音技法・無調へ回帰しますが、そこには調性との融合が図られているそうです。時代は既にセリエル終焉、調性との多様性になっています。

ピアノはバビットの技巧を弾きこなした事で知られるロバート・タウブです。







1.【第一期: 1935-】
1. Three Compositions (1947) - 2. Duet (1956) - 3. Semi-Simple Variations (1956) - 4. Partitions (1957)
無調のピアノ曲です。1.では"速・遅・速"の3パートでディナーミクとアゴーギクの設定が明確、調性音楽からの音の崩しを感じます。

2. 3. 4.は2分以下の習作的小曲ですが、点描・跳躍音階が明確になって十二音技法かセリエルかと言った音楽に一気に変化しています。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  "3. Semi-Simple Variations"、スコア付きです



2.【第二期: 1961-】
5. Post-Partitions (1966) - 6. Tableaux (1972) - 7. Reflections (1975)
5. 6.は点描音列配置的で、習作的な4.の作品化のイメージ。7.はpfとテープ(シンセ)の曲で、pfは従来と変わりませんが、シンセは金属系ノイズの様な音色で対位的(装飾的?)に並べて来ます。コラボ的な構成で唯一面白さがあるのが7.ですね。


3.【第三期: 1980-】
8. Canonical Form (1983) - 9. Lagniappe (1985)
8. 9.では機能和声の旋律が僅かに感じられます。ただ音の並びが点描・跳躍的で古い十二音技法・セリエルの印象しか残りません。そうなるとこの時代のポスト・セリエルの代表である "調性を含んだ多様性" には聴こえません。



面白みがあるのは調性崩しの1.とシンセとのコラボの7.ですね。それ以外は十二音技法やセリエル特有な点描表現なのでどれも同じ曲に聴こえてしまいます。

1980年代の調性との多様性になっても同じなので、結局は"十二音技法 → セリエル → 行き止り" を再確認するだけ になってしまいますね。

とは言え、バビットの全貌が見渡せますのでそこに興味がある方にはピアニストを含めて貴重な一枚に違いありません。




テーマ : クラシック
ジャンル : 音楽





廣田洋子さんのピアノで聴く「Schoenberg Piano Music」調性から十二音技法へ



Schoenberg Piano Music and His 17 Fragments
(Yoko Hirota, pf)
日系カナダ人ピアニストで現代音楽ピアノ曲を得意とされる廣田洋子さん、現在は教授や芸術監督と言った活動もされているそうです。

今回はシェーンベルクのピアノ曲を年代順に聴ける様になっています。1.は調性から無調へ、2.は無調から十二音技法へ、と言った楽風変化がポイントですね。その時代らしい小曲編成で、いずれも2, 3分以下、長くて6分台、フラグメント(断片)は1分以下もあります。

その中では廣田さんがウィーンの"Schoenberg Archive"で見つけた4.の"17 fragments"(17の断章)がメインになるでしょう。
"Schoenberg Symposium"でもシェーンベルクの三人のお子さんの前で演奏を披露しているそうで、ブラームス寄りの調性1900年頃から1933年頃の十二音技法作品まで網羅されています。その後シェーンベルクは米国移住(1934)し、新古典主義と向き合います。

本作品は廣田洋子さんの同名アルバム(2005年)の再編集版になるそうです。







1. 3 Klavierstücke Op. 11 (1909)
「3つのピアノ曲」ですが、既に調性を逃れる姿勢は明確です。多変調的無調?!に崩しているのはハッキリわかりますね。調性旋律感を残すとは言え、それまでの後期ロマン派印象を浮かべるのは既に難しいでしょう。


2. 5 Klavierstücke Op. 23 (1920-1923)
「5つのピアノ曲」、まだ旋律感が残る無調の印象が強く、5つのパートにも速度表記が残されています。1.の延長線上にありますね。part.3から跳躍音階が現れて僅かに点描的になるのは いよいよ十二音技法への道筋?! まだ反復等がありますが十二音技法前夜と言った感じでしょう。part.5「Walzer」は十二音技法と言われています。


3. Klavierstück Op. 33a (1928), 33b (1931)
二つの「ピアノ曲」で十二音技法ですが、ヴェーベルンの印象に比べるとディナーミク等で調性的な流れを残していて実験的な印象は薄く感じますね。表現主義というイメージの方が強いかもしれません。廣田さんのpfもそういう弾き方の気がします。


4. 17 Piano Fragments (おおよそ1900-1933)
「17のピアノ断章」廣田さんが書かれた断章区分を元に聴いています。
#1-#4 Fragmentsは1900年頃の明確な調性音楽でブラームス的スケルツォ、その中で#4(1905-06)は半音階を含み、多少の色合い変化を見せます。

#5-#8は1909年頃でOp. 11に似て一気に調性感が薄まります。対位法から無調へ、右手・左手は独立した印象が強くなり音域広く駆け巡る感じです。
#9, #10, #11ではディナーミクを強め、テヌート, クレシェンド, ディミヌエンド,と言った表情付けを一層強まります。特に#10では静の美しさで流れを変えて来ます。

#12はOp. 25と33の間の年代で、それまでとは異なるFragmentになってプロコフィエフの調性感が確かに感じられて面白いですね。なぜこのタイミングで奇妙なモードを考えたのでしょう?!

#13-#16はOp. 33の時代に書かれ、#13では流れが戻って無調・点描・跳躍音階となって いかにも十二音技法の印象を感じます。#15, #16ではテヌートの様な表現方式を入れていませんから表情は薄まってその感が強まりますね。#17は十二音技法で書かれているそうで、その延長上を感じます。



調性から無調、十二音技法へという、シェーンベルクの音楽変遷をピアノで味わえます。

特にその変遷は「17 Piano Fragments」で明確で、オススメの一枚になります
実際には十二音技法は技法を元にスコアでも見ないと聴いただけでは難しいです… (それでもわからない?!)

この先にヴェーベルンの目指すセリエルがあるわけですが、このアルバムを聴くとシェーンベルクの無調系は表現主義と今更ながら思います。勝手ながら廣田さんのpfにもそれを感じました。



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タリヴァルディス・ケニンシュ(Tālivaldis Ķeniņš) の「交響曲第1番 | 2つの協奏曲」今の時代のクラシック



ターリヴァルディス・ケニンシュ
(Tālivaldis Ķeniņš, 1919/4/23 – 2008/1/20)
ラトビア生まれでカナダで活躍した現代音楽家ですね。父親がソ連占領下で国外追放となりパリに逃れて1945-1951の間パリ音楽院でメシアンに師事していますね。その頃はピアニストで生計をたてていた様で、室内楽でピアノが活躍するのはそう言った経緯もありそうです。

1951年(頃)にはダルムシュタットにはセプテットで登場、その時の指揮者は何とH.シェルヘンだったそうです。同年カナダに移住。翌年にはトロント大で教鞭を取り始めて32年間続け、カナダでは委嘱作品が多い音楽家だったそうです。
経歴から見ると前衛に感じますが全くその方向はありませんw



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Symphony No. 1 | Two Concertos
タイトル通りで、室内楽協奏曲2曲 と 交響曲第1番ですが、1959-1990と年代が離れているので楽風変化が感じられるかもしれませんね。

インプレはアルバムの順ではなく作曲年代順です。(No.がアルバムの並び順です)







3. Symphony No. 1 (1959)
入りは民族音楽和声の暗く鬱な流れで、出し入れの変化が強い構成になっています。僅かにショスタコーヴィチやプロコフィエフを思わせる旋律が感じられ、緩徐楽章ではより明確なモードと反復・変奏が主体になっていますね。オケを鳴らすというよりも、個々の楽器の音色を生かした音作りと言った感じです。
機能和声ではなくモードな交響曲ですね。


1. Concerto di camera No.1 (1981)
  for piano, flute, clarinet and strings
22年後の"室内協奏曲第1番"、ピアノを中心とした室内楽です。民族音楽和声は消えて調性の新ロマン主義的な幽玄さを纏った音楽に変身しています。この幽玄さは今の時代に通じるクラシック音楽の主流的印象ですね。緩徐楽章ではpf, fl, cl, が協奏曲的な絡みを見せつつ、ここでも反復・変奏が主になっています。また出し入れの強い流れは健在ですね。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  2nd mov. 緩徐楽章です



2. Concerto for Piano, Strings and Percussion (1990)
9年後の"ピアノ協奏曲"です。まずは縦横無尽のピアノとパーカッションが元気です。出し入れコントラストは明確で、一つの楽章の中でもアレグロとアダージョが並ぶ様な構成ですね。楽風は調性で不協和音の様な逸脱もほぼありません。それでも今の時代らしい流れを感じられるのがケニンシュなのでしょう。



民族音楽和声から幽玄で自由な機能和声へ。前衛に与しない20世紀現代音楽ですね。

出し入れの強さ、緩徐楽章での反復・変奏と言った流れは常にキープされていますね。調性になっても幽玄さを軸とする今の時代のクラシック音楽で古臭さはありません。もっとコンサート等で採用されてもいい様に思えますね。




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ジャンル : 音楽





ヴァルター・ツィンマーマン「Voces Abandonadas」ヴィルトゥオーゾのニコラス・ハッジスのピアノで



ヴァルター・ツィンマーマン
(Walter Zinnmermann, 1949/4/15 - )
ドイツの現代音楽家です。モートン・フェルドマンからジョン・ケージ、そしてミニマルといった米国音楽からの影響、故郷フランケン地方の印象表現、激情的な展開を否定しているのが特徴です。

とは言え電子音楽も習っていて、時にはClinamen VIの様に速くカラフルな構成も見せますね。親日家でもあり、竜安寺からインスピレーションされた作品も演奏しているそうです。



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Voces Abandonadas
(Nicolas Hodges, pf)
ピアノ曲集です。ピアノ曲についてはM.フェルドマンの影響が強いと言われているので聴く前から想像出来てしまいますね。メインは唯一30'を超える1曲目のタイトル曲で、アルゼンチンの詩人Antonio Porchiaの詩を元にした514のフラグメントで構成されているそうです。

ピアノはお馴染み現代音楽超絶技巧派を代表するピアニストのニコラス・ホッジスですね。







1. voces abandonadas (2005-06)
1-1. Primera serie. Für Helmut Lachenmann zum 70sten / 1-2. Segunda serie. Für Morton Feldman zum 80sten
楽曲タイトルにある通り、二つのセリエル曲ですね。21世紀なのに点描跳躍音階でビックリ!! その後トレモロが入ったりしますが、露骨な無調点描ですから時代錯誤感が強いです。M.フェルドマンの影響は音数が少ない静音構成に現れていますね。高頻度の変拍子設定でリズム変化の出し入れがあるのですが、それでも強烈な睡魔が襲って来ます!!

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?
  スコア付きで、pfはハッジスです


2. the missing nail at the river (2003-04)
toy piano が入りピアノ連弾曲です。基本構成は1.と同じですが、5'の長さとそこの分だけ退屈さを回避しているかもしれません。

3. blaupause (2003)
次の4.とセットの様な曲ですが…

4. blueprint (2004)
3.と元を同じくして、休止パートに倍音発生の音を挟みます。それでも興味の範疇外かと。

5. romanska bågar (2004)
左手のピアノ曲です。

6. aimide (2001-02)
6-1. Cura / 6-2. Fuga / 6-3. Svara
3パート楽曲です。一番古いこの曲には調性感がありますが、それだけです。



いかなる技法を取り入れようが、古くて・単調で・自由度の無い時代錯誤的セリエル音楽ですね。

処々に三度・五度があるので十二音技法ではないでしょう。またスコアからトータルセリエリズムでもありません。行き止まりのセリエル音楽を一度聴いてみたい方は上記YouTubeからどうぞ。




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ツェムリンスキー「人魚姫」と シュレーカー「王女の誕生日」をワシリー・ペトレンコ指揮RLPOで



Zemlinsky "Die Seejungfrau"
Schreker "Der Geburtstag der Infanti"

1870年台生まれのオーストリアの作曲家二人を並べましたね。シェーンベルクと同年代ですから、後期ロマン派から無調/セリエルに向かう時代になります。二人とも当初は古典的流れから後期(ドイツ)ロマン派の流れに変化し、最後は調性旋律からの乖離を目指しています。今回の二曲は後期ロマン派時代の作品になりますね。

ワシリー・ペトレンコ(Vasily Petrenko)は20歳台(29)でロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団(RLPO)の主席指揮者(2006-2021)に就いています。その手兵RLPOとの演奏です。








アレクサンダー・フォン・ツェムリンスキー
(Alexander von Zemlinsky, 1871-1942)
ツェムリンスキーと言えば、このブログではマーラーの奥様になる前のアルマの指導者で元カレの印象ですw
ツェムリンスキーの代表作で、この曲くらいしか浮かばない「人魚姫」ですが、今回の注目は原典版の採用です。スコア14頁とも言われるカット部分を再現しているそうですが、たまにコンサート前に聴く程度なのでそのポイントはわからないと思います。

■1. 人魚姫 (1903)
 1st mov.は暗く鬱ながら美しい海底描写から'人魚姫の主題'を優しいvn独奏で対比させます。この辺りはR.シュトラウスを思わせますね。後半は出し入れを強く嵐を表現、ゲネラルパウゼの後は色濃い流れにしています。
2nd mov.の入りの派手さは約束通り、その後の人魚姫が人間になる希望や失望を変化を強くつけていますね。文字通り標題音楽的な表現になっている感じです。
3rd mov.も陰影の強さがストーリーをトレース、ラスト死から救済へ向かう澄んだ静の美しさからのエンディングは見事です。



フランツ・シュレーカー
(Franz Schreker, 1878–1934)
シュレーカーの印象は曲よりもDECCAの退廃音楽シリーズですね。ナチスが烙印を押した"退廃音楽"の対象は、楽風だけでなくユダヤ人音楽家にも向けられ、シュレーカーはその対象でした。

■2. 王女の誕生日 (1908)
 美しさ・軽妙さ・心地よさ、と言った流れで明確な調性旋律とホモフォニー、パントマイム音楽だそうですが標題音楽ですね。「人魚姫」に比べると激しさのパートが少なく、代わりに祭典風の華やかさが広がるパートが特徴的です。甘美な後期ロマン派作品といったイメージでしょうか。



"人魚姫"はいかにも標題音楽的な表現の濃さ、"王女の誕生日"は穏やかな旋律と華やかさで、まさに後期ロマン派らしい二作品を楽しめます

明快な心地よさを鳴らすペトレンコRLPOの演奏もフィットして、貢献していますね。

話は違いますが、指揮者でペトレンコと言うとどうしてもBPOのキリルさんが浮かんでしまうのですが…汗




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Sachiko M / 坂本龍一 の『snow, silence, partially sunny』前衛ノイズ音楽



snow, silence, partially sunny
(Sachiko M + Ryuichi Sakamoto)
Sachiko Mさんのサイン波ノイズ "キーン" と 坂本龍一さんのピアノのコラボです。

本blogではサチコMさんも紹介済みですし、当然ながら'教授'の紹介は無用でしょう。現代音楽と言っても片やガチガチの前衛電子音ノイズ、もう一方はクラシカルベースのマルチでポップから前衛, 映画音楽, アンビエントまで多彩。
でも何となく予測可能な気配も感じます。それを超える様な意外性の期待感にワクワクしたのを思い出しますね。







snow, silence, partially sunny
前半のfpは特殊奏法、主に弦を使った、を使ってノイズを作り出します。始めは鍵盤からの素直なピアノ音はありません。サイン波は"キーン"ですが、ボツ・ボツと言ったスイッチング・ノイズの様な音も出して来ますね。

中盤ではpfにキー打鍵による高音が現れ、点描的旋律がサイン波を背景にポツポツと出現。例によってサイン波は倍音発生の無い"キーン"の連続ですから頭が痛くなりそうですw

後半はpfに美しいメロディが使われ、音数は少なくスロー静でメロウですね。サイン波は変化に乏しいのが弱点に感じてしまいます。

流れは静の空間と緊張感アコースティック(ノイズ)vsエレクトロニクス・ノイズです。

 ★試しにYouTubeで聴いてみる?


ノイズ系の空間音響音楽ですね。ピアノは三段階変化ですが、サイン波に多様性が薄いのでpfがどうしても主役になってしまいます。後半のpfはノイズではありませんね。



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